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倉工ファン
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「 甲子園の詩 ( 阿久悠 ) 」
1992年8月14日 一回戦 「 苦い薬 」
去年の ちょうど同じ八月十四日は 大会最高の五万一千人の客の前で
3回1/3で7点を奪われ 呆然とマウンドを降りた投手が 今年 颯爽と投げている
去年の八月十四日 なぜか 初めて蝉の声が甲子園に響いたが そんなことは知る筈もないだろう
だが もし 今年であったなら 青空の彼方から降りそそぐような 激しい蝉の声を聴く余裕を
持っていたに違いない 樹徳高 戸部浩投手 三年生
何やら出来過ぎた物語のように きちんと 三百六十五日で復活し
苦い苦い薬の効果を見せている 残酷に思える仕打は 大体は薄情な毒になる
才能に疑問を持たせ 運命を呪わしく感じさせ 二度と這い上ることの出来ない衝撃を
若い体と心に与えてしまう 毒にもなり 薬にもなる
惨敗の経験から立ち直り 克服し成長した姿を見るのは 何とも頼もしい限りで
単なる抽せんの結果と云いながら ちょうど三百六十五日 このきりの良さに
苦い薬を与えた神の 好意に満ちた甘い微笑みを 感じてしまうのだ
去年のノートを見ると、大会七日目の八月十四日、樹徳は大阪桐蔭と対戦し、
11対3の大差で敗れている。
そして、その試合の先発が、二人いる三年生の投手ではなく二年生の戸部浩で、
ぼくも、意外にもと書いている。
結果は、相手の大阪桐蔭が最終的には優勝した実力校ということもあって、
二年生投手には、本当に苦い薬となったのである。
しかし、一年過ぎ、今年の戸部投手の成長ぶりを見ると、あの先発が過ちでも、
奇策でもなかったことがわかるのである。
作戦に対する賛否が、一年、二年過ぎてから立証出来るところが、
また高校野球の面白さであり、恐さでもあろう。
桐蔭学園、帝京のまさかの敗退、創価も秀明もはやばやと姿を消して、
関東勢の旗色は大いに悪かったが、樹徳が一勝してまずはよかった。
決して地域的ナショナリストではないが、
勝った学校が列島に散らばっていた方が最後の興味も大きいというものだ。
( 樹徳8-1近江 )
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