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「まじめな話」の板
2505
:
シャンソン
:2016/07/23(土) 02:49:23
>>2504
特攻隊員たちは、アメリカ側に見つからないように森の中に点在する三角兵舎と
呼ばれる宿舎で最期の1日を過ごします。形見を渡したくても、なにもないから、最後にふみしめた小石を
手に取り、お世話をしてくれた人に渡し、飛び立っていった者。
「死んだら、ホタルになってここ(鳥濱トメさんの富屋食堂)に戻ってくるよ」といい残して飛び立っていった者。
自分の手持ちの本の、ある文字に〇をつけてメッセージを残して飛び立った者。〇で囲まれた文字をつなげると、「きょうこちゃん
さようなら わたしは あなたをあいしている」という文字に。片思いの幼なじみ、きょうこさんへのメッセージでした。
特攻隊で亡くなった若者の人数は4400人にものぼります。
いつか死ぬ身であるならば、いま最大の国難に立ち向かうことで、愛する人を守れるのではないかと、彼らは希望を描いたのです。
現場を案内していただきながら、鳥濱さんからいろいろな話を聞かせてもらいましたが、なかでも、少年飛行兵の教官、藤井一中尉のことが忘れられません。
教え子たちが次々に特攻隊として死んでいく。
しかし、教官の自分は安全な場所にいる。「日本が大変なときに、オレは教えるだけでほんとうにいいのか」
藤井中尉の自問自答が始まるのです。
特攻に飛び立つ少年兵と違い、教官の藤井中尉には、妻も子どももいました。
自ら特攻志願をすれば、妻と子どもとは永遠のサヨナラです。妻は特攻に行くのは大反対で、夫の志願を来る日も来る日も
懸命に思いとどまらせようとしました。藤井中尉は悩んだ末、選んだ道は....教え子に対して、「お前たちだけを死なせはしない」。
そう、命を投げ出す特攻の道でした。
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