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女子会板/2

579うのはな:2013/10/07(月) 14:45:45 ID:QuvXxrOA
  介護のつらさくらべ

 不幸や幸せをくらべるのは品のいいことではない そうわかっていても、人の苦労と自分の苦労をくらべてしまうのは、
私だけではないでしょう。
 以前、内科で働いていたとき、糖尿病の合併症を抱える患者さんが数人集まって話しているのを聞きました。
その中には、網膜症で目が見えなくなった方、人工透析をしている方、両足を壊疽で失って車椅子生活の方がいました。
非情に興味深かったのは、それぞれの人が自分の状態を、「あなたにくらべて大変だ」と、強く主張していたことです。
「車椅子も目が見えないのも大変だろうけど、週に三回、半日も腕に針、刺されるのも大変なんですよ」と透析の方。

「目が見えないと、何より人の手を煩わせるよ。今は慣れて杖で歩けるけど。こうなるまでには、ずっとばあさんに手を引いてもらった。
不自由だよ」と網膜症の方。「車椅子は不便だよ。トイレもどこでもってわけにはいかない。家も造り替えた。
自分の足で歩けたらって、夢に見るよ」と車椅子の方。

 これも気心が知れた「病友」同士だからこその、軽口だったのでしょう。
まだ若かった私は、人間はどんな状態になっても、人と自分をくらべてしまうのだな、と軽い驚きを感じました。
介護を担う人同士でも、似たような会話を聞いたことがあります。しばしば比較されるのは、「寝たきり」と「徘徊」。
ただこれについては多くの方が、「徘徊よりも寝たきりになってからのほうが、気が休まるようになった]と言いますから、雄雌は決しているのかも
しれません。

 また、多くの方から聞いたのは、「手がかかることより、悪態がつらい」との言葉。
「うちの父は、五十代後半から寝たきりだったけど、もとから穏やかな人で、そのままの感じだから、あまり
苦になりませんでした。その父が亡くなったあと、姑の介護に入ったんですが、これがひどかった。とにかく常に悪態をつくのです。
『どれだけでもお世話はしますから、口汚いことは言わないでください」と泣いて頼んだこともありました。
認知症だから仕方がない、では気持ちが収まらなかった。正直、植物状態の人だったら、もっとやさしくできるのに....と思ったほどです」
やはりここでも、人はあれこれ比較し、わが身を嘆くのでした。

『お世話する人・される人がラクになる介護』 宮子あずさ 著


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