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政治・経済スレ

1korou:2007/05/26(土) 15:09:48
ここでは、政治・経済の話題を取り扱います。

2korou:2007/05/26(土) 15:15:52
このスレを思い立ったのは
近年の日本政治の根拠のない暴走ぶりに
さすがに危惧感を禁じえなくなったからです。

公務員という職種上、あまり過激な文章は慎みたいとは思いますが
あきらかに、今まで、人類が数々の苦難の上獲得した様々な叡智の成果を
その認識が薄いためがゆえに皆無に帰してしまうような
一人の人間として見過ごせない暴挙に関しては
コメントを付したいと思います。

公務員を退職すれば、それに実行が伴う、ということも考えられますが
今は、実行を伴う、ということは職責上不可能ですし
コメントだけに止まる予定です。

自分の外へ影響が出るmixiでも、原則この種の話題は
自ら提供することは、滅多にないでしょう。
その分、ここに本音を書きます。

3korou:2007/05/26(土) 15:21:33
以前からこのスレを立ち上げる気持ちはありましたが
今日、遂にこれを思い立ったのは、このニュースのせいです。

http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/news/20070526k0000e010030000c.html

自衛隊幹部として、その立場上の発言をするのは当然かもしれませんが
憲法第九条に従う国家公務員として、この発言は失格でしょう。
民間人ならともかく。

さらに、この発言は、国際会議では他国を説得できるようなロジックを持つべし
という最低限の目的さえ忘れています。
準備不足、認識不足、法令違反、全くのナンセンス。
報道の伝え方がいかに不適切であっても、以上のニュアンスは否定できない。

こんな状態で、軍備が法令上可能になれば
恐ろしい国家が出来上がります。
もはや北朝鮮などの無法国家を責めることはできないでしょう。

第九条をどうしようと勝手ですが
このような国際感覚に欠けた軍人を自由にすることには断固反対です。

4かっぱえびせん:2007/05/28(月) 07:27:56
この手の国際感覚の欠如には、やるせなさすら感じてしまいます。
それと同時に「やはり日本では人権の思想が定着しないんだな」
と思ったりもします。
歴史・文化が違うヨーロッパの人権思想を、日本に全面的に取り入れる事は
無理だとは思います。
しかし日本(or日本人)が、それに類した良心的規範・自己制御を、
再構築する必要が有ると痛感します。

korouさんの仰る「ロジックの無さ」も気になる所です。
そのため国会や討論会で、議論が言葉の定義付け無しでされて、
空転しているのも気になります。

korouさんにレスしたつもりだったんですが、
korouさんの書込みから少し外れてしまいました。
スイマセン。

、言葉の定義のハッキリしない

5korou:2007/05/29(火) 19:34:12
確かに、隣国中国の様子などをみると
人権に限らず、欧米の常識が通用しないように思われ
ふと我が日本も根底においては同じなのではないかな、とも
思うこともあります。

国会では何とか答弁で凌いでいたあの大臣も
国会より何か重要なことに巻き込まれ
自殺してしまいました。
立花隆のブログでは
表に出てこない大きなことが関係しているのだろう
と推測していて
ただし、それはもう誰も知ることができない
と結論づけています。

自殺するのは勝手ですが
国会に身を置く身でそれはタブーでしょう。
有権者は、自殺するような人間に投票したわけではないのですから。
議員も辞めず、ただ自殺する大臣。
直前には「辞められるものなら辞めたい」と言ったそうですが
そこまで「辞められなく」なるのが私には理解不能です。
「辞める」ことは「死ぬ」より恥ずかしいことなのでしょうかねえ。

6かっぱえびせん:2007/05/30(水) 07:42:41
“国会より何か重要な事”については諸説が有るようですね。
また彼の死が自殺かどうかについても、色々な憶測が出ているようです。

それはさておき、彼の死が安部内閣に痛手を与えた事は否めませんが、
民主党をはじめとした野党にも、両刃の剣となるように思えます。
対応を誤ると死者に鞭打つ言動として、揚げ足を取られかねないです。
 (実際に、可哀想だ!イイ人だったのに!道半ばの挫折!などの
       心情的なコメントが出ています)  
しかしここは野党が、勇み足や売名好意からではなく、
政治の曖昧さを減らすために、或いはそのきっかけを作るために、
真実の追究に務めてもらいたいです。

それにしても安部首相のダラダラ答弁には、うんざりしてしまいます。
論理性を全く無視して、オウムのように同じ事をくり返し発言する。
こんな調子だと、国会での逃げ切りは出来るかもしれませんが、
国民の反発は余計に増すと思うんですがねぇ。

7korou:2007/05/30(水) 20:37:55
日本では、戦後ずっと野党が野党のままで
政権交代がない時代が続きましたが
1990年代になって様相が一変し
自民党が野党になったり、社会党の党首が首相に就任したりしました。

しかし、今はまた昔に逆戻りして
民主党は、いくら自民党が失点を重ねても
永遠に野党のままではないか、という空気があります。

安倍首相は、国民からの支持は低いのですが
小沢党首も同様に国民からの支持は薄いでしょう。
人気のない政治家同士が政権を争った場合
投票率が低くなるだけです。
そして、組織票として創価学会を操れる公明党が
発言力を持つ、というのが今の政治構造になっています。

8korou:2007/05/30(水) 20:47:08
今回の参院選で注目されるのは
自民党が、公明党の発言力強化を恐れるあまり
民主党の一部を取り込んでしまうのではないか、という懸念です。
(なぜ「懸念」と表現するのか?それは憲法改悪への流れとなるからです)

とりあえず、民主党に選挙で勝つことが至上目的であり
さらに、公明党の協力があったのに負けてしまったという選挙区が
いくつか発生することが
今の自民党にとって一番都合が良いわけです。
そうすれば、民主党は今より一層分裂していくわけで
その右派に属する元自民党関係の代議士を自党に取り込む
というのが第一のシナリオ。

それから、平和路線など自民党にとって都合の悪い方針を掲げる公明党とは
一線を画し
民主党取り込みをダシに、公明党の発言権をふさぐ
というのが第二のシナリオ。

そこから後は、過半数を遥かに超える自民・民主(一部)連合政権と
公明党の支持を得て
憲法改正案を提出し、国民投票にかけます(国民投票については今国会で成立済み)

憲法第九条を改正して、軍備を持ち
その軍備によって、アジアに覇を唱えるというのが
今の自民党の主流派の思想です。

その第一歩が今回の参院選となるでしょう。
少々、首相の発言の歯切れが悪かろうが、支持率が低下しようが
そこを切り崩すだけの対抗勢力が存在しないのですから
恐らく、このシナリオは大崩れすることなく進行していくものと思われます。

9かっぱえびせん:2007/05/31(木) 17:37:32
>その軍備によって、アジアに覇を唱えるというのが
 今の自民党の主流派の思想です。

安部政権の右傾化・軍国化は私も気になる所です。
しかし、私にはその背景が今一つ判りにくいです。
なぜ今、右傾化・軍国化か?そのメリット(安部政権にとっての)は?
という事です。
本で読んだり、政治に詳しい人の話を聞いても、
根源的な部分での私のWHYが解決されません。
korouさんの意見を聴かせて頂けたら幸いです。

※明日からモントリオールに行くので、このBSを覗けるのは、
  再来週になります。宜しくお願いします。

10korou:2007/06/13(水) 19:01:14
安倍政権の右傾化について、ここ数日考えているのですが
これは、安倍晋三というお坊っちゃん政治家が
思ったことをそのまま方針として打ち出しているだけ
というのが発端のようですね。
そこへ、以前から勢力としてあった右傾勢力が乗っかり
免疫のない若い世代を取り込んで
ややこしい展開となっています。
ゆえに、すっきりとした説明は困難でしょう。
もはやメリットがどこにあるのかは誰にも分からないまま
とってつけたような理由で驀進しつつあります。
戦前の軍部より、まだたちが悪いですね。

さて、安倍政権は、なんとか5月上旬まで持ちこたえていて
その段階での説明を前回書き込みましたが
あれから年金問題、大臣自殺に伴う人事責任問題がセットになって
安倍政権への不信感を急増させています。
今日見た「週刊朝日」で、あの福岡政行教授が
自民党が参院で過半数割れという予想をしていますが
そうなると、政治状況は一変します。
もう少し情報を集めていきたいと思っています。

11かっぱえびせん:2007/06/13(水) 19:50:47
有難うございました。
今まで私が読んだり聞いたりした説明は
とって付けたもっともらしい物ばかりでした。
korouさんの人間性とか勢いと言う物を加味した説明で
だいぶ(ほとんど)すっきりした気持ちになれました。

いつもkorouさんの話の腰を折ってスイマセン。
このスレッドをこれからも、楽しく読ませてもらいます。

12korou:2007/08/19(日) 09:49:57
久々にこちらに書き込み。

防衛省人事の顛末ほど不可思議なものはない。
まず、現在の事務次官(名前は覚えていない。以降A氏とする)が
かなりの政治力をもっているらしいのだが
その政治力でもって防衛庁を防衛省に昇格させたという記事をみるに至っては
言語道断ではないかと思う。
その種の功績は防衛庁長官に帰すべきものとするのが役人の本義ではないか?
それでもって、小池大臣がA氏の後任を防衛省以外から引っ張ってきたと知って
その後任者に向かって「役人としての恥を知れ」と罵ったというのも噴飯モノである。

小池百合子という政治家も、まあまあかなと思っていたのだが
今回の一連の騒動で、自分の行動がどう周囲に影響するのか、あまり腹をくくった様子が
見られないのが残念である。
首相に直訴するのであれば、本来、人事権をもっている官房長官周辺への根回しは必須であっただろうし
自分で根回しができなければ首相に相談すべきだっただろう。
安倍首相は小池大臣に「借り」があるのだから(失言大臣の後任にお願いしたという「借り」)
安倍も根回しの必要を認めなかったのだろうか?
しかし、安倍が”裸の王様”であることは間違いなく、根回しなしで自分の権力でどうにでもなると思っていたのは
安倍一人だけということなのか?

13korou:2007/08/19(日) 09:59:49
実際には、塩崎以下官房長官などの官邸勢力が
安倍直訴など問題にせず、小池人事排斥に動き
一方でA氏の政治関与も嫌っていたと思われるので
A氏に、防衛省生え抜きながら全くA氏とは正反対な人物を後任にすることを強制した上で
A氏の面子を立てた形で決着したのである。

小池人事は、正しい方向だったと思う。
防衛省という役所は、A氏のような独裁官僚の存在を許してはならない部署であるから。
しかし、その人事の意味よりも、人事のもつ政治性だけが先走りして
数多くの小物政治屋が暗躍した結果となった。
安倍が全く小池人事に無関与だったのも大きい。
どこまで無策なのだろうか、そして、どこまでそのことに無自覚なのだろうか、この人は。
小池も政治家として無能であることが分かった。
当選を何回か重ねても、こうした修羅場で一方的に負けるようでは
政治家としての存在価値がない。
まさか安倍のリーダーシップを期待して根回しを怠ったということか。
そうであれば、状況を見抜く眼がないということで
これも防衛相としては怖いモノがある。

もっと根本を言えば、いまだに安倍が首相でいることを
もっとマスコミはキツく糾弾すべきなのだ。
責任の問われない政治ほど怖いものはない。
そして、そんな政治を全く追及しないマスコミは
国民をミスリードするだけで無益どころか有害だ。
選挙直後だけワアワア言うだけのマスコミなどさっさと死んでしまえ、とさえ思っている。
同じテーマで1ヶ月ももたないのだから、呆れてしまうのだ。
これは決して極論ではないと思うし、キツい言い方ではないと思うのだが。

14花眼(旧korou):2007/09/10(月) 08:20:49
安倍首相は
「インド洋での海上自衛隊の給油活動の継続問題」が解決できなければ辞任すると
発表した。

日本の政治家は
国民の信任よりも米国の信任のほうを重要視していることが
これで明確になった。

個々の国民はともかく
日本の政治家の行動は
米国の植民地としてのそれである。

このあたりを盲信するのではなく
政治経済ともに米国依存の現状で
もし米国依存をやめたらどうなるか、という冷静な計算を試みるマスコミが
どこかに居てほしい、と思う。
今のところ、そういうことを大々的に思考して、発表しているのは
小林よしのりくらいである。
彼の行動はその意味で評価したいが
その結論は首肯し難いし
何よりももっと多くの意見を聞きたいと思うのである。
それが亡国首相に対抗する唯一の方法である。

ただ単に「安倍は無能だ」というのも芸がないと思うので。

15花眼(元korou):2007/09/12(水) 20:23:39
何で今?という呆れたタイミングで、安倍首相が辞任。

ふと思ったのは、後継総裁のことで
私としては、小沢一郎に一度政権を取らせたいと思うのだが
今のままでは衆院で苦しむだけなので
ここは解散総選挙という筋書きを期待するのである。

自民党で、この選挙管理内閣を指揮するのは
私見では小泉純一郎が一番適任である。
もともと安倍政治の大元は小泉政治だったのだから
その選挙までの短い期間ながら軸がブレない政治を続けるには
小泉政権が最も妥当だろう。

そして、選挙では、小泉vs小沢の対決ムードで盛り上げるのである。
「アホらしゅうて政治なんかどうでもエエ」という危険な風潮を避けるには
この流れしかないだろう。
そして、恐らく小泉の人気をもってしても
小沢待望論の勢いが勝り、民主党が衆院でも勝利する。
小沢は、可能な限り米国と距離を置いた外交を行い
来年、米国に誕生する新政権と良い意味で緊張のある関係を樹立する。

まあ、これが最善のシナリオかな?
最悪のシナリオは、このままずるずると同じイメージのまま
政治への諦めムードが漂うことかな?

16花眼(元korou):2007/09/13(木) 19:01:32
小泉氏は100%立候補する予定なしとのことです。

17花眼(旧korou):2007/09/14(金) 08:14:22
福田氏立候補により、情勢は急変しました。
もともと私は、福田赳夫ファンであったので
二代目の康夫氏についても主なイメージがそのままであるということもあって
結構好きな政治家の一人でした。

何か画期的なハプニングが起こればいいのですが
何も起こらず、むしろ悪い方向の事件が発生すると
安倍政権と同様の不安定な政権になる可能性もあります。
まずは、平凡な政治家である麻生氏を倒して総裁になっていただき
それからお手並み拝見といきたいものです。

18花眼(旧korou):2007/10/25(木) 12:54:09
政治経済ネタではないが、政治経済が関わった教育行政ということで。

全国一斉に学力テストを行ったのが今年の4月。
しかも中学三年生にやらせておいて
結果を公表したのが昨日のこと。
そんなに間を空けておいて、出した結論は
「具体的には各自治体で検証のこと」というふざけたものである。

80億円近い予算を投じて、全国の小中学校に延べ5時間もの授業時間を犠牲にさせて
得られた結果は何もない、という「お役所仕事」である。
もう少し知恵のある人は居ないのか?
霞ヶ関のエリートたちは、皆お互いに牽制し合って
結局身動きがとれなくなってきているのではないか?

溜息も出ないようなヒドい話である。
そのお金を教職員人件費に回すべきである。
さらに、私の職種に近いところでいえば
全国の小中学校へ年間200億円の図書購入予算が
今年から5年計画で執行されるわけであるが
地方交付税の形で執行には自治体の裁量権が認められているので
全国の3分の2の市町村で、その予算は道路や建物を建設する資金に流用されている。
そんなムダなことを(道路建設がムダなのではなく、目的外使用が大半という意味でムダ)黙認するくらいなら
その予算を教職員人件費に回してはどうか。
合計で年280億円もの予算が、特に財源を探さなくてもひねり出せる。
これで教職員が4000人は雇用できるという計算だ。
各県平均で80人増員できれば、小中学校の教育環境は相当改善されると思う。
学力テストとか、拘束力のない図書費予算などより、よっぽど良いはずだ。

19花眼(元korou):2007/11/04(日) 17:44:31
小沢氏、突然の代表辞任。

こうして全部を放り出す姿勢がこの人の欠点だろう。
以前もこんな感じで放り出したんじゃなかったかな。
こういう人には、大事な日本の政治を任せるわけにはいかないと思う。

辞任すべき総理がいつまでも居座ったり
辞任するほどの事態ではない野党党首が突如辞任したり
引き際とかそういうことが、あまりにも雑に扱われていて、個人的には非常に不快に思う。

20花眼(旧korou):2007/11/05(月) 10:49:33
考えてみれば、この連立政権の件で大損したのは民主党なのだから
それを仕掛けていったのは誰かということは、政治的には明確だ。
意図がどこにあれ、儲けたのは福田政権であることは間違いない。
意図的であったとすれば、福田総理は相当な知恵者というしかない。

21花眼(旧korou):2007/11/05(月) 10:53:32
土曜の朝日新聞だったか
安彦良和氏が
「以前は曖昧な第九条の改憲に賛成だったが、9・11後の状況を見てからは、これほど米国に従属せざるを得ない今の日本において、改憲ほど危険な行為はないと考えを改めた」
と書いていた。
至言だと思う。
ポイントは、日本が自主的な外交が展開できるかどうか、にかかっているのであり
それ抜きの改憲論など、現状では米国に利用されるだけだと思う。
改憲論者が結構シリアスに語り始めた今、その矛盾は心が痛む。

22花眼:2008/03/30(日) 17:45:12
ガソリンなどの暫定税率の廃止が現実のものになってきた。
なんとバカな政治だろうと思う。
これにより教育・福祉まで影響を受ける、とコメントした県知事がいたが
まさにその通りで、目に見える値下げの裏で
取り返しのつかない行政の後退が進行するのだ。
ガソリンの価格など経済状況によりどうにでも上下するのだが
行政の後退は一度後退すると二度と元に戻らない。
そんなことも判断できない民主党には愛想が尽きた。
自民党も相当なものだが、民主党の原則なき抵抗にも呆れる。
かつての社会党の「何でも反対」と一緒の次元だが
社会党にはウソでも共産主義思想、社会主義思想があり
しかも反対してもどうにもならないほど議席数の差があったので
実質の影響力はなかったのに比べ
今の民主党の「原則なき反対」は、議席数も与党と拮抗しており
その罪は大きい。

いったい、国民の本当の声を伝える政党はいつ出現するのか。
それとも出現しないまま、ただひたすら悪政に耐えるしかないのか?

23花眼:2008/09/13(土) 09:08:31
総裁選の茶番の後が問題。
いつ解散するのか、そこまでに麻生氏は
海外へも国民にもアピールできる政策を打ち出せるのか?

24花眼+:2009/01/20(火) 20:00:27
オバマ大統領就任演説まであと数時間。

ケネディの輝きが虚偽に満ちたものであることを知って以来
こういう類の期待感は持たないことにしているのだが
オバマの今の輝きが、いろいろな階層の人たちを元気づけているという事実そのものは
否定しようもない。
願わくば、そうした期待感が一気に喪失していかないように
幸運がオバマに降りかかってほしい。
期待感の高揚が著しいほど、その反動は大きいはずだから。

25花眼+:2009/03/07(土) 23:37:59
田中宇「世界がドルを棄てた日」(光文社)を読書中。

久々に現代世界の政治経済の不思議を鮮やかに解き明かす本に出会った。
1990年代初めに落合信彦の本を手にとって以来の興奮かもしれない。

英国の米英覇権主義と、米国が自然に持つべき世界戦略としての多極主義との争い。
それが20世紀の歴史の最大の原則とするならば
ニクソンの戦略は明らかに後者だったわけで、それをくじいのが軍産複合体勢力だったということ。

となると、田中角栄の外交の多角化が結果的に彼の身を滅ぼしたという田原総一朗の説は
もっと細かくみていかないといけないだろう。
つまり、田中の外交はニクソンのもくろみと一致していた。
日本が、多極化世界の一員として、そうしたアクションに出ることは
少なくとも原則としては歓迎されていたはずなのだ。
したがって、ニクソンの失脚さえなければ
田中は、ロッキード事件などに巻き込まれることなく
たとえ金権問題で一度首相の座から降りたとしても
再び復活していたはずである。
何せニクソン、キッシンジャーの政策と合致した動きをしていたわけだから。
やはり、ニクソン失脚の歴史的意味は大きい。
これで、米国は外交の場でイニシアチブを取るまで10年のロスを余儀なくされ
日本は、戦後外交で独自のポジションを取るチャンスを失ってしまったわけだから。

まだまだ、もっと語れるし、知的興奮の度合いは大きいが
何せ話は雄大で、うまくまとめることは不可能だ。

26korou:2009/12/03(木) 21:07:28
このスレを長いこと放ったらかしにしていた。
その間、世界経済情勢は投稿(23)以降、大幅に変化し
日本の政治情勢も前回の投稿(25)以降、激変した。
本当は、このスレに一番投稿すべきなのだが
逆に言えば、現実があまりに生々しく、書く間もなかったと言える。

ガソリンの暫定税率廃止の投稿(22)で
かなり民主党の悪口を書いているのを
さきほど再読して発見したが
今の自分は、すっかり民主党のファンになっているのだから
変われば変わるものだ。
民主党自身が、政権を握ってからは
この方面でも政策を転換して
暫定税率分を環境税として徴収する方向で来年度から施行されるらしい。

景気政策に目玉がないので
今は徐々に評判を落としているようだが
個人的には、これほど政治情勢が激変するとは思ってもみなかったので
小気味いい、という感想は未だ変わらない。
口先だけだろう、と思っていたのだが
これほど政治の実際について、驚きかつ新鮮な思いで
毎日の政治面を眺めたことが
かつてあっただろうか、という思いである。
少なくとも、戦後の日本で
これほど劇的に政治が変わったシーンはないはずだ。

27korou:2009/12/03(木) 21:16:55
さて、国際経済のほうは、不思議なほど米国経済が持ちこたえて
その間、国際政治情勢のほうが、米国中心のブッシュ時代から
G20&国連中心のオバマ時代へと移り変わりつつあるのが
生々しく見えてきている。

そうなると、田中宇氏の分析が光るわけだ。
http://tanakanews.com/

最新の田中ブログは「地球温暖化をめぐる陰謀、暗闘」だった。
ついに、温暖化についての政治的な歪曲を示す証拠が
具体的なメールの形でネットの世界へ流出したらしく
今、関係者は対応に大わらわとなっている。
しかし、例によって、日米欧のマスコミは
意図的にこのニュースを放置し
我々は田中氏のブログでそれを確認するほかない。

このようなことが平気でまかりとおっているのが
いわゆる先進国のマスコミというものである。
マスコミさえ操作すれば
少しくらいなら簡単に世論を誘導できる、という典型例であり
実に怖い。
オバマとか鳩山などは、以前からのしがらみのない政治家なのだから
この方面で、本当のことを全世界に向けて発信すべきではないかと思うのだが
それとも、当方が思う以上に根が深い話で
どうにもならないのだろうか。

どちらにせよ、地球は、この20世紀からの100年間で
冷却化も温暖化もしていない健全な惑星であるはずなのに
それが歪曲されて伝わっている、というのが間違いない真実のはずだ。

28korou:2011/12/05(月) 20:49:10
このスレは貴重だな、と改めて思う。
いつのまにか一番下に下りていて目立たないが
やはり、このスレこそ自分らしいスレだと思う。
もっと大事にしないといけない。

2年前も、その直前の書き込みをレビューして
懐かしがっていたりしているのだが
今回も同様なことになる。

あれから、鳩山民主党は
小沢一郎とロックフェラー傍流のラインが米国で勢力を失ったのを機に
沖縄基地問題でコケてしまい
反小沢の菅直人政権に移る。
まあ片山哲が芦田均になったようなもので
いくらか現実ラインに戻ったものの
肝心の西尾末広タイプの仕事をする政治家が居らず
そこへ仙石由人が割り込み勢力を伸ばすが
その仙石もいつの間にか居なくなり(今調べたが原因不明だなあ)
そうして政治家不在のまま、2011年3月11日に突入。

29korou:2011/12/05(月) 20:59:52
菅は「チーム菅」を組まず独力で地震、原発事故の対応に当たる。
それなりに冴えを見せるが
一人の人間が可能な対応などしれたもので
結果を見れば、ずさんな対応としか言いようがない。
さらに、政党の駆け引き以外の何物でもない退陣要求にも
予想以上に粘り
その間、政治の空白を作る。
退陣後には、誠実なイメージの野田が首相の座に就き
官僚主導の政治を復活させる。
野田政権は手堅く、今のところ評判は悪くないが
自民党政治とどこが違うのか、と言われれば誰も答えられないだろう。

その間、国際政治は、リーマン・ショックの長期化、米国の勢力低下が進み
世界中で諸問題が発生し、肥大化し、長期化し、状況は停滞するようになった。
閉塞感は日本だけでなく全世界に広がり
時々、その反動として、アラブ世界などで民衆の蜂起が発生する。

日本も世界も停滞したままかと観念していたら
今年の夏あたりから、日本でTTPの話題がもちきりとなり
実際にも日本はTTP参加への表明を実質上完了した形になった。
TTPはオバマが起死回生で放った国際政治を動かす大きな仕掛けであることは間違いない。
日本は対米追従でこの数年間いいことが何一つなかったが(それでいて外務省主導の国策は対米追従オンリーだ!)
ここにきて、皮肉なことに、その国策がうまい方向に回転しそうな予感がするのである。
小沢ーロックフェラー傍流ラインの崩壊以降
日本には頼れる外交ラインが存在しなかったのだが
それも幸いして、アホウな外交しか知らない外務省がバカの一つ覚えで繰り返していた対米追従外交こそ
今後10年間の日本の未来を明るくする最大の根拠となりそうなのだから
世の中、何がどう転ぶか分からない。

30korou:2011/12/05(月) 21:09:03
何の工夫もなく、ひたすら同じ国策を追い続けることしか能がない日本外交でも
このTTPの交渉においては、他国に大きな影響を与えることができるのだ。
すでに加入意思表明の段階で、日本の動向がいかに他国に影響を与えるものなのか
予想以上の反響に驚いてしまう。
卑下することはない。もっと自信を持てばいい。
日本は、対米追従のまま、TTPの枠のなかで自己主張と外交テクニックを駆使すれば
今後10年間は安泰のはずだ。
ECの苦境も、中国の不安も、インドの停滞も
すべて米国とセットの政治行動で対応すればいいのだから
能力不足の日本の政治家たちにもおあつらえ向きだ。
唯一、経済協力を求めてくるロシアへの対応が
アメリカとの同盟が枷となって、うまくできないかもしれないのだが。

まあ、北方領土は当分解決しないだろう、という予想は立つ。
北朝鮮問題は、TPP絡みで米国とうまく交渉すれば
意外とイイ線を引っ張り出せるのではないかと見ている。

それにしても、野田首相の評価はしずらい。
まあ、TPP参加をどういう文脈で決断したのかは分からないが
結果オーライで、小沢失脚後の日本外交としては
ベストに近い選択だったのではないか。
これで消費税率切り上げに踏み込むことができ
沖縄基地問題をTPP絡みで新しい展開に持ち込めれば
小渕以来の名首相ということになるのだが、果たして。

31korou:2012/10/02(火) 16:43:47
これはよく調べている。
Wikipediaではこういう政治的な事実関係までは書かれていないので貴重だ。
オスプレイの配備が1990年代後半からの既成事実であることを
何かの新聞のどこかで書いてあったのを読んだのだが
その後、情報源を見失ってしまったので、これは助かる。

(オスプレイについてのHP)
http://www.ryukyu.ne.jp/~maxi/sub7.html

32korou:2021/11/09(火) 13:27:58
日中貿易、LT貿易時代のクラレのビニロン・プラントから日紡の同じプラント失効事件までの経緯、当時の中国国内事情など。貴重4.
https://www.jnpc.or.jp/journal/interviews/27581

33korou:2021/12/04(土) 11:13:41
小熊英二「<民主>と<愛国>」を読書中。

第三章「忠誠と反逆ー敗戦直後の天皇論」の後半部分に
終戦直後に起こった天皇退位論についての記述があり、参考になったのでメモ。

まず、一般民衆として元海軍兵の渡辺清が書いた「砕かれた神」に示された
責任を取ろうとしない天皇への憎悪、退位すべきであるとする記述。
それは、多くの同志、朋輩が、実地の戦争でまさに目の前で死傷していった体験が
裏返しとなって、その原因となった天皇制への憎悪となり、民衆の立場としては
より具体的な昭和天皇という実在する姿への憎悪へとつながっていく典型的な例。

そして、貴族院議員であった南原繁は、皇室典範改正の審議の際に
「天皇の退位」についての規定がないのは「”人間天皇”の責任の取り方」として不十分として
その設置を迫った。具体的な退位の論議が公的に為された最初の例ではないか。

さらに片山、芦田内閣の時、その改革路線の政権の性質上だろうけれども
退位論が日本のみならず世界のマスコミでも飛び交うことになるが
マッカーサーの強い意志により、その声はおさえつけられた。

最後に、サンフランシスコ講和条約の発効直前に
あの木戸幸一でさえ退位を昭和天皇に伝言、衆議院では中曽根康弘が退位を主張、しかし
今度は吉田茂らがそれらの意見を退けた。
その前後には、天皇の京大視察を機に質問状を出そうとした大島渚(当時京大生)らが処分を受けている。

実際にこれだけ具体的な動きがあったのだなと改めて認識。

34korou:2021/12/06(月) 10:06:39
小熊英二「<民主>と<愛国>」を読書中。覚えている限りのメモ書き。

右翼について。
戦前のウルトラナショナリストというべき存在は、その多くの主張が
軍部の不敗神話、無理に決まっている戦争継続のイメージと重なり
終戦直後には消え去った(頭山満・大川周明・北一輝ら。児玉誉士夫や笹川良一らは少し経ってから台頭。実際には活動していたが・・・)
新しい右翼は、共産党の位置と比べて、明らかに保守というか現状維持、
戦争により失っていた現状が戻ってきたことにしがみつく形での現状維持のスタンスだった
白樺派、大正デモクラシーなどのオールド・リベラリストたちが
その位置に入ることになった(本人たちの意識的言動、行動によるものではないが)。
和辻哲郎、津田左右吉、小泉信三、安倍能成、田中耕太郎など。

左翼は、戦前において、徹底的な弾圧で壊滅していた。
しかし、非転向の徳田球一、海外で活躍した野坂参三などは
あの厳しい時代にも弾圧に負けなかった”英雄”として
戦争直後の虚脱状態の人々には、救いの神のように見え、実態以上の人気と熱狂を得た。
徳田の側近の伊藤律(彼は微妙なポジション、スパイ容疑すらあった)、非転向の宮本顕治、志賀義雄などの暗躍で
一時期はGHQも手を焼くほどの勢力となったが
暴力革命を指令したコミンフォルム(北朝鮮に朝鮮戦争を指示する前段としての”暴力革命”路線という意味!)に対する
所感派と国際派の対立から内部抗争となる。
すぐに指令を容認したのは国際派だったが、党内では少数派で、当初は指令に従わなかった所感派が優勢だったが
所感派が中国からの批判を受け、結局指令に従い暴力革命の方向に進む。
その後の経緯は、Wiki「国際派(日本共産党)」の記述に詳しいが
結局、国際派の宮本顕治が、様々な困難を乗り越えて、昭和30年代から共産党のボスとして君臨することになる。
その後の共産党の暴力革命への態度は、Wiki「敵の出方論」のとおり(佐藤優はこれを未だ有効として暴力肯定政党と見做している。
共産党自身は21世紀になって否定しているが)

35korou:2021/12/06(月) 10:21:16
(続き)
結局、戦後すぐのオールド・リベラリストたちの立ち位置は
現状維持ということで「保守派」あるいは政治的には「右翼」ということになるとしても
軍部も共産党も共に嫌だ、つまり自分たちが立場を築いている学問・芸術の世界に土足で踏み込んできて
無知であるのに干渉してくる・・・つまり、政治は政治だけしていろ、個人主義・自由主義が原則の世界にまで入ってくるな
という政治への嫌悪感、ひいては無関心ということ、政治的には右翼でも何でもないこと、ただ単に現状維持ということ、
軍部台頭以前の世界に戻ったので、どうかこのまま過ぎてくれという立ち位置なのだろう。

それに対して、同じ学問の世界であっても
丸山真男などの世代は、一世代上のそれらの”オールド”世代の人たちと違って
実際に兵役の恐怖にさらされ、兵役後は別世界でしごかれ、別階級ともいうべき普通の一般大衆の人間と同等に扱われ
なおかつその一般大衆たる人間の実像を知っていく世代だった。
厳しい体験をした丸山世代は、そのことから政治に無関心というわけにはいかなかった。
どうしても二度とそういうことにならないよう、どこかで努力することは当たり前に思え
そのことは”オールド”世代との差異となっていく。
(一方で、一般大衆のレベルを見て、丸山はまだまだ日本国民は未熟で未完成だと悟り、明治維新は市民革命だとする立場とは
 距離を置くようになる。明治維新そのものが未完成で、それを完成させるだけの環境は、その後の自由民権運動の時期には
 存在していたが、それは結果的に挫折となり、つまり明治維新は市民革命として成就しなかったという立場)
”オールド”世代は、その育った時期・環境から、大正時代に理想を置く。
丸山世代は、以上の考えから、明治時代初期の自由民権運動の時代に理想を置く。

36korou:2021/12/06(月) 10:30:39
(補足)
①文学の世界で”オールド”とみなされた人たち。
(みなした人・・・荒正人、小田切秀雄、佐々木基一)

(文学者)高村光太郎、火野葦平、武者小路実篤、菊池寛
(リベラリスト)和辻哲郎、谷川徹三
(転向者)亀井勝一郎、島木健作

②重要な記述(「民主と愛国」p217から)
 ”自分の問題を掘り下げることが、他者の問題とつながり、ひいては社会の変革にまで到達する。こうした論理を支えていたのは、
  戦争という体験を、全国民が共有しているという前提であった。”

37korou:2021/12/07(火) 12:19:01
小熊英二「<民主>と<愛国>」を読書中。印象的な部分の抜粋。

当時においては、戦中の自分に悔恨をもたない文学者は、ほとんどいなかった。・・・
大部分の文学者は、保身や便乗から戦争に協力し、自分の内面を裏切ったという悔恨を抱いていた。・・・・

しかし問題は、こうした悔恨から「本質的な意味での武装」を考えたとき、当時においてはマルクス主義の学習と、
共産党への参加という以外の方法が、ほとんどなかったことだった。そして小林(秀雄)や福田(恒存)が「政治」から「私」を守る
という論理で戦争責任を回避していたのにたいし、多くの共産党員は「政治」の権威によって「私」への批判を消すことで、やはり
戦争体験を隠蔽していたのである。

(二・一ゼネストの挫折から若手活動家たちの心をつかんだもの)
それが「近代文学」をはじめとした「主体性論」だった。この「主体性論」という名称は、社会の制度的変革よりも、人間の内面的な
精神改革を重視する思想を、共産党側が総称したものであった。
 たとえば、大塚久雄は「近代的人間類型」の確立が先行しないかぎり、制度的な社会改革を行っても効果は薄いと主張していた。
それにたいし共産党系の論者たちは、人間の意識は経済的な下部構造によって規定されるのであり、社会の変革なくして意識の変革など
あり得ないと主張していた。共産党側からすれば、社会変革のプランを伴わない「主体性」の主張など、ナンセンスでしかなかった。
 しかし運動の停滞とともに、若手の党員や活動家は党の指導に疑問を感じ、内省的な問題に魅力を感じていった・・・
 こうして大塚や丸山(真男)の著作、「近代文学」の論調、そしてマルクス主義に実存哲学を導入しようとした哲学者の梅本克己の主張
などが、一括して「主体性論」と総称された。これらの思想は、それぞれにバリエーションがあったものの、「近代」の再評価を含んで
いることから、「近代主義」ともよばれることになる。

38korou:2021/12/07(火) 13:39:30
(続き)
驚くべき用語の定義(戦争直後から数年間)

・「市民」・・・都市ブルジョア層の代名詞
・「民衆」「大衆」・・・知識人や都市中産層を含まない言葉
・「民族」「国民」・・・都市中産層と農民の双方をふくむ集団

「単一の民族国家」・・・身分や地方の分断を克服した「国民」が成立
  ⇔「世界帝国(植民地領有国家・多民族国家)」・・・他民族の領土を手に入れることによって「単一の民族国家」でなくなる
・「世界市民」・・・世界帝国で活動する商人。多国籍企業の資本家

39korou:2021/12/08(水) 09:50:22
小熊英二「<民主>と<愛国>」を読書中。覚えている限りのメモ書き。

スターリンの”民族”観
1913年論文「マルクス主義と民族問題」・・・マルクス主義の発展段階論にのっとり、近代資本主義の発達で市場・言語・文化などの
                     共通性が生じたあと「民族」が形成される
1950年論文・・・近代的な「民族(nation)」は資本主義以降に形成されるが、その基盤として、近代以前の「民族体(folk)」が
        重視されるべきだ

この「民族」観の転換を受けて、マルクス主義歴史学者の代表格だった石母田正も、見解を大きく改める←「所感」派と同一見解
石母田に同調した学者・・・藤間生大、松本新八郎、林基(いずれも渡部義通の指導を受けた古代・中世史家)
※しかし、この転換を一気に打ち出した歴史学研究会1951年度大会では議論が紛糾
 同じ共産党員で歴史学者の井上清らが批判。       

「国際」派は、こうした動きに対して、階級闘争を放棄した「ブルジョア民族主義」と批判
(「所感」派は、日本内部の階級闘争よりも反米闘争を優先、階級をこえた民族戦線の構築を主張←当時のアジア情勢からも影響を受ける)

40korou:2021/12/15(水) 10:08:54
小熊英二「<民主>と<愛国>を読了。結論部からメモ書き、というか「引用」。

 自己の喜びが他者の喜びでもあり、他者の苦痛が自己の苦痛であり、自己と他者を区分する既存の境界が意味を失うような現象は、
二人という単位で発生すれば「恋愛」という名称が付される。しかし、それが集団的に発生した場合の名称は定まっていない。
それに「革命」という名称がつくか、「市民」という名称がつくか、はたまた「ネイション」という名称がつくかは、偶然の問題
だったのではなかろうか。
 しかし、こうした状態に特定の名前がつけられ、さらに「ネイション」や「市民」の名を冠した国家が、それらの言葉を権力行使の
正当化に利用し始めたとき、「ナショナリズム」は抑圧的なものに変化する、その状態では、「ネイション」もまた、国籍その他に
よって区分された集団の名称に化してしまうのである。
・・・・・
 主権国家というものは、基本的には暴力を独占し、域内の暴力をコントロールする制度として成立した。具体的には、殺人を犯して
罪に問われないのは、国家の公認による場合だけである。ただし、こうした制度に暴力を独占させる代わりに、政教分離によって精神的
価値は与えないというのが、元来の主権国家制度だった。
 しかし「ネイション」を冠した国家が出現した時点から、主権国家は精神的権威までも獲得した。
・・・・・
 自己が自己であるという感触を得ながら、他者と共同している「名前のない」状態を、戦後知識人たちはあるいは「民族」と呼び、
あるいは「国民」と呼んだ。それを「ナショナリズム」だったと批判することは、たやすいが無意味なことである。
・・・・・
 すなわち、本書の結論は、以下のようになろう。新しい時代にむけた言葉を生み出すことは、戦後思想が「民主」や「愛国」といった
「ナショナリズム」の言葉で表現しようと試みてきた「名前のないもの」を、言葉の表面的な相違をかきわけて受けとめ、それを現代に
ふさわしいかたちを与える読みかえを行ってゆくことにほかならない。

41korou:2022/03/06(日) 18:12:58
このところのロシアによるウクライナ侵攻について
今思うところをメモ書き。

西欧・米国サイドのマスコミには自省というものがない。
権力とずぶずぶというわけでもないが、都合の悪いことは報道しない。
権力側は、そんなマスコミの傾向を熟知し、是々非々で対応するが
時には対立し、時には圧力をかけ、基本的には利用している。
逆に、ロシア・中国には、マスコミそのものがない。
批判がないので、権力側は情報入手について逆に制約を受け
判断過程において選択肢を狭めることになる。

西欧・米国サイドは、冷戦終了後のロシアの弱体化を見て
ロシアを含めた準EUのようなものをもくろんだ経緯がある。
ロシアは、エリツィン政権の初期にはそれに乗っかる感じで動いていたものの
途中から政権基盤が弱体化し、従来の共産党幹部の反対などで動けずにいたところ
プーチン政権になり、国の体制が次第に変化し始め
準EU構想はロシアを除く形で進行していく。
そして、それはロシア近辺の国々のEU参加、NATO加盟という形になり
プーチン側としては、対抗したくとも国力が伴わず
最低限、旧ソ連領土内の造反を鎮圧する動きしかとれなかったのだが
2010年代に入って、経済力の増したロシアは
ついにNATOとの対決姿勢に転じる。
その始まりが、2014年のウクライナ侵攻(第一次)になるだろう。

42korou:2022/03/06(日) 18:21:43
このとき、西欧・米国は、ロシアに対して厳重な抗議をしなかった。
それはウクライナがNATO未加盟国だったこともあるが
態度を決めかねていたオバマから、基本的に何も案のないトランプに政権が交代し
EU自体も別の問題(難民問題、一部の加盟国の経済危機、英国離脱の件)のほうを
最優先していたからだろう。
しかし、ウクライナで指導者が交代し、その指導者がロシアの強硬姿勢に幻滅を感じ
いきなりのEU接近を図ったこともあるが
トランプからバイデンに交代した米国が、明らかにウクライナからの撤退姿勢を見せたことや
ウクライナの接近に曖昧な態度しか示さなかったEU側の弱腰に
プーチンとしては、ウクライナを変えるには今しかないと決断したのだろう。

しかし、決断を急ぎ過ぎたのだろう。
東部地区だけを決着つけるのであれば
これほどの大騒ぎにはならなかっただろう。
いきなりのキエフ侵攻は、あまりに仰々し過ぎ
西欧メディアの格好の餌食となった。
西欧メディアは偏向しているが、今回に限っては仕方ないだろう。
どちらにせよ、マスコミの力を信じない現ロシア政権なので
東部地区限定の侵攻であっても、それをうまく説明できなかっただろうけど
今のところ、実態以上にロシアが悪者にされているような印象を受ける。
戦争はこうして起こるものだということを
改めて実証した感じだ。

まだ書き足りないが、今日はここまで。

43korou:2022/07/15(金) 17:34:14
mixiに書いた「自民党派閥の推移」を転記。何回かに分けて転記する。

(旧自由党系派閥)
①佐藤派(佐藤栄作)<吉田茂派の後継その1>
 → 1972年 田中派(田中角栄)
 → 1987年 竹下派(竹下登)「経世会」
 → 1993年 小渕派(小渕恵三)
 → 2000年 橋本派(橋本龍太郎)
 → 2005年 津島派(津島雄二)
 → 2009年 額賀派(額賀福志郎)
 → 2018年 竹下派(竹下亘)

  ※竹下派から小渕派となる際、小沢一郎らは竹下派から分離して新生党を結成。
   新生党は1994年に野党と合体して新進党になり、1998年に解体して、一部は
   民主党に、旧公明党は公明党に復帰、小沢らは自由党を結成する。2000年に
   自由党はさらに自由党(小沢)と保守党(野田毅・二階俊博)に分かれ、
   その自由党は2003年に民主党と合体、保守党は保守新党になり2003年に
   自民党と合体し「二階グループ」を結成。二階グループは2012年に伊吹派と
   合流して今の「二階派」となる。

44korou:2022/07/15(金) 17:35:03
②池田派(池田勇人)「宏池会」<吉田茂派の後継その2>
 → 1964年 前尾派(前尾繁三郎)
 → 1971年 大平派(大平正芳)
 → 1980年 鈴木派(鈴木善幸)
 → 1986年 宮沢派(宮沢喜一) → 1998年 河野洋平が離脱「大勇会」
 → 1998年 加藤派(加藤紘一)
 → 2000年 「加藤の乱」により2派に分裂
    加藤派→小里派(小里貞利)→谷垣派(谷垣禎一)
    堀内派(堀内光雄)→丹羽・古賀派(丹羽雄哉・古賀誠)→古賀派
 → 2008年 谷垣派と古賀派が合体。宏池会(谷垣派)と宏池会(古賀派)となる。
 → 2012年 谷垣派が離脱。以降「谷垣グループ」として活動。
        古賀誠引退により古賀派は岸田派(岸田文雄)となる。

  ※「大勇会」は2006年に「為公会」となり、代表が河野洋平から麻生太郎に
   なる(以降「麻生派」)。2017年に旧三木派の「番町政策研究所」と合体し
   「志公会」と改称。

45korou:2022/07/15(金) 17:35:58
③大野派(大野伴睦)
 → 1965年 船田派(船田中)と村上派(村上勇)に分裂。
 → 1971年 村上派から水田派(水田三喜男)へ
        この頃に船田派・水田派ともに田中派に吸収される。

④石井派(石井光次郎)<緒方竹虎の勢力を継承。朝日新聞つながり>
 → 1972年 石井光次郎の政界引退とともに派閥消滅。所属していた議員の多くは
        その後無派閥となり、一部は岸派(福田派)に流れた


以上の派閥は吉田茂の政治思想の後継となるので
基本は「護憲派」となる。

46korou:2022/07/15(金) 17:37:53
⑤岸派(岸信介)
 → 1962年 福田派(福田赳夫)   ※川島正次郎の一派は「川島派」を結成
 → 1970年 川島派→椎名派(椎名悦三郎)→1979年、椎名引退で解散
 → 1972年 福田派に旧佐藤派の保利茂のグループが合流
 → 1979年 「清和会」と名乗る
 → 1984年 旧石原派(石原慎太郎)、旧中川派(中川一郎)と合体
 → 1986年 安倍派(安倍晋太郎)
 → 1991年 三塚派(三塚博)
 → 1998年 森派(森喜朗)  ※亀井静香らが「亀井グループ」として派を脱退
 → 2006年 町村派(町村信孝)
 → 2008年〜2012年 中川秀直の造反・失脚、安倍晋三と森喜朗の対立により
            実質町村派を牛耳っていた森の退会。
 → 2014年 細田派(細田博之)

  ※「亀井グループ」は、1998年に旧中曽根派の反山崎派グループと合体し
   「志帥会」を結成。反山崎派の村上正邦が代表となり、1999年に江藤隆美、
   2003年に亀井静香、2005年に伊吹文明がそれぞれ代表を継ぐ。しかし、
   2009年の総選挙以降は派閥の退潮が著しく、2012年に党内の「二階グループ」
   と合体し、その時点から「二階派(二階俊博)」と称されている。

47korou:2022/07/15(金) 17:39:03
⑥河野派(河野一郎)<鳩山一郎の後継>
 → 1965年 中曽根派   ※森清・園田直は「春秋会」結成。森派→園田派
 → 1972年 園田派が福田派に吸収される。
 → 1978年 派閥名を「政策科学研究所」と改称(以降も中曽根派と呼ばれる)
 → 1982年 中曽根が首相就任のため櫻内義雄が会長に(以降も中曽根派)
 → 1991年 渡辺派(渡辺美智雄)
 → 1995年 渡辺美智雄病没後、しばらくは「旧渡辺派」と呼ばれる。
 → 1998年 「山崎グループ(山崎拓)」が分離、残りの「旧渡辺派」は、
        旧三塚派の「亀井グループ」と合体。
 → 2012年 石原派(石原伸晃)

⑦石橋派(石橋湛山)
 → 1957年 石橋が病気のため首相を辞任。派閥としては休止状態に。
 → 1969年 石田博英が旧石橋派を再集合させて石田派を結成
 → 1971年 石田派解散。大半が三木派へ

48korou:2022/07/15(金) 17:40:14
⑧松村・三木派(松村謙三・三木武夫)<旧改進党グループ。民主党傍流>
 → 1964年 三木派
 → 1980年 河本派(河本敏夫)
 → 1995年 派閥名を「番町政策研究所」に変更
 → 2000年 高村派
 → 2012年 大島派(大島理森)
 → 2015年 山東派(山東昭子)
 → 2017年 麻生派に吸収され合体。派閥としては解散


以上の8派閥に
藤山派を加えて9派閥とする見方もある。
藤山派は
岸の依頼で政界入りした財界の御曹司の藤山愛一郎が結成した派閥で
岸が安保闘争の関係で退陣を余儀なくされた直後に
岸派の一派を率いて総裁選に出馬、池田勇人に敗北を喫したが
そのままその一派の領袖となり藤山派と称した。
その後、南条徳男一派の脱退(福田派と合流)等もあって
派閥の維持ができなくなり
1971年に水田派に吸収され消滅した。

以上の派閥は鳩山一郎・石橋湛山の政治思想の後継となるので
基本は「改憲派」となる。


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