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勝ち得た光景

1名無しさん:2012/07/11(水) 19:13:59
筆者はドヤ街にあらぬ下町で歩いていた。
2月の真冬なので寒い。
当時、流行っていたヤンキー革ジャンを来ている。
就職するにはしたが、女だらけの職場に配属され機嫌が悪い。
そんな空気を漂わせながら筆者はモクモクと歩いている。

2名無しさん:2012/07/11(水) 19:15:09
ふと、昔バイトをしていた女と出会う。
偶然とはいえ、思い出のアルバムに仕舞い込んでいる女と出会うのはおもしろい。
互いに近況を告げ、そのまま筆者は跡にする。――そのつもりだった。

3名無しさん:2012/07/11(水) 19:16:19
名前は照子(仮名)。中学は剣道。高校は水泳をやっていたらしい。
中高はまったくと言ってモテなかった。
ところが、眉毛を変えた途端、急にモテ出すようになった。と、本人はそう語る。

4名無しさん:2012/07/11(水) 19:17:00
「今、大変なんですよ」
照子は言う。また海老原(仮名)がゴネているらしい。その時の状況が目に浮かぶ。
「なかなかおもしろそうだな」
揉め事と言うのは、当事者は迷惑そのものだが、現場を離れた者には無責任なギャラリーとしておもしろい。

5名無しさん:2012/07/11(水) 19:18:16
ちなみ、この海老原は風来坊な男である。
日本各地を旅しているらしい。
そのせいかしゃべりが上手く、見掛けこそ悪いが女にモテそうな風勢を持っている。
初対面の人間を褒めまくるところなんかはよほど世を渡っているのであろう。

6名無しさん:2012/07/11(水) 19:19:06
が、第一印象を裏腹にスグキレる。
若い頃はスグキレることを貴徳と考えている者は多い。
しかし、20歳を過ぎてスグキレるのはどうか。
筆者にもそのような経験があって、言ってみればこの海老原は反面教師である。

7名無しさん:2012/07/11(水) 19:19:44
「今何しているのですか?」
照子は筆者に聞く。女ばかりの職場で居心地が悪い、なんて言えるはずがない。
「女ばかりで天国だよ」
こういうのが精一杯であった。筆者と言う男はこのようなシャレがある。

8名無しさん:2012/07/11(水) 19:21:06
実際のところ弁当を喰べながら、尽きることのない他人の悪口を言う女共の姿は滑稽である。
4分の3が女と言う花園の職場に、そのような修羅場があるなんてどう説明したらいいのか。
その後、筆者は同期の女にハメられ首を余儀なくされる。

9名無しさん:2012/07/11(水) 19:21:36
高校の頃、中華の有名な店で働いていた。
オーナーが偉い人らしい。巨人のナベツネみたいな顔をしていて怖かった。

10名無しさん:2012/07/11(水) 19:22:15
筆者はと言うと、厨房で皿洗いばかりさせられていた。
ヤクザと言うよりかは、山賊の集まりのような場所でよく辞めずに働いていたと我ながら感心する。
現に感心されても不思議ではない。厳しかったからだ。

11名無しさん:2012/07/11(水) 19:24:01
「卒業したら正社員にならないか?」
店長に言われる。多くが辞めていく中、筆者は辞めない。
なかなか見込みがあると思われたらしい。
が、あんな下積みの生活がずっと続くと想像しただけで身の毛がよだつ。
が、後に後悔することになる。

12名無しさん:2012/07/11(水) 19:25:09
その後、中華の厨房で働く羽目になるからである。
もし、あのまま居たなら超一流の料理人になっていて、どれほどおもしろい中華を経験出来たか。
夜の布団に潜りながら、独り悔しがり天井を仰いだ。

13名無しさん:2012/08/24(金) 17:50:50
大学卒業後筆者は、せっかく就職した会社を1年も経たずクビになっていた。
が、フルムA片手に仕事を探していた筆者は活き活きしている。
そもそも20代そこそこの若造が将来設定など出来てるはずなどない。

14名無しさん:2012/08/24(金) 17:51:27
それよりも、自分の器量ひとつで世を渡り、人生を切り開こうとする概念が筆者には強かった。

15名無しさん:2012/08/24(金) 17:52:06
2ちゃんねらーを見ていると、20代前後の者が将来に対し不安がっている。
人生の石コロに転倒したらしい。
思いのままに生きられず心に石の礫を投げ、現状が人生のすべてと思っているように感じさせる。
筆者はには理解出来ない話である。

16名無しさん:2012/08/24(金) 17:52:41
フロムAで大手の飯店が載っている。
大手の飯店と聞いて人はどう思うであろう。
飯店には厳しいイメージがあるらしく、そこで働いている人間には尊敬のまなざしすら感じるらしい。
それだけに男女を問わず料理を知らない者は多い。

17名無しさん:2012/08/24(金) 17:53:16
現に飯店には辞める者が後を絶たない。
そのためか絶えず求人募集していて、敬遠にも似た感覚であろう。
が、筆者には前進あるのみで、思いがけぬモノに身を投じるようなところがあった。

21名無しさん:2013/04/05(金) 20:13:50
筆者はそこで面接をした。
元阪神、元オリックスの石嶺のような顔をした店長がやって来て話した。
さらに筆をとって、「いつから来れる?」
と、聞いてくる。
筆者はスグサマ
「いつでのいいです。明日からでも」

22名無しさん:2013/04/05(金) 20:23:06
そのあと、当時付き合っていた女と飲みに行った。
この頃の筆者のおもしろいところは、仕事が決まったあとでも、平気で焼肉を喰べにいくところである。

23名無しさん:2013/04/05(金) 20:23:41
これを友達に話したとき、普通、ニンニクとかの臭いを気にすると言ったが、筆者の辞書では、そんなことを気にするようでは大事は成せぬと、今思えば目が覚めるようなホレボレする考えであった。

24名無しさん:2013/04/05(金) 20:24:19
筆者における中華料理は、自分の表現と言ってもいい。
中華は大雑把だからこそ奥が深いことを知ったし、さらには、中華には永遠絶対の存在があることを知り、ついには「炎の主人」になった。

25名無しさん:2013/04/05(金) 20:24:52
筆者がそこの職場で最初にやったことは野菜を切ることであった。
テレビや漫画はそれを修行と言っているが、むしろ今はそんな大層な業界ではないかもしれない。

26名無しさん:2013/04/05(金) 20:25:26
かつて、皿洗い、ドブ掃除などが、1年は続くと聞いたが、もはや2、3ヶ月でまかないの練習をさせてもらえる。
幸せだった。
高校時代、皿洗いばかりさせられていた筆者にとって、玉葱、ピーマンなどの野菜を切る単純作業は――おもしろかった。

27名無しさん:2013/04/05(金) 20:26:00
厨房側も、とくに料理の仕方は教えない。
厨房の募集に来る者は、料理を覚えに来る者、と、そう解釈している。
とりあえず雑用をさせて、脇目に料理を覚えろ、これが業界の暗黙の了解である。


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