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独占板
4752
:
シャンソン
:2015/10/14(水) 03:50:03 ID:R/WdAt6I
>>4751
しかし、小野田さんは再び祖国日本に目を向けるようになります。
一九八〇(昭和五十五)年、浪人生が両親を金属バットで殴り殺す事件が起こったのを知り、日本の青少年育成のために、自分に何かできることはないかと考え始めたのです。
そこで、ルバング島でのサバイバル体験やブラジルでの牧場経営など、自分が自然から教えられ、自然に鍛えられ、自然に助けられてきた経験を思い出しました。日本の青少年も、
自然の懐に飛び込ませれば、きっとたくましい人間に育ってくれるに違いありません。
そうして数年後に「小野田自然塾」が開かれました。中学生までの少年少女を対象とし、六泊七日という日程で、自然の中で共同生活を送るのです。
例えば最初に火の起こし方を教えたら、あとはすべて子供たちに任せます。自分の力で火を起こして炊事をしたりする経験を通して、子供たちはだんだん自信をつけていきます。
また厳しい自然環境の中においては、何もいわなくても上級生が下級生の面倒を見たりするようになるそうです。
まさに自然が、青少年を強く優しく育ててくれるわけです。
自然塾などにおいて、小野田さんはよく次のように話されました。
みんな人に優しい人になってほしいので、私は自分を強くしておかなければ、「優しさ」は身に付かないよ、と機会あるごとに話しています。
(『君たち、どうする?』小野田寛郎、新潮社)
小野田さんの弁を借りれば、助けてあげたいと思うだけで人を助けることはできません。
思うだけなら野次馬と同じです。例えば寒さに震えている人を助けるためには、自分の上着をその人に貸してあげても耐えられるたくましさが必要です。
つまり「強さ」という根拠・裏付けがあるから、人は人の役に立ち、人のために行動できるのです。
こうして人のあるべき姿を教えてくれた小野田寛郎さんは、二〇一四(平成二十六)年一月十六日に九十一歳で亡くなられました。
生前、小野田さんにお会いする機会がありましたが、少年のように澄んだ優しい目や温かい人柄が強く印象に残っています。
『人生の名言・歴史の金言』 廣池幹堂 著
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