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女子会板/2
754
:
うのはな
:2013/12/26(木) 09:59:37 ID:JGqKZ702
皇后さまの白い菊
人づきあいが上手じゃないし、気の利いたおしゃべりもできない。その場が和むような気遣いは
苦手だし、たくさんの人が集まるところはつい、避けてしまう。
正直なところ、僕はコミュニケーションをとるのがうまいとはいいがたい人間です。
誰もが陽気で社交的とは限らず、僕のような人も案外いるのではないでしょうか。
「こんにちは、お元気ですか」
おはようございます、こんばんは、さようなら、ありがとう。こうしたあたりまえの言葉に心を込めようと決めています。
上手なあいさつというのは自分を守ってくれる鎧になると思っているし、いわれた相手が嬉しくなるような、素敵なあいさつをしようと
心がけているのです。
二〇一三年三月、大橋鎭子が九十三歳で亡くなりました。花森安治とともに暮らしの手帖社を創業、社主であり、『すてきなあなたに』(暮らしの手帖社)
などのエッセイストとしても知られています。晩年も出社して、最後の最後まで仕事をし、にこにことあいさつを欠かさない人でした。
見た目はおばあさんになっていましたが、年月を重ねれば重ねるほど、どんな若い人にもひけをとらない美しさを重ねていくお手本のようでした。
僕たちは「鎭子さん」と親しみを持って呼んでいたので、あえて鎭子さんと書きますが、鎭子さんのお別れの会が帝国ホテルで行われたときのこと。
僕は暮らしの手帖社の人間として答礼の役割をつとめており、お越しいただいた方々に、ごあいさつをしていました。
その中の一人に、皇后さまがいました。完全なプライベートでいらしていたのです。
皇后さまは頭を下げ、祭壇にすすんでいかれました。護衛の方もついていましたが、僕が立っている位置は、たまたま献花するお姿が、唯一見える場所でした。
献花というのは、いってみれば「さようならのあいさつ」です。僕はその日、今まで自分が生きてきた中で、いちばん美しいものを見た気がしました。
皇后さまの献花の所作は、それほど心がこもっていたのです。
献花をしてくださった方々は、もちろんみなさん、心を込めていると思います。
しかし皇后さまの献花を見ていると、「人というのはこんなに美しい所作ができるのだろうか」と心がふるえるようでした。
白い菊を胸に抱いて祭壇に歩み寄っていく姿が、まるで自分の「さようならの心」を抱いているようで、本当に美しかった。
そっと花を捧げるさまも、鎭子さんへの思いやりを、しずかに捧げるようでした。
皇后さまは献花を終え、僕のところに歩み寄り、言葉を交わしてくださいましたが、お話ししながら、僕は改めて感じたのです。
「心があるというのは、こういうことなんだな」と。相手を思いやり、おもんぱかるという気持ちは、無言であいさつに込めることもできるのだと。
技術でもない。身につけた礼儀作法でもない。まさに心が表れる所作、それがあいさつです。
貴重な姿を拝見して、自分はまだまだだなと教えていただきました。こんなふうに人に感動を与えられるあいさつを、いつか僕もできるようになりたい、
そう強く願いました。思いやりの感性を、自分でもっと育てていきたい。そのためにも、日々のあいさつを大切にしたいものです。
今日のベリーグッド『しあわせを生む小さな種』 松浦弥太郎 著
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