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音楽スレ(2021~ )

239korou:2022/04/28(木) 17:33:08
(1958年の新譜から)
ブラームス「交響曲第1番」(マルケヴィッチ&シンフォニー・オブ・ジ・エア、1956年12月録音)
★★★★★★★★★☆

この演奏でまず驚かされるのは、オケの圧倒的な上手さで
さすがシンフォニー・オブ・ジ・エアである。
マルケヴィッチは、この世界一かもしれない合奏力を持ったオケの底力をフルに生かして
彼の考える最上のブラームスを創出した。
マルケヴィッチは
基本はフルトヴェングラーのような有機的な音楽、音符1つすらゆるがせにしない意味に満ちた音楽世界を
創造する指揮者のはずだが
その音楽世界を構築するための方法論はトスカニーニのそれに近く
その点でフルトヴェングラーに代表される純独墺系指揮者たちとは
聴いた感じが全く異なる。
しかし、方法論においてトスカニーニに酷似しているからといって
決してトスカニーニ亜流の音楽ではないこともよく心得ておくべきことだろう。
トスカニーニ、セル、ライナーあたりの音楽では
細部の感情表現は全体の造形美のために制限されているが
マルケヴィッチの場合は、全くそのようなことはなく
その両者が見事に融合されているのだから聴きどころは多いわけだ。
それでも、ブラームスのこの曲の場合、第3楽章には
そういった計算し尽くされた感情表現以上の究極の音楽の緩み、間合い、空白の美といったものが要求されるわけで
そこはマルケヴィッチの世界観にはない部分なので
そういった類の表現は見られず、そこだけが惜しい部分になってしまう。
物足りないところはそこだけで、後は抜群の名演だと思う(指揮者もオケもハイレベルで圧倒されてしまう)。
録音も、最初は音が鋭く聴こえ過ぎて面食らうが、すぐに慣れてしまう程度のものである。
★9つが妥当。


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