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「まじめな話」の板

5276シャンソン:2017/09/13(水) 17:07:16
>>5275

逆に、大学を出て、その後、就職しないで三年、五年と過ごしてしまって、どこの組織にも
所属していない人は、どこか浮ついていて、根が下ろせていません。通過儀礼を受けないで二十代を過ごすと、三十代になって
大きな壁に直面することが少なくありません。

 真鍋昌平さんの漫画『闇金ウシジマくん』に、「鬱ブログ」を書いている
三十五歳になるフリーターの宇津井が登場します。両親の家で暮らし、親から子遣いをもらい、両親に向かってキレる。借金が膨らむ一方なのに
ギャンブルがやめられない。ホームレスになったりと、いろいろあったあげく、親が病気になるなかで、自分でなんとかして借金を返していこうと思うようになる。
この話は自己形成小説的です。

 自己形成小説といえば、ロマン・ロランの作品に『ジャン・クリストフ』という長編小説があります。
貧しい音楽一家に生まれた主人公のジャン・クリストフが、人間として、芸術家として、不屈の気魄をもって、生涯、真実を追求しつづけるという物語です。
この小説を大学生と読んで、大人になるプロセスで踏まなければならない段階を考えてみたことがあります。

 一人暮らしをしたことがあるか、異性と付き合ったことがあるか、仕事に就いたことがあるかなど、十段階ぐらいで挙げて、その階段を何段登ったかをチェックしてみようと
いうことで、リストを作ってみたのです。この<通過儀礼リスト><イニシエーション・リスト>をもとに、この三年間を見渡してみたら、自分は通過儀礼的なものを避けてきた、
逃げてばかりいたのではないかなどと、学生たちは自分が見えてきました。

    『世界の見方が変わる50の概念』 斉藤孝 著


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