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倉工ファン

241名無しさん:2018/09/01(土) 15:15:21
「 甲子園の詩  ( 阿久悠 ) 」

1986年8月8日  一回戦  「 北のジャンボが幕をあけた 」


さあ まばたきを忘れて 一瞬の夏に心を感光させよう 眩しさに満ちたものはそれだけで早い

虚ろな瞬間をつくってしまうと 劇的な場面とは出会えない 夏はふり返らない 

少年のドラマもリピートしない その時をとらえることこそ 夏に出会ったという証明なのだ


時が流れ 人の心は変り だけど 甲子園は まるで それ自体が季節ように 列島のド真中に存在する

さあ クタクタになろう ときめこう ふるえよう 動きを忘れた心にカンフルを 冷えた感情に汗を

ちょっと愚かになっていいじゃないか


心憎いプロデューサーの甲子園は さまざまな個性を 陽光の中に立たせる あり余る才にきらめく少年を

才を越えた奇跡を演じる少年を 幸運と不運の綱渡りに ぎりぎりの粘りをみせて 神の指示に勝つ少年を


そして 今日は 北のジャンボがマウンドに躍り あたかも 大いなる夏の予感のように 熱いドラマの幕をあけた

秋田工 川辺投手 百九十二センチ 九十二キロ ギイーッと開く 季節の音がした



この「甲子園の詩」も八年目である。 最初の年、ぼくをたかぶらせた少年たちは、香川であり、牛島であり、
石井であり、嶋田であり、彼らはもうプロのいっぱしの選手である。

八年の間の、高校球児の心の変化といったものを見落とせない。 
選手宣誓に定型を破ろうとする試みをなされたのは一昨年からで、福井商坪井主将は、甲子園から未来へと語り、
昨年は、銚子商の今津主将が、ぼくたちは仲間たちの代表としてやって来ました、と平易に話した。

今年の米子東の石川主将は、明日にむかってはばたく高校生として、という言葉は使っているものの、
定型の見直しが感じられた。 この変化も、甲子園をどう感じるかという興味においてなかなか興味深い。
とにもかくにも、暑い夏、そして、熱い夏、北のジャンボが最初の火をつけた。




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