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音楽スレ(2021~ )

236korou:2022/04/25(月) 11:11:24
(1958年の新譜から)
ベートーヴェン「交響曲第7番」(クリュイタンス&BPO、1957年2月20〜22日録音)
★★★★★★★☆☆☆

ユンク君のサイトの丁寧な解説により、これは幻の録音となってしまったレアな音源ということが判明。
即ち、この時期はモノからステレオへの転換期にあたっていたのだが
そのことにあまり意識的でなかったレーベルが
クリュイタンス&BPOによりベートーヴェン交響曲全集を
いきなりモノ録音のこの演奏で始めてしまったものの
すぐにその誤りに気付き、3年後にもう一度、その組み合わせで
「第7」をステレオで録音し直したという経緯があるらしい。
そして、クリュイタンス自身が、
以前のモノ録音の演奏(すなわち今回聴いた音源)を廃盤にするよう命じたせいで
この音源を耳にすることは当時としては不可能になってしまったというわけである。
クリュイタンスとしては、全集のなかにモノとステレオが混じってしまうような誤解は
避けたかったに違いない(もちろん、ユンク氏の指摘の通り、彼がこの録音で築き上げようとした音楽は
「明晰さ」そのものなので、それはステレオ録音でこそ魅力を発揮できるものであったに違いないが)
目指した音楽性に変更はない以上、モノで聴こうとステレオで聴こうと、本質に変わりはないはずである。
まさに「明晰」そのものの「第7」が聴こえてくる。
そして、クリュイタンスの創り出す音楽の特徴として
「感心」するところは多々あっても、そこに「感動」を見出すことはできない(このこと自体は低評価ではないので誤解してはいけない)。
しかし、ことベートーヴェンに関する限り、この特徴は致命的だ。
「感動」のないベートーヴェンなんてあり得ないからで、
でもクリュイタンスにそれを求めても仕方ないのである(彼は彼で誠実に自分の音楽を紡いでいる)。
だから(BPOの抜群の演奏力もあって)以上のようなことであっても★7つはつけておきたい(普通なら★6つだが)
レコ芸で同時に推薦されていた「エグモント序曲」も、ステレオでの撮り直し分について、ついでに聴いた。
こちらのほうは、曲の性質上それほど込み入った「感動」は要求されないし、BPOも驚くほど上手いし
★8つと評価できる名演だ。


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