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女子会板/2
190
:
うのはな
:2013/01/19(土) 17:59:33 ID:f2bwKGw2
浄土へ
「死んだ人はどこへ行くとですか?」と長崎の知人は菩提寺の住職に訊ねたそうだ。
「浄土です」「それはよう聞くけん、どこにあるとですか?」「西の方ですなあ」
知人の子息は八年前の一月十七日、下宿先の神戸で亡くなった。
彼が父親に抱かれて戻ってきた時、故郷の長崎・五島列島の船着場には、町中の人々が出迎えたという。
学生の彼は、私の娘の家庭教師をしていた。一人っ子の娘にとって、兄のような存在であったろうか。
娘の誕生日にプレゼントを贈るような優しい青年だった。その品々が形見になろうとは......。
震災数週間後、気になって住所を頼りにアパートを捜したが、アパートは無残にも潰れていた。
どこかに避難していると信じていただけに、大学に問い合わせて彼の死を知った時の驚き。
娘は「うそ!」と言ったまま絶句して泣いた。
彼の故郷のご両親とは、お悔やみを述べて以来、親戚同様のお付き合いが続いている。
そして、一年半前の夏、ついに娘は彼の故郷で追悼演奏会を開いた。娘はバイオリンで、
つたないながらも大学の友人たちと一生懸命演奏し、音楽の花束を空に届けた。
海が美しい彼の故郷。その海に沈む夕日も壮大だった。美しい夕焼けを見て、人がいつかは
帰り着く〝西〟を思った。
また、〝あの時〟が巡ってくる。娘は今年も、公園の慰霊碑の前で「ふるさと」を演奏するだろう。
そして、祈りも終わるころ、寒空の中、朝焼けが始まる。
小山るみ(50)大学講師 神戸市東灘区 『夕焼けエッセー』産経新聞社
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