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生長の家 「今の教え」と「本流復活」を考える/4
1436
:
うのはな
:2013/06/07(金) 21:51:24 ID:jH6BxhYE
仰げば尊し 小林秀雄先生の「個人授業」
筆者は、二〇一〇三月末に高校を定年退職し、現在は大学に勤務しています。
高校教師になりたての一時期国語を教えたことがありますが、その後は一貫して歴史教師として
歩んできました。目下、大学では歴史学と教育学関係の講義を担当しています。
駆け出しの頃から密かに志したのは、国語と歴史と倫理を三位一体と化した授業でした。
先人の豊穣な文化遺産を眼光紙背に徹する国語力を身につけて読み解き、ひいてはこの世を生きる意味を学びとる。
今もこの姿勢に変わりはありません。
では、なぜ歴史の教師になったのか、その経緯は学生時代に遡ります。当時何をしていたのか。
実は『小林秀雄全集』を愛読していたのです。大学では経営学を専攻したにもかかわらず、歴史教師の道に進んだのも
小林秀雄先生との御縁にほかなりません。
そこで今回は、人はいかなる縁を得て人生に向かうものなのか、若き日の私事を披露してみようと思います。
学生の頃から「小林さん」と言い慣わしていますので、ここでは敬意と親しみを込めてそう呼ぶことにします。
まず小林さんとはどういう人なのでしょうか。手許の電子辞書版日本国語大辞典を引くと、「文芸評論家。東京出身。
東京帝国大学仏文科卒。芸術派の理論家として鋭い知性、感受性と独自の文体で創造批評を確立し、昭和の文壇に大きな影響を与える。
日本芸術院会員。文化勲章受賞。著作に『文芸評論』『無常といふ事』『ドストエフスキイの生活』『モオツァルト』『ゴッホの手紙』など。
明治三十五〜昭和五十八年」と記されています。
この記述は小林さんの畢生の大業『本井宣長』が抜けている点で不備ではあるものの、これが一般的な解説といってよいでしょう。
掻い摘んでいえば、言葉と歴史を探求し続けた批評家であり、ついには日本人の精神の営みを蘇らせた、千年に一人とも称し得る思想家です。
晩秋の延岡での出来事
筆者が初めて小林さんの謦咳に接したのは、昭和四十八年十一月八日のことでした。
文藝春秋社主催の文化講演会が宮崎県延岡市で開かれることとなり、講師として中村光夫や水上勉、
那須良輔の三氏とともに小林さんがやって来るという情報を友人が仕入れてきたのです。
ちょうど大学三年の時です。
演題は「文藝雑感」というありふれたものでしたが、舞台の袖から小林さんが現れると、文字通り釘づけになってしまいました。
一番前列の真ん中の席に座っていた筆者には小林さんの眼が印象深く残っています。
人生のいっさいを見尽くした達人の眼差しとはこういうものかと感じ入ったものです。
講演の中身はこの頃連載中の本井宣長を中心としたもので、岡潔の学問や梅原龍三郎、中川一政などの芸の妙味にも言及。
一時間は瞬く間にすぎました。講演が終了したのは夜の九時すぎ、筆者は講演担当者に小林さんの宿泊先を密かに聞き出し、
現地で落ち合った友人を誘ってホテルに向かうことにしたのです。小林さんに何としても伺いたいことがあったからです。
ホテルに着いてみると小林さん一行は戻ってはいません。何でも延岡名物の鮎を肴に一杯やっているのだそうです。
一時間半ほど待った頃でした。玄関前に数台の車が横付けされ、名士の一群がどっと入ってきました。
小柄ながら風格のある小林さんは一目で分かります。よし、今しかない、そう思うや中に割って入り、小林さんの行く手を遮ったのです。
周囲は何事かと立ち止まりました。まごまごしてはいられない。蛮勇を奮い起こしてこう切り出したのです。
「先生、非礼であることは承知の上ですが、どうしても質問したいことがあって、お待ちしておりました」と。
一蹴されると思いきや、小林さんは筆者の顔をじっと見つめられる。そして、「いいえ、構いませんよ。何でしょうか」と応じられたのです。
疲れているから御免蒙るよといわれても当然にもかかわらず、相手をして下さった。これが筆者の生涯を決めた瞬間でした。
つづく
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