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音楽スレ(2021~ )
324
:
korou
:2022/08/14(日) 15:13:03
(1963年の新譜から)
ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 Op.92
カール・ベーム指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1958年4月17日録音
★★★★★★★★☆☆
どこまでも冷静で、客観的に楽譜を見つめるリアリスティックなスタイルが
ことベートーヴェンの音楽に関しては
マイナスに作用するように思うが
このベームの指揮も例外ではない。
「エロイカ」同様、音が有機的につながっていて、どの細部も意味深いのだが
全体として、音楽の根本となるエネルギーが今一つ感じられず
その点だけがもどかしい。
しかし、終楽章になると様相は一変し
一気にエネルギーが爆発するかのように凄まじいフィナーレへと導かれる。
この終楽章は、フレーズの後の間を意図して表現する必要がなく
各フレーズの最初の音を緊迫した間合いで表現できればそれで完璧なので
べームの指揮スタイルに最もフィットするのだろう。
どこで緩むこともなく、緊迫の度合いを高めていって
それでいて常に冷静で細部まで磨かれたまま
フィニッシュでオケ全体が鳴り切っている素晴らしさ!
自然と涙が出てくる。感動のフィナーレ。
終楽章の出来栄えは★9つまたは満点なのだが
全体を通して聴くと、第3楽章までの違和感、即ちベートーヴェンの音楽を聴いているとは思えない
良い意味での落ち着いた雰囲気が
逆に良い印象の邪魔をしていることは否めない。
同じタイプのクレンペラーとは、そこが違うのである。
★8つとせざるを得ない。
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