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実相哲学を論じる部屋
498
:
トキ
:2014/12/20(土) 19:53:37 ID:OfWqgBQI
今回は、霊友会会長の久保継成先生のご著書を紹介させていただきます。
久保先生は、霊友会創始者の久保角太郎先生のお子様で、霊友会の三代目の会長に
なられます。しかし、路線対立や、不倫の相手を妊娠させるというスキャンダルで
会長を更迭されます。もともと東大で宗教学を先行された久保先生は、失意の中で
法華経をサンスクリットの原文から日本語に翻訳する、という作業を始めます。
*久保先生は他の宗教団体の方ですが、敬意を表するという意味で「先生」と
敬称をつけます。ご理解ください。
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「法華経」には数ある大乗経典の中でも、特筆すべき教えが説かれています。
大乗仏教が、「一切衆生悉有仏性」、つまり、例外なくみんな仏の性質を持っている
ということを教えていることは有名です。「法華経」もそう説いています。ところが、
そうだけども、私たちが今、現実に”どこに心が向いているか”が問われなければ何も
始まらない、ということが、実は「法華経」の教えなのです。
「法華経」を通して、仏の教えも宝のもちぐされでは意味がない、そうお釈迦様は
私たちに訴えておられるのです。(中略)
”一人の例外もなく、仏になれる可能性を持ち合わせているのだ” こう呼びかける
大乗仏教の教えは、お互いが持ち合わせている善意や平等観と響き合って、誰しも
”納得”という受け止め方をされるものだと思うのです。
しかし実はここに落とし穴があるのです。そして、「法華経」はそこを教えてくれ
ているのです。「法華経」の現代日本語訳を始めて、改めて精読する翻訳作業の中で
私たち夫婦は、そこに気づくことができました。
落とし穴とは何かです。一切衆生悉有仏性と聞くと、納得もし、場合によっては救われた
気にもなって、真に大事なことを忘れてしまうということです。大事な事、それは誰
が考えても、ごく当たり前のことです。宝もうずもれたままにしておいては、何の価値
もないということです。お互いに現実に、価値あるものを生かすという発想がなければ
価値も何の意味も持たないということです。
「自ら人生を拓く」 久保継成著 128pより
(つづく)
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