突然出てきたホノム聖人「曽我部四郎」牧師のことをご存知ない方も多いと思いますので少し紹介させてください。牧師は、教会・慈善・育英に一生を捧げ 1894年以来55年間この地で奉仕活動をされ1949年に逝去、今はヒロの墓地に眠られています。聞くも涙 語るも涙、不幸続きの晩年だったようです。ハワイ島最初の日本人学校を設立された方です。名誉も栄光も求めず すべてを焼却することを遺書に残したため、その足跡は極めて乏しく1985年ヒロの内科医中野次郎氏の「ホノム義塾―曾我部四郎伝」でその無私の功績に初めて光が当たったと思います。ハワイ島ヒロサイドの観光名所の1つアカカフォールズへ行く道の途中にあるホノムの旧市街(映画ホノカアボーイの原作で主人公が恋焦がれる彼女が働いていたお店のある所)には お大師さん、真言宗遍照寺、本願寺、カソリック教会、と並んでいて、最後にあるのがプロテスタントの「ソカベチャペル」です。1894年に曾我部四郎牧師によって創建され、現在は「Hilo Coast United Church of Christ」となっています。一番奥のうえ、93年の移転後は教会の建物が道路に背を向けているのでちょっと見つけにくいです。注意して見ると小さな案内板に「Sokabe Chapel」と書かれています。この辺りを訪れると当時の日系移民の繁栄を偲ばせるなんともすごい宗教街道ではないでしょうか。しかし、この街の現在の人口は約600人で内日系人18%(2007年度)です。教会内には曽我部四郎・シカ夫妻や当時の写真が展示されていて、未だに「曽我部育英基金」が生き続けているのが分かります。このようにハワイ島ヒロサイドには日系移民の方々の足跡が沢山あって興味は尽きません。