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仏教

17無名:2013/09/04(水) 01:01:10
自灯明・法灯明
http://www.sets.ne.jp/~zenhomepage/gensi2.html

ブッダは旅の途中でヴェーサーリー近辺のベールヴァ村で病に伏した。その時侍者アーナンダ(阿難、ブッダの従弟)は不安と期待に心が揺れた。アーナンダ(阿難)はブッダに近侍していたにもかかわらず「まだ悟りを得て」いなかった。「このままブッダが死去したら自分はどうしたらよいのか」という不安である。期待とは「ブッダが死ぬ前に何か秘密のすばらしい教えを自分だけにこっそり教えてくれるのではないか」という期待感であった。当時のインドでは死の直前に、秘密の教えを特別の弟子にこっそり教える師がいたためである。

このようなアーナンダの心を読んで、ブッダは次のように言う。「アーナンダよ、修行僧たちはわたくしに何を期待するのであるか?わたくしは内外の隔てなしに(ことごとく)理法を説いた。完き人の教えには、何ものかを弟子に隠すような教師の握拳(にぎりこぶし)は存在しない。「わたくしは修行僧のなかまを導くであろう」とか、あるいは「修行僧のなかまはわたくしを頼っている」とこのように思う者こそ、修行僧のつどいに関して何ごとかを語るであろう。しかし向上につとめた人は「わたくしは修行僧のなかまを導くであろう」とか「修行僧のなかまはわたくしを頼っている」とか思うところがない。

向上につとめた人が一切の相を心にとどめることなく一部の感受を滅ぼしたことによって、相の無い心の統一に入ってとどまるとき、そのとき、かれの身体は健全(快適)なのである。

それ故に、この世で自らを島とし、自らをたよりとして、他人をたよりとせず、法を島とし、法をよりどころとして、他のものをよりどころとせずにあれ。

1.ブッダの教えには握拳(秘密の教え)はない。
2.ブッダには「わたくしは修行僧のなかまを導くであろう」とか、あるいは「修行僧のなかまはわたくしを頼っている」という考えがない。
3.この世で自らを島とし自らをたよりとして、他人をたよりとせず、法を島とし、法をよりどころとして、他のものをよりどころとせずにあれ。
4.心を始め諸々の事象について諸々の事象を観察し、熱心に、よく気を付けて、念じていて、貪欲と憂いを除くべきである。

の4つである。

1はブッダの教えには秘密の教えはないことを言っている。しかし大乗仏教では秘密の教えを強調し始める。後期大乗仏教である密教はその秘密の教えである。そこにはブッダが禁止した呪術やマントラが麗々しく取り入れられている。

2のブッダの言葉はブッダが無我の教えを完全に自分のものにしていたことを示している。普通新興宗教の教祖は「死ぬ前にその教団をいかにして発展させ、その教勢を保持するか」に腐心する。「後継者を指名したり、有力な弟子達に教団の維持発展について」言い残す。しかし、この経典を読む限り、ブッダには自分が創設した教団に対する我執や<我がもの>という我欲の思いがなかった。我執を去る、わがものという思いを捨てる<無我の思想>は仏教の核心である。教祖自身が完全に自分のものにしていたことが分かる。

3の「この世で自らを島とし自らをたよりとして、他人をたよりとせず、法を島とし、法をよりどころとして、他のものをよりどころとせずにあれ。」 という言葉は<自帰依>、<法帰依>の教えとして有名である。 <自帰依>、<法帰依>の教えはブッダの教えの核心をなすと言えるだろう。 ここで、ブッダは「他のものをよりどころとせずにあれ」と言っていることが注目される。

この言葉は「神や神々へのを信仰して生きる」ことも否定しているからである。ここには神や諸仏への信仰は何も説かれていない。これはブッダの教えがいかに時代を超えた合理的なものであったことを示している。

4でブッダは「心を始め諸々の事象について熱心に、よく気を付けて観察し、貪欲と憂いを除くべきだ。」と言っている。

客観的観察の姿勢は科学者(特に実験科学者)の姿勢である。ブッダは現代の科学者にも通じる合理的心性を持っていた人だと分かる。 キリスト教やイスラム教など他の高等宗教では自己への帰依は説かない。唯一神への絶対的な帰依を説く。 これと反対に、ブッダは神などの超越者に帰依することではなく自己と法(理法=真理)に帰依する道を説いているのだ。

マハー・パリニッバーナ経はブッダの最後の教えとして「法帰依」と「自帰依」を伝える経典として有名である。 「わたしは自己に帰依することをなしとげた。」という言葉は、 「自帰依」の教えをブッダ自身が実践し、なしとげたことを高らかに表明していることが分かる。


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