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Web誌友会 板/2
457
:
復興G
:2013/03/08(金) 12:58:08 ID:AB6RqYXc
テキスト 『生命の實相』 第2巻 第6章より<5>
人生はたとえていえば「心」という役者が演ずる舞台であります。
成功したい者はすでに成功者であるかのように演出し、高徳者になりたい者はすでに高僧であるかのように演出し、健康になりたい者はすでに健康であるかのように眉をのばし、役者がある人物を舞台で演ずるように、心から自分のなりたいと思う人物になりきって人生という舞台で演出するとき、その人の「心」は人生でそれを形に現わすことをうるにいたるのであります。
そして服装はこの演出のさいの気分を助ける一要素となるものでありますから、経済的に成功しようとする者は、それにふさわしい衣装を着て人生の舞台に出るべきであります。次に掲げる実話は生活様式は心を支配し、心は成功を支配する実例として興味あるものです。
今は米国財界に時めく千万長者の某氏は、長いあいだ自分の貧困を脱することができなかったのでありますが、ある日ふと自分の読んだ本に「貧乏とは心の病気」だということが書いてあるのを見出して
「コレだ。自分がいつまでも貧しいのは。今日からぜんぜん生活をやり直そう」
と豁然(かつぜん)さとったのであります。
氏は今まで「自分は貧乏だからできるだけシマツをしなければならない」と、一挙手一投足「自分は貧乏だから」を前提とした生活を送っていたために骨の髄まで心のうちに貧乏の感じがしみとおっている自分を笑いたくなった。氏はそれ以来毎日
「おれは貧乏ではないぞ。心で富を呼び寄せるのだ。貧乏という観念(こころのたね)をおれはもう自分の心から駆逐した。自分は神の子だ。神は無限供給だから、神のもちたまうすべては自分に与えられているのだ。自分は無尽蔵の富を与えられているのだ。その自分を貧しいと思っていたのは自分のまちがいだったのだ。欲しいものはすべて今後は磁石に吸い寄せられるように自分のところへ集まってくるのだ。恐れることはない。今現にきつつあるのだ」
と、公園をひとりで散歩するとき、就寝前の静かなる時などに、耳に聞こえるほどの声で、自分自身に強くはっきりと断定的にいって聞かすことにした。
つまり、これは後に説く「自己暗示法」であって、言葉の力の応用であります。氏はしだいに成功に対する自信を得てきて、今まで心に横たわっていた貧乏の恐怖は消失しました。
今たとい貧しくあろうとも、それは氏にとって消えるべく約束されたる過去の貧しい心の影にすぎないということがさとれたのです。未来には現在心にもっているところの無限供給の確信が形にあらわれてくるに相違ないという自信が強くムクムクと心の底から湧いてきたのであります。
で、氏の生活様式も一変しました。
今まで、氏は何事をするにも「自分は貧乏だから」を前提としていた。食事をとる時には、できるだけ安価な食事をとったし、数マイルのところへ通うにも、自分は貧乏だからとテクついたし、あらゆる生活様式がお前は貧乏だぞと氏の耳元で囁(ささや)いていたのでした。
しかし氏は新しい勇気にかられて生活様式全体で、自分の富めることを印象(しみ)こませようとした。
彼はふところの許す限り良い食事をとりました。
一流の喫茶店でコーヒーをすするとき、悠揚とその柔かいソファに身体をもたせかけながら「われ富めり」という感じをたましいの底の底まで吸い込むようにしました。
彼は今までの見るからに見すぼらしい乞食のような靴や帽子や洋服を捨てて、かなり紳士らしい服装を身にまとうことにしました。
住宅も引っ越した。
氏は「類は類を招(よ)ぶ」という真理にしたがって、できるだけ知名の富める人々と交際しはじめました。
すると、そこから氏の運命はひとりでにひらけてきました。
氏の快活な挙動、紳士らしい服装、自信のある態度は人々に氏を信用ある人物と認めしめるようになったのであります。
氏はついにある人から大事業を託されるにいたり、それが氏の今日千万長者たる端緒になったのであります。
……後略……
<つづく>
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