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「まじめな話」の板

7787蒼天の實相:2018/11/12(月) 02:15:37
>>7786

〜持明院統皇統皇位〜
(上記のつづき)2

ところが、光厳法皇が崩御すると、後光厳天皇は自己の子孫に皇位を継承させたいと願い、室町幕府にその意向を示した。折しも幼少の将軍足利義満の時代であり、管領として義満を庇護していた細川頼之は幼少の将軍では判断が難しい事を口実として、天皇の聖断に従う意向を示した。これに従って後光厳天皇は実子の後円融天皇に譲位、更に11年後に後円融天皇が実子の後小松天皇に譲位した際にも既に成人していた義満はこれに同意し、後光厳院流が皇位を継承することを支持する態度を示した。これに崇光上皇は激しく反発して実弟や甥と対立したものの、義満の権勢の前には如何ともしがたかった。加えて南朝方と依然交した誓約は後光厳院流に対しても有効であるとみなされ、崇光上皇は失意のうちに崩じた。崇光院流の後継者で本来であれば将来の皇太子に予定されていた栄仁親王は祖父の光厳法皇から保証されていた持明院統相伝の所領のほとんどを後小松天皇に奪われ、失意のうちに出家した。親王の子孫はその居所から「伏見宮」と称された。後小松天皇は足利義満・義持親子の庇護を受けて明徳の和約による皇統統一に成功し、続いて長男の称光天皇に皇位を譲り院政を開始した。一方、伏見宮は栄仁親王とその長男の治仁王が相次いで没して衰退の一途をたどっていた。
ところが、称光天皇は病弱の上に子供に恵まれず、儲君とした弟の小川宮も兄に先だって没した。後小松上皇というより、後光厳院流には他に皇位を継承できる男性皇族が存在しなかったために、その断絶の可能性が高くなった。一方、南朝系の人々(後南朝)はこれを見越して皇位継承を求める動きを活発化させていった。苦悩した後小松上皇は伏見宮を継承していた栄仁親王の次男・貞成王を自己の猶子として親王宣下を行い(応永32年4月16日)、万が一の事態に備えようとした。ところが、皇位を奪われるのではないかと不安を抱いた称光天皇が6月28日になって出奔を図った(『薩戒記』)。これに驚いた後小松上皇は一転して貞成親王に出家を迫り、閏6月3日に親王は出家させられることとなった。ところが、これによって皇位継承問題は振り出しに戻っただけではなく、後小松上皇は称光天皇・貞成親王双方との関係を悪化させた。ところが、正長元年7月6日になって遂に称光天皇が危篤に陥った。将軍足利義教は7月13日貞成親王の皇子・彦仁王を秘かに保護した上で後小松上皇に今後の判断を委ねた。上皇は直ちに彦仁王を自己の猶子として皇位を継承させることを決断し、天皇の崩御を経た後の7月28日に彦仁王を自己の猶子として皇位に擁立した。これが後花園天皇である。貞成親王の時の失敗を繰り返さないため、称光天皇の生前にはこの計画は極秘に進められた。このため、新天皇は親王宣下も立太子もなく即位することとなった。
新天皇の元でも後小松上皇が院政を行ったが、貞成親王との確執は収まらなかった。上皇はあくまでも後光厳流の継続を意図して新天皇を崇光院流・伏見宮とは無関係な自分の実子として扱おうとした。これには新天皇の即位によって皇統が崇光院流に復帰したと考えた貞成親王は反発した。後小松上皇は『本朝皇胤紹運録』を編纂させ、南朝の天皇の記述を排除するとともに後花園天皇を自分の子として系譜に書かせ、伏見宮と切り離して記させた。永享5年、既に法皇となっていた後小松法皇が崩御した。その際に3ヶ条からなる遺詔を残したことが『建内記』(文安4年3月6・23日条)及び『満済准后日記』(永享5年10月23日条)から知る事が出来る(ただし、後者は2ヶ条と記されている)。それは、「後光厳院流を断絶させないこと、すなわち貞成親王に太上天皇の尊号を贈って後花園天皇との親子関係を認めることは許さない」、「自分の仙洞御所を伏見宮(貞成親王)の御所にしない」、「自己の追号を後小松院とすること」であった(『満済准后日記』は尊号と仙洞御所の件を合わせて「後光厳院流を断絶させないこと」の1ヶ条とみなしたために2ヶ条と記されているのである)。後小松法皇の側近たちはこの遺詔に基づいて「実子」である後花園天皇が父である後小松法皇の喪に服する「諒闇」の儀式を行うべきと主張した。当時の公家政権に大きな影響力を有した前摂政一条兼良や准后満済、将軍足利義教らがこれに同意したために諒闇が実施されることとなった。この際満済はかつての崇光天皇が南朝方と誓約した件を持ちだし、崇光院流には皇位継承権がないことをほのめかす主張している(『満済准后日記』永享5年10月23日条)。これに貞成親王は激怒し、兼良や満済の天皇への不忠を詰っている(『椿葉記』)。
〜〜下記へつづく〜〜3


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