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倉工ファン

395名無しさん:2019/01/20(日) 12:06:02
「 甲子園の詩  ( 阿久悠 ) 」

1995年8月20日  準決勝   「  今年の華 」


読唇術ができるなら あぁ 読唇術ができるなら 孤独のマウンドの投手のひとりごとを

聞いてやることも可能なのに 握りしめた白球に強い視線をあて 小さく唇が閉じたり開いたり


それは 明らかに語りかけ 投手とボールが一体となるための 神々しいほどに孤独な儀式

何を願うのか 何を祈るのか それとも 何かを命じるのか 投手以外の誰も知らない


敦賀気比 内藤剛志投手 酷暑の中の三日連投 二百十三球 百二十九球 そして この日

百十二球 若い肉体を削るようにして投げた 三日間合計四百五十四球が光る


試合がどう展開して行くのか ドラマがどこで仕掛けられるのか 勝敗は何によって決するのか

そして 勝つのは誰か 敗れるのは誰か いろいろと心を魅了するものはあるが 投手のひとりごと

群衆の中の一つの顔が 誰にも聞こえない本心を発するさまは 胸が痛くなるような

涙を誘われるような感じさえする


野球とは 九十九の激情と 一の感傷の組み合せ そして 一の印象が勝ることもある

内藤剛志投手 今年の夏の華でした



美しさには、いたいたしさが伴う。 いたいたしいから美しいともいえる。
連続酷暑日の中での三日連投を、悲壮感だけで絶賛するのは、一方では問題を含んだことかもしれないが、
内藤剛志投手には、悲劇を超えた凄さがあった。 
だから、ほめて書く。 可哀相になどとは、とても云えないのだ。

さて、準決勝は引き締った。 常識的に考えると、疲労も極に達し、ともすれば一方的な試合か、
乱打戦になりがちなのだが、星稜と智弁学園も、帝京と敦賀気比も、ともに緊張感の満ちた好試合で、
一回戦あたりで感じたさまざまの不満や不安も解消してくれた。

一試合目が終わって星稜の決勝進出が決定した時、多くのロマン好きの甲子園ファンたちは、
敦賀気比との「日本海決戦」を夢見たに違いない。 それを打ち砕いた帝京は、ちょっと損な役まわりだが、
一試合目に比べて別チームのように仕上げたのはさすがである。


( 帝京2-0敦賀気比 )



花田真人(柳川)・・・中央大学、ドラフト5位でヤクルト。通算10年、10勝7敗2セーブ。

内藤剛志・・・駒沢大学、JR東海。




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