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新また〜り雑談スレッド 2
686
:
神秘の名無しさん
:2025/04/17(木) 18:16:04 ID:kkuC7g/M0
最近、感じている事をAIで物語にしてもらいました。
『赤信号の向こう側』
「また赤か……」
信号が変わるのを待ちながら、佐藤誠一(さとう・せいいち)はふと助手席に目をやった。誰もいない。定年退職後、妻を亡くし、今は一人きりの生活だ。通い慣れた市民体育館に向かう途中、彼はいつもこの交差点で足止めを食らう。前方には、最近設置されたばかりの信号機。だが、周囲に人の姿はない。横断歩道を渡る人など、この半年間、一度も見たことがなかった。
「意味があるのかねぇ……」
ため息と共にアクセルを踏み直すと、すぐに次の信号でまた赤に変わった。誠一はブレーキを踏みながら、昔の記憶を思い出していた。
30年前、彼は市役所の土木課に勤めていた。橋や道路の設計を担当し、地域のためになる仕事に誇りを持っていた。だが今、現場を離れた立場から見ると、妙な違和感ばかりが目につく。人の姿がまばらな場所に設置された信号や歩道橋、立派すぎる公園のベンチ。かたや、山間部の小さな橋は老朽化してボロボロで、地元の人が自腹で補修していると新聞で読んだ。
「国土強靭化、か……。本当に強くなっているのは、どこなんだろうな」
その日、体育館の帰り道。誠一は久々に故郷の町外れへ足を延ばした。彼の祖父が暮らしていた小さな集落だ。そこには、かつて彼自身が設計に携わった小さな橋があった。
「まだあったか……」
橋の欄干は錆び、下を流れる川の音だけが静かに響いていた。案内板も色あせ、今にも崩れそうな気配すらある。だが、その橋を渡らなければ買い物に行けないというお年寄りたちの声が、風に乗って聞こえてくるようだった。
翌日、誠一は市役所に電話をかけた。今の担当課の若者は、少し困惑しながらも彼の話に耳を傾けた。
「ご意見ありがとうございます。検討させていただきます」
―そうして電話は切れた。
変わらないかもしれない。変われないかもしれない。だが、声を上げなければ、赤信号のまま世界は止まったままだ。
帰り道、誠一はいつもの交差点を通り過ぎながら思った。
「信号が変わらなくても、俺は進むさ」
彼の車は、赤信号ではなく、小さな人の願いの橋へと向かっていた。
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