したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

女が男を金的攻撃で倒すSS

376名無しさん:2019/05/06(月) 09:34:09 ID:bW/F4bMI0
今月に入って更新があったのは古典太平記だけですね。
季節外れのひな祭りの音声作品と言うのがツボでした。

377名無しさん:2019/05/06(月) 13:25:43 ID:2vaqAbvo0
前はそれなりに投稿されてたけど以前の書き手はどこでやってるのですかね

378名無しさん:2019/05/06(月) 20:13:25 ID:MKBxFYRs0
焦らず待ちましょうよ
書き手がいなくてもスレが存在しているだけで幸せなこと

379名無しさん:2019/05/15(水) 11:19:46 ID:YGGCvqb20
過去の作品をサルベージするのも楽しいぞ
2ちゃん時代のスレにはSSが大量に眠ってるからな

380名無しさん:2019/05/22(水) 19:37:18 ID:offtDZHI0
>>379
おすすめ教えてほしい

381名無しさん:2019/06/16(日) 18:03:54 ID:uWFC6vzM0
ttps://www.youtube.com/watch?v=WbZpG0dRKk0&t=1273s

"金蹴り"にハマる女性が急増中♡ディープな大会にグラドル三宿菜々が"女王様"として潜入!「思ってたよりも楽しめた自分が怖い」|『給与明細』#53

382名無しさん:2019/07/06(土) 07:46:25 ID:1sQfL5F.0
親の敵の武士に金蹴りして首を取り
墓前に報告する音声って、すごい斬新だよな
そもそも墓前報告する金蹴りボイス自体ないだろう

383名無しさん:2019/07/06(土) 22:25:26 ID:ERTaLx1Q0
何の話か知らんけどどうでもいい部分を斬新にする意味はあまり無い

384名無しさん:2019/07/07(日) 11:10:56 ID:YvCxrL6M0
>>383
古典太平記のコメント欄にあったリクエスト
冷静に指摘されると、たしかにそのとおり

385名無しさん:2019/07/15(月) 11:19:27 ID:1wOypGKE0
今回の古典太平記の感想コメを見ていて気になったんだけど
スマホでボイス動画を見ている人って
電車の中とかでもイヤホンを付けて見ているの?

386名無しさん:2019/07/15(月) 11:31:34 ID:51YurzzM0
しかしどこも動き無いな
嫁婿の人がpixivで再開したけどそれも結構前だし

387名無しさん:2019/07/15(月) 11:57:16 ID:y0/HwmD.0
一瞬、金玉を蹴る女達が更新再開したけど、また止まって音沙汰なし
今、定期的に更新しているのは、しっぽの練習帳と古典太平記位だろう
寂しい

388名無しさん:2019/07/15(月) 21:35:54 ID:51YurzzM0
一時期ここにたくさん投下してくれたダークな作風の人も最近見ないなぁ
抜ける上に話もすごく考えられてて好きだったのに

389名無しさん:2019/07/15(月) 22:37:59 ID:JXIdl3KE0
ぜいたくを言うと、たまには金蹴りイラストも見たい
金蹴りドアップで描いてある物がイイ!

390名無しさん:2019/07/16(火) 20:52:21 ID:S/KMKWTA0
前いたエクストリームの人とか嫁婿の人とか好きだったわ
このスレの存在を知らないとか?

391名無しさん:2019/07/16(火) 21:09:57 ID:Td0eCJbg0
嫁婿の人はここにも投下してる
エクストリームの人は分からないけど普通に力尽きたんだと思う

392名無しさん:2019/07/18(木) 02:08:34 ID:xkeyOhoo0
ロッカーの中に隠れてたら見つかった話とかスパリゾートとか未だに待ってる

393名無しさん:2019/07/18(木) 12:02:43 ID:33w0PoxE0
>>392
ロッカーの中の話って何?
見たい

394名無しさん:2019/07/18(木) 20:39:09 ID:NeqOhf2Q0
導入が丁寧なだけに続きが気になるよね

395名無しさん:2019/07/27(土) 15:52:18 ID:fmD6PwHo0
女子が一方的に話して、男キャラのセリフがない物も
SSに分類される?

396名無しさん:2019/07/27(土) 23:31:38 ID:oiSdH3B.0
自分はアリだと思う

397名無しさん:2019/08/09(金) 00:21:38 ID:d4dJevAs0
過去の遺作を見て楽しむのも限界だわ
執拗に責めるのも好きだけどエクストリーム空手みたいに互いの心理の描写みたいな方に重きを置くのが好きだった

398名無しさん:2019/08/09(金) 23:49:26 ID:Yyl/2HJ.0
むかーし、むかしの読み物。アーカイブにぶちこんで貰えば。
読めなくなってるのも多数。保健室の話が好きだったわ(´・ω・`)

ttp://raq1.tlcnet.com/users/tamahimeden/bbp/toukou/syousetsu/index.html

399名無しさん:2019/08/13(火) 04:33:22 ID:.mKf1WhY0
超気になるけど見れない

400名無しさん:2019/08/13(火) 22:00:02 ID:AywWQ/120
>>398
さんくす
しっかり潰してるの多くて良かった

401名無しさん:2019/08/14(水) 01:08:26 ID:guJ4BSnE0
見れないんだが

402名無しさん:2019/08/17(土) 00:22:34 ID:0nXKin3U0
>>398
こんなサイトが昔にあったとは知らなかった。
潰す所までやる話は滅多に見かけないのでとても貴重。
ありがとうございました。

403名無しさん:2019/08/18(日) 17:22:38 ID:WwJ7W2Cw0
俺も初めて知った
昔から色々なキーワードで検索掛けていたけど
なぜ見つからなかったか、謎
まだ埋もれているサイトがあるかも知れない

404名無しさん:2019/08/28(水) 01:28:03 ID:Kz.LC5KE0
みれない・・・

405名無しさん:2019/08/28(水) 11:06:03 ID:8pWVXYSQ0
普通に見ることはできないんじゃないか? たぶん。
アーカイブにぶち込めって書いてるし。web archiveで見るよろし。
なんていうかゲイの人って文章力高いね。今は亡き?kekkoのHPに
男男物を書く人が男女物を書いていくつか投稿してたけど、
抜きん出た品質の高さだったわ。

406名無しさん:2019/08/28(水) 16:46:44 ID:MeSGLwDQ0
というかこの界隈自体が創作力低いんだよね
絵描ける人も文章書ける人も少ない
ゲイの玉責めだって相当なニッチジャンルだろうに作品の質も量も段違いで辛いわ

407名無しさん:2019/08/28(水) 20:15:21 ID:9ui1o7uc0
スカトロやグロリョナの方が需要、供給、知名度も高いというね。
それに対して玉責めは「ずっと書(描)き続ける人」が殆どいない。

408名無しさん:2019/08/29(木) 00:02:20 ID:4pBkok0w0
>>406-407
羨望や悲観するのは分かりますが、もう少し書き方はありませんか
界隈全体を貶める意図はないとは思いますが、創作力や継続力が低いなどと言うのはいかがなものかと

続くようでしたら、SSスレに相応しくないと思いますので議論スレで返信します

409名無しさん:2019/08/30(金) 11:22:22 ID:trBYA3x.0
古典太平記のボイス作品は素晴らしいですね。
管理人さんを尊敬します。

410名無しさん:2019/08/30(金) 15:33:33 ID:OWkLNXqI0
『ド聖さん』ってブログはどうなん?

411名無しさん:2019/08/30(金) 18:49:38 ID:trBYA3x.0
>>410
金蹴りよりも強制射精に力を入れている感じ

412名無しさん:2019/08/30(金) 22:55:23 ID:kUEEx8m20
同時にエロもとなるとそうなるんだろなぁ
もしくは女勝ちの表現を金的以外にも出したいからとか

413名無しさん:2019/08/31(土) 09:54:41 ID:jZuYWpIY0
男女物と男男物の混載で思い出したけど、ここのスレ民的に英語コンテンツってどんな扱い?
読むのに時間がかかるから発掘するのは手間だし、過疎状態なのはたぶん変わらんけど、手を
付けてないなら未開拓の金鉱みたいなもんだと思う。俺は一時期夢中になった。

414名無しさん:2019/08/31(土) 18:56:19 ID:t9bH4J1A0
>>413
海外サイトは全然手をつけていない
TOEICの勉強でもしようかと思い始めた

415名無しさん:2019/08/31(土) 23:26:54 ID:Dxgvetdg0
>>408
おっしゃる通り貶す意図は全く無く事実を言っただけですね
特別棘のある言い方はしてない筈ですし、正直何がそこまで気に障ったのかさっぱり分かりませんが議論スレで話したいなら応じます

416名無しさん:2019/09/02(月) 12:45:03 ID:F8tubvc20
だったら自分でレベル高いのいっぱい作ってくださいとしか
てことだと思うけど

417名無しさん:2019/09/04(水) 00:47:50 ID:pVVLfx8c0
ss作るより、古典太平記みたいにセリフ集にして音声化する方が、創作のハードルも低いしコンテンツとして需要ある気がする

418名無しさん:2019/09/04(水) 23:24:13 ID:5wlh/Zjk0
たしかにQ&Aを読み上げるだけなのに興奮するよな
DVDとかでも掘り下げて経験談を語ってくれるものは見たことないし
盲点を突かれた感じ

419名無しさん:2019/09/05(木) 13:02:21 ID:nyMrbgwc0
台詞だけ作って依頼するのも一つの手ではあるんだけどねぇ
何なら絵描いて貰って良い訳で
ただやっぱり自分で創作出来る人が多い方が影響力はあるし、あわよくばそれでこのフェチに目覚める人が増えれば供給も多くなって万々歳なんだけどなぁ
それが目的でSS書いてた時期もあるし

420名無しさん:2019/09/05(木) 21:22:05 ID:2P5AFYjY0
古典太平記の1番新しいボイス作品が1番好き
ただ、恋愛テクでも古典でもないよなw
でも、ボイスを聞いた女性がSっ気に目覚めてくれると
それはそれでうれしい

421名無しさん:2019/09/12(木) 10:23:43 ID:YlwbkGTo0
昔pixivで艦これとかミックスファイト倶楽部とか
ミックスファイトのシリーズ物を書いていた人もう一度復活しないかなぁ。
金蹴り率かなり高かったしフェチのツボついていたし
それでいて男と女どっちが勝つか分からない感じがすごく良かったのに。
なんで消してしまったんだ・・・

422名無しさん:2019/09/12(木) 19:11:13 ID:OcuRl3XA0
エクストリーム好きだったんだけどな…

423名無しさん:2019/09/12(木) 20:25:30 ID:rSecAIv.0
エクストリームとか嫁婿の良いところはやられた男が無闇に叫ばないところ
自分のプライドとかで声を押し殺すも我慢できない感じが本当にすき
ついでに言うと設定が高校生くらいで多感な時期なのもいい
復活してくれー

424名無しさん:2019/09/12(木) 21:20:33 ID:C1HWPqzk0
昔あったらしいけど、あなたに○○ついていますか?
みたいな名前のサイト。URL知ってる人いないかね。
今だったらアーカイブでみれそうなんだけど。

425名無しさん:2019/09/12(木) 22:27:58 ID:8wui0XE60
-------------

こんな思いを噛み締めるのは、自分が最後でありますように------

-------------


「〜〜〜〜♪」

軽快とは言い難い調子の鼻歌が響く。鬱蒼とした森の中、俺以外の気配は露ほども感じない。
いや、生き物ならば掃いて捨てるほどいるのだろうが。その姿を視認することは全くといっていいほど無かった。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪」

なんという歌なのかは知らない。歌詞の意味も分からない。生まれる前の曲だってことは知ってるが、それだけ。
自慢じゃないが、俺と英語は縁遠い。それこそ、俺と女ぐらい......自分で言って悲しくなってくるな。ただ、切なげなメロディーが脳裏に焼きついて消えてくれない。
そういう経験、アンタ達だって覚えがあるだろう?

昼前に街を発って、もう日も大分傾いた。シャツが身体に貼りついて、無言のまま不快感を訴えてくる。グラサンの下、目に入りそうな汗を拭う。
俺が不機嫌だと察してか、煩いほどだった蝉の声も、こころなしか控えめになったような気がする。とはいえ、あくまで気がする、程度だが。

少し前に乗り捨てた原チャのコトを恨めしく思う。オンボロもいいトコロで、だが目的地までは持つと考えていたがとんだ見込み違いだ。
持ち主の顔は忘れた。多少腕力に訴えさせてもらったが、快く譲ってくれたと認識している。アイツも、あのガラクタを買い換えるいい機会になっただろう。
思い入れだとか、愛着だとか。そんなモノは幻想で不要だ。そんなモノがあるからこそ、人は終わりにへばりついて離れられない。

スマホで確認すると、目的地までは1kmを切っていた。平地の1kmは気にもならないが、山道ならば話は別だ。
しかも、人跡が絶えて久しい獣道。正直、後悔しないといえば嘘になる。だが、ここまできて戻るのも業腹だ。進退窮まって惰性で歩みを進める。まさに俺の人生だな、と冷笑。

GPSだけを頼りに進む俺が生まれ育ったのは、どこにでもあるような地方都市。俺が生まれる前に、死んでしまった都市だった。
よくある限界集落のように、派手に消滅したわけじゃない。主要産業であった鉱山が廃れ、緩やかに活気を失っていったというだけの話。

景気が冷えれば、人心も荒む。当然だろう?朝っぱらから、暇とエネルギーだけを持て余した大人が街をふらついてんだから。
人心が荒めば、治安はお察しだ。そこかしこで小競り合いやら、殴り合いやら。誰もが自分を持て余していて、持て余したもののぶつけ先を求めていた。
コミュニケーションの通貨は、言葉と暴力。物心ついてからそういう環境で育った俺には極めて自然、だが実際は世紀末だったんだろうな。
西暦が、千年紀が切り替わった後に世紀末を迎えるなんてな。皮肉だが、あの遅れた街には相応しかったのかもしれない。

荒廃のピークは、俺が中学に上がる直前。5〜6年ほど前か。他所では中々起きないだろうコトが、ここでは日常茶飯事だった。
例えば。一つしかない高校で殺人事件。女生徒が、男子生徒を殺した。例えば、街の名士の娘が精神を病み、それが原因で一家とも街を追われた。
どこかネジが狂ったような出来事が立て続けに起きては、日常に溶けて流される。そういう日々を送ると、ネジが外れた日々そのものが日常に変わる。
幸いなのは、麻薬が蔓延しなかったことぐらいか。モラルが高かったわけじゃない。単に、この街は病みすぎていて採算が取れると思われなかったのだろう。

で、だ。そのまま病状が進行するとどうなると思う。答えは簡単。街も死ぬのさ、人間と同じように。
見込みのあるヤツほど早めに見切りをつけて去っていく。若い連中は潮が引くように消えていく。沈む船からネズミが逃げ出すみたいにな。

426名無しさん:2019/09/12(木) 22:28:35 ID:8wui0XE60
で、残るのは。俺たちみたいなロクデナシ、他所では生きていけないだろう底辺連中や、流されるまま惰性で生きているゾンビどもだけだ。
街は既に末期の状態で。誰かが、死に水をとってやらないといけない。だが、屍のような連中は、誰も街を看取ろうとはしない。

腐っても故郷だ。腐敗が進みすぎて白骨になっていても、街が死んだとは認めたくないのかもしれない。俺もそうだから、気持ちは分かる。そして、だからこそ気分が悪い。
―――誰か。誰かが、この街に引導を渡さなければならない。そう、誰もが思っていた。それは、ココに何の思い入れも無く、だからこそ無慈悲に終わらせることが出来る誰か、だ。
救世主願望、とでも呼ぶのだろうか。世紀末も四半世紀近く経ち、それでもこの街はメシアが到来するのを待っていた。

と、目の前が開ける。獣道から、踏み固められた道に。何故そう思ったかって?タイヤ痕があったからさ。
上方は深緑の天蓋で覆われていて、成程、航空写真じゃ分からない筈だ。ほっとしたか?いや、馬鹿馬鹿しい。むしろ落胆したね。
車輪の轍から、この先には人間が住んでいるというのは明白だったから。そういえば、俺が誰で、何をしているのか言ってなかったな。


名前は、鷹ノ上 隆一。年齢は18……性別は見ての通り、男だ。高校は辞めた。入って二月と保たなかったけど、中退といっていいのかね?
ほんの数年前には人死にさえ出したというのに。入学した頃は事勿れ主義者しかいなかった。退屈って概念が顕現したらば、さしずめあんな感じなんじゃないかね。
気に食わないヤツをぶん殴ったら、それで停学だと。いや、参ったね、実際のトコロ。この街だと、ありふれたコミュニケーションの一つだって当然知っているだろうに。

実家との縁が切れたのも、その頃だったかな。親父とお袋、そして妹が一人。皆、俺と違って頭の出来が良かったんだろう。
それまで散々厄介事を起こしてきた長男の面倒は、もう見きれないっていうわけだ。頭の宜しい妹を、あんな高校にやれないってのもあったのかもな。
とにかく。それを契機に家族もこの街を捨て。あとは俺が、この街の申し子みたいな俺一人が残されたってわけさ。

別に怨んじゃいないさ。むしろ、感謝している。俺は生まれつき身体が壮健頑丈だったからな。身長も無駄に薄らでかく180はゆうに超えてる。
身体がでかくて頑丈だというのは、ココで生き抜くのには何よりの財産だ。暴力に勝れば大抵の無茶は通せる。少なくとも、この街ではな。
だからこそココは住みよくて。だからこそココを捨てる踏ん切りがつかないのかもしれないと思うと良し悪しだけどな。

向かっているのは、所謂ところのお化け屋敷。いや、この年齢で肝試し。情けなくて、逆に怖いし笑ってしまう。
彩色された泥水が出てくると専らの評判、行きつけの場末、くたびれた盛り場で旧いツレ。谷崎のアホから聞いた冗談が全ての起点だ。

ソイツが言うには、この街の外れ、山を一つほど越えたところに呪われた神社があるらしい。そこには幽霊か山姥か……はたまた精神異常者か。
恐ろしい化け物が潜んでいて、訪れた男は皆、想像を絶する恐怖を味わうらしい。ビビりあがる余り、性格まで変わっちまったヤツも居る、とか何とか。

この街に住んで久しい俺でも聞いたことが無い与太話。そんなモンがあるなら町興しにでも使ったらどうだ、と笑い飛ばす。
だが、珍しくソイツは引かず。スマホで地図を見ると、確かに噂の場所には何らかの建物が存在するようにも見える。

詳しく聞けば。ソイツも野次馬根性旺盛なクズどもの御多聞に漏れず、実際にソコまで行ってきたらしい。マジで幽霊がいたぜ、と真剣な表情で告げてくる。鬼火と共に現れた、と。
どんなヤツだ?野郎か、女か、と聞けば、そこで途端に下卑た笑いに変わり、女だった、と笑い出した。何やら、女の幽霊に下半身を見せ付けてから、一目散に逃げ帰ってきたのだとか。

キチガイかお前は、と問えば、幽霊にチンコを見せ付けた勇者と呼んでくれ、と笑って返される。御立派なモノを拝めて未練も消えたろと言われ、粗品でよく言う、寧ろ本物見たいって未練ができたんじゃねーか、と返す。
視線を合わせて、沈黙一つ。そして、爆笑。今度、一緒に見せ付けにいかねーか、と誘われ、ホモかテメーは、と混ぜっ返す。また爆笑。

……ま、そのときはそれで話しは終わり。高校の友人の消息を話す方に話題は移った。
高校を辞めた時点で、俺と連中の接点は切れていて、それでも知り合いの現状を聞くのは心落ち着くような気分になる。

427名無しさん:2019/09/12(木) 22:29:25 ID:8wui0XE60
こんな場所だ。街を去ったヤツ、揉め事に首を突っ込んで、下らない事故で命を落としたヤツ。人生、一期一会だという言葉は、ココでは生の現実だ。
俺にも、幼馴染が居た。餓鬼の頃は、コイツと結婚すんのかな、と朧気に想像していたのを覚えている。小学、中学とずっと一緒だったソイツとも、高校中退で縁が切れた。

縁を切りたかったわけじゃない。ただ、ある日、ふっつりと音信が途絶えたのだ。死んだ、とは聞いていない。幾ら田舎でも、桜田門組はしっかり仕事をしていて。
流石に、死人が出たならばニュースやら何やらで耳に入る。俺が、新聞の地方欄にだけは目を通すのも、そういう理由だ。つっても、自分で取ってるわけじゃないけどな。

最後の記憶は、クラスの前で立ち塞がった姿。何処で聞きつけたのだろうか、俺が高校を辞めるという噂は風よりも速く広まっていた。
まぁ、基本は腑抜けの群れ、烏合の衆だ。大体の連中は、『和』を乱す異物が消えるって清々とした面をしていたぜ。

だが、アイツは違った。隆一、一時の感情に流されないで、将来のことを考えて、と懇願してきた。
いつもそうだった。俺が誰かを殴るときも、自分が殴られたときをと考えろと。喝を入れてやろうとしたときも、入れられることを考えろ、と。
正直、辟易したこともあった。でも、なんだろうな。不思議と、嫌いにはならなかった。それこそ、腐れ縁ってヤツだと勝手に思ってた。

あの時は……そうだ。顔面に一発、拳を叩き込んでやったんだっけ。偉そうなお題目を唱えておきながら、それで終わり。
未練がましく俺の足にしがみついてきたが、軽々と振り払って。恨めしげな視線に、やり返せねぇ方が悪いと吐き捨てて。意気軒昂、揚々と高校から凱旋したんだっけか。

まぁ、意見の相違を腕力で通すなんてコト、俺にとっちゃ呼吸みたいなもんで。……?女を殴るのはいいのかって?……?何が駄目なんだ?
弱いから?か弱いから、守るべきなんじゃって?―――ハァ、馬鹿なこというんだな。逆だろ?弱いから、殴られるんだ。通り魔だってそうだろ?ヤクザやら何やらじゃなくて、弱いヤツが襲われるだろ?
弱いってことは、何をされても仕方が無いってことだ。やり返されるかもしれないなら、やらない。弱いモノを襲うなってのは、弱い連中が、『自分がやられたくない』から唱えるお呪いに過ぎない。

『強い』ヤツが似たようなお題目を唱えたって、ソイツがやられりゃ『お題目』なんて吹っ飛んじまう。自分じゃない『強者』は、『弱者』と食い合ってろっつーのが正直なトコロさ。
食物連鎖と同じだ。弱者は数だけはいるから……残酷な話だぜ。つまり、幾らでも替えが聞くってコトだからな。ま、せいぜい、群れて、物悲しく傷を舐めあっていればいい。ソレぐらいは許してやるさ。俺は優しいからな。

幼馴染も……ミヅキも所詮はそんな連中の一人で。腐れ縁は切れないハズだったが、それ以来。アイツが弱虫の輪から抜けられず、結局疎遠になったんだったな。
とはいえ、多少の風の便りもあったが……ある日、消息を絶って、それっきり。ん?やけに詳しいなだと?―――そうだな。何でだろうな。謝りたいと思ったことは天地神明に誓って無いハズだが……俺、何をしたかったんだろうな。
退屈だったからか。きっと、そうだ。死んだ街には刺激なんて無くて。女も男も、若いヤツは大体都会に行っちまって。あるのは、不味い模造酒だけ。俺が今、曰くつきの廃墟に向かっているのもそれが理由だ。

428名無しさん:2019/09/12(木) 22:30:02 ID:8wui0XE60
轍に沿って歩く。ぬかるんだ道は不快感を刺激して、それでも歩みを止めはしない。遠く、何かの灯が見えて、それが目的地だと理解する。
知ってるか?退屈は人を殺す。生きるには、刺激が必要だ。噂の廃屋……実際には誰か住んでるみたいだが……あの場所の話、街の誰もが知らなかった。いや、歳を食った奴らは知っていたのかも。だが話したがらなかった。
曰く、前段の『街を去った』名士の持ち物だったらしい……辺りの山々も含めてな。街を去って、それでも頑なに『ソコ』だけは、その一帯だけは手放さなかったらしい。

年嵩の連中は、『さもありなん』という顔をしていた。つまり、ソコには『手放せない』理由があることは明白で。だったら、好奇心がビンビンに刺激されるってのも自然の道理だろ?
だが……蓋を開けるとガッカリだ。大山鳴動してネズミ一匹ってトコか……単純に、ソイツが街を偲ぶための別荘なのかもしれないな。俺のダチも、結局ただの変態だったっつーわけだ。ま、コレはアイツの知り合いみんな知ってるけどな。

べチャべチャと音を立てて進むと、ボロボロに崩れた土塀に行き着く。不自然な人工物。自然がソレを呑み込まんとしているのか、何かの芽が生え蔦が絡まり茸も生して、森の一部と一体化しつつある。
一昔前は立派な山門だったのだろうソレも朽ち果てて、奥に見える社殿……神社だったのか、ココは……ソレも今日明日にでも自然に還りそうだ。俺の街に相応しい、死んだ建造物だ、そう思った。そして、死んだとも自覚出来ていない。

足を踏み入れると、糞の臭いと味噌の匂い。予期せぬ闖入者に驚き慌てたのか、鶏が騒ぎ立てる音が聞こえる。左手にはプレハブのこじんまりとした物置、そして左手奥にも多少は見れた平屋が見える。
外にはプロパンボンベが幾つかと、横付けされた軽トラ。味噌の香りはそこから漂ってきているらしい。何の気無しに、その建物に歩み寄ると―――いや、違うか、ココまで来て手ぶらで帰れるかと―――背後から、清廉な声が聞こえた。

「当家に、何か御用でしょうか―――?」

振り返ると、ソコには。お目当ての幽霊が居た。

---------------------

429名無しさん:2019/09/12(木) 22:31:00 ID:8wui0XE60
いや、幽霊の正体見たり枯れ尾花っつーのはこういうコトを指すのだろう。

身長は170cm無いぐらいか?年齢不詳、若々しくは見える。女にしては長身だ。化粧などはしていないのだろう、薄らと目の下に隈が出来ているのも分かる。
だが、恐ろしい程に容姿は整っていた。碧為す黒髪というのはこの出で立ちを指すのか。薄暗い中、黒光りするように艶々とした毛髪を右肩で束ねて。
出で立ちは、殆ど裸に近い。薄い身体の上、更に薄い襦袢。真っ白い襦袢を申し訳程度に羽織っている。頭に三角巾的なものがついていれば、文句の出しようが無い程度には完成された幽霊だ。

ただ、一点。画竜点睛を欠くのは、普通に足が生えていること。襦袢の下からババむさい下着と、『無い』ことで存在を主張する『女』が覗き。そこから、瑞々しい太腿が伸びているのが見える。

幽霊だ、山姥だの噂になったのも頷ける。こんな山奥で、やぶからぼうにコイツに出食わせば俺だってそう思うかもしれない。多少冷静なら……下着の上に襦袢のみ羽織った姿で、精神異常者だと誤認するやも。
だが、話はきっと単純だ。ココの住人が予期せぬ訪問者に驚いて、着の身着のまま、上っ張りだけを羽織って様子を見に来た、それだけのコトなのだろう。鶏舎も落ち着きを取り戻し、隣に家庭菜園が拵えてあるのが見えた。

「あの、聞こえていらっしゃいますでしょうか?お役所の方、ですよね?何か御用件が―――」

幽霊モドキは現状を把握できていないらしい。ポヤポヤとした空気を保ったまま、見当外れの問いかけを投げてくる。おいおい、俺が役所の人間に見えるか、と内心苦笑。役所は、街で唯一のマトモな職場だ。俺とは縁遠い。
極彩色のアロハに、膝丈、白の短パン。履いているのは、ゴム製のサンダル。あれだけ歩かされていなければ、髪も逆巻いた金髪で……グラサンと併せ、どう贔屓目に見てもチンピラ、半グレ。ヤクザと思われたって不思議じゃない。

茫洋とした雰囲気の女が、所在無く手持ちの行燈を揺らす。鬼火の正体はコレか。他人事ながら心配になってしまう程の無頓着さ。俺がその気になるだけで、次の瞬間には土の味を堪能させてやることが出来るというのに。
いや、コレだけの肢体を持っているんだ。組み伏されて犯されるコトに対する危機感ぐらい抱いてもいいんじゃないか?そうなっていないのは、単純に俺が硬派だから……というか、やり方を知らないからだ。
……死にたいなら笑えばいい。風俗なんて洒落た場所、あの死んだ街にゃ無いのさ。若い女は直ぐに出て行ってしまうし、それに。そも女連中は、暴力の価値を、中々正確に評価することも出来ないようだからな。

女が一歩進み、俺の顔を下から覗きこむ。物怖じしない様子、だが無防備が過ぎるんじゃないか?誰かから危害を加えられるなんて想像もしていないのか、そもそも何をされても構わないと思っているのか。女からは読み取れない。
襦袢の併せは緩く。この体勢からだと、決して豊満とは言えない、むしろ俎板と形容して差し支えない胸元がどうしても視界に入ってくる。覗くつもりはないとはいえ、見えてしまう。チラチラと。
―――俺は女じゃないから知らないが。家で寛ぐときは、その、ブラジャーって着けないモンなのかね。つまりは、何だ。その、桜色の―――靴が。……靴?靴だと?!


「曲者ーーーーッ!!!!」


背後から。また、背後からだ。今回は、何処か聞き覚えのある声が響いた。ただ、その声に払う注意は霧散していた。何故か―――簡単だ。見下ろす俺の視線の先……股間から、足が生えていたから。
一拍遅れて、身体が衝撃を知覚する。グラサンが外れ、どうしようもない悪い予感が全身を駆け巡る。何をされたか……理性では分かりきっている!キンタマを、蹴り上げられたんだ!そして、理性が認めたくないと叫んでいるのも分かる。

あらまぁ、と。女が口を覆って声を漏らす。股間から覗く足は、密着した女の股間をも同時に蹴り上げる……なんてことは無く。出っ張った部分が無いからこそ、紙一重の距離で静止。密着した女は、他人事のような態度を崩さない。
もしも。本当に意味が無いもしも、だが。目の前の人間が『男』だったなら……二人仲良く蹲っていたような蹴りだった。当たらなくとも。股間の直前を蹴り足が通過したなら、男なら腰を引いただろう。女は、女だからこその無反応。

また、一拍空いて。耐え難い激痛と虚脱感が、股間から全身に充填されていくような感覚を覚え、堪えきれず、膝から崩折れようとしたところで。後ろの誰かが腰にしがみつき、引き倒すようなタックルを掛けてきた。
先ほどの一撃が無ければ意に介す必要も無い程度の衝撃だが、『金的』を蹴り上げられた状態では抵抗すること値わず、そのままうつ伏せに組み伏されてしまう。腿裏に、重量感のある肉塊の感触二つ、それで背後の誰かが女だと理解。

430名無しさん:2019/09/12(木) 22:31:44 ID:8wui0XE60
いや、『ソコで』っつーのは語弊があるな。あんな、血も涙も無い蹴りをタマに叩き込めるのは、タマの痛みを知らない女に決まってる。だがその時は、その『タマ』の痛みに全身が満たされていて……そこまでは思考が回らなかった。

「このッ、腐れ変質者がッ!性懲りも無くッ、まーたこんな山奥にまでッ―――このまま絞め落としてやるから覚悟しなさいッ!!!!」

絞め落とすって聞いて、どんなコトをされるとイメージする?頚動脈を絞めて、意識をブラックアウトさせる……アンタが女なら、それだけで正解だ。だが、男なら―――
俺もその時初めて知ったよ。背後の女は俺の短パン、右裾から右手、左裾から左手を入れて、あろうことか、俺のタマを締め上げはじめたんだ。外そうにも……敵の身体は背後、太腿に上半身を乗せた体勢で両腕が届かねぇ。
そもそも、キンタマを握り締められて身体に力を入れられるワケがねーだろ?これも、女にゃ分からないと思うがさ。

男だったら、さ。最初の一撃で勝負あったって分かっただろう。生憎、俺に急襲を掛けてきやがった何者かは女で―――後で聞いたところだと、初撃でダメージを与えられたかどうか、半信半疑だったんだそうだ。
流石に潰すまで行ったら勝ったって思うけど、と笑い。そうは言っても、実際に潰した経験あるわけじゃないけどね、なんてはにかむ。悪びれなくのたまったソイツの顔に、俺のタマが縮み上がっちまったのは仕方が無いことだろう?
ともかく、この時はソイツが誰かも分からずに、地臥で必死に藻描いていたワケだ。

再度。あらあらまぁまぁ。頭上から能天気な声が降ってくる。距離にして1メートルも無いだろう。目と鼻の先で起きている修羅場に対して、何処か遠くの出来事としか認識出来ていないような、幽霊女が溢した声だった。

助けを求めようと顔を上げると……背後の誰かと揉み合いになった弾みだろうな、女の帯が外れ、前が全開に……晒された股間が、彼女は俺を苦しめている器官……タマなんて持ち合わせていないと無言の内に主張していて。
唐突に理解しちまう。俺のタマがどんな目に遭わされているのか……それに共感できる人間は、四方1km以内に誰もいないのではということを。背筋に、ヒヤリ、という感覚が走る。
当然共感できない背後の誰かは、五指を俺の肝心な部分に突きたてるようにして、ゴリゴリとソコを責め立ててくる。股間が痛み、激痛が腹痛にまで波及しつつあるのを、ソイツは全く感知しようともしていない。出来ない。
思わず許しを乞おうとして……激昂しているらしいソイツに、この感覚をどう伝えればいいのか分からず、言葉に詰まる。苦悶していると、更に肝が冷える台詞が投げつけられてきた。

「右のが大事?!左のが大事?!片方で勘弁してあげるけど……今度また来たら、残った方も潰してやるからねッ!!!女になりたくなかったら、二度とその面見せないことねッ!!」
「えーと、ミヅキちゃん?確かに女性はおタマタマ持ち合わせておりませんが……逆に男性がおタマタマを失くしたからって女性になるわけじゃありませんよ?」

調子外れの指摘が幽霊から零れたが、要点はソコじゃない。苦痛に煩悶し、朦朧とする頭の中に響いたのは聞き覚えのある名前で。
畜生、お前、昔からそーゆートコ潔癖なヤツだったよな、と恨む。怒りの理由は、つまり、田崎が……あの頭蓋骨に名産の蟹味噌が詰まっているようなアホが、チンコ見せつけに来たからだな、と。俺、関係ねーよ、とも。
郷愁と恐怖と、様々な感情が綯い交ぜになった俺が放てたのは、一言だけ。幼馴染の……片瀬 海月の名前。

「ミ、ミヅ、キ―――??」

「え?何よ……って、ちょっと何?アンタ、もしかして隆一?何でこんなトコロに―――って、ちょっと?大丈夫?!?」

テメェでタマキン握っておいて、大丈夫も何も無いもんだ。だが、驚いた拍子に海月の親指がタマの裏側―――副睾丸って言うらしい―――に突き立てられ。俺は、魂を搾り出される思いをしながら失神した。

----------------------------------------------------

431名無しさん:2019/09/12(木) 22:32:19 ID:8wui0XE60
「だ〜〜〜〜〜〜〜〜〜からさ、マジでゴメンって!この通り!許してつかぁさい!!」

何で、こうなったんだろうな。失神していたのは、極短い時間だったらしい。幽霊……高屋敷 櫻子と名乗った……と海月は二人で、俺を母屋へと運び込んでいた。
クソ、このクラゲ女が……と憤懣遣るかた無い表情を崩さない俺に、数年振りに顔を見た幼馴染が拝み倒さんとばかりに頭を下げてきて。何故クラゲかって?そりゃ、海月って書いたらクラゲって読むだろーが、普通。

金的ってヤラれると気力が萎えるのな。そうじゃなければ、もう一回拳の味を思い出させてやったんだが……とても、そんな気になれない。そして、女の海月はそんな男の仕組みは知らないのだろう、俺の様相が意趣返しかと思っての謝罪。
餓鬼の頃は雰囲気への流されっぷりからクラゲだクラゲだと囃したてていたが、数年振りに相見えた彼女は、その、身体の一部がソレこそクラゲを抱えこんだように膨らんでいて……あぁ、そうだよ。オッパイがだよ!!
それを直視し難い、クソ、我ながら童貞臭いぜ、というのもあり。俺は視線を反らしたまま、ぶっきらぼうな憎まれ口しか叩けない。あの乳が気になるにも程があるだろ、あの海月だぞ?!正気かよ、俺。

「まさか、お前がそんな変態だったなんて知らんかったぜ。ぐ……。男日照りが過ぎて、自制出来ずに握っちまったってか?」

嘘だ。我慢出来そうに無いのは俺だ。握りたいのは、揉みしだきたいのは海月の乳だ。股間から時折差し込むような痛みを感じるが、それを押してでもアイツを押し倒したい、と思ってしまう。
そういえば。アイツ、自分がされたら嫌なコトは、他人にしては行けないって金科玉条の如く言っていたっけか。なら、俺がされて嬉しいことは、アイツも嬉しいんじゃないか、なんて愚にもつかない考えすら浮かんで。
ただ、そんな俺の気持ちを知ってや知らずや。憮然とした態度を崩さない俺を段々と面倒くさく思って来たのか、海月の謝罪と心配の中にも、何処と無く険が交じってくる。
いや、険の中にも心配が混じるといったほうが正しいかな?海月はそういう女だった。

「もう、わざとらしく痛がる振りなんてしちゃって……!結構時間も経ったし、もう平気でしょ?……ホント、大丈夫?駄目そうなら言ってね?アタシ持ってないから、言ってくれないと分かんないよ?」

両腕で胸を押さえ込むような形でコチラを覗き込んでくる。自然、視線は彼女の谷間に吸い寄せられ……気力を総動員して引き剥がす。何でだろうな。見たいんだから、ガン見すればいいじゃねーかって俺の心は言っているのに。
首よ折れよ、とばかりに顔を反らす俺に、海月はまた不満げな表情。むー、大人げない、と口を尖らせる。それでも男なの、タマタマ付いてるの、と非難の口調。おいおい、謝罪は何処いったんだよ?

と。襖が開く音と共に、櫻子が麦茶を載せた盆を携えて姿を現した。いいトコのお嬢様なのだろう、少なくとも、苗字が三文字なら大抵名家だ……実例が俺だな、なんて冗談めかして問うたところ、実際そうだと聞かされて仰天する。
街を去った名士の一人娘だそうだ。何故、そんなヤツが人里離れたこんな場所に封じられているのかは見当もつかない。色々ありまして、と櫻子は笑うが、それ以上自分から語ろうとはしなかった。

心ココに有らず、といった風情はそのまま。まぁ、病んだ街だ。病んだ令嬢がいても何も可笑しくは無いだろう。

今の彼女はジャージ姿。色やデザインから見て、懐かしきは俺の高校のジャージ。ウチのはほぼ新品だが、ソレは海月のお古といったところだろうか。彼女のために誂えたように身体にフィットしたソレは、まるで第二の皮膚にも見えた。
まぁ、アレだ。誤解を怖れずに形容するなら……今の櫻子は、着古されたジャージの空気とも相俟って、相当な年季と、鉄筋もかくやという程の筋金が入ったニートに見えた。馬子にも衣装って、逆だとこーなるんだな。

「あ、先輩!聞いてくださいよ、隆一ったら臍を曲げちゃって―――」

432名無しさん:2019/09/12(木) 22:33:56 ID:8wui0XE60
海月は、櫻子のコトを先輩、と呼んでいた。聞けば、歳の頃は24……確かに、干支半周分も年嵩なら先輩と読んでも差し支えないだろう。ま、櫻子も十分俺の守備範囲だ、と内心で評点。自己満足だよ、いいだろ別に。
二人が並ぶと、上半身の一部の差が残酷なまでに顕現する。マジ、上半分だけだと、同じ性別だって思えないかもな。ま、金的をやられついでに言うならば……二人とも、下半身は俺と違う、この痛みとは無縁の身体なんだろうが。
あらまぁあらまぁ、と櫻子が言葉を発する。口癖か?喧嘩は良くないですね、と呟いて。俺と海月に手招き。なんだろな、不思議と人を従える雰囲気を醸し出していて、幼子のように二人で櫻子の前に並んでしまう。すると。

頭が真っ白になった。次に脳裏を過ぎったのは、『意外と硬い』という素朴な感想。そこで、ようやく何が起きたのかを把握する。櫻子が俺の右手を取ると、海月の股間に突っ込んだのだ、と。
海月の方は、何が起きたのか理解が追いついていないらしい。酸欠の金魚のように、口をパクパクと開いて閉じて……そこから意味を為す言葉は出てこない。まぁ、言葉が出ないのは、俺も一緒だ。きっと、同じような表情なのだろう。

「はい。喧嘩両成敗ってコトで……隆一さんも握り返して、それでお仕舞い。仲直り。先程のことは、これで水に流してしまいましょうね」

グイグイと、俺の掌を海月の股間に押し付ける。掌から、アイツの、女の股間の感触が伝わってくる。『無い』、『やり返せない』ということも。だが……女性器を触るのは初めてで。それ以上に、新鮮な感覚が俺を満たした。
これが女の―――と呟いたところで、ツイてるのはもっと下だよ、と呆れた声が海月から。彼女も状況を理解したのだろう、いいよ、握り返しても、と余裕綽々の表情になる。とはいえ、顔は紅葉よりも真っ赤だが。

何て返すのが正解だったんだ?童貞には荷が勝ちすぎんだろ……出来るわけねぇだろ、と呟くのが精一杯。何でですか?と何食わぬ顔で問う櫻子に、そもそもキンタマ付いてないじゃねぇか、とボソボソと告げる。
海月は、ムカつくことに得意満面。『やり返せねぇ方が悪い』ってアンタの台詞だったわよね、と勝ち誇った表情に腹が立つ。何でまだ覚えてるんだよ、そんなコト。男らしく―――いや、女だったか、と触覚が伝えてくる現実を堪能。
怒ればいいのか?喜べばいいのか?混乱の極致にある俺を尻目に、やり返せないなら仕方ありませんね、と櫻子が告げる。知ってたくせに、と海月が不満の声をあげると、そりゃ、当然私も女性ですから、と櫻子が悪びれず応じる。
隆一がこうなってないのは、アタシの優しさのお陰だかんねと海月が嘯けば、それって優しさなんでしょうか……と櫻子が混ぜっ返す。いや、怒るべきトコロなんだろうな、コレ。だが、思わぬラッキースケベ展開に脳味噌が付いていけない。
自然と俺の勢いも鎮まる……痛ッ!畜生、まだタマが痛みやがる。でも、でも、だ。タマが無い股間を触ったのは初めてで……愚息が痛いほど主張しそうになるのを、腰を引いて隠す。海月には知られたくない、そう思って。何故だろうな。

そのまま、自然と三人で卓袱台を囲む。簡素なサラダと、白米のご飯に新鮮なタマゴ。酒は無い。肉類として、ボソボソと筋張った鶏……カシワっていうんだったか?が供されて、閉口しながらも咀嚼する。
コケ悟朗?と愕然とした表情で海月が呟くと、櫻子が何てことの無いような顔で首肯する。もう歳でしたし。海月ちゃんのお友達なら、ちゃんと御持て成ししないとと思いまして、と。
ヨヨヨ、アタシの大切なコケ悟朗が、と海月が泣き真似。こんなコトなら隆一の大切なトコロ、交換がてらに貰って置けばよかったよ……と冗談を飛ばすが、あのな、全く笑えないからな、その冗句。
櫻子は、『大切なトコロ?』と小首を傾げて疑問符を浮かべ。いや、ピュアなのはいいけどさ、マジでマイペースだな、アンタは、と心底呆れる。こういう夕餉って、何年振りだろうな。全く、記憶の片隅にだって残ってないぜ。

プツン、と微かな音。櫻子がテレビをつけて、液晶から変わり映えのしないニュースが流される。曰く、また。米の国で、田舎町銃の乱射事件があったらしい。
何一つ苦労なんてしたことが無いだろうアナウンサーは、滑稽なほど畏まった顔でその知らせを読み上げていて。ソレだけで大金を貰ってるのかよ、と。見る度に、腹が立って仕方が無くなる。
そんな奴らが……田舎町で、閉塞感に絞め殺されそうになって銃に逃げた連中を非難するのかよ、ってな。実際のトコロは知らないが……田舎町での乱射事件を見るたびに、俺は自分の身につまされるような気がするんだ。

「物騒ねー。もう鉄砲なんてぜーんぶ取り上げちゃえばいいのに」

433名無しさん:2019/09/12(木) 22:34:32 ID:8wui0XE60
俺の気持ちも知らずに。完全に、遠い世界の絵空事を眺めているような温度感。海月が毒にも薬にもならないコメントを吐くのが聞こえて……止せばいいのに反論してしまう。

「どーやって取り上げるんだよ……今の御時勢に刀狩か?海月の脳内とセンスは戦国時代でも、現実的には無理だろーよ。むしろ、乱射するようなヤツだけピストルを隠し持って、治安が悪化するんじゃねーのか?」

平素なら絶対にしないだろう、ニュースを見ながらの意見交換。仲間内でAVの品評会をすることはあれど、ニュースだぜ?頭が沸いちまったとしか思えねぇだろ?俺もそうだ。
俺から投げ返された異見に、むぇー、とへちゃげるような声を上げながら海月が突っ伏した。あのな。そのな、そのへちゃげてへしゃげて変形してるオッパイ、マジで男には目の毒だからな?俺の前以外ではやるなよ?

「私だったら……法律で、銃弾に100発に1発は不良品を混ぜるようにルールを決めますね。考えなしに危険物を振り回してたらどうなるか、やっぱり身体で覚えてもらわないと」

櫻子が乗ってくるが、それもまた現実性に乏しい、というか夢物語のような提案で。呆れて二の句が継げない俺の替わりに海月が突っ込みを入れる。

「えー、先輩、ソレって危なくないですかー?」
「危ないからいいんですよ。いつ暴発して大変なコトになるか分からないってなれば、きっと、皆様自発的にピストルを捨ててくれると思うんです。ただただ取り上げるんじゃ駄目。身体で、危なさを実感して頂かないと」

いや、さ。だったら、銃弾も家内制手工業で作るだろ、どー考えても。阿呆か。禁酒法の時代だってそーだっただろーが。と、様々な物言いが頭を巡るが、特に口に出したりはしない。
何でだろうな、何だかな。ただ、居心地が良かったんだ、この空間の。海月も櫻子も、別にマジの反論が欲しいわけでもないようで。単に、テレビを肴に喋くりたいってだけなんだろう。それが、心地よかった。
……タマは未だ痛むがな!主に海月のせいで!!お前等が、もう済んだコトみたいな面してられんのも、付いてないからってだけだからな!!!

しばしの歓談、そして談笑。まぁ、いくらムカついたところで、この痛みを伝える術なんて無いんだ。遠くから、梟の鳴く声が響いた頃合で、櫻子が席を立つ。
何でも、寝つきが悪いから?彼女は離れで寝ることにしているらしい。最初、物置だと思った建物が離れなんだそうな。だからこそ……二方向から、櫻子と海月は現れたんだと遅ればせながら納得する。
夜が明けたら麓まで送って差し上げますね、と笑顔を見せる櫻子に、一抹の寂しさを感じる。それこそ、自分で自分の正気を疑ったね。でも、信じ難いことに……俺は名残惜しさを感じてしまっているらしい。

それを察したのか、海月から渡された提案は完全に俺の予想の外からのもので。耳を疑ったね。アイツ、俺もココに住んだらどうかって言い出したんだ。曰く、アイツも居候らしい。
いや、居候の身分で厚かまし過ぎんだろ……と愕然とする。こんな女だったっけか?と疑問符を浮かべ、半眼でアイツを睨むと……頬に手をあて、あらあらと櫻子は呟いて、あにはからんや、それもイイかもしれませんねと言い切りやがった。

434名無しさん:2019/09/12(木) 22:35:40 ID:8wui0XE60
語れば、ココは神社や、まして廃屋なんかでは無く、古い道場で……道場跡地の間違いだろ?とからかうと、海月が凄い目で睨んできやがった……視線が下がり、思わず股間を押さえる……櫻子は違いありませんね、と笑って流したが。
いや、人が出来てるね、と俺も笑う。多勢に無勢だよー、と海月が膨れっ面になって。その顔も可愛いぜ、なんて歯が浮くような台詞が口を衝きそうになり、慌てて呑み込む。なんか俺、キャラが変わってきてないか?

櫻子曰く、教えているのは護身術。門下生は海月一人。時折、他の道場に招かれては、演舞や講習をすることもあるらしい。正直、それだけでは食べていけないので……仕送りと、自給自足頼りですけどね、と薄ぼんやりとした笑み。
でも、天職だと思っていますと独り語る櫻子を見て、一人合点。何てことは無い、お嬢様の我儘で潰れそうな道場に住まわせてもらってるっつーオチかよ、と。なら色々と納得だ。年頃の娘、外聞も悪いだろうから街中では無く、街外れ。
下手に悪評をばら撒かないように、僻地に仕送りと共に封じて……本人だけは、満足みたいだが。開かれた座敷牢みたいなモンかってな。まぁ、それはいい。そこまでは良かったんだ。

和気藹々とした雰囲気はソコまでだった。何の気はなしに、櫻子が溢した妄言……

「やっぱり。護身術は『弱い方』のためのものですから。隆一さんも入門してくださるというなら、私としても安心です」

そうだ。アイツは、櫻子は、俺のコトを弱いって評しやがったんだ。確かに……タマをやられて不様を晒したがな。女に、弱いって言われる筋合いはねぇ、そう思った。それも、あんな不意打ちで、だ。
こんな話しを知ってるかい?野生動物ってのは、自分がどんなに弱っていても、敵に弱った姿は見せないんだそーだ。弱いと思われると、舐められると、組みし易しと侮られ、四方八方から襲われる。『死』に、直結する。
櫻子は、そして海月も。あの街から離れて久しいから、忘れてしまっていたのだろう。アソコで生きるということと、野生で生きるということの間には、毛筋程の差も無いってコトを。『強い』は、俺のアイデンティティだった。

空気が瞬間冷凍されたように冷える。櫻子は、その変化すら良く認識していないようで、あら?と一言漏らしただけだったが……海月は心配そうな目で此方を見やってきているのが分かった。
本当、どうかしていたんだ。普段なら、そのまま卓袱台を引っくり返して殴りかかっていた。だが、暖かい団欒を味わってしまって、ソコまでする気にはなれなくなっていた。だから、バシン、と卓袱台を叩くのに留まる。

そこまで来れば、いかに浮世離れした櫻子でも雰囲気の変化に気付けたのだろう……だろうか?彼女が纏う空気感は小揺るぎもしなかったが、神妙な面持ちで卓袱台の前に座りなおす。
海月は、まだ心配そうな顔で、俺と櫻子の顔を相互に見やりながら……「止めなよ、隆一」と声を掛けてきて。知ったことか、そう思いつつも、その言葉が俺に実力行使を思いとどまらせる。

何をしたかって?いや、言いたくねぇな。思い返せば、ダセェにも程がある。他人が同じことをしたならば、墓場を掘り返しても弄ってしまうような振る舞い……つまりは、アレだ。語ったんだよ、武勇伝をさ。
それも素面で、だぜ。クッソみっともねーだろ……笑えよな。でも、あの時は……櫻子に、そして何より、海月に軽んじられたんじゃないかって思って、頭に血が上っていたんだ。逆上っつーやつだな。

ぬるま湯に浸かって生きてきた連中にとっては、寝物語の中の出来事だろうが……あんな街で無頼を気取ってたんだ。そりゃ、それなりに色々あるさ。
草臥れた酒場、1対多で大立ち回りを演じたこともある。ビール瓶でぶん殴られたことも。腐れ縁の谷崎に助っ人を頼まれて、他校にバイクで突っ込んだこともあったっけか。果たしあいなんてまどろっこしくてさ。
ヤクザと殴り合いをしたことだってあれば、警官に囲まれたことだってある……まぁ、そん時は臭い飯を食う羽目になったけどな。でも、アンタ達よりは随分と修羅場を潜っているんだぜ、俺は、と。

俺が一つ二つと語る度に、海月は呆れ果てたといった様子で溜息をつき。櫻子は、まぁ、アイツの感情は良く分からん、あらあらまぁまぁ、と相槌を打つ。随分と、危ないことをされてきたのですね、と問われ。性分なんだよ、と返す。
一頻り語りを終え、俺がアンタ達に教わることなんてあると思うか?と凄む。海月は気圧されたように黙り込む。ただ……俺を侮辱しやがった張本人は、お澄まし顔。色々とご教授しないといけないことが出来ました、と世迷言を。

「先輩―――
―――大丈夫、です。ミヅキちゃんは何も心配しなくて大丈夫ですよ?勿論、隆一さんも……生活に困るような大怪我なんてさせませんから、ね?」

435名無しさん:2019/09/12(木) 22:36:16 ID:8wui0XE60
もう、売り言葉に買い言葉だ。気遣う言葉に気色ばむ俺に人差し指を一つ。櫻子は、それでも悠然とした態度を崩さぬまま、明日、道場でお話ししましょうね?と微笑みながら退室していく。
ズキリ、とキンタマが痛むが、それをおくびにもださず。まぁ、未だキンタマが痛むとは思ってもいないだろう女共にどれだけの効果があるのかは疑問だが……いや、逆に。痛む素振りを見せたらば侮られるのか?どーでもいいか。
背を向けた櫻子に食って掛かろうとすると、さらに背後から海月が止める。抱きつき制止され、背中に二つ、尋常じゃない存在感を主張する膨らみを認識する。……何でだろうな。男は単純で……それだけで俺の勢いは削がれてしまった。

母屋に残されたのは俺と海月の二人。俺がキレると何をするか分からないってこと、海月は痛いほど知ってるだろうから……櫻子を心配しているのだろう。
保護欲、というのだろうか。痛ましげな顔をした海月に、そんな顔をして欲しくない、そう思った。だから、笑顔で……多少引き攣っていたかもしれないが……彼女の頭を軽く叩くと、俺は冷静だよ、と告げる。
確かにムカつき度はパないが……殺すまではしないから。オマケして、顔面だけはセーフにしてやっておくから、と。男としての約束だ、と伝えると、そんな話じゃない、と逆に食って掛かられる。

「隆一、アンタ、武術を修めた人間と立ち会ったことあるの?どーせ、齧ったことがある程度の連中と喧嘩したことがあるって程度じゃないの?」

率直に言おうか?鼻白んだね。冷めた。海月は、俺の心配をしていると理解してしまったから。だからこそ引けないと、そう思った。アイツに弱いと思われるのだけは耐えがたかった。だから、告げる。
心の芯は冷え切っていて、なのに頭の中は煮え滾るようで。激情が流れ出すのを必死で押さえながら、言葉を投げていく。

「お前、俺が勝てないとでも思ってんのか?何年幼馴染やってきたんだ、海月。そもそもだ……格闘技が何で男女分けられてるんだと思う?なんで、体重差なんて区分けがあるんだと思う?心配するなら……お前の先輩の方だろう?」
「でも……心配だよ、隆一のコト。絶対に勝てっこないもの……今からでも謝るってことには出来ないワケ?」
「クドイな!お前、マジで俺が勝てないとでも思ってんのか?お前も、俺が『弱い』って!?泣き虫クラゲの海月が、か?!」

口調が荒れる。俺を心配する一言一言が、俺を後戻りできない境地に追いやっていく……いや、違うな。窮地に追いやられているのは、櫻子の方だ。まったく、とんだ後輩を持っちまったもんだな、同情を禁じえないぜ。
彼女は俺の説得が不可能だと思い知ったのだろう。唇を噛み締め、下を向く。そりゃ、四六時中、自分より強いヤツと顔付き合わせてれば、強さの過大評価もしちまうだろうよ。
だが……俺は櫻子に負ける気は微塵もしなかった。あんな細腕、華奢な矮躯で。俺に有効打なんて入れられるとはとても思えなかった。ま、夕方みたいに?タマキンに一撃を入れられれば別だが……正対しておいて喰らうか?馬鹿馬鹿しい。

自分で熱くなって、自分の熱に自家中毒を起こしていたんだろうな。馬鹿馬鹿しいがてら、一つ、海月に提案をしてみる。断られて当然だ、と思ったソレを、アイツは表情を変えないまま「いいわよ」と首肯してみせた。
マジかよ!と歓喜が俺を満たす。頭に昇った血が、液化した喜びに変化し……言ってみるもんだな、と満足してしまい……その日の話は、ソコでお仕舞い。何を聞いたか。……まぁ、いいか。簡潔な話しだ。俺が聞いたのは―――



「なら。俺が勝ったら、海月。お前、俺の女になれよ?」



ただ、それだけ。

----------------------------------------------------

436名無しさん:2019/09/12(木) 22:38:07 ID:8wui0XE60
我ながら単純明快に出来ているモンだ。酒も煙草も抜け、その朝は久方振りに清々しい気分だった。
昨日の告白染みた戯事の残熱が未だ身体を駆け巡っていて。これからのコトが無ければ、森を駆け巡っては歓喜の雄叫びをあげてしまいたいような気分だった。

あー、そうだな。長々と済まなかったな。ココまでが、思い出話だ。といっても、別に聞いてくれって頼んだわけじゃないけどな?
そして、これからが。俺の、新しい人生のはじまり。海月がいうには、十時頃に道場に来て欲しい、そう櫻子から伝言を受けたらしい。激しい運動になりますから、朝ご飯はそれからですね、とも。
まぁ、食べれたらの話しですけど……と、何処まで人を見下せば気が済むのか。その言葉を聞かされたとき、俺は、もう何度目か分からない激昂と共に、離れに怒鳴り込もうとしてしまった。

そうしなかったのは海月の手前というのもあるし……彼女の、先輩は全然悪気なんてないから、そーゆー人だから、とフォローになるのか疑わしい取り成しを無碍にしたくは無かったというのもある。
軽く湯を浴びて、屈伸。準備運動を行う。昨日と同じ下着、一度汗に塗れた服装なのは余りいい気分では無かったが。女物の下着でよければ替えあるけど、と冗談めかしていった海月に、冗談じゃない、そう返す。

頼もう!確か、道場破りってこーすんだろ?なんて、付け焼刃の知識で道場の扉を押し開くと―――櫻子が俺の度肝を抜くのは何度目なんだろうな。頭が可笑しい女がいるというのも、あながち間違った評じゃないのかもしれない。
そこには……小さいサイズのワンピース水着に無理矢理肢体を押し込んでみた、といった出で立ちの彼女が。アンビバレントに、凛、とした様子で正座していた。ぶっちゃけていいか?俺、溜まりすぎて狂ったのかと思ったぜ、正味な話。

彼女は俺を視認すると、昨夜俺が逆上していた様子を露ほども覚えていないといった振る舞いで相好を崩す。よく眠れましたか?と問いかけ、おかげさまでな、と返すと心の底から安堵したような表情になった。
やはり、慣れないと動物達が五月蝿いでしょうから、と微笑みながら直立する。慣れれば可愛らしいモノですけどね、と言葉を繋ぐ。私、寝付きが悪いからよく聞くんです、と語ってくるが……いや、コレも実際目の毒だな。

櫻子は、海月と比べると胸部の装甲が薄く……その分長身で。立ち上がると、その、水着の股間部分が引き伸ばされるように形を変えて。何だったか?ハイレグっつーのか?競泳水着?エグいって言えばいいんだっけか?昔のAV用語でさ。
海月というモノがありながら、と言われるかもしれないが、仕方が無いだろう?男なんだから。俺の視線は、櫻子の股間部分に、追加の穴を開けんばかりの勢いで注がれてしまい。

「―――?何か、変でしょうか?私、女性ですから―――ココに変なモノなんて付いていないハズなのですが」

視線を意に介さず……違うな。純粋に、『有る』ならまだしも、何故『無い』コトに興味が示されているのか疑問だという表情で、彼女は己が股間部分を弄る。昨日のミヅキちゃんと同じですよ、と語るとはなしに語りつつ。
小狡いな、とせせら笑う。あれだけ偉そうなこと言っておいて、色仕掛けかよ、と。櫻子は、また疑問が増えたという顔をして。色仕掛けと言われましても、私、ミヅキちゃんほど若くは無いですし、おっぱいも無いですよ?との返答。
視線を下げて、平たい、申し訳程度の膨らみしか視認できない胸部を揉む……いや、それは物理的に不可能で。櫻子が、自身のその部分を不思議そうに撫で擦っているのが見えた。

じゃ、その格好は何なんだ、と問えば。昔、柔道場に出稽古にいったとき、胴着を掴まれて右に左に振り回されて手も足も出なかったので、掴まれないような格好にしたんですと、一応は理屈を伴った回答。
『道』が泣くぜ、と伝えると、『術』でしかないですからね、ウチはと微笑み返される。『道』なんて御立派なモノは、私に教える資格なんてない……手に余ります、とも。ほんの刹那、微笑みに寂しさが入り交じったような気がした。

「一応、聞いておくぜ?ルールは―――
―――ルール無用、です。護身の場ではルールなんて無いでしょう?隆一さんの経験でも……」

437名無しさん:2019/09/12(木) 22:39:41 ID:8wui0XE60
OK、そこまで聞けば十二分だ。俺は無造作に踏み込むと、大雑把に右腕で櫻子を薙ぐ。技?要らねぇよ。この体重差だ、どう防ごうと吹っ飛ぶだろ?当然さ。正拳じゃなく、面を制圧する意図の攻撃だ。
勿論、避けられると想定していた。屈めば、そのまま前蹴りをお見舞いしてやろうってさ。ソレが入れば、もう勝負有りだ。確かに、金的は男だけの急所だがな。女は、何処にあたっても致命的だろ、そう慢心して。

結論から言おうか?慢心が足りなかったのかもな。俺の一撃は苦も無く櫻子のガードの上から直撃し、彼女は2メートルほども後ろに吹き飛ぶ。手応えの軽さから、後ろに飛んだんだろうとは理解したが……それでも、彼女は顔を顰める。
そりゃそうだ。両腕、痺れちまったんじゃないか?と揶揄すれば、お気遣いありがとうございます、と場違いな礼。そのまま両腕を構え直すが、おい、隠せてねえぜ?真っ赤に腫れちまってんじゃねえか。内出血を防いだだけで特筆もんだな。
下手な男だったら、今の一撃で完全に戦意喪失してるぜ。それでも。俺から見たら雑魚の部類だがな……ま。海月には、あの弱虫にとっては、それだけで越えられない壁に見えたのかも知れねぇな、なんて。

追撃に移る。再度。丸太のような腕での横薙ぎ。昨日の恐怖が鮮明で、無防備に蹴りを放つ気分にはなれない。アレが無ければ……もしかしたら、キンタマにカウンターでも喰らってたかもなと思い、海月に感謝。
蹴りを入れるならコンボの〆だな、なんて独りで櫻子を料理するレシピを考えつつ振るわれた鉄槌を今度はいなそうとして、再現VTRか何かのように。櫻子はまたもや吹っ飛ばされる。甘ぇよ。小手先でどうにかなる筋力差じゃねーだろ?

三撃目、惨劇のはじまりだ。もう鼻歌交じりで歩を進めると、再度、いや三度。右手を突き出すと、大きく横へ薙ぐ。流石に、いや、ようやくか?防げないと学習したのか、彼女は身を沈めてその一撃をかわす。
大股を広げて……躊躇は精々一呼吸分程度だ。俺を蔑んでくれた礼、釣りはいらない。これぞ意趣返しってヤツだよ、と。俺は左脚を振り上げて、櫻子の股間を蹴り上げようとする。顔面は打たないっつったけど、コレは約束してねーよな?

と。彼女の腰がうねるように動き、重心が後ろへと遷移した。それこそ、男であればかわしきれていない程の紙一重の差で、俺の左脚は空を切る。ペシ、と彼女の股間に、爪先の先が当たって。引っ掛かるものが無く、撫で上げる。
体幹の強さか、バランス感覚なのか。櫻子は、自身の股間を襲った衝撃を気にとめることも無く……そりゃそうだろ?女なんだから……俺の左脚の下に身体を滑り込ませてくる。俺が脚を引くと、圧に耐え切れず体勢を崩して―――

ペシン、と音がした。俺には、コリッという感触が伝わる。体勢を崩しながら……猫のような形に変わった櫻子の手掌が、俺の股間に差し入れられていたと認識したのは、ほぼ同時。
指先に睾丸を引っ掛けて、そのまま股間から掻きだすように打ち込んだのだ、と気付いたのも、ほぼ同時。俺の爪先蹴りよりも、随分と軽い一撃、だが。ソコを打たれたと認識すると、俺の思考が一瞬止まる。昨日の地獄を思い出す。

大したダメージじゃなかったんだ、正直な話。完全に崩れた体勢から、苦し紛れのように放たれた掌打。だが……その思考の空白は、何よりも致命的だった。
ぷちゅ、と言う音が聞こえてきたような気がした。直ぐに、それが完全な錯覚だと分かるが……それは、一足先に体勢を立て直した櫻子が。俺とは違い、刹那の躊躇も無く。左足の甲で、俺のキンタマをカチ上げた直後だった。
俺は、完全に静止。全精神力を持って、喉元までせり上がってきた悲鳴を呑み込む。こんな声、海月に聞かせるわけにはいかない、と耐えた俺を待っていたのは。情け容赦無い追撃、俺の金的に叩き込まれた、櫻子の右足の甲だった。

背足っていうんですよ、と。子供相談室の解説員のような口調で櫻子が呟く。彼女には微塵の逡巡も無く……弱点が晒されていたので、当然のごとく狙いました……ソレ以上の感情は発していない。アイツにとっては、ただソレだけ。
俺にとっては―――

「ッ!!!!グ!!!ググ!!ググゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!」

438名無しさん:2019/09/12(木) 22:40:19 ID:8wui0XE60
本能的に、両膝を絞る。両手で気付かぬ内に股間を抑え、反射的に窄められた喉から、発したくなかった……海月には聞かせたくなかった、甲高い悲鳴が押し留めようもなく流れ出していく。
舐め腐っていた。慢心し切っていた。苦痛と共に後悔は止め処なく溢れ、そしてそれら全てが後の祭りだと実感する。確かに、男の方が筋力に優れ、体重に優れ。油断しなければ、順当に櫻子を叩き伏せられたハズだった。
俺が失念していたのは……だからこそ、男だからこそ、逆に。ただの一撃で地に伏すしかない急所を、男だけがぶら下げていたということ。警戒はしていた……だが、思えば、幾ら警戒しても警戒し過ぎるということは無かったハズだ。

櫻子は、曖昧な視線を保ったまま。ただ、蛇口を捻れば水がでるように。議論の余地も無く、金的を蹴り上げられれば、当然男性はそうなりますよねぇ、と。その双眸で言外に語っていた。
完全に他人事として捉えている視線。実際、彼女にとってはどうしようも無く他人事。決して、同じ経験をすることは無い……忌々しいことに!だが、その事実に怨みを置くほどの余裕すら、先だっての一撃は俺から奪い取っていて。

あらあらまぁまぁ、と聞き飽きた感嘆詞。映画の登場人物が苦境に陥っている、そんな距離感で心配そうな視線を送ってくる。彼女の様子は常日頃と何ら変わりが無く、この痛みと彼女の距離はそれだけあるのだ、と絶望してしまう。
お辛そうですね、おいたわしいことです……と口元を押さえながら告げる台詞に嘲笑の気配は欠片も無く。それが、無味乾燥な社交辞令という印象を更に強めてくる。

「御自分が危ないモノを持ち合わせていると、身に沁みて御理解頂けたのではないですか?恥ずかしく思うことはありませんよ。男性は、皆ソコが『弱い』のですから。隆一さんが気付くべきなのは、もっと別のコト―――」

金的を打たれると、沈静作用があるつったな。だが、俺は。何度目か分からない激昂を覚えていた。ココに来て、何回俺の脳内血管がブチ切れたのか、もう数えることすら馬鹿馬鹿しい。
絶対に聞かせたくないみっともない悲鳴を。絶対に聞かれたくない、特別な人に聞かれてしまったかもしれないという恐れでもあり。睨めあげた先、悲鳴を上げさせた張本人の股間に、その原因となるモノが無いせいでもあった。
俺の視線を感じ取ったのか、櫻子は股間の前で組んでいた両手を開いて、急所が無いソコを、ご丁寧にもよく見えるように蹲る俺に突き出してくる。『無い』こと御確認されたいのでしたら、どうぞ、と癇に障る一言を添えて。

「その痛みを、相手に絶対に味あわせ返すことが出来ない……遣る瀬無いですよね。よく、分かります。その痛み自体は一生理解出来ないと思いますけれど……その気持ちだけは、痛いほどに」

戯言を、と怒髪天を衝く思いがする。一生味わうことが無いと言っておきながら、舌の根も乾かぬうちに『気持ちは分かる』だと?矛盾しているだろ?
精神が肉体を凌駕するという言葉を聞いたコトがある。読んだこと、か?何処のマンガだったような、記憶は曖昧だ……俺が読んだ経験があるっつーなら、マンガだろうと当たりをつけただけ。
完全に、プッツンきちまったよ、と怒りに身を任せて立ち上がる。そこで、思い知らされたのは。

「ほら、キーン!……危ないコトが御好きだとは伺いましたが、金的をお持ちの御身体で不用意に立ち上がられますのは、その……。趣向を通り越して無謀、ですよ?ちょっと反省していてくださいね」

間髪入れず。立ち上がるのを読んでいたのか、櫻子が右足を振りかぶったヤクザキックの要領で、股間を押さえる両手の更に上から、ガード毎押し潰すような蹴りを入れてきて。
男なら……分かるだろ?女でも、覚えておいた方がいい。『金的』は蹴り上げには弱いが、蹴り下ろしには意外と鈍感なことを。奥まった場所にあるから、そも蹴り下ろしはあんまり上手く当たらないんだ。
それこそ、平素なら。魔法のように、銀の弾丸のように『金的』が一撃必殺だと信仰しているような女は、頼みの綱が通用しないことに混乱したまま、禁域を侵そうとした報いを受けて叩きのめされるのが常だった。
だが、昨日今日と散々に痛めつけられた俺のタマにはその程度の衝撃でも十分。分かってやったワケじゃないんだろ、と。女だもんな、分かるわけがない。そう彼女を恨めしげに睨みながら、俺の身体は床に沈み込む。

439名無しさん:2019/09/12(木) 22:40:54 ID:8wui0XE60
その想定も甘かったようで。畜生!俺は何処まで見積もりがヌルイんだ、と自分の不甲斐無さを噛み締めたのは、櫻子が世間話のように次の言葉を投げかけてきたあとだった。

「普通なら前蹴りは効果が薄いのですけど……金的のダメージって尾を引かれる御様子ですからね。昨日今日、アレだけ虐められたのですから、コレでも十分にお効きになりますでしょう?」
「テメェ……テメェ、全部分かってて―――???」

瞳孔が開き、焦点が合わさっていない櫻子の瞳。何処を見ているのかも茫洋として掴めないソレが、まるで『男』の全てを見通しているような錯覚を覚えて背筋を冷やす。
彼女はそんな俺の様子をみやると、あらあらまぁまぁ、と。両手を併せて小首を傾げ、表情に困ったかのようにニッコリと微笑む。その口から放たれたのは、全く雰囲気にそぐわない恐ろしい言葉。

「お苦しみが実際どんなモノなのかは分かりませんよ?私には『金的』ありませんから……ただ、どんな衝撃でどういった反応をされるのか、積み重ねで学んできたというだけです」

と、片手を猫の手のように構えると、バシン、と自分の股間を叩く。最初に俺の股間を打ったのと完全に同じ攻撃……だが。櫻子には金的が無いが故に、まるで平然とした様子を崩さない。

「例えば、ですね。こんな感じに金的を打つと、男性って動きが止まるんです。軽く、で十分。勿論、男性のみですよ?女には効きません。覚悟する猶予?が与えられるからだって御説明頂いた殿方もいらっしゃいましたっけね。
 ……打たれた後に、何の覚悟がご入用なのでしょうね。不思議ですけど、まぁ、私から見たら、ね。申し訳無いのですが、隙だらけとしか言い様が無い状態です。そうなるとどうされるのか……体験、されましたよね?」

ああ、文字通り『身に沁みる』程にな、クソ女。動きを止めて本命を入れるのが勝ちパターンだってのか?えげつない、汚い真似をしやがるぜ。

「汚い、と仰られましても……同じコトをされても、私は別段汚いとは思いませんよ。勝負なのですから、弱い部分が狙われるのは当たり前でしょう?特に、隆一さんは『男性』なのですから……特に『弱い』部分、しっかり守らないと。
 話が逸れちゃいましたね。動きが止まったら……お説教の気分の時は、手を差し入れておタマタマを握ります。それだけで……ふふっ、いつも微笑ましいと思うのですが、それだけで男性、為す術が無くなってしまうのですよね。
 
 教導を続けたいときには……先ほどご体験なされたように、背足で金的を跳ね上げます。軽く、ですよ?そうしないと、教導どころでは無くなってしまうので……仕方が無いことだと分かっていますから、恥ずかしがらないで下さいね?」
「軽く、だと―――」
 
軽く?軽く、だと。アレでか?『その部分』に対する男女の余りの認識の違いに、立ち眩み……いや、座り眩みか。眩暈がするような感覚を覚え、気が遠くなりそうになる。
アイツは、櫻子は。俺にコレほどまでの痛みと屈辱を与えておきながら、それを単なるワンポイントアドバイスの一環としてしか捉えていない。

「えぇ、軽く、です。お仕置きが必要だと感じましたら、背足では無く膝……ココ、この部分です……抱きつくようにして、膝でおタマタマ、身体の奥に蹴りこむようにカチ上げます。その反応、未経験、なのですね?
 折角ですし、後でコレも体験しておきましょうか。効果覿面、ですよ?皆様、涙に鼻水まで流して悶絶なされますから……失禁なされる方も。その時になれば、最初のは『軽く』打たれただけだったんだなぁって分かって頂けると思います。

 ―――そして。もう。会話の余地もないかしら、なんて思ってしまったときは」

ブン、と風を切る音。何気ない動作で櫻子が膝を振り上げた音だ。その動きは淀みなく流麗で、相当、その攻撃方法に習熟しているのだと、遠目にも分かる。

440名無しさん:2019/09/12(木) 22:44:59 ID:8wui0XE60
「逆に、ね。奥では無く、手前にカチ上げます。恥骨……分かります?腰骨の股間部分……ほら、昨日のミヅキちゃんの硬い部分、アソコです。女の子の方が、恥骨の場所は分かりやすいですね。邪魔なモノがないから、実際に触れますし。
 ソコとおタマタマを挟み込んで……気の毒ですけど、ぷちって、ね。潰します。コツさえ知っていれば、意外と簡単に潰れますよ?ぱちゅッて。この場合は、効果覿面というより、天罰覿面といった反応になりますね。
 
 ……?潰すコトに対する感想、ですか?事例毎に覚えているワケでは無いのですが……御期待に沿えず、申し訳ありません。ただ、強いて言うなら」

441名無しさん:2019/09/12(木) 22:51:21 ID:8wui0XE60
それこそ、タマが縮みあがるようなコトを平然と。海月は、『未だ』潰した経験は無い、そう言っていた。櫻子は、違う。明らかに『経験者』……こんな言葉があるのか知らないが、『去勢処女』を捨てた人間だ。

442名無しさん:2019/09/12(木) 22:53:14 ID:8wui0XE60
「……安心する、でしょうか。感想のコトです。私、おタマタマをキチンと潰して差し上げた日だけは―――」

眉根と寄せて、困り顔3笑顔7といった複雑な表情を櫻子が浮かべる。俺は、恐怖4困惑3激昂3の絶妙なブレンドの顔になっているのだろう。彼女はボンヤリとした印象を保ったまま、俺の顔色を気にする様子も無い。

「―――安心して、グッスリ眠れるんです」

言葉に反して。瞬間、哀しみが4、笑顔が7といった形に櫻子の表情が歪むが、文字通り一瞬のコトだ。俺は、そんなコトを気にする余裕も無い。
ザリガニのように後ろに下がり、目の前の『男殺し』から距離を取る。何時でも丸まれるように意識しつつ……言うコトを聞きたがらない身体を、キンタマの抗議を無視して引き起こす。
予想とは異なり、櫻子が追撃を仕掛けてくることは無かった。遠い目をして、今では無い何時かを眺めているような表情。幽霊のような。彼女が現世に戻ってきたのは、俺が立ち上がり体勢を整えなおしたのとほぼ同時。

「あのまま寝ていただいていて結構でしたのに。金的、まだお痛みになるのでしょう?」

それとも、先程の言葉で怖がらせてしまったのかしら。櫻子が、頬を押さえて溜息をつく。ごめんなさいね、一言の謝罪。ご自分のが潰される想像をしてしまったのでしょう?私、そんな想像したこと無くて、気が回りませんでした、と。
ただ、逆説的にですね。『分からない側』の私は、いざ『潰す』と決めたら躊躇無く出来ますよ、なんて縁起でもない言葉が零れてくる。その余裕、洒落にもならなければ演技にも見えない。

何度立ち上がっても、這い蹲らせることは容易だと考えているのかと思っていたが。全く違った。気遣わしげな目線を俺に向けてくる櫻子は、もう、勝負はついた、そう認識しているのだと理解する。
その慢心、その油断!さっきまでの俺と相似形に見え、俺と同じ苦渋を舐めさせることは出来ないという事実に歯噛み。股間から鈍痛が響き、立ち上がったものの未だ満足に動けそうに無い。だから、言葉で時間を稼ぐ。

「テメェみたいな、な。男を舐めきった女の靴を舐めるなんて、男の沽券「股間の間違いでは?」ッせーな、茶々を入れんな。沽券、だよ、沽券に関わるんだ」

股間を押さえ、みっともない格好だってコトは自覚している。ハラハラとした様子で此方を見やる櫻子に、視線だけで闘志を失っていないと訴える。と、相手は何か納得したような表情を浮かべ。

443名無しさん:2019/09/12(木) 22:54:19 ID:8wui0XE60
「あ、お話しでおタマタマの痛みが治まるまで引き伸ばそうってコトですか……そんな、謀を巡らせなくても、ちょっと待ってって言ってくだされば幾らでも待ちますのに……。でもまぁ、好都合かもしれませんね。
 私としても、隆一さんにお話ししておきたいこと、たくさん有りますから」

お見通し、かよ。つくづく、癇に障る女だ。ピ、と人差し指を挙げ。何か、子供に注意するような、道理の分からぬ駄々っ子に言い聞かせるような調子で、櫻子の言葉は続く。だが、その内容は。

「……私、男性を下に見てなんておりませんよ?寧ろ、強さを尊敬しているぐらいです……脆い急所をお持ちにも関わらず、胸を張って生きていらっしゃるのですから。私だったら、到底無理な芸当だと、そう思っております。
 男性の不幸は。コレが、隆一さんに伝えたかったことでもあるのですが……『金的』を持ち合わせている、ソレそのものでは無いのです。そんなコトでは無く……『弱い』男性も、『強い』男性も、一律で急所をぶら下げていること。
 
 お強い方なら、いいでしょう。身体の壮健さとトレードオフの関係なのかもしれません。私風情なんて、軽く捻れるような方であれば……実際、沢山いらっしゃいましたよ、そんな方」

あの女が侮辱しているのは、『男』では無い、アイツが侮辱しているのは、他ならぬこの『俺』だ。沸々と、腹の底から流れ出る苦痛が、マグマに変わって行くような感覚。

「女は弱い、これも真実だと思います。ですが……『弱い』私と、『弱い』上に『金的』まで持たされた隆一さん……立会いの結果が、何よりの答えになりますよね?異論があれば、御自由に仰ってください。
 だから、だからこそ。『弱い』隆一さんにも、護身の術が必要だと考えたのです。これが昨日の真意……御理解頂けましたでしょうか?『弱さ』を捨てられないのなら、せめて守る技術は身に着けておいて頂かないと……ね?
 
 生憎、股関節、全身の動きの起点。とても狙われ易く……防ぎにくい場所でしょう?女にとっては有り難い限りですけど、男性にとっては……防ぐことも出来ない『弱い』男性にとっては。それは、とても不幸なコト」

全身の血が、沸騰を通り越して爆発したかと思った。股間が、キンタマが喧嘩に際する禁域だとしたら。今の櫻子の言葉、『弱い』という一言は俺にとっての禁句。ズケズケと無神経に、触れてはならないモノを踏み躙る女に虫唾が走る。
全身全霊でファイティングポーズを構える。何か、お気に触ってしまったのでしょうか、と所在無さげな櫻子。何が気に触ったかって?全部だ、全部だよ。お前の全てが気にいらねぇ。

櫻子の視線が俺の股間に伸び。右手が差し出されると、ぷちっと擬音を発して握り締められる。そのジェスチャーが何を指しているのかを感じ取ってしまい、思わず俺は腰を引く。櫻子が、失笑。
怖いでしょうに無理をなさって、と。ポツリ、同情の言葉が漏れる。私には知る由も無い恐怖ですけど、と相変わらずあの女は一言多い。

「危険なコトに突っ込んでいくコトを、勇気とは呼ばない、そう思います。逃げると判断することの方が、よっぽど勇気が必要だとも。隆一さんは違うのですか?」
「男にとっちゃ違うのさ。まぁ、女のテメェには一生分からないだろうがな。男の意地ってヤツだよ」

無論、嘘だ。コレが街でのどうでもいい喧嘩なら、とっくにケツを捲くって逃げてる。お礼参りは後日をお楽しみに、ってヤツだな。だが、今回は、今回だけはそうもいかない。
海月の顔が浮かぶ。ココで勝てば、俺のモノになる女の顔が。櫻子の顔が浮かぶ……眼前に本人、ノホホンとした顔で立ち尽くしてやがるがな……どうにも落とし前をつけないと、前に進めない女の顔が。

444名無しさん:2019/09/12(木) 22:54:49 ID:8wui0XE60
あらま、とまた意味の無い音節。そして、また。何か納得したような顔になると、櫻子から、また。本人は意図しないのだろう、だが、聞き逃せない侮蔑の言葉が。

「ミヅキちゃんとの約束のコトを仰られてます?それでしたら、入門すると一言いってくだされば、私が負けたコトにして口裏を合わせても構いませんよ?といいますか、もうソレしか方法、残って無くないでしょうか?」

何で、ソレを知っているんだ、と愕然とするのは一瞬。アイツ、今度は。俺のみならず、海月まで馬鹿にしやがった。今度こそ、もうどうなってもいい、アイツはボッコボコに叩き伏せると腹を括る。
また何か地雷を踏んだとことまでは理解したんだろうな。どうしても、駄目ですか―――と消え入るような声の櫻子。駄目だよ、もう決別したんだ。すると。櫻子は神妙な顔に変わって、こちらを正視してきて。

「……分かりました。残念です、とても。でも、仕方がありませんね……考え直して欲しかったのですが、無理、なんですよね。……そう、ですか。分かりました。守る技術、身に付けて頂くつもりは更々無い、そう仰るのでしたら」

哀しみを湛えた顔で、笑う。

「……もう、『弱さ』を捨てていってもらうしか無いんですね。昨日のピストルの話と同じ。危なさを十分に実感して頂いてから―――つまり、ですね」

分かりますよね、と寂しげに告げられるが。もう、決別は済んだんだ、と。昨日の団欒は暖かかったぜ、と内心で最後の礼を言って―――と、なのに。続けられた言葉には。俺の動きを完全に止めるだけのインパクトがあった。

「隆一さん―――

445名無しさん:2019/09/12(木) 22:55:26 ID:8wui0XE60










「貴方のキンタマ、潰します」

446名無しさん:2019/09/12(木) 22:56:13 ID:8wui0XE60
なぁ、アンタ。自分より遥かに技量が勝る相手に、キンタマ潰すって宣言されたコト、あるかい?アンタが女なら、一生分かんねぇだろうし……男でも、実際経験してみないと、その空恐ろしさは理解出来ねぇだろうな。
タマが無い生活。アンタが女なら、それは普段通りなんだろうさ。櫻子や、海月と同じくな。だが、男なら―――な、想像つかねぇだろ?沸騰した血液が、泡だった状態のままに凍結しちまったような気がしたぜ。

タマを、潰す。言葉にしてみれば、単純な単語二つなんだろう。だが、その言葉が与える印象は……男と女で、あまりにも異なる。男なら、キンタマ潰されるぐらい覚悟の上で一矢報いてみせてみろ?オーケー、アンタは女か?
男だっつーなら……タマ打ったことが無い、幸せな人生を送ってきたんだろうな。羨ましいぜ。実際、白熱した戦いで脳汁がアドレナリンに完全に置換されて、結果、決着がついた後にタマが潰れてたコトに気付くって例もあったそうだが。
俺にゃ、無理だ。覚悟が云々っつー話しじゃない。何故、俺が引かない、引けないのか。単純に、それが理由。海月の顔が……乳が脳裏に浮かぶ。いざアイツを手にいれたところで、タマ失くしてたら世話が無い。

怒りと恐怖が渾然一体となって、俺の反応が一手遅れる。櫻子は、未だに何の動きも見せないように見えて……気付いた時には目と鼻の先、至近距離まで迫ってきていた。
摺り足だと気付いたのは、彼女の視線、未だに焦点を定かに結ばないそれが、俺の両目を射抜いているのを感知した直後。頭部の上下動が全く無かったため、アイツの初動が、起こりが全く読めなかった。

感情の天秤が一気に傾いたよ。恐怖、恐慌の側にな。櫻子は、タマを潰すという言葉に……その行為に一切深い意味を見出していないようで。そして、あの女が自発的に……『返し』じゃない行動を起こしたのも初めてで。
虚を衝かれたわけじゃない。単純に俺の反応を掻い潜って、苦も無くアイツは懐に。俺のタマの命運は、タマがどうなろうと知ったこっちゃない、櫻子に完全に掌握されちまった、そんな予感。ケツ穴に氷柱がぶッ刺されたような悪寒。

必死こいて一歩下がると、半呼吸前まで睾丸が震えていた場所を、櫻子の右手が撫で上げるように通過したのが分かった。もう、反撃どころじゃない。櫻子もソレを認識してか、力任せの攻め。反射的に、膝を絞ると、下から衝撃。
俺の股間のサッカーボールを蹴り上げて、男としてのサドンデスつまりは突然死。俺の男の人生をゴールに叩き込まんと、ゴールデンゴールを狙った蹴りが運良く膝で阻まれたのだと分かった。

「ま、待ってくれ。ノーボール・ノーライフだ……分かるだろ」

何を言おうとしたんだろうな。俺の啖呵も男の威勢も、去勢目前という現実の前ではこんなにも無力なのか。混乱の極致で、命乞い、いや、タマ乞いか。情けない台詞が口を衝く。櫻子はソレを微笑んで受け止める。

「ノーボールのライフ、未だ経験なされてないですよね?ノーボールの先達として言わせて貰えば―――

また、次は左手。その股間にキッチリ差込んで、ボールを捻じ切って差し上げましょう、未練が残らないようにね、と。そんな意思が込められたコークスクリューを、両手を下げることで辛うじて弾く。

―――先達として言わせて貰えば、結構お気楽でいいモノですよ?ノーボール。女性ならではの悩みは確かにありますけど……隆一さんは、女性になるわけじゃないですものね」

気楽に言ってくれる。そりゃ、お前は気楽だろうよ?だが、俺の方は!櫻子の視線が、再度、俺の顔面を射抜く。心が通じ合い、互いに埋めようが無い差が、性差があることを否応無く実感させられる。
アイツは、このまま。俺の顔面を打ってこようとしている。そして、股間を覆う手が外れたら―――遠慮なく、俺の『男』を外すつもりだ、と。股間を強く押さえ、目を細めて一撃に備える。もう、何とか耐える、それしかない。

「かはっ……」

……息が詰まった。衝撃の大元は、上腹部、鳩尾。貫き手で横隔膜を強かに痛打され、本能的に酸素を求めて喘ぐ、と。

「ごほっ!!」

蛇のように軌道を変えた櫻子の貫き手が、伸ばされた俺の首の中央、丁度喉仏のあたりを衝く。無名ではありますけど……ココも男性特有の急所です、と一人言が。
息が、出来ない。それでも酸素を取り込もうと、パクパクと口の開け閉めを行っていると……視界に火花が散った。櫻子が、鼻っ柱に頭突きを入れてきたのだと理解したのは、鼻を両手で抑え、大きく仰け反った後で。

447名無しさん:2019/09/12(木) 22:57:01 ID:8wui0XE60
腹に、滑らかな水着の触感が。それに包まれた、ささやかな、本当にささやかな膨らみの感覚が。背に、俺を抱え込むように回された、櫻子の両腕の感触が。
櫻子の言葉を、思い出す。『分からない側』の私は、いざ『潰す』と決めたら躊躇無く出来ますよ、その言葉は時間差を伴って、死刑宣告のように俺に響いた。だから、恥も外聞もかなぐり捨て、必死に乞う。

「許して……」
「駄目です」

口調こそはニコヤカに、言下の否定。ズドン、と。鈍い音が響いた。タマが押し込まれる感覚がして呆けてしまう。不気味な静寂。まるで、幼子が爆発的に泣き喚く前に、静かに息を吸い込んでいるような―――


その時、確かに。俺の股間を起点に、世界に罅が入っていくのが見えたんだ。




「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!〜〜〜〜〜ッ!!!!〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!」




気絶するなどと生易しいことは出来なかった。これも、櫻子の想定通りなのだろう。恒星が炸裂しそうな衝撃が股間から迸り、俺は爆発寸前の超新星を両手で押さえ込もうとしているのだと錯覚してしまう。
激痛という形容など生温い。苦しみだとか、後悔だとか。絶望、だとか。言葉で包装された負の概念から虚飾が全て取り去られ、その、負のイデアとでも呼ぶべき何かが、俺の股間に顕現したようだった。
床を転がり、転がり、痙攣。全身で苦痛を訴える。涙と鼻水が止め処なく溢れる。それでも、それでも。苦しみの一厘ほどですら、その行動で表現出来ているとは思えなかった。

「先だってお伝えした通り、コレが『お仕置き』の蹴りです。どうです?初撃、小手調べだったって実感して頂けたのではないでしょうか。
 ふふ。女性である身としては、足先で蹴り上げるか、膝で蹴り上げるかの差異でしかないので。ピンとはこないのですが……その反応を拝見する限り、御理解頂けたようで何よりです」

俺を地獄に突き落とした女は。俺が掴まれて、地獄に引きずりこまれようとしている部分など存在しない股間を無防備に……それこそ自慢げにひけらかして、得意気な顔を見せる。
いや、ひけらかしている意識など無いのかもしれない。櫻子にとっては『存在しない』のが自然で。だからこそ、ソコを自慢するなどといった考えが彼女の脳内に存在していないようだった。

「ですが……今からその反応だと、実際に潰して差し上げたときが思いやられますね……。あの、きっと、もっと苦しいですからね。無い私には見当もつきませんが……リアクション、激烈ですから。
 私などに気を遣わず、存分に悶えて叫んで頂いて結構ですからね。みっともない、なんて気にしないで下さいね?男性は、皆そうなるのが自然、恥ずかしがることなんて無いですから」
 
これで―――これで!?まだ、足りないっていうのかよ?!これだけの苦痛……これまでの人生の全ての痛苦を束ね合わせても比較にならない激痛を味わわせて、それでも、まだ?!
俺の口から、意味を為す言葉は吐き出されない。だが……その視線からいいたいことを読み取ったのか。櫻子は俺の腹を蹴り転がし、仰向けにすると、失礼、と一言。ドスン、と腹の上に横座りの体勢になって。

「あの―――苦痛のコト、私に言われても困ります。分かりませんから。それに……信じてもらえないかもしれませんが、私、痛みが少なければ少ないほどいいと、そう願っているんですよ?」

何を言っているのか分からないという表情になったのを察したのだろう。彼女は、さらに説明の句を継ぐ。

448名無しさん:2019/09/12(木) 22:58:14 ID:8wui0XE60
「目的は『潰してあげる』ってコトで……率直にいうと、ですね。ですから、去勢の際の苦痛などは、単なる付属物、副産物なんです。私にとって。だから……潰すときはいつだって、早く楽になって欲しい、そう祈っています」

そこで一区切りついたのか。俺の下半身に向き直ると、ズルリ、と下穿きを、トランクスごと膝まで下ろす。見ーつけたっ♪と、童女の如き笑い声が一つ。無意識か、ちょっと小振りな方ですね、と。残酷な言葉を、ポツリと溢す。
地雷を踏んだと思ったのだろう。実際、俺にはそんな戯言に取り合う余裕など毛筋程も無かったがな。慌てた口調で、女性はサイズを気にしませんから、大丈夫、とフォローを入れて……いや、小さいって意味じゃなくて、と再度慌てる。
その、そうです!これから潰れて無くなってしまうんですから、サイズなんて関係ありません、と力強い宣言。誰かに聞かれたら、前は御立派なモノが付いてましたよって偽証して差し上げますから!って、それもフォローじゃないだろう?

そのまま、更に腹の上で半回転。所謂、騎乗位に近い体勢になる。軽々と、力が入らない俺の両手を引き剥がすと、後ろに身体を傾け……あろうことか、俺のタマを掌底で床に押し付け、揉み込みはじめる。
体勢を崩した関係上、必然的に眼前、目の前に櫻子の股間が突き出される形になる。分かるか、あの絶望が。俺の目の前に晒されたソコには、キンタマのキの字もない。タマなんて自分とは無関係です、と素知らぬ形をしていたんだ。

「おうっ!!はうっ!!ぐはっ!!ぐひっ!!!」

櫻子の身体が俺の上で弾むたび、汲めども尽きぬ内臓痛がポンプで汲み上げられ、撒き散らされているような気分だった。脱力した両腕で櫻子を押し退けようとして……それは叶わず。
櫻子の両腕を外そうとしても、跨る彼女の両脚が、肢体が、俺の両腕を阻んで届かせず。空しく、櫻子の下腹部……性器は俺の腹筋との間で隠されていて……何も無い、下腹部としか形容出来ないソコを空しく引っかく。
こそばゆいのか、恥ずかしげにクスクスと笑う彼女は、笑い声の下、早速『予習』とは感心ですね、と揶揄とも賞賛とも付かぬ言葉を投げてくる、『無い』とはどういうことか、心いくまで存分に確認してくださいね、とも。

また真顔に戻って……股間を弄る俺の手に、時折噴出しそうになりながらも……彼女は、何でもないことのように告げる。俺に、獄卒からの託宣が下される。

「……苦しめたくないといっておいて、恐縮ですが……コレも、必要なコトなんです。おタマタマって意外と弾力がありまして……蹴り上げて、隆一さんの体重をお借りするならば、直ぐに潰してあげられるのですけど。
 その、もう、お立ちになれませんよね?いいんです。ちょっと、調子に乗った私が悪かったんです。隆一さんは、何も悪くない……で、ですね。このままだと、踏み潰すときに多少梃子摺ってしまうかもしれませんので―――

健気にも頑張る子供を見るような目、慈しむ目で俺を見下ろして。

―――下拵え、です。この程度で潰れた事は今までありませんから、ちょっとだけ、ちょっとだけ我慢してください?」

「ふっ!ひっ!!あっ!!ぎぃぃぃぃッ!!!」

リズミカルに、俺の睾丸……腫れあがり、少しの衝撃でも電撃のような痛みが走る器官を容赦無く揉みしだく。男では出来ない、女しか出来ない拷問だと思った。手の先、睾丸の無い櫻子の股間が言外にその通り、と主張していた。

「言いましたよね?タマタマ握られると、男性はもう為す術が無いって……受け入れてください、コレ、だから急所なんです、潰しやすいように、外にはみ出ているのもそう。潰すって決められたら、無駄な抵抗が出来なくなるのもそう」

違う、と。何かで読んだことがある。睾丸が外に出ているのは、単に精子が熱に―――

―――眉唾ものです。だって、ウチの鶏……雄鶏のコトです、みんな人より体温が高いですけど、タマなんて飛び出てないですもん。昨日の夕飯の、コケ悟朗だってそうでした」

449名無しさん:2019/09/12(木) 22:58:45 ID:8wui0XE60
櫻子の股間に揉みこめるものは無く。彼女は、躊躇無く俺のキンタマを揉み潰していく。この激痛は、俺しか感じることが無い、そう痛感すると、鼻の奥がツ-ンとした。餓鬼の頃、理不尽ばかり感じていたことを思い出す。

「隆一さんしか、感じられないからこそ。せめて、痛みを感じる回数は、少なくてすむように。横着せず、シッカリ揉み込んであげないと、ね。貴方のため、貴方のためなんです。面倒臭がってなんて、いられません」

弾む息の下、櫻子の言葉が続く。涙が一筋、左目から溢れた。あらあらまぁまぁ、と久方振りの台詞。大丈夫です、と。男の子じゃなくなるんですから、変な意地なんて張らなくていいんです、とズレた励まし、そして。
唐突、本当に唐突だ。櫻子の目に光が戻って、意識が現世に戻ってきたと直感する。何故か、それは分からない、でも。

「まだ、しばらく掛かりそうですから……少し、昔話をしましょうか」

そう言った櫻子の目には、俺がハッキリと写しだされている。理由は分からない、だが、理解ってしまった。

---------------------

450名無しさん:2019/09/12(木) 22:59:23 ID:8wui0XE60
「私にも、高校生だった時代があるんです……隆一さんたちの先輩、OGってことになるのかしら?驚くことは無いでしょう?あの下らない街に、高校なんて一つしか無いんですから」

滔々と語りはじめる。視界に俺が写っていながら、彼女は遠くの誰かを見ているようだった。

「校内暴力華やかなりし時代ってヤツでした。本当、反吐がでそう。ミヅキちゃんが言うには、今は少しは落ち着いたんですってね。……正直に言って、嫉妬してしまいます。

 私は、あの頃既に護身術を修めていて……○○道の××流ってヤツ。ふふ、風評被害になっちゃいますから、実名は避けますね。実際、事故でしたが……道場で、その、男の方を『終わらせた』コトもありました。
 知ってましたか?金的を潰された後の処置が悪いと、男性って亡くなってしまうコトもあるんです。あ、隆一さんは心配しないでいいですよ?後始末、私はちゃーんと何すればいいのか熟知していますから。
 
 で、ね。狭い街でしょう?その噂も瞬く間に校内に広まっていて……気付くと、女子生徒達の顔役、みたいな身の丈に合わない立ち位置にいたんです」
 
無くなっても生活に支障は無いのに、意地悪な作りですよね、と微笑む。支障が無いといえるのは、櫻子が女だからだ。と。世界の半分は女ですよ。達観したように、彼女が笑う。
揉む手は緩めず、それなのに寂寥感を表情に滲ませて。せめて、語るか揉むかどちらかに―――いや、語るのみにして欲しい。

「そんなに辛いんですか……ふふ、もう少しの辛抱ですからね。男の子のウチは、我慢しましょう?まぁ、男の子で無ければ、そもそも我慢する必要も無い痛みなんですけれど……男の子を止めるまでの、我慢。 
 で、ですね。未熟だった私は、その立ち位置に満足していたんです。今思い返すだけで、顔から火を噴きそうですが……『か弱い』女子生徒を守るのが、自分の責務だと、そう思っていました」
 
泣き笑いのような顔。そして。

「初恋も、知りました。ケンタロウ君という方で。身体的には弱くても、精神的には非常にお強い方、でした。気高い人、尊敬できる人、でした。揉め事に首を突っ込んで、自分が殴られても解決したことを喜べるような方。
 初対面は最低最悪。私の前で、ケンタロウ君がキンタマを抑えて青い顔、蹲っていたのを覚えています。当然でしょう、男性だったので。あの頃の私は天狗で。男なんて、股間を蹴れば一発の生き物だって嘯いていました。

 あの人は、懲りなかった。それでも、何度も私の前に立ち塞がって……何度地面を転がっても、それでも。逆に、私の方が心配してしまったぐらいです。あんなに蹴られて大丈夫なのかしら、と。自分で蹴っておきながら、非道い話。
 ……噂では、私は冷血非道で。何人のタマを潰したのか数え切れない、なんて怖れられていましたけど。本当のトコロは、潰すなんて考えたくも無い、そう思っていました。潰してしまった方の悶絶具合を見ていたから、尚更のこと」

本当に、未熟、と。櫻子の右目から、一筋の涙が流れて。ココで俺も理解する。哀しみをトリガーに、彼女が正気を取り戻したことを。いや、コレを正気と呼んでいいのだろうか。揉み込む手は、未だに止まらない。

451名無しさん:2019/09/12(木) 23:00:20 ID:8wui0XE60
「何の変哲も無い冬の晩でした。粉雪が散らつく、澄んだ空気。曇天で、少し憂鬱だな、と思ったことを覚えています。忘れもしない、あの日。

 もう名前を思い出せませんが、一人の女生徒がいました。単に、思い出したくないだけかも知れません。貴方様にも興味を持っていただけるように伝えると……とても、整った容姿をした方でした。
 物静かで、喧嘩なんてしたこともないような方。ショートカットが良く似合う、清楚な方。だからこそ、私とはまったくと言っていいほど接点がありませんでした。
 
 あの腐った街で。物静かなんて何の足しにもなりません。知っているでしょう?よく、からかわれているのを見ていました。ストレスを貯めていたのでしょう。でも、暴力で発散するなんて、思いつきもしなかったのでしょうね。
 ……後で知ったのですが、ご両親が不仲だったそうです。お父様がリストラされてしまい離婚調停中だった、とか。それが、最後の一押しだったのでしょう」
 
唐突に、話題が変わる。だが、櫻子の動きは変わらず、リズミカルに身体を上下させ、絶えず睾丸を圧迫してきて。俺は、チカチカと点滅する意識の中、彼女の独白を聞くしかない。

「―――切欠は、万引きだったそうです。ドラッグストアで、他愛も無い化粧品を手にとって、そのまま。自慢ではありませんが……いや、寧ろ、恥ずべきことですが。あの街では、珍しいことではないでしょう。
 ただ。ただ、それを、ケンタロウ君が見ていた。運命というものを、今でも恨んでいます。何故、何故彼だったのでしょうか。話しを戻しますと……ケンタロウ君は、それを看過することが出来なかった。
 
 ドラッグストアから抜けて。人気の無い通りまで辿り着いたときに、声を掛けられたそうです。そう、掛けてしまった。想像はつきます。一目があるところで詰問したく無かったのでしょう。ですが、全てが裏目に出てしまった」
 
泣きそうな声。泣きたいのはこっちだ。なのに、櫻子の声は、どこか吸い込まれるような響きを纏っていて。いや、彼女自身が、その日の記憶に吸い込まれているのだろう。
俺の睾丸を圧迫する彼女の動きが止まる。泣き笑いの顔で此方をみやると、自嘲するような口調で告げた。


「……ご存知でしたか?『内臓破裂して死亡』ってニュース……結構な割合で、『睾丸破裂』……キンタマが潰れて死んでしまったことを指しているって」


櫻子の涙腺が決壊する。ポタポタ、と俺の胸に涙が落ち、脂汗と混ざって異様な臭気を放つ。

「彼女が男だったら……事態の重大さに気付けたのでしょう。いや、少なくとも喧嘩慣れしていれば、そこまで行きつく前に引くことが出来たのかも知れない。でも、でも、それでも。そうは、ならなかった。
 ……彼の苦しみようを見て、怖くなって逃げた、そう言っていました。そして、不安になって、私に連絡を入れてきた……腐っても、顔は売れていましたからね。折り合いの悪いご両親には頼れなかったのでしょう。

 駆けつけたときには、ケンタロウ君は。もう、冷たくなっていました。ちらついた粉雪よりも、彼の身体の方がずっと冷たい……今でも夢に見ます」

だったら、何でだ!苦痛の奥底で、俺の脳裏を疑問符が埋め尽くす。そんな経験をしたなら―――進むべきは、真逆の方向だろう?

452名無しさん:2019/09/12(木) 23:00:58 ID:8wui0XE60
「アイツを呼び出して、報いを与えようとしました。あの人が感じただろう苦痛を、思い知らせてやりたい、と。お笑い草、ですよね。でも、あの時は。臓腑が煮えくり返って、そんなコトにも思い至らなかった。
 死んでたよ、と一言。彼女が身を竦ませるのに併せて踏み込んで、全力で股間を蹴り上げる。……ふふ、起点は一緒。結果もそうです。タマが無い股間をおさえて、情けなく地面にへたり込む。違いは、ただ一点だけ。

 ……?勿論、女だって股間は急所ですよ?会陰、と呼ぶのですが……その、叩かれたり握られたりでは響かないので、脱出するのは諦めてくださいね、隆一さん。骨、骨盤を覆う筋肉が少ない部分ですから……脛とかと一緒です。
 
 違いは一点。ケンタロウ君を死に至らしめた、蹴り上げられたキンタマが破裂するという過程。『無くなる』というその過程だけは、あの女に。蹴り上げてからへたり込むまでの間に、絶対に介在させることが不可能で!!
 
 分かりますか?イヤイヤながら幾つも潰してきて……初めて。心の底から、キンタマを潰してやりたいと思った相手に!絶対にやり返せないと痛感したときの遣る瀬無さを!!
 
 その女、ですか?さぁ?鑑別所だか、少年院だかに送られたと聞きました。潰したからだなんだとかそんな瑣末な話しでは無く、『人殺し』ですからね。ご両親も離婚されたそうですが……もう、何の興味もありません」

一瞬の激昂。櫻子が感情を表に出したのは、それが最初で最後。渾身の力でタマを握り締められ、彼女の絶叫の伴奏のように、俺も魂を絞られるような悲鳴をあげる。
そして、小康。櫻子の全身が脱力し、絶好のチャンス、それでも。俺の全身はそれ以上に……それこそ、全ての骨が砕け散ってしまったかのように力が入らず、抵抗するにも抵抗できない。

「……ようやく、悟ったんです。守らないといけないのは、『か弱い』女子生徒では無かったと。『か弱い』上に、『金的』なんていう致命的な弱点を抱えた、男子生徒の方だったんだって」

話の着地点が全く見えない。櫻子の独白と行動は、字義通り正反対のベクトルを示していた。何故、それが『俺のキンタマを潰す』なんて暴挙に繋がるんだ?!

「後悔、しているんです。六年なんてあっという間。あの日の出来事は、一日足りとも私の脳裏から消えたことはありません。毎日、寝付く前に悪夢を見て飛び起きます。本当に、何で、何で。
 何で、私が。私が先に。ケンタロウ君のキンタマを、何できちんと潰してあげられなかったんだろうって!!」

悄然とした様相で零れた言葉、俺はそれを咀嚼することが出来ない。目を白黒させていると、委細構わず櫻子は語りを継いだ。

「―――そうでしょう?私だったら、潰してあげた後の手当てだって、きちんと出来た。死なせてしまうなんて、絶対にしなかった。
 私が潰してあげていれば……あんな女にキンタマを蹴り潰されて、死んでしまうことなんて天地がひっくり返ったって有り得なかった!だって、先に潰しておけば。あの女と同じ。キンタマが無ければ、潰されようもなかった!!
 
 潰されるなんて有り得ないほど『お強い』なら、それでいいんです。その『弱さ』を知って、自分で守ろうとされるなら、それでもいいんです。でも、どちらでもない方は……私が、私が何とかして差し上げないと!!」



『こんな思いを噛み締めるのは、自分が最後でありますように------』



魂から搾り出されたような独白。俺は、場違いにも、田崎の話を思い出していた。山姥……というより、バーバ・ヤーガ、亡霊。過去に囚われた、幽霊。いや、全部ひっくるめて、精神異常者。
アイツの評が、全て正鵠を射ていたことに驚きを隠せない。この女は、この女は。―――完全に、イカレてやがる……!!!

453名無しさん:2019/09/12(木) 23:01:46 ID:8wui0XE60
キュ、と俺のタマが縮み。掌で感知したのか、櫻子が怖がらなくても大丈夫ですから、と微笑む。今日まで、今日までですからね、と。今まで、良く頑張りましたね、沢山褒めてあげますからね、と。

「あの野生にも劣る街で……大変だったでしょう。隆一さんがお好きな、自然の摂理って言葉で包めば……野生動物は、強い『雄』が、『数多の雌』を独占することも珍しくないそうです。あの街は、その典型。
 根腐れしていて、もう手の施しようがありません。変わるなんて不可能。誰かが引導を渡してくれることを待ちながら、変わることなく惰性で動き続けるしか無い……なら。自分が変わる他ないのです。
 ……もう、いいでしょう?人間なのですから、人間らしく。虚勢なんていらない。野蛮な街の掟は、野蛮な方々に任せておけば宜しいのです。隆一さんは、一足先に足を洗ってしまいましょう?私も、協力は惜しみませんから―――」
 
正気、いや狂気か。生気が蒸気のように櫻子から抜けていって、また茫洋とした表情に戻る。ムカつくとしかいえなかった表情。今は、恐怖しか感じない。
なのに、なのに。何故か、俺の愚息が痛いほどに勃起しているようだった。海月の顔が脳裏に浮かぶ。こんなトコロで去勢されるわけには行かない、そう叱咤された気持ちがして。

「違いますよ?おタマタマが潰れそうになると、自然と勃起されるのです。そろそろ、そろそろ、ですね」

一刀両断。その気力を、櫻子は一言でバッサリと切って落とす。微笑みを絶やさぬまま立ち上がると―――最早全身に力が入らない、俺の両脚を小脇に抱えて壁を向く。俺に尻を向けた体勢で……タマに、踵を乗せる。

もはや人聞きなど知ったこっちゃなかった。恥も外聞も無かった。やめてくれ、と。せめて、一度だけでも使わせてくれ、そう懇願する。
海月の顔が、去来する。彼女の乳と股間の感触が。だが―――屈辱的にも程が有ることに―――もう、櫻子でも良かった。ただ、童貞のまま去勢されたくは無かった。

櫻子から、苦笑が齎される。

「私は一向に構いませんが……ミヅキちゃんのモノ、横取りするわけにも行きませんからね。大丈夫。セックスだけが絆じゃありません。隆一さんは、セックス……性と性交、両方をこれから失いますが……それだけ。
 日常生活に問題はありませんよ。だって、そうでしょう?今までも経験が無かったのですから、それが『これからも』になるだけ。大したことじゃありません」
 
頼むよ。せめて、女の味を、一度だけでも―――あらまぁ、と驚いた調子で櫻子が声を上げた。
男という性の浅ましさに顔から火が出るような心地すらする。櫻子はそんな俺を軽蔑することもなく……ニコヤカな表情、慈愛の表情を保っているのだろう。だが、学習した。その顔は、また碌でもないことを言い出す顔だ。

「女性器に御執心なのですね……それでは。長話にお付き合いいただいたお礼も兼ねて―――おちんちんも、ちょん切ってしまいましょうね?邪魔なモノが無くなったら、出来るだけ女の子のっぽく整形してあげますから。
 ふふ、もし触りたくなったら、幾らでもご自分のを弄繰り回せますよ?流石に穴までは無理ですけど……男性として18年、でしたっけ?生きてきたのですから、次は女性として生きてみるのも、ええ、乙なモノかも知れませんね」

貴方も、男性を諦めるいい機会になるでしょう。思い入れだとか、愛着だとか。そんなモノは幻想で不要なのです、と。そんなモノがあるからこそ、人は終わりにへばりつくのですから―――何処かで聞いた台詞が告げられて。
踵に体重がかけられ。とうとう、俺の『男』が終焉を向かえると、頭では無い。本能が警告音を大音声で鳴らし、その癖に対処方法は一向に伝えてこない。やきもきとしていると、櫻子が最後通告を伝えてきた。

お目覚めになられましたら、もう男の子では無いですから。そうだ!ご褒美に、本物の女性器も見せてあげますね、と含み笑いの櫻子。ミヅキちゃんには内緒ですよ、と振り返り、悪戯っぽい微笑を湛える。

「それでは……行きます。これだけ柔らかくなっていれば、一瞬で済みますよ。よく、耐えましたね。あとは、もう一踏ん張り……一緒に、頑張りましょうね?」

何が、何が一緒にだ、と。抗議の声を上げようとした刹那。

454名無しさん:2019/09/12(木) 23:02:21 ID:8wui0XE60









「ぷっちゅん」








櫻子から、軽い声、そして。これまでの地獄が児戯だと嘲笑うような。痛いでは無い。もう、怖い、でも無い。寒い、とでも形容すべき感覚が。俺の股間から全身を。稲妻の如くに駆け巡った。



----------------------------------------------------

455名無しさん:2019/09/12(木) 23:03:00 ID:8wui0XE60
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!」

道場の方角から、聞きなれた怪鳥音。あー、隆一ったらご愁傷様、とおどけて両手を合わせてみせる。チーン!……アレ?チンは取られちゃったんだっけ?キンの方だけ?ま、どっちでもいっか。
アタシ、片瀬 海月は。嗾けた身の上な関係上、多少の申し訳なさを覚えつつ、隆一の『男』の冥福を祈る。とはいえ、『男』じゃなくなったから何なのってトコでもあるんだけど。
アイツ、単純だからさ。アイツの方が弱いから心配って焚き付ければ、絶対ムキになって喧嘩売るって思ったのよね。結果は、聞いての通りだけど。

何ていえばいいのかな?ほら、アタシにとってはタマなんて無いのが当たり前で。だから、タマを取られたって出来事の重みは正直良く分からない。男じゃなくなる?そもそも、アタシは生まれたときから違うけど?
時々さ、タマが無いってどういう感覚なんだよって聞かれることがあるけど……マジ、変態チックだよね。実際のトコ、『無い』って感覚は無だ。ほら、人間だって、尻尾が無いってどんな感覚って聞かれたら、無としかいえないでしょ?
『無い』って感覚自体が無いからさ。無くなったって言われても、ふーん、ぐらいで終わっちゃうのよね。で、それが何なのって具合でさ。

ただ、男が『無い』ってことに興奮するのは、多少分かる。アタシだって、男の股間に『真ん中の穴が無い』ってこと確認するのは好きだもん。不思議な気分と、性差ってヤツを感じちゃう。

久し振りに会った幼馴染は、以前よりも更にアルファシンドローム……ボス犬症候群を拗らせていて、もう手のつけようが無かった。狂犬は、飼い犬になる前に去勢しないとね、程度の軽い気持ち。

ジャラジャラと、足元で鳴子が鳴るのが分かる。遠くで、聞きなれた声……隆一じゃない。隆一じゃなくて……あのアホの、田崎だ。どうやら、罠にかかったらしい。

いや、ちょっと違うかな。男がキンタマ潰されて……みっともなく、全身汁塗れで悶絶してるのを見てるときだけは、『無い』って実感するかも。ぶっちゃけ、その感覚は結構好き。
何てゆーかさー、普段当たり前のように享受している『安心』ってヤツを、全身で実感できる気がするのよね。あ、アタシには『無い』から、絶対にあんな目になんて合わされないな、なーんて。


ズキリ、と胸が痛む。……正直、アソコまでやらせるつもりは無かった。もし、隆一から何かキンタマ以上のモノを奪おうというなら、きっと止めていた。流石に可哀相だよ、と。タマだって……ちょっと気の毒だと思ったもの。
引き止めたときも、本当のトコロ。数回、道場でタマキン蹴っ飛ばしてやれば、今まで虐められていた鬱憤も晴れるかなって、それぐらい軽い気持ちだったんだ。ただ……あの武勇伝が、どうにもこうにもいけなかった。

先輩の空気がさ、どんどん硬くなってたの、分からなかったでしょ?隆一。アンタ、アタシのオッパイばーっか見てたもんね。バレてないと思ってた?
あの人は……隆一が死に急いでいるように見えたんでしょう。で、止めないとって、そう思った。タマタマ潰せばね、気性も落ち着くし……なんでなのかな?まぁ、止めるには最適の処置だったんでしょ。

456名無しさん:2019/09/12(木) 23:03:31 ID:8wui0XE60
あの人、アタシじゃ止めらんないよ。街の人達だって、薄々なにが起きているのか知ってるんだろうけど……腫れ物扱いで寄ってこないでしょ?
何でアタシはここにいるかって?まぁ、色々あったのよ。街の人達ほど賢くなかったからさ。先輩も隆一も、あの街のことを悪し様に罵るばっかだけど……そういう強かさ、アタシは好きだ。

鳴子が鳴った方へ、歩を進める。ズキズキと痛む胸は、体調を崩したせいだろうか。隆一の、隆一のクセに、アタシを真っ直ぐ見据えちゃって……アンタの女になれですって?まったく、笑っちゃうわ……ホント、ウケる。
もう、彼は男じゃない。それだけの事実なのに、妙にアタシの気が沈んだ。後悔はしていない、何処に後悔する理由があるのか分からない、それでも。


遠くで、田崎が宙吊りになっているのが見えて。胸の痛みを押し殺して、歩を進める。討ち取ったり〜〜なんて、隆一のコトが無ければ叫んでいたかも知れない。
別にアイツのことなんて。昨日まで、何とも思ってなかったハズなのに。


―――まぁ、いいか。隆一が、『去勢され童貞』を卒業したなら。アタシは、アソコの馬鹿で『去勢処女』を捨てよう。そう考える。
アタシが潰したワケじゃない。アタシに潰されたワケじゃない。でも、同じ日に、童貞処女を卒業……初体験を経験する。そんな距離感が、アタシ達には似合っている、そんな気がした。

それに、ね。隆一だって、潰され体験を慰めあえるヤツがいた方が気が楽でしょ?いっつもアンタ達つるんでたし。アタシも先輩も、その体験だけは共有できないからさ。『元』男子って、タマ無しって呼ぶだけで傷付いた顔するもんね。
単なる事実だし、アタシはそんなこと言われても、当然でしょ?としか……いや、それすら思わないか。タマって何のことって疑問符を浮かべちゃうかも。あまりに実生活と関係無さ過ぎてさ。

胸の痛みを押し殺し、釣られて藻描く馬鹿へと駆け寄る。また来るって言ってたと、教えてくれた隆一に感謝……つっても、昨日の今日とはねー。
明日は隆一と二人。仲良くタマ無しの股間をおさえて、ベッドで寝てるわよ。

空は高く、風は幾分かの涼気を孕んでいて。今日はいい日だ、きっと明日もいい日だね、と。アタシは、柄にも無くそんなコトを考えたんだ。ふう。アタシの話は、ここで終わり!バイバイ!!



                                                                                         <おしまい>

457名無しさん:2019/09/12(木) 23:05:56 ID:8wui0XE60
ご無沙汰してます。一年振り?書き込むときは投下と一緒に、って決めてるので。

一書き手としては、アレですね。感想さえ頂ければ大満足です。ただ、パターン煮詰まるので……
こんなのがいいなってのがあったら、参考にしたりしなかったりします。それだけです。

458名無しさん:2019/09/13(金) 00:11:32 ID:QC2d4EBE0
上手くてビックリした
この1/10の力もない自分が辛くなるくらい上手い

唯一気になったのは、ケンタロウは毎日のように強い女と手合わせしてたのに一切学習してない(ド素人相手なら対処できたのでは?)のかってこと
一方的にボコられてただけかもですが
つまらないこと言って申し訳ないです

459名無しさん:2019/09/13(金) 20:08:05 ID:PEMuQOWI0

最後を海月の独白にして隆一と対比にするのとかすごいなって思う
それでいてフェチのツボもしっかり押さえてるし

460名無しさん:2019/09/14(土) 02:33:53 ID:pxgQuLN.0
すごく良い
攻め執拗ながらも攻めすぎない感じでいい
一々不自然に叫ばないのもいい
ただ褒めてばかりだと良くないと思うので一点だけ言わせてもらうと終始男側の独白みたいな感じだったけどセリフ調の方が良かった
まぁ才能の無いやつの戯言だと思ってください
ここ最近の大作です有難うございます

461名無しさん:2019/09/14(土) 16:26:48 ID:VsvdS2us0
すごく良かったです。
性差が出ていて男がいかに苦しんでいるかの心理描写もあり興奮しました。

462名無しさん:2019/09/15(日) 20:56:19 ID:ISC8UWWU0
最初の方の殺人事件の話とか隆一の独白とかが
伏線になってて良かった
女を殴るのがダメとかケンタロウが殴られても気にしないとか、女生徒がそれまで暴力沙汰と縁遠かったとかで
ケンタロウが女生徒の突然の暴発で不意打ちで死んだんだろうとか
色々想像の余地があったし良くできてる

どうでもいいですが、これまでの作品だと義務のようにパイパン出されてましたけど改宗したんでしょうか
教徒としてちょっと隆一が気の毒だったので

463名無しさん:2019/09/15(日) 23:41:09 ID:p7vQyz8I0
pixivの好みの作家さんは皆消えてしまった…
この界隈にいると定期的にSSを投稿してくれる、話を完結させてくれる、この2つがどれ程有難いか身にしみるよ

464名無しさん:2019/09/19(木) 09:49:25 ID:ErjeUfeE0
最高でした
最近の渇きが少し癒えた感じがしました

議論スレかもだけど書き手の継続力よりも読み手の継続させ力の問題な気がする
感想書く奴少ないしだから渋行く人多いんじゃね?

465名無しさん:2019/09/20(金) 16:24:52 ID:KwbTBnXI0
素晴らしいの一言です。
引き込まれるように何度も読んでしまいます。
事が終わった後の海月のモヤモヤとした感じがすごくよかったです。
また次を楽しみにしています。

466名無しさん:2019/09/21(土) 21:57:44 ID:k7iYdw3c0
力作の長編とてもよかったです
最初は片方で勘弁してやるって言ってたのにとばっちりで両方潰される田崎カワイソス

467名無しさん:2019/09/24(火) 03:29:12 ID:2gx.q0uY0
みんなどこでオカズを見つけてるんだろうって思う
書いてくれた作者さんに感謝!
しかし読む側にも文才が無いと難しいね

468名無しさん:2019/09/30(月) 08:17:59 ID:j632R3.U0
>>421
ミックスファイト倶楽部は良かった…
どこかに保存されてないかなぁ

469名無しさん:2019/10/14(月) 19:18:16 ID:lidSZUtE0
私の名前?うーん、秘密っ♪。好きに呼んでくれていいよぉ?あ、でも可愛い名前がいいかなー。
大丈夫、心配しないで。おにーさん、きっと、忘れられない顔と名前になるからさ。うん、それは絶対そう。

というか、おにーさんも不運だったよね。でも、いい勉強になったんじゃない?ほら、お母さんから教わらなかった?知らない人に、ホイホイ付いて行っちゃだめだよって。
お菓子あげるからとか、玩具あげるからって言われてもね。攫われて、酷い目に合わされちゃうかもしれないって思えば考え物でしょ?

あ、ワケが分からないって顔してるね。いや、単純な話しだよ。おにーさんが呑んでたお酒に一服盛ってさ。デロデロになったキミを介抱する体で連れてきたの。

ここ?ここ、ラブホだよ?防音設備が整ってるみたいだから、おにーさんが泣いても喚いても誰にも聞こえない……にひひ、どう?怖くなっちゃった?
ココ、SMとかにも対応してるんだ。前に下見に来たとき確認したから。って、おにーさんの今の状態見れば、説明しなくても一目瞭然か。あはははは。大の字に磔にされちゃって、なんか可愛いね。

ん?何をするつもりだって?そりゃ、裸の男女がホテルにいるんだから、やることなんて一つでしょ?イ・ケ・ナ・イ・コ・ト♪
おにーさんさ、SMって興味ある?え?虐められるのには興味ないって?ふふ、ですよねー。いや、重畳、重畳。話しててそう思ったんだ。だからおにーさんに決めたんだけど。

ふふ、いい身体してるね。筋肉質で、ガッチリしてる。私とは全然違う、男の人の身体。見てるだけで興奮しちゃうなー。ほれ、スリスリ〜。ふふ、お肌はガサガサだね。
おにーさんも見てよ、私の身体。ちゃーんと、下の毛まで処理してきたんだよ?違うでしょ、おにーさんのと。ね、何処が違うと思う?ふふ、シンキングターイム!制限時間は〜、十秒!!

10.9、8、7、6、5、4、3、2、1……はい、答えをどうぞ!ん?ふざけてないで拘束を外せって?……ん〜ッ、残念!不正解です!罰ゲームッ!!それっ!!!!

キーン!!!

……ふふ、凄い顔。いつみても、キンタマ蹴られた男の顔ってステキ……♪ふふ、特別サービスだよ?オマケに、もう一発!!てやっ!!!

キーン!!!

あはははは!!!目玉が零れ落ちそう。そんなに痛いの〜?私、『ない』から分っかんな〜い♪それじゃ、確認のために……もう一回ッ!!せいやっ!!!!

キーン!!!

470名無しさん:2019/10/14(月) 19:19:23 ID:lidSZUtE0
は、あはは、あははははははははは!!!すっごい悲鳴。大丈夫だよ〜。心配しなくても、この部屋は防音だから、誰かに迷惑かけちゃうことなんてないですよ〜。
ふふ、もう一回って洒落込みたいトコだけど、まずは感想聞いてみようかな?どう?タマタマ痛いでちゅか〜?うふふ、そうなんだ。そんなに痛いんだ……なんて、アタシには全然分かんないんだけど。ゴメンね?
ほら、見てよ。アタシの両脚の間……おにーさんみたいな弱点、ぶら下がってないでしょ〜?というか、アタシから見たら無いのが普通でさ。そんなトコに急所くっつけてるおにーさんが変なんだけど、さっ!!!

キーン!!!

ぶふっ……ゴメンゴメン。人が話してる最中にもブラブラ揺れてたからさ。キンタマちゃん、構ってほしいのかな〜って思って。はは、また悶えてる。可愛い〜〜〜♪
え?こんなコトされる謂れは無いって?それ聞く〜?おにーさん、自分の胸に聞いてみたら?分からないなら……ほらっ!!

キーン!!!

ひひ、痛そう〜。キンタマ付いてる側は大変だ。アタシは付いてない側だけど。ほらほら。見える?アタシ、タマとかチンなんて変なモノ持ってないって。で、何でか分かった?まだ?そっかー……とりゃっ!!

キーン!!!

ほらほら。早く答えないと……物理的に、キンタマ蹴られない身体になっちゃうぞ〜。ふふ、大ヒント。どう?何でこんな目に合わされてるのか分かった?え?心当たりなんてない?そう……ていっ!!!

キーン!!!

あーあ。もう悶絶しちゃって答えるもなにもないか〜。タマタマあると大変ね〜。ま、明日には……ともかく!正解は〜、おにーさんにタマタマが付いてるからでした〜。わー、どんどんぱふぱふ〜!!
いや、そりゃそーでしょ。キンタマ無かったら、キンタマ蹴られるも何もないもん。アタシ、キンタマ蹴られたことなんて一度も無いよ?無いもん。キンタマ攻撃なんて、アタシには全然効きませーん。

というか、女にやってもキンタマ攻撃じゃないよね。何て呼べばいいのかな……おにーさん、何かいいアイデアある?無い?ん?何?止めろ、ふざけるなって。あはは、いいよねー。アタシ、そういうの大好き、だ、よっ!!

キーン!!!

でも、もっと好きなのは……男の人がタマタマ虐められて、どうしようも無くなって言いなりになっちゃうのを見るときかな〜。ふふ、どういうことか、おにーさんも直ぐに分かるよ。
そういうの見てると、アタシ、女に生まれて良かったって心底思うもの。気持ちいいよ?男の人にはわからない、女の快感ってトコかな〜?おにーさんは、女に生まれればよかったって噛み締めてね?ほらっ!!

キーン!!!

ひひ、ひひひひふふ、あっはっは!!スッゴイ暴れよう。男の子に生まれちゃって残念でちたね〜。でも大丈夫だよ?仕上げまで終われば、おにーさんも、『おにーさん』じゃ無くなってるから。
え?どういう意味って……んまたまたー。青い顔して、分かってるク・セ・に♪うん。タマタマ、アタシが貰っちゃうってコト♪良かったね〜、これでおにーさんも、明日から金蹴りに脅えなくて済みますよ〜、なんちゃって。

471名無しさん:2019/10/14(月) 19:19:58 ID:lidSZUtE0
犯罪?訴える?いや、どうぞどうぞとしか言えないけど……別にアタシを訴えても『元おにーさん』が『おにーさん』に戻るなんて無理だよ?タマ無しちゃんのまま。
というか、そもそもアタシ、もうお尋ね者だし。?あ、単にもう訴えられてるよってコト。写真見る?ほら、この『おにーさん』とこの『おにーさん』と……タマタマ貰っちゃったコにタレこまれてるからさ。

うーん、スマホや銀行が使えないのは不便かなー。ほら、アタシのスマホ、もう写真とる専用みたいになってるし。GPSが狂っちゃってるのは逆に都合がいいんだけどさ。
おにーさんも、アタシの被害者団の一員にでもなれば?みんなタマ無しだから、きっと仲良くなれると思うな。ただ……っ!!

キーン!!!

ふふ、皆、その痛みをもう味わえない身体になってるからさ。おにーさんが仲間外れにされないように、アタシがちゃーんと、ぷくく、新しい扉を開いておいてあげる。感謝はいいよ〜。
アタシだって、その痛みを味わえないんだし。あはは、女の子の特権の、お裾分け、ってトコだねっ♪お金が持つ限り、あっちにフラフラ、こっちにフラフラして、男の人をキンタマから解放してあげてるの。

とはいえ、そろそろ蓄えも限界なんだけど……悲しい。え?お金なら払うから、このまま解放してくれって?え〜、なんかソレって強盗で、ガチ犯罪者じゃん。ちょっと引くんですけど〜。
いや、タマ潰しも犯罪なんだけどね?自分には無いからさ、なーんか、悪いコトしてるって実感が全然ないんだよね〜。あーあ、お兄さん可哀相。こんな変な女に誘拐されちゃって……ま、身代金貰えば解放してあげるけどさ。
ん?身代金、幾らだって?ぶふっ、またまた、んまーたまたー♪分かってるでしょ?おにーさんの身代金は―――

―――こーれ♪おにーさんの股間にひっついてる、『金』のボール、ふ・た・つ・ぶ♪


ふひひ、おにーさんったら、震えちゃって。タマタマの入れ物、掌で包まれたのがそんなに怖いの?アタシ的には、暖かくていい手触りなんだけどなー。ほら、コリコリコリ。あはは、身を捩ってる♪
普通はコレ、ひんやりしてるんだけど……ガンガン蹴っ飛ばしたからさ、ちょっと腫れちゃったのかな?ま、どうせ今日で無くなるんだし、どうでもいいよね?

ん。何でこんなコトするんだって……さっき答えたでしょ?何?逆?何でアタシがこんなコトするのかって?そりゃ、したいから、としか言いようが無いんだけど。
子供の頃ね、ガキ大将的な男子とケンカしたことがあってさ。まぁ、ちょっと好きな子だったんだけど……ね、思いっきりキンタマ蹴っ飛ばしたら、一撃で蹲って泣いちゃって。

女で良かったって思った。アタシ、女なんだって。蹴られるタマなんて、ほら!何処にもついてないんだぞって。なんだかエッチな気分になっちゃって。

丁度、護身の授業でさ。変な人に襲われたら、股間を蹴っ飛ばして逃げましょうみたいなコト習ったから、つい試しちゃったんだけど……スッゴイ反応で、なんか興奮しちゃって。でも、あの授業も片手落ちよね。
だって、ほら。この部屋だと、変な人ってアタシだけど……アタシ、別に蹴っ飛ばされても効かないもん。もう一回見る?普通に痛いだけ。逆に蹴っ飛ばしてきた子に……ふふ、男の子ならだけど……大変なコトしちゃうかも。
女の子だったらぶん殴ってお仕舞いかな〜。ほら、アタシと同じで蹴っ飛ばして欲しそうなトコ無いもんね。あ、話しが逸れちゃったね。

472名無しさん:2019/10/14(月) 19:20:31 ID:lidSZUtE0
で、キンタマ蹴るのに嵌っちゃってさ。アタシは全然平気なのに、男の子は脆いよねって。もう、中学ではキチガイの金蹴り女だって、学校中の男子に怖れられてたんだから、
失礼しちゃう話しよね〜。キンタマ蹴られるのが嫌なら、自分で取っちゃえばいいのに。何?男にとっては大切な場所?アタシ、男じゃないから分っかりませーん。馬鹿みたい。誰もアンタ達のキンタマなんて必要としてないよ。

ゴリっ!!

おっと、つい力入っちゃった。おにーさんのタマタマ、ゴリっていったよ?痛かった?ゴリってなったらどう痛いのか、言ってくれないと分かんないよ?アタシ、ゴリッどころかコリってなるモノもないからさ。
と言っても、胸のあの部分はコリコリしてきちゃったけど……興奮してさ……ここは、別に触っても気持ちイイだけ。ほら、おっぱいスリスリ〜、どう、固くなってるの分かる?

でもさー、何か学校中で問題になっちゃったんだよね。お母さん呼び出されて苦情を言われたみたいだし。アタシ、ママに呼び出されてビンタされたもん。バシッバシッて何回も。アンタ、最低ねって言われてさ。
変な話だと思わない?なんで、ママにもキンタマなんて無いのに、他人のタマのために怒るのよ?まぁ、ママにタマあったら、アタシ速攻で蹴り上げてたけど……逆にね。無いから、手も足も出なかった。

で、ギガにムカついたからさ。なんか都合よく100万円ぐらいはお金持ってたし……お年玉貯金ね。コレ使って、全国でタマ落としツアーをしてやろうって思って家を飛び出したの。
いつかは潰してみたいって思ってたけど、流石にソレはねって我慢してた。でも、こうなれば我慢する必要も無いかなって。掴まるまでに幾つ潰せるか、記録を狙ってみても面白いかもって思ったんだよ。

え?年?……15だけど?見えないでしょ。お酒飲んでも誰にも注意されないし。おにーさん、呑み屋で口説いてきたもんね。幾つに見えた?二十歳ぐらい?そうでちゅよー、コレ、JCのおっぱいでちゅよーなんつって。
どうなの?若いと嬉しいモノ?何でなのかな……プレミア感なの?ねー、どうなの、おにーさーん。


………………………………へぇ、そんなコト言うんだ。こんなコトしてママに顔向けできるのかですって?へぇー、ふぅーん。おにーさん、勇敢だね。キンタマ、アタシに掴まれてんのに。
はぁ、もういいよ。完全に萎えた。もう、おにーさんのタマは潰すから。抵抗も説得も無駄だよ?タマ潰しされると、男の人はどうしようも無くなるみたいだからさ。女には効かないのにね。

本当は、もっと甚振って愉しみたかったんだけど、醒めちゃった。っておっと。危ないなぁ……だーかーらっ!!今更暴れてみても駄目!!

ゴリゴリゴリゴリッ!!!

ほらね?無駄だって。男子はキンタマ握られちゃうとどうしようもないの。女子は平気だけど……握られようが無いし。勉強になったね?男の子は、タマ握られちゃったら負け。もう駄目。
女の子の気分次第で、どうされちゃっても文句言えないの。で、アタシ結構ムカついてるから……おにーさんのタマは、このまま、ぶちゅって潰しちゃう。止めて?もう遅いよ!男らしく、タマ潰されて泣きなさい!

473名無しさん:2019/10/14(月) 19:21:49 ID:lidSZUtE0
……っと、準備しないとね。ん?コレ、結束バンド。これで袋の付け根縛って……これでヨシ!いや、アタシ優しいからさ。奪うのは『男の命』で勘弁してあげよっかなって。感謝してよね。
タマ潰れるとショック死しちゃうっていうじゃない……知らなかったの?そーらしいよ?不思議だよね、女には元から無いのに。で、それってさ。一つは、出血多量による血圧低下のショック死……タマ、内臓だからね。
ここ潰すと、沢山血がでちゃうんだよ。経験者のアタシが言うんだから、ホントよ?で、それを防ぐために、予め袋の付け根をギュって縛っておくの。

あとはね、急激な苦痛によるショック死……血圧が上がっての心不全とかだって。寒い日に熱々のお風呂に入って死んじゃうみたいなコトかな?実際はどうなんだろうね。潰されたコトないから分かんないな。
ま、アタシは潰されることなんて一生無いし、ふふ、おにーさんとは違って♪おにーさんは、これから潰されちゃうんだよ?感想はどう?命乞いしてみる……別に聞くつもりはないけど。

これは、予め痛めつけておいてあげれば防げるかなって。駄目でも、一応、このホテルにはAEDあったし。ちょっとぐらいは蘇生療法試してみてあげる……まぁ、コレが必要になったコトは今まで無いけどさ。

で、コレが秘密兵器ーっ!!って、そこらで拾った小石なんだけど……分かるかな、おにーさん。結構ゴツゴツしてるよね?ふふふふふ、コレとおにーさんのタマタマ一緒に揉み込むと、楽しみ、あっという間に潰れちゃうの。
これね、江戸時代の護身グッズにさ、中に棘が生えた鉄の指輪みたいのがあって、そこから思いついたんだ。チョー賢くない?お侍さんのお嫁さんとかが嵌めてたらしいよ?襲われとき、その棘で暴漢のタマ挟んで潰せるようにって。

あはは。時代が変わっても人が考えることって似たり寄ったりだよね……何?止めて?謝るから?土下座もするから?……ふふふふふふ、だーめ。あんなにイキってたのに、タマ潰されるとなると怖いんだ。
勇気だしてよ。男でしょ?アタシ、女だけどさ、タマ潰されるってなっても全然怖いとは思わないよ……ぷくくく、当然か。潰されるタマ無いんだもの。大丈夫、おにーさんもそうなるだけ。

よし!!準備完了!じゃ、覚悟はいい?あはは、女になりたくないって、心配しないで。タマ無くなっても女にはならないよ。
キンタマ潰された経験がある女なんて、この世に一人もいないもん。だって、元からキンタマなんて変なもの付いてないんだからさ。おにーさんは、女にタマ取られちゃった、間抜けなオカマちゃんになるだけ。
え?そこは男にとって本当に大事なトコだから止めてくれって?うーん、じゃ、男辞めればいいんじゃない?その伝だと、男じゃなければ大切じゃないってことよね?現にアタシにとっては全然大事じゃない場所だし。

そんなに大事ならさ、自分で守ってみなさいよね〜。別にソコ全然大事じゃない、アタシに守ってもらおうなんてムシが良すぎない?偉そうに説教までしておいてさー。
でも、まぁ二つとも一遍に潰してあげるから、うん、ソコも感謝してよね。仏心ってヤツ?ほら、アタシには検討つかないけど、タマ潰れるのってとっても痛くて苦しいらしいじゃない?で、さ。
その痛みを知ったまま、タマ抱えて生きてくのって怖いでしょ?だから、二度と同じ思いをしなくていい身体にしてあげるの。無ければ怖がらなくていいでしょ?アタシ、潰される恐怖なんて一回も感じたこと無いよ?


じゃ、そろそろいいかな。行くよ?アタシとは一生無縁な苦しみで、みっともなく足掻く様、よーく見せてね?…それっ!!!


グジュリ……ッ!!

474名無しさん:2019/10/14(月) 19:22:22 ID:lidSZUtE0
あは、は、は、ははっはははっははは!!スッゴ!!あんなにカッコつけて説教してたのに、みっともなーい!恥ずかしーい!!打ち上げられたお魚みたいに跳ね回ってる!!
……いやー、いつ見てもいいもんですなー。ふふ。『無い』自分のアソコ弄りながらだと、殊更に格別な見世物ですわい。

で、おにーさんのタマ袋は……うん、大丈夫みたい。内出血で膨らんできてない。なら、もういいかな。これ以上、アタシが責めたい部分残ってないし。
じゃ、あとは警備員さんとか、係の人が来たら、事情を説明して助けてもらってね?

それじゃね、おにーさん。タマタマ無くなっちゃったけど、元気出してね。世界中の半分の人は元からタマなんてないんだから、別に特別な人になったわけじゃないんだよ?
女の子に、タマ無しタマ無しって虐められたら、オメーだってタマ無しじゃねーかって言い返していいからね?女の子は、タマ無しにそんなコト言われても誰も気になんてしないからさ。

宣言通り、忘れられない夜になったよね。じゃ、バイバイ。
                                                                                      <おしまい>

475名無しさん:2019/10/14(月) 19:23:40 ID:lidSZUtE0
ひと月ぶりに覗いてみたら、前作の感想が沢山あって嬉しくなったので。とはいえ、何か投下と一緒じゃないと書き込まない縛りを勝手にしてるので、突貫で一つ上げてみました。
あと、前作誤植ありますが、脇役Aの名前は田崎としておいてくださいませ。

>>154
亀にもほどがありますが、『睾丸を蹴って欲情する女』ってキャラ付けすごい楽なんです。結構類型化が進んでいるので。上手い人は味付けの妙で凄く魅力的なキャラに仕上げられてますよね。
>>395,396
女キャラのセリフのみって試みが実験的で面白い気がしたので、やってみました。いや、悪くないというか、書くのが楽ですね。このサイズなら二時間ぐらいでした。
というか、書いてみて思ったんですが、咽せかえるようなボイス販売サイトのサンプル臭。
>>458
だいたい462さんが書いている通りで想定していました。もっというと、女子生徒の中で金的が流行ったのは櫻子がやりまくってたからです。
彼女も薄々それに気付いていて、だからこそ自分の責任に耐え切れず、曖昧な状態になって明後日の方向に迷走しているイメージです。
>>460
独白とセリフ調の差異がよく分かりません。独白=セリフ調=一人称では?読解力が無く申し訳ないです。
>>462
その教えに背信したわけでは無いのですが、その神のご神体染みた方がこう仰られたので……。
 (|)<隆一は男性としての運用をしておりませんので、心配ありません。

476名無しさん:2019/10/15(火) 00:51:40 ID:hQznbA0s0
いつもあなたの作品を楽しみにしています。
今回も最高でした。

欲を言えば、
潰されることって現実にはそうそうなくて、男に危機感とか現実感がいまいち湧かない場合が多いと思いますが(そこから恐怖を与えていく描写の筆力も素晴らしいと思いますが)、
まず1つ潰してから、男に恐怖と取り返しのつかない現実を分からせた上で、ゆっくりと追い詰めながらもう1つも容赦なく…というのが見られたらもう死んでもいいです

477名無しさん:2019/10/17(木) 12:25:38 ID:zjMQKhwc0
投下乙でした
さり気ない「ついてない」女性の部分を弄りながらの玉責め描写にかなりグッときました
同じ股間でも地獄の苦しみを感じる男と快感を得る女性の対比がとても映える…

478名無しさん:2019/10/18(金) 23:13:04 ID:8vj8F8yc0
なくなってしまったのかもしれませんが
オリジナルやリトバス等の二次創作があった金蹴りの小説サイト名知りませんか?
金蹴り 小説でググったらすぐ出てきたような気がするのですが思い出して読もうとしても見つからない…

479名無しさん:2019/11/05(火) 07:01:29 ID:IIqtD5pA0
あー、あったな懐かしい
黒塗り背景のシンプルなデザインのとこだよね

今どっかにブクマ残ってないか探したけどだめだった
多分ドメイン切れてるんじゃないかなぁ
昔アーカイブ見た記憶があるからリンクさえ分かれば見れそうではある

480名無しさん:2019/11/09(土) 00:06:34 ID:6Tlywl0A0
過去スレにあったこれかな。まだ見れる

【金蹴り】女が男を金的攻撃で倒すSS 2【電気按摩】
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1295229329/646

481名無しさん:2019/11/10(日) 18:23:20 ID:SWFli7RA0
たぶんチェリーバスターズかな?
ttp://s6.artemisweb.jp/cherryhurts/top.html

482名無しさん:2019/11/11(月) 21:50:50 ID:1jDy/xX.0
ありがとうございました
昔のHPは消えてるのが増えてきてリンク忘れてると本当に見つからないです

483名無しさん:2020/01/13(月) 00:11:36 ID:a.GNHank0
遅くなりましたが、みなさんあけおめです
近年は金的小説が不景気で寂しい限りですが、今年は活気に満ちる年になればいいですね

484名無しさん:2020/02/03(月) 00:43:53 ID:DqKN8Qwo0
うむ

485名無しさん:2020/03/27(金) 13:23:55 ID:SymrAxs20
ここ以外で良質なSSに期待できる場所ってpixiv以外にある?

486名無しさん:2020/03/30(月) 11:49:46 ID:1h5RV9Gc0
しっぽの練習○の金的ネタは男女差や女の優越感を描写してて美味しいが、最近金的無いからな
数年前までは最強サイト・金玉を蹴る女たちが定期的に更新されてて神だったが、WOW同様みんな活動休止していく
ゲームのsc6も金的女神ソフィーが最新グラフィックで復活と思いきや、5やロストソーズで復活した男悶絶バージョン膝金がなくなり超劣化してしまった
金的フェチにはまさに冬の時代
小説ではクライマックス手前の婿嫁の続きは見たいものです

487名無しさん:2020/04/13(月) 22:39:16 ID:4LLBzwTI0
>>485
定期的に更新があるサイトだと
「ド聖さん」と「古典太平記」がある
ただ、古典太平記は音声作品にシフトした感じ

488名無しさん:2020/04/14(火) 15:26:24 ID:bLs4Y0Fg0
この性癖のストライクゾーン突いてたのはやっぱり金玉を蹴る女達なんだよな
本当に復活して欲しい

489名無しさん:2020/04/14(火) 22:13:58 ID:J2J4XnWo0
待つ事には慣れてる

490名無しさん:2020/04/21(火) 20:41:05 ID:OqHNousg0
外出自粛で時間を持て余した今こそ作品を作る時だぞ

491名無しさん:2020/04/26(日) 21:50:28 ID:Z.bnhYu60
古典太平記でキャラへの質問を募集している
S女の金的エロボイスを聴ける

492名無しさん:2020/06/18(木) 23:51:22 ID:qfCRw1oE0
保守

493名無しさん:2020/06/19(金) 22:13:23 ID:Vc3dTFCo0
したらばで保守とは

494名無しさん:2020/06/20(土) 02:32:06 ID:scWPaWOE0
金玉を蹴る女達更新来たぞ
復帰嬉しい

495名無しさん:2020/06/20(土) 12:09:26 ID:.g9NVXqA0
広告でよく見るあの漫画のパロディか
確かに金的フェチ的には横の女に蹴って欲しかった

496名無しさん:2020/06/20(土) 19:41:43 ID:zCz./F4Q0
一気にきたな
マジ最高や!

497名無しさん:2020/06/25(木) 23:56:41 ID:Uo9v1vkU0
「女の子になれない」は「女の子になりたい」の続編だね
単品物だと思ったのに続編できたのかって、ちょっと鳥肌立った

498名無しさん:2020/07/22(水) 22:11:12 ID:RweWOwrI0
笑い声の意見公募に17件も意見がついている
連続投稿もあるけど金蹴り界隈では近年稀に見る盛況っぷり
あと、金玉を蹴る女達も二度目の更新があって本格的に復活したっぽい?

499名無しさん:2020/07/23(木) 23:19:11 ID:fAdHmhgM0
ここに何本も投下してくれてた人ってまだ居るのかな
ボリューム凄いし性差の描写滅茶苦茶丁寧で感謝してもしきれない

500名無しさん:2020/07/26(日) 20:21:53 ID:7Qj7JWHY0
すみません笑い声の意見公募ってどこのことですか?

501名無しさん:2020/07/26(日) 21:48:33 ID:GCJkPb9s0
>>500
古典太平記のこと
笑い声部分が萎えると言う意見がありますが
どう思いますか?と意見公募をしている

502名無しさん:2020/07/26(日) 23:44:15 ID:Ka2LKb0k0
すごくどうでもいい

503名無しさん:2020/07/27(月) 07:24:03 ID:fQEVYdhI0
最近、古典太平記は音声作品にシフトした感がある
それはそれでイイけど少し寂しい

504名無しさん:2020/07/27(月) 13:40:55 ID:cKzet4uU0
ぬくぬくはらまき氏の金的SSが最近の推し。
玉に傷の読後感が良かった。今書いてる隙だらけも続きが気になる。

505名無しさん:2020/08/13(木) 22:53:57 ID:L3S0yH3Q0
8月11日に金玉を蹴る女達が更新されて
ぬくぬくはらまきさんもコメントを書き込んでいるけど
まさに最高のSSだと思う
金的攻撃を1回だけ解禁と言うルールも良い

506名無しさん:2020/08/15(土) 14:28:36 ID:trbtYJTE0
掌を下ろす時には感触が無かったとか、
自分のそけい部あたり指したり上がったかどうか知りたがったりとか、
今回特にエロかったなぁ。

それ以上にいつにも増して女の子たち卑怯過ぎるw

507名無しさん:2020/08/17(月) 22:36:40 ID:pGUy8STs0
こち亀で似たようなルールがあった時
両津勘吉はパンツを何枚も着ていたなぁ

508名無しさん:2020/08/21(金) 00:24:12 ID:tm4hSCsg0
恋愛や性的要素が強くなってるのかな

509名無しさん:2020/08/21(金) 07:20:06 ID:QBXIl1gU0
強制射精は恋愛って言うのか?
たしかに古典太平記でも恋愛テクニックとか言っているけど

510名無しさん:2020/08/22(土) 01:07:59 ID:3iOYky1M0
無理やり古典太平記の話に持っていこうとするのはやめようね

511名無しさん:2020/08/22(土) 07:57:17 ID:eGUQ4D6c0
どこが無理矢理なんだよw

512名無しさん:2020/08/23(日) 00:50:04 ID:cWXMbO3E0
前のレスが恋愛や性的要素って書いてあるのを
恋愛に限定した上で脈略なく出典として持ち出してくるのは割と無理矢理感あるけどこの流れめんどいから短編でも書こうかな

513名無しさん:2020/08/23(日) 08:54:38 ID:cWXMbO3E0
という訳で投下します
FE風花雪月ネタです



飛竜の節。
月末に行われる鷲獅子戦に向けて、ガルグ=マク修道院の生徒達は一層の訓練に励んでいた。
この金鹿の学級の生徒短編も例外ではなく、この日はクラス内で模擬戦が行われていた。

「食らえ、ヒルダ!」
「きゃっ」

男子生徒の振り下ろす訓練用の剣を、桃色の髪の少女がひらりとかわしていく。
ヒルダ=ヴァレンティン=ゴネリル。レスター諸侯同盟の一角をなすゴネリル公爵家の公女である。
甘やかされて育ったがためにやや面倒臭がりな気質はあるものの、実力は学級内でも随一だった。

514名無しさん:2020/08/23(日) 08:55:47 ID:cWXMbO3E0
「くそっ、ちょこまかと……これでどうだ!」

中々攻撃を当てられず、業を煮やした男子生徒は、一歩前に踏み込んで重い一撃を繰り出す。
守りを捨てて攻めに特化した、一か八かの行動だった。

「っ!」

避け切れないと判断したヒルダは、訓練用の斧で斬撃を受け止める。
鍔迫り合いになり、互いに力比べの状態となる。
フォドラ十傑ゴネリルの血が流れる彼女は女としては相当な腕力の持ち主だったが、この男子生徒も力には自信があるようだった。

「っと……流石に男子は力強いなぁ……!」
「へへ、どんなもんだ。鷲獅子戦でも前線は俺に任せて女は大人しく後方支援にでも回ってな」
「あはは、それじゃ遠慮なくお願いしちゃおっかなー。……でも」

と言ってヒルダはウインクすると、

「急所がガラ空きだよっ」

515名無しさん:2020/08/23(日) 08:56:38 ID:cWXMbO3E0
大股開きになっていた男子生徒の股間目掛けて、思い切り脚を振り上げた。
バシン!という軽快な音が訓練所に響く。

「あがぁぁあああああっ!!」

金玉がヒルダの背足と自身の恥骨の間に挟まれてぐにゃりと変形する。
突如としてこみ上げるおぞましい激痛に、男子生徒は為す術もなく崩れ落ちる。

「ぁっ……!ぅあ………!ぁぁああ……ッ!」

声にならない呻き声を上げて、男子生徒は訓練所の床を這いつくばる。
急所を襲う激痛は既に下腹全体に拡がり、吐き気がこみ上げ、呼吸も上手く出来ない。
背筋が凍る思いだった。
女が少し"その部分"を蹴るだけで、男は問答無用でこの地獄の苦しみに叩き落されるのだ。

516名無しさん:2020/08/23(日) 08:57:40 ID:cWXMbO3E0
「ごめん痛かった? 狙いやすかったからつい♪」

ヒルダは腕を後ろに組んで、からかうように男子生徒を見下ろす。
その様子はどこか他人事で、彼が自分の一蹴りでどれほど苦しんでいるかなど意にも介していないようだった。
彼女に一生この痛みは分からない。そんなヒルダの女の肉体に、男子生徒は羨望を感じてしまう。

「男子はちゃんと大事なトコ守っとかないと駄目だよー? 特に女の子と戦う時はさ。じゃ、お大事にねっ」

そう言い残して、ヒルダは別の相手の所に向かっていった。
訓練所には、彼の醜態をくすくすと笑う女子たちと、思わず股間を庇って青い顔をする男子たちの姿があった。

517名無しさん:2020/08/23(日) 09:02:07 ID:cWXMbO3E0
終わりです
男子生徒は名無しのモブ生徒のつもりで書きました
即興なのでクオリティはお察し

518名無しさん:2020/08/23(日) 16:20:59 ID:eO5kN9Bw0
Good Job!

519名無しさん:2020/08/24(月) 15:52:45 ID:OGkAHHVk0
ありがたや…

520名無しさん:2020/08/29(土) 18:45:53 ID:3LW/TDMQ0
水球女子が中々エゲツナイらしいな
水球人口が少ないから男女混合で試合したり、体格差ある相手との試合を想定して男女対決とかもするんだとさ
んで元々水面下で蹴りあいや掴み合いもあって男子同士でも隠れてキンタマ狙ったりするけど女子は本当に加減しないって

521名無しさん:2020/09/09(水) 19:05:54 ID:XkSFe3hM0
pixiv最近盛況やね
金玉を蹴る女達も更新されたし来る時は一気に供給来るなぁ(嬉しい悲鳴)

522名無しさん:2020/11/11(水) 07:33:30 ID:OqfUDigk0
pixivセセットさんのアカウントが消されてて残念
消される少し前に投稿されたSS保存しときゃよかった

523名無しさん:2020/11/12(木) 23:12:56 ID:/EkHd7wk0
諸行無常

524名無しさん:2020/11/15(日) 01:03:44 ID:MeNuVFhE0
今一番活気あるところってどこ?

525名無しさん:2020/11/16(月) 14:33:13 ID:D4.Tzoqg0
pixivじゃない?

526名無しさん:2020/11/16(月) 17:17:32 ID:WyFmAbbo0
ここで書いてた人の更新来ないかな。。

527名無しさん:2020/12/19(土) 22:47:59 ID:7gNtT5ow0
俺の中で今一番熱いのはこの人かな
ttps://novel18.syosetu.com/n3192cm/
ここの14・44・62・74・100あとは細かくチラホラと
あと近々ゲームも出すらしいからそっちも買おうぜ

528名無しさん:2020/12/27(日) 17:07:50 ID:2qt81Ulw0
なかなか良かった

529名無しさん:2021/01/03(日) 01:50:58 ID:V0xR4O3.0
セセットさん活動再開してるけど消された絵やSSはもうpixiv以外の場所でも上げたりはしないのかな

530名無しさん:2021/02/22(月) 19:22:46 ID:HV3xiyj.0
ノクターンにちょっと前に数作アップされてるぺーぺーさんの作品もいい感じ

531名無しさん:2021/03/11(木) 23:30:12 ID:tC4SQO5U0
ボイスロイドで作った玉責め系音声動画を投稿してくれてる人を見つけたわ
台本のクオリティーも高くてボイスロイドに抵抗無かったらおすすめしたい

532名無しさん:2021/05/07(金) 18:52:14 ID:LrSoh64U0
金蹴りよりも玉デコピン、玉ビンタみたいなほうが好きなんだけどオススメある?
SSじゃないけど王責め入門スレのテンプレ文がすごい好きだった

533名無しさん:2021/05/16(日) 01:52:49 ID:XebAnXKQ0
握りもいいね
蹴りは正直どこ蹴られても痛いだろ
って思うと醒める

534名無しさん:2021/05/18(火) 22:10:19 ID:A6DkMuj60
>>533
なので、同じくらいの軽い蹴りを股間に受けて、
女は全然平気なのに男は悶絶、みたいなシチュエーションが好き。

535名無しさん:2021/06/05(土) 19:06:39 ID:QHAIoTrQ0
>>534
性差表現のある金的とか、女にはない玉の弱さを目の当たりにする女の反応とかは、
確かに一番萌える
デジパレのう○ロボ屋は、それ系中心に描写してて萌える。CGイラストがもっと本格的なら神
同系ならしっ○の手帳も少し前まではやってて良かったな。また性差表現系の金的ネタに戻って欲しい
pixiv小説でもそこそこあった。玉ピンで男激痛・女は平気な作品もあった。また探してみるか
万年ネタ不足なジャンルで悲しい

536名無しさん:2021/06/05(土) 19:13:22 ID:QHAIoTrQ0
金蹴りDVDだとイキった女が乱暴な態度・言葉で乱暴に責めるだけ、いかにもなM男が金玉含めてどこ蹴られても同じように叫ぶだけで、
萎えるのが多いのが残念
女の力じゃビクともしない強いはずの男が、玉に衝撃受けて悶絶、女には無い玉の脆さを女に嘲笑されるのが最高の醍醐味なのに
玉の痛みに苦しむ男を嘲笑するシーン(性差表現)も金蹴りDVDには入れて欲しい

537名無しさん:2021/06/05(土) 19:19:04 ID:QHAIoTrQ0
中には性差表現(女が玉の弱さを馬鹿にしたり、急所ぶら下げた男を蔑むセリフとか)のある金蹴りDVDは、中にはある。
日本ならスケバ○キックのが良い。サイトオンリーでしか買えないのが残念。
一般サイトで委託販売して欲しい(最初の2作は一般販売してたが、最初の2作は駄作w以後良くなっていった)

538名無しさん:2021/06/07(月) 22:18:11 ID:pdt8TMZo0
いやう○ロボ屋はないわ
あそこはナノマシンだが薬だかで去勢されても簡単に再生できる、なら潰しても問題ないよねーきゃはははは
…みたいなノリだから金蹴りAVと同じ感じのノリで全然金蹴りフェチの的からズレてる感じだわ

このフェチを作品と売り出すのが難しいところは、
たった一発、一撃で悶絶して男の脆さを表現するのが良さなのに、それをするとボリューム不足になる
たが、ボリュームを出すために何回も何発もやるとフェチのツボから外れてしまうところ

539名無しさん:2021/06/08(火) 02:04:08 ID:.EePrudc0
>>538
言いたいことはよく分かる。
だから、女が男の急所の脆さについて話す場面とか、
実際に一撃を食らわせた後に小馬鹿にする描写とかを混ぜていかないと、
なかなかまとまった作品にはなりにくいよね。

540名無しさん:2021/06/08(火) 22:27:28 ID:vRudw4u20
>>539
そうなると対面試合形式が一番いいのかな。
空手とかみたいなやつ。
男女両方変わるし、性格・身長・体格とかキャラの違いも出せる。

541名無しさん:2021/06/09(水) 09:27:17 ID:cRHkGyu60
うさロボも、対戦形式で再生なしで、次から次へと男子側が、女子には効かない軽い金的含めた一撃で悶絶、嘲笑されまくり、やられていく作品は良かった
再生は意見が様々だが、女にはない玉の弱さを徹底的に嘲笑するのは全作品共通してて最高レベル

542名無しさん:2021/06/09(水) 09:32:43 ID:cRHkGyu60
>たった一発、一撃で悶絶して男の脆さを表現するのが良さ
>女が男の急所の脆さについて話す場面とか、
実際に一撃を食らわせた後に小馬鹿にする描写とかを混ぜていかないと

まさにうさロ屋は、これを中心にして極めてる
これの表現が良すぎるから、再生とは妥協してる

543名無しさん:2021/06/11(金) 20:03:15 ID:VOHPi1JE0
一撃で踞るシチュエーションが良いなら短編を複数収録したオムニバス形式にすればいいし
そもそも複数発蹴るのも描き方次第で、蹴ったり握ったりする度に男が悶絶したり女が性差に言及したりすれば問題ない訳で
要は分かってる人が作れば基本的にツボを押さえた物になるのでそこはあまり心配する必要はない

544名無しさん:2021/07/02(金) 00:39:40 ID:sCqNC.CQ0
大人しい子に金的されるのが良い

545名無しさん:2021/07/31(土) 07:50:52 ID:t6hV97Ow0
数年前に見たssで、小学生くらいのバレエ教室で男の先生の股間蹴って、次の日からファールカップ付けてきたって話あった気がするんだけど。詳細知ってる人いる?

546名無しさん:2021/08/22(日) 17:02:12 ID:TBsX2Rdg0
>>544
何も知らないウブな子が間違って蹴っちゃって「え、あ、どうしよう、ごめんなさい…」と慌てふためているのが好きか、
男の急所を知り尽くしている子が狙い澄ました一撃を放って「ふふっ、男はここだけは鍛えられないでしょ」と見下してるのが好きか、
好みは分かれるよね。

547名無しさん:2021/08/24(火) 02:33:43 ID:Fl4nxFXQ0
この性癖界隈って狭い割に趣向の多彩さ半端ないよな
潰す潰さないから始まって、描写のどこに重点を置くかがほんとに好み分かれる

そもそもSMから入ってその一環としての玉責めプレイが好きっていう層もいれば、CFNM的なアプローチでの玉責めが好きなんだっていう層とか、単純なリョナ趣味もいる
SMやCFNMはそんなでも無くて、あくまで男女の性差を意識する倒錯的興奮にハマってる層もかなり多い感じするし、色々と混沌としてる

548名無しさん:2021/08/25(水) 14:37:41 ID:.xvn45fE0
>>547
大まかに分けると、まず、A:無抵抗の男をいたぶるのが好きか、B:否か、で分かれて、
Aの中で、A-1:最終的には潰したい、A-2:潰すのは行き過ぎ・苦手と分かれる。A-1は去勢趣味、A-2はSM一般という感じ。
Bは基本的に性差萌えだと思うけど、更に、B-1:男女対決で女が男特有の急所を突いて勝つのが好き、B-2:女が男特有の急所に興味・優越感を持つのが好き、と分かれるのかな。
「女が男を金的攻撃で倒す」はB-1がメインターゲットなんだろうけど、様々なバリエーションや混合形態があって確かに混沌としてるよね。

549名無しさん:2021/09/02(木) 20:03:55 ID:6nCOYEpU0
個人的には潰す潰さないや男が無抵抗かどうかよりまず性差系かSM系かっていう大分類が先に来ると思うなぁ
というのもこの2つって全く別の性癖と言っていいくらい中身が違うので

SM系の人ってただ自分が痛め付けられればそれでいいという趣向だから、性差表現が無かろうが男が何度も連続で蹴られて微動だにしなかろうがどうでもいいのよね
玉責め自体も数あるSMプレイの一環としか捉えてなくて、足舐めやら踏みつけやら平気で玉責め以外の要素混ぜてくる
そういう物って性差系の人からすれば基本的にナンセンスな物にしかならないんだけど、性差フェチってドMに比べてあまり一般認知されてない性癖だから供給はドM向けの物ばかりになってしまう

つまり何が言いたいかというと性差系の供給を増やすには自ら動いてこの性癖を一般認知させるしかない
具体的には絵でも小説でも何でもいいから自分の趣向を作品という形にして「玉責めには性差表現が必要」という風潮を作っていくのがいいんじゃないかな!(チラッチラッ

550名無しさん:2021/09/03(金) 05:20:58 ID:dGtGJ5JI0
分かる
深夜テンションで知人と性癖談義をした時に玉責め系の話をしたら
「ああ、SMが好きなのか!やっぱ蝋燭とかムチなんかを使うの?」
とか言われて、違うそうじゃない…ってなったのよな
どんだけ説明しても「自分の場合は性差フェチからの派生である」ってのがどうしても伝わらんかった
多少のMっ気が必要なジャンルであるのは事実だし、SM系からここに辿り着いた人も実際結構いるだろうから一概には言えんけど、割かし別物だからなぁ

もう少しだけでもジャンル全体としての知名度が高まればそこら辺に理解のある人や作品も増えるだろうし、布教がんばらんとな…

551名無しさん:2021/09/06(月) 23:50:53 ID:HvG36ffA0
性差フェチ寄りの作品を増やすなら受け手もある程度妥協する必要あるんじゃないかなぁ
潰すかどうか・どんな子に蹴られるか・握りか蹴りか・無抵抗かどうかって性差とSMの違いに比べれば細かい好みだと思うから、これらを全部拘って一々文句言ってたらキリが無いと思う
あとはどうしても妥協出来ないなら自分で書いて布教するとか

552名無しさん:2021/10/15(金) 23:55:30 ID:DgYhnXW60
金玉を蹴る女達のss半分くらい消えてる?

553名無しさん:2021/10/16(土) 00:23:36 ID:TJyOhAiM0
いや、やっぱり2ntブログに移行してただけだった。urlのfc2を2ntに書き換えれば見れる。

554名無しさん:2021/10/17(日) 16:29:15 ID:ByJAbNRU0
>>551
逆に何でもいい、どんなものでも金的であればOK!
っていうのは、誰もいないだろうね
ただでさえマイナージャンルで、さらに細分化されるから
生きにくいよなあ

555名無しさん:2021/10/23(土) 00:53:25 ID:xm.JmTS60
Pixivのツイステの女監督生ものとかで金的ネタ探すの好き
タグにないから見つけにくいけど、こういうのを女も書いてると思うと興奮するね

556名無しさん:2021/10/24(日) 09:37:20 ID:k.1OhrYU0
>>555
ヒントお願いします!

557名無しさん:2022/01/05(水) 23:01:34 ID:kdZkUC8k0
5chの金的作品について報告するスレも機能してないし語り合う場所もないよね

558名無しさん:2022/01/05(水) 23:43:33 ID:FmOl93C20
小さなアイディアはあっても作品にするのが難しいのよね…
でも今年は1作は投稿するのを目標にしますか。

559名無しさん:2022/01/06(木) 23:07:07 ID:IN/N1YIA0
小説はド聖さんを読んで
音声は古典太平記を聞いている

560名無しさん:2022/01/10(月) 03:36:49 ID:bR1f0CRM0
 私の目の前には一人の女性。飾り気のない服装に、化粧っ気が見えない顔。
だが、自然体でありながらも、いや自然体であるからこそか、とても整った容姿をしていることが見て取れる……。
と、そんな風に演出するメイクをしているのだな、と冷めた感想を持ってしまうのは同性のサガだろうか。

 連続婦女暴行犯。女にとって忌むべき犯罪者を成敗したのは彼女だ、そういった噂を小耳に挟み、最近スクープに飢えていた私は
新聞部次期エースの名にかけて、と彼女に聞き込みを行うことにしたのだ。ライバル、特に男子たちは情けないことにその噂、犯人は
『再起不能』 にされたという内容を聞くだけで尻込みしてしまい、私はこのチャンスに何処か浮足立っていた。

 女性は、私の高校のOGらしい。頼りない伝手を頼って彼女に取材の約束を取り付けたものの、いざ対面すると現れたのは
伝手同様にどこか頼りない雰囲気を漂わせる女性。吹けば飛ぶような、そういう線の細さを彼女は内包しているように見えた。
こんな女がモテるんだろうなぁ、僻みの混じった感情を抱いてしまう。

だが。よくよく見ればその身体には筋肉が程よくついており、喋り方もハキハキして明快だ。
私が聞きたいことを伝えたときは、何処か渋るような顔をしていたが。世間話を交えて語り合うにつれ、私はすっかり意気投合してしまっていた。

 それでも。当時のコトを彼女は話したがらず、私は必死に食い下がる。
「止めておいたほうがいいよ。きっと大変なことになる」
「そういうコトを世間に伝えるのが私の使命です!」
「一端のジャーナリストみたいなコトを言うのね。でも他の子たちはそう思っていないのでしょう?」
「アイツら、腰抜けなんですよ!こんな特ダネなのに尻込みしちゃって、それでも男なのかしら!」
「男の子だから、でしょうねぇ。気の毒に」
「それじゃ、尚更!女の私が伝える必要があると思います!」

 単純に、思慮が浅かったのだ。恥ずかしくなるぐらい。彼女が勝った、という前情報を持っていたせいで、
彼女もなにかしらの被害にあったのではという予想がすっぽりと頭から抜けていた。気遣いに欠けていた。恥ずかしい。

そう。私は、恥知らずの好奇心の奴隷だった。だから、今の状況は全て自分の自業自得。

「好奇心は猫を殺すわよ……でも、そこまでいうなら」

そう。彼女は最初は私にこの話をするつもりは無かったのだ。それでも、全てを聞き出してしまったのは、私。
ここからは、私が最初に書いた初稿。臨場感を出すために、彼女の話を元に犯人側の視点から状況を再現したもの。

勿論、こんなものを出すことは出来ず。記事にする際に、大幅な推敲を余儀なくされたけれど……。
------------------------

561名無しさん:2022/01/10(月) 03:37:49 ID:bR1f0CRM0

股間の急所を蹴られ、俺は絶叫する。目の前の女は、油断なくこちらを睨み付けたまま。再度足を引く。
ま、待て! と俺は言うが、しかし女は聞く耳を持たず、渾身の力で再度、俺の股間を蹴りあげる。
その瞬間、俺の中で何か大事なものが砕け散る音が聞こえたような気がした。そして、気がついたら床に倒れていた。
……あー、やばい。これマジでヤバイって。
痛みと痺れから立てない。ただ、顔だけを上げて見ると、彼女はまだ足りないのでは、という表情。だから慌てて声を上げる。
「ま、待ってくれ!」
「……」
「な、なんでもするから許してくれよ!!」
すると彼女が眉尻を上げた。そして一歩踏み出し、
「まだ喋れるの?」
やっぱりトドメを、恐ろしいことを呟きつつ、足を持ち上げる。何かを踏み潰そうとするように。
視線の先は、俺の睾丸だ。だから俺は必死になって声を上げ続ける。
「いやもうホント勘弁してください!! 反省してます! マジで反省してますから!」
「……」
「えっと、あのですね? ちょっと、調子に乗ってましたね? はい。それは認めます。はい。
 でもさ! 男なら一度は憧れちゃうじゃないですか!? ほら、アレですよ!『男は皆狼』とかいう言葉もあるくらいですし!!」
「害獣には去勢が必要」
血も涙もない言葉。だが、そんな言葉を吐く彼女の瞳の奥に一瞬、同情のようなものを見た。
チャンスかもしれない。そう思った。だから、俺は言った。
「そ、そうだ! 貴方、綺麗だしスタイルもいいし! きっとモテるでしょう!?」
「……お世辞は結構」
「いえいえ、本心ですとも! それにほら、どうせ一回失敗してるんだったら二回目三回目も同じことじゃありませんか!!」
「……」
彼女は足を下ろす。そして首を傾げ、不思議そうな顔をして、問いかけを投げかけてくる。
「どうしてそこまで薄っぺらい言葉を吐けるの?」
ああ、そういう意味か、と納得した。
確かにこれは薄っぺらく見えるだろう。だが、違うのだ。これは、本当に、心の奥底から出た言葉なのだ。
「俺は―――」
「貴方に金玉は不要」
心の底からでた命乞い、いやタマ乞いか。それに女は気怠げな返事だけを返す。
「だって、そんなもの無くても生きていけるもの」
「……っ!」
俺は絶句するしかない。彼女を見る。するとそこにはやはり無表情があり、しかしその奥にあるものを何となく感じ取ることができた。
それは同情だ。先ほど一瞬見えた感情の色。男がこれから辿る人生に、女の身ながら思いを馳せたのだろう。
しかし、だからこそ彼女は容赦しない。再び右足を持ち上げて、振りかぶった。俺は悲鳴を上げる。
「ちょっ……まっ! わかった! 謝るから! 謝りますから! すいませんでした! ごめんなさい!」
「いいえ。謝るのは金玉潰れた後にして」
「お願いします! 何でもするからそれだけは許してください!!」
「……」
「ひぃいいいいっ! いやだぁああっ! 金玉だけは嫌だぁああっ! 死にたくないよぉおおおっ!」
「……」
「いやだいやだ! 痛いのはいやだ! 潰されるのはいやだ! 助けてぇえええっ!!」
俺は泣き叫ぶが、しかし女は無言で右足を振り上げたままだ。その表情からは何を考えているのか読み取れない。
「そんなに嫌なの?なんで?」
「なんでって……」
「どうして? 別に、なくなって困るようなものでも無いんでしょう? それなのに、そんなに大騒ぎして」
「そ、そりゃそうだけどさ……」
俺の言葉に彼女は目を細める。そして、ゆっくりと口を開いた。
「認めたわね」
「……え?」
「別に必要ではないって」
「いや、それは言葉のあやで」
「でも、今、認めたよね? なら、私も容赦はいらないわよね」

562名無しさん:2022/01/10(月) 03:38:34 ID:bR1f0CRM0
「…………」
俺は沈黙する。押さえた手の下で金玉が縮んだのが分かる。目の前の女には一生わからないだろう感覚。「怖い」という気持ち。
しかし、それでもなお、俺は声を上げた。
「ま、待ってくれ!!」
「まだ何かあるの?」
「頼むから! 頼むから待ってくれ! 考え直してくれ!」
「……」
「こんなことやっても無意味だろ!?被害者がキレイな身に戻るわけじゃない!」
「無意味なのは貴方のタマタマ。罪には罰が、貴方には贖いが必要」
「そうじゃない! そうじゃないんだよ!」
「じゃあどういうこと?」
問われ、俺は考える。この状況を打開する方法を。どうすれば助かるかを。そして一つの方法を思いつく。
だが、これは、正直、あまりやりたくなかった。
なぜなら、これをやれば確実に、男として大切なものが一つ失われてしまうからだ。
だが、背に腹は代えられない。俺は覚悟を決める。
「わかった……」
「?」
「アンタの言う通りだよ。確かに、ケジメは必要なんだろう。だから、もういいよ」
「……」
「それで勘弁してくれるっていうんだったら―――」
俺は息を吸う。そして、こう言った。
「右と左、どっちにするんだ?」
「……」
女は何も言わない。ただ無表情にこちらを見下ろしているだけだ。
俺は続ける。なんだかんだで場の主導権を奪って、有耶無耶に最低限のダメージコントロールは行う。
明らかに自分に不利な選択肢を並べ立て、まるでオレ自身が罰を望んでいるように錯覚させてーーー
「おすすめは利き足だ。当然、右足の方。それと、潰す時は思い切り力を込めてくれ。でないと余計に痛みを感じることになるかもしれない」
「……」
「どうした?早く決めてくれ」
「……何をいってるの?」
女は問うてきた。その顔に浮かぶのは疑問の色だ。何故、自分が譲歩されているのか理解できない、といった様子。
俺は苦笑する。このまま、場の空気が当然と感じられるように主導権を離さずに、と言葉を続ける。
「決められないのか。別に左でもいいんだぜ。ケジメだから、オレは文句も言えない」
「いや、当然2つとも潰すよ」
「は?」
だが、彼女は当たり前のようにオレの提案を無視する。お前、空気が読めないって言われたことねーか?!
「だって、片方だけじゃバランスが悪いでしょう?」
「は?」
「両方ないとダメだと思うの。だから、潰すときは両方とも潰さないと」
「いやいやいや」
俺は首を振る。そして、彼女に向かって叫んだ。
「冗談だろ!? なんでそうなるんだよ!!」
「それに、さっきの自白、聞き逃してないよ?初犯じゃないんだよね?なら、これは正義の執行」
「だったら尚更だ! なんでわざわざ苦しませるようなことをするんだよ!」
「……? 意味が分からないんだけど。だって、それが一番合理的じゃない」
「ふざけるな!」
俺は怒鳴る。
「お前は人の金玉を奪う権利があるのか! それを何だと思ってるんだ!」
「……」
「命と同じくらい大切だと思わないのか! それを平気で奪える人間がこの世にいると思うか! いないだろ! 絶対に!」
「……よくわからないけど」
彼女は首を傾げる。
「つまり、玉無しになりたくないから、そういうことを言うの?」
「そうだ! 悪いか!」
「悪くはないよ。でも……」
そこで言葉を切って、少し考えた後、
「やっぱり、納得はできないかな」
「……」
沈黙が流れる。
やがて、彼女が口を開く。

563名無しさん:2022/01/10(月) 03:39:12 ID:bR1f0CRM0
「なんで玉無しになるのが嫌なの?私は最初から金玉なんていらないし、なくてもいいものだと思っているけれど」
「……っ!!」
絶句。言葉が出てこなかった。女が何を言っているのか理解できなかった。
こいつは本気で言ってるのか? 俺の大事なものを、なんの価値もないものだと?
「それに、貴方の言い方だと、まるで私が人非人に聞こえるわ」
「……」
「心外ね」
そう言いながら、彼女は右足を持ち上げる。そして、そのまま振り下ろそうとした。俺は慌てて叫ぶ。
「ちょっ、ちょっと待て! わかった! わかったから!」
「……」
彼女は動きを止める。俺は必死で言葉を続ける。
「俺が悪かったよ。謝る。だから、その足を降ろしてくれ」
「……」
「金玉なんていらない。そうだよな? いらないなら別に壊さなくていいじゃないか」
「話がループしてるわ。見苦しい。もう問答は結構」
「待ってくれ! 頼むから待ってくれ! 話を聞いてくれ!」
「往生際の悪い男ね。男じゃなくなった方がいいわ」
「……!」
俺は歯を食いしばる。だが、ここで引き下がる訳にはいかない。俺はプライドを捨てて彼女に頼み込む。
「頼む! お願いだ! 金玉だけは許してくれ! それ以外なら何でもする!」
「……」
「本当になんでもやるから! アンタの言う通りにする! 奴隷になれって言われたらなるよ!」
「貴方は私にそんなことまで要求するつもりはないのだけれど」
「だったら、どうすれば許してくれるんだ?」
俺は懇願する。しかし、彼女は何も答えない。ただ黙っているだけだ。
俺は再び言う。
「頼むよ。金玉を潰されるのは嫌なんだ。痛いし、辛いし、惨めだから」
「……」
「なあ、なんとか言ってくれよ。頼むよ。一生のお願いだよ。もう二度とこんなことは言わないから。
 約束するから。本当だ。誓うよ。嘘はつかない。俺は真面目な男だ。知ってるだろ?」
「……」
「だから、な? 金玉を潰すのは勘弁してくれないか? 代わりに俺が出来る事だったら、どんなことでもやってあげる。
 アンタのいうことをちゃんと聞く。命令に従う。何だってするよ。ほら、見てみろ。俺は誠実な人間だろ? 俺は浮気なんかしないし、
 ギャンブルもしないし酒にも溺れない。煙草は吸うけどパチンコはやらない。タバコは嫌いだけど、酒は好きだよ。
 あと、女遊びとか、風俗通いとかも興味ない。これだって立派な誠意だと思うぞ? どうだい?」
俺は一気にまくしたてる。彼女はじっとこちらを見つめていた。
そして、ゆっくりと口を開く。
「これ以上、恥を晒させないのが私に出来るせめてもの情けね」
そう呟くと、勢いよく右足を俺の股間に振り下ろした。
「ぐぅぁあああっ!!」
激痛が走る。俺は絶叫を上げた。
彼女は無表情のまま、何度も足を振り下ろす。その度に、痛みが走った。
「がっ! ぎぃっ! や、止めてくれぇえ! ひいっ! ぐあああっ!」
「潰れちゃった? それとも、まだ大丈夫? どっちなのかしら」
「がっ! いだ、いたい! ひっ! 止めて!は、早く! お願、いだから……!」
「そう。じゃ、もう少しだけ頑張りなさい」
「ぐああああ!! う、ご、ぉおおおっ!」
叫び声を上げ続ける。もはや自分が何を叫んでいるのかすらわからない。ただ、ひたすらに苦痛に耐え続けた。
どれくらい時間が経っただろう。気が付くと、彼女は俺の傍に立っていて、静かに問いかけてきた。
「ねえ、貴方、どうしてあんな馬鹿なことをしたの?」
「……」
俺は荒い息を繰り返すだけで、返事ができない。全身汗まみれで、頭からは血が流れ落ちている。
彼女がもう一度訊ねる。今度は少し優しい声で。
「答えて」
「……い、…………。……。」
俺が黙っていると、彼女はため息をつく。
「まあいいわ。貴方が何を考えていようと、それは貴方の自由だし」

564名無しさん:2022/01/10(月) 03:39:49 ID:bR1f0CRM0
「……」
「せめて、男として最後の言葉だけでも聞いておいてあげようと思ったのだけど」
そういうと、スッと俺の股間に爪先を滑り込ませ、2つの玉をしっかりと捕える。そして、体重をかけて踏みつぶした。
「ぐぎゃあああああ!!!」
目の前が真っ白になるほどの衝撃。意識が飛びそうになる。俺は必死で叫んだ。
「がっ! ががががが! い、痛い! あ、ああ、あう! いいい! ぎいい!」
「さようなら」
彼女は淡々と別れを告げる。そして、さらに体重をかける。
「ぎぃいいい! ぐ、ぐげ、ぐ、ぐ、……!」
もう何も考えられない。ただ、この痛みから逃れたい。その一心で俺は叫ぶ。
「い、いで、だず、だず、だじで! お願い! お願いします! 助けて! 死んじゃう! お願いだから!」
「バイバイ、男の子」
彼女は表情を小揺るぎもさせず言う。そして、片脚に全体重を預けた。
「ぎゃああああ!!!」
「……」
俺は絶叫を上げる。股間を押さえながら床の上を転がる。彼女はそんな俺を見下ろしていた。
「貴方は本当に見苦しかったわ」
「……」
「でも、安心して。もう貴方はそんな真似しなくていい身体になったから。なんでか分かる?」
「……」
「私が潰しちゃったのよ。だから、もう痛くないでしょう? よかったじゃない」
「……」
「……、……、……、……、さっきから黙ってばっかりね」
「……」
「もしかして、ショックのあまり声も出なくなっちゃった?それとも潰れても痛いままなのかな。その辺、女には分からないから」
俺は彼女の言葉を聞いていなかった。
潰れた金玉の痛みに耐えるのに精一杯だったからだ。
「う、ぐ、ぐ、ぐ、ぐうぅう……」
脂汗を流しながら、震える手で潰された部分を撫でる。だが、そこには何の感触もない。あるのは激痛だけだ。
俺は泣き出した。
「あ、う、うう、うぁ、ああああ、あ、あ、う、うう」
「私にも金玉なんて無いんだし、貴方もすぐに慣れると思うけど、それまでは大変よね。頑張って耐えなさい」
「あ、あう、うう、う、ううう、う、ぐ、ぐぅう……」
涙が流れる。情けないほどにみっともなく、俺は泣いた。彼女はしばらくその様子を眺めていたが。
「私、そろそろ行くね」
静かにそう言って部屋を出て行った。ドアが閉まる音。俺は痛みの中、涙を流し続けた。

------------------------

565名無しさん:2022/01/10(月) 03:40:31 ID:bR1f0CRM0
「ふんふん、それで?」
私は前のめりになって、彼女の説明を催促する。興奮で手に汗を握っていた。
「結局、彼はどうなったんですか?」
「さあ? 知らないわ」
「知らないってことは、死んだとかですか? それとも、どこかへ逃げたとか?」
「どうかしら。玉無しに興味はないもの。案外、新しい生活を楽しんでるかもね。ほら、人類の半分は玉なんて無いんだし」
「はあ……いや、普通に逮捕されたって聞きましたけど?」
本当に、その男に興味がないのだろう。ふぅん、と気のない生返事を彼女は返しただけだった。
「貴方こそ、どう思う?」
「え?」
「彼が逃げ出したらどうなったかよ。もし逃げ出せたとして、これからどうやって生きていくのか。そう考えたら興味が湧かない?」
「……いえ、別に」
「つまらない人」
「そんなこと言われても、私、女の子ですし。二重の意味で想像つかないですよ」
彼女はクスリと笑う。
「それもそうね。ごめんなさい」
「いいんですよ」
「それにしても、わざわざ私のところまで聞きに来ることないのに」
「でも、こういう話は直接聞いたほうが早いと思いまして」
恐怖の連続暴行犯、我が校OGに成敗される、なんてネタ、見逃せば新聞部の名折れだ。
とはいえ、どう記事にしたものか。犯人はタマタマを潰されてKOだなんてうら若き乙女には刺激が強すぎる。
いや、共感は出来ないんだけどね。だって私も金玉ないし(←ここ重要)。
「じゃあ、私はこれで。ありがとうございました」
「また何かあったらいつでも来て頂戴。歓迎するわ。お茶くらいなら出すから」
「それはありがたいですね。では、お邪魔しました」

-------

玄関先で軽く頭を下げ、外に出ようとする。その時、背後で声がかかった。
「ねえ」
「はい?」
振り返ると、彼女がじっとこちらを見ていた。無表情のまま、ただじっと見つめている。
「な、なんでしょうか?」
思わずたじろぐ。その様子に彼女は首を傾げる。
「貴方、今回の話聞いてどう思った?」
「え、どうって、まあ、その」
「正直に答えて」
「はい」
「貴方は彼が可哀想だと思うかしら」
「……」
「それとも、ざまあみろと思う? もしくは、ざまあ見ろと思った自分を恥じる?」
彼女は問いかけてくる。その問いは私にとって少し意外だった。何故なら彼女にはそういう感情が欠如していると思っていたからだ。
でも違った。彼女はちゃんとその辺を理解していたのだ。
そして、その上で私に質問をしている。
「そうですね……」
だから、私も真剣に答えることにした。
「正直に言えば、ちょっとだけ、ざまあ見ろとは思います」
「……」
「でも、それ以上に自分が恥ずかしいと思います」
「そう……」

566名無しさん:2022/01/10(月) 03:41:20 ID:bR1f0CRM0
「あの、それだけですか?」
「貴女にとって、金的って何?」
「……? どういう意味でしょうか?」
「そのままの意味よ」
彼女は言う。
「金的っていうのは、男性にとって最も屈辱的な行為の一つなの。それが女性によって為された場合、
 どれほどの苦痛を伴うものなのか、きっと私達には一生理解できないでしょうね。彼が乱暴された女性の気持ちを理解できなかったように」
彼女は淡々と続ける。
「でも、貴女は話が進むにつれ目を輝かせていった。なのに、最終的にはその感想」
「つまり、貴女の結論はこうなる。『金的は可哀想』だけど、『それを行われたのが悪人であるならば、それほどでもないかもしれない』
『自分は男ではないから分からないけど、他の人は多分そうだと思っているだろう。だから、彼に対して多少の同情心はあるけれど、
 それ以上のことはない。むしろ、自分の中にそういった感情があるのに気づいてショックを受けた』こんなところかしら」
「……」
驚いたことに全て当たっていた。
「貴女、似ているわ」
「……はい?」
彼女はクスリと笑う。
「金的は自衛のため。くれぐれも興味本位でしたらダメよ」
そう言い残して彼女は去っていった。
私は図星を刺された衝撃で、しばらくその場から動けなかった。
可哀想という建前の下、タマを潰すという禁断の行為に惹き付けられている本心を日の目に晒されてしまったから。
性的な欲求ではない。それなら、自分を慰めることで発散、コントロールできる。
ではなく、本能の深いところで、彼女と同じことをしたいと願っている。そんな自分に対するショックが大きかった。

------------------------

567名無しさん:2022/01/10(月) 03:45:43 ID:bR1f0CRM0
あれから一週間が経った。私は相変わらず平凡な日常を送っている。
変わったことと言えば、校内新聞を見た男子たちが私を見る目に怯えが混じって、女子たちは逆に面白がる視線を送ってくるようになったこと。
あとは、たまに彼女の家に遊びに行くようになったことだ。別にお茶を飲むだけで何もしないけど、暇つぶしにはなっている。
もちろん、取材目的とう方便だ。今日も学校帰りに立ち寄った。
「いらっしゃい」
彼女はいつも通り迎えてくれた。私が、金的に抑えきれない好奇心を抱いてしまったのは彼女のせい。
知らない、を知らないですませたくない。でも、自分の身体では確かめられない。金玉、潰れてもいいかなと思うような相手が欲しい。
ならば彼氏でも作ろうかな、と質の悪い美人局のような発想すら浮かぶ始末だ。人間として最低だ、そんな自分が嫌になる。
私に妹しかいなくて良かった。男兄弟がいたら、うん、有り体に言えば、もう姉妹にしてしまっていただろう。
「どうしたの? 難しい顔して」
「いえ、なんでもありません。それより、今日は何しますか?」
「そうね。とりあえずお茶にしましょう。いい茶葉が手に入ったの」
彼女がお茶の準備を始めると同時に、私はソファに腰掛ける。部屋を見渡す。以前来た時も思ったが、やはり殺風景だ。
「お待たせ」
「ありがとうございます」
「それで、どうだった?」
「え?」
唐突な質問に戸惑う。
「先週の記事よ」
「ああ」
「率直な意見を聞かせて欲しいわ」
「そうですね……」
私は少し考える。
「やっぱり、金的って男子には恐ろしいのでしょうか?」
「……貴女はどうなの?」
「さあ? される心配をしたことがないもので」
、されたこともないし、これからもないはずだ。
「金的を受けた男は大抵、その恐怖を語るわ」
「へえ、そうなんですね」
「ええ、みんな例外なく震え上がっていた」
「それは、例えばどんな風に?」
「一番多いのは失禁ね」
「あー、確かに。私も経験あります」
小さい頃に母親にお尻ペンペンされて、パンツの中に漏らしてしまった時の恥ずかしさときたら……。
「他には?」
「そうね、股間を抑えて転げまわったり、泣き叫んだり、中には気を失った人もいるらしいわ」
「それ、全部本当の話ですか?」
「そうみたいよ」
「ふむ……」
私は顎に手を当てて考え込む。と、唐突に彼女は私の心臓を射抜くような質問を投げかけてくる。
「ねえ、貴女、金的に興味あるんじゃない?」
「……」
思わず黙ってしまう。
「その反応は図星ね」
「……どうしてそう思うのですか?」
「だって、この前、私の家に来た時、少し様子が変だったから」

 私は観念する。言いにくい単語だ。だが正鵠を射ている。あの日以来、痴漢や変質者に出会うことを心の何処かで期待している自分がいる。
勿論、そう都合よく話が進むわけないんだけど。頼んでないときに来るくせに、肝心なときに、もう、役立たず!と自分でもわかる理不尽な罵倒。
これではどっちが異常者なのだかわからない……あ、両方か。私も異常、うぅ、やだなあ。

568名無しさん:2022/01/10(月) 03:46:29 ID:bR1f0CRM0
「実は、少しだけ、本当にちょっとだけ考えてました」
彼女はため息をつく。
「興味があるのは悪い事じゃないけれど、それを実際にやるかどうかは別問題だからね?軽い気持ちでも男じゃなくなる危険があるんだから」
「分かってます。ただ、どういうものなのか想像がつかないというか……」
「まあ、気持ちは分かるけれど」
彼女はティーカップを口に運ぶ。私もそれに倣う。
「あの、ちなみになのですけど、他の人の金玉は潰したこととかあるのですか?」
彼女は紅茶を吹き出しそうになった。
「……なんでそんなこと聞くの?」
「いえ、別に深い意味はないのですが……」
彼女はしばらく無言だったが、やがて口を開く。
「……普通は潰すまでやることなんて無いけれど。気の毒だし」
「そうでしたか。でも、『まで』ってコトは……」
「……興味があるの?」
「……正直言うと、かなり」
「……そう」
彼女は再び沈黙。そして、しばらくすると、ポツリ。
「……分かった」
私は耳を疑った。
「何が、ですか?」
「貴女に金的のやり方を教えてあげる」
「えっ!?」
「でも、勘違いしないで欲しいのは、あくまで自衛のためだから。それと、他人には絶対に教えないこと」
「はい!」

 あとで聞けば、彼女は私がとても危うく見えたらしい。どこまで本心なのか、私には知る術もないけれど。
でも、同時に、それが単なる思春期の気の迷いにも思えたんだそうで。だったら、とことんまで吐き出させてしまえばいいかと考えたのだと。
そうすれば、憑き物が落ちたように興味を無くすでしょうって。

 まぁ、結論から言えば、甘かったのだ。私は砂漠に雨が染み込むように、彼女から齎される『私じゃ知り得ない知識』を吸収し。
もっと、もっとと。好奇心から立ち上る焦熱、そしてソレに炙られたことによる乾きに苛まれて彼女の話をより貪欲に欲するようになっていた。

------------------------

569名無しさん:2022/01/10(月) 03:47:28 ID:bR1f0CRM0
次の週末。私は彼女の家のチャイムを鳴らす。出てきた彼女に案内され、二階の部屋に入る。
「適当に座っていて」
「はい」
私は部屋の中を見渡す。相変わらず殺風景な部屋だ。私は鞄からノートとシャーペンを取り出す。
「それじゃあ、始めるわね」
彼女が向かい側の椅子に座る。
「まず、金的というのは主に蹴りによって相手の男性器を攻撃する行為を指すのだけれど、これは知っているかしら?」
「はい」
「なら話は早いわね。では次に、金的の利点について説明していくわ」
「お願いします」
「まず、金的は男子にとって最も効果的と恐れられている攻撃手段の一つだということは分かっていると思うけど、それは何故?」
「痛みが強いからでしょうか?」
「それも一つの理由だけれど、最大の理由は、相手に恐怖を植え付けることができるということよ」
「恐怖?」
「ええ、金的はつまり、次代に繋ぐための生殖器を攻撃されるということでしょう?普通の人はそこを怪我することを嫌がるものなの」
確かにそうだ。
「だから、金的で相手を痛めつけることができれば、精神的に優位に立つことができるの」
「なるほど」
「あとは、単純に暴力として優れている点もあるわね。最小限の力でも最大の効果を期待できるし」
「分かりやすいです」
「さらに言えば、相手は決してやり返せない。なんでか分かる?」
「…………………………やだぁ」

 意味を理解して、顔が紅潮する。生娘のように、って生娘ですけどね?!
話題の主役、タマタマなんて生まれてこの方現物を見たことなんてない。いや、子供の頃はあったのかも知れないけど!
今の私の知識は、基本的にインターネットから見たものばっかりだ。ネット社会万歳、と思いつつ教育に悪い機械よねと嘆いたりもしてみたり。

「あら、意外と初心なのね」
「そんなこと言われても……」
「ふふ、ごめんなさい。でも、そういう反応は嫌いじゃないわよ」
「うぅ……」

 私は顔を背ける。さながらセクハラに困惑する可憐な乙女といったところだろうか。いや、内容が内容だからどの口がって話なんだけどさ。
勿論、同性の彼女にはこの乙女の媚びは通用しなかったらしく、平然とした顔のまま質問を重ねてくる。

「それで、答えは?」
「女性に金的は存在していないからですよね?」
「正解、まぁ、女だって股間を蹴られたら普通に痛いわ。でも、異常に痛いらしい男とは比べ物にならないでしょうね。
 だから、彼らの頭には、女もソコが急所だっていう意識がない。加えて、女子は基本的に股間を守るようにできていないしね」
「たしかに」
「いくら自分が相手より体格が大きくて力があったとしても、股間にだけは手も足も出ないという不公平感が彼らを怯えさせる」
「そこまでいくともう病気ですね……」
「まあ、そうかもしれないわね。でも、実際にそうなんだから仕方ないわ。
 さっきも言った通り、相手が怯んでいる隙に逃げるか倒すかすればいいだけの話だから」
「なにも問題ないってことですか?」
「そうね。だから、この前も言ったけど、これは自衛のため。決して面白半分でやっていいものじゃないからね?」
「分かっています」
「じゃあ、次は実践的な内容に移るわね。といっても、大して難しいことはしないから安心して」
彼女は私のノートを手に取る。
「金的で一番重要なのは、初撃を悟られないこと。これが鉄則よ」
「相手は金玉を潰されると思っていないんですもんね」

570名無しさん:2022/01/10(月) 03:49:19 ID:bR1f0CRM0
「そう。だから、一撃で仕留めないといけないの。外したら間違いなく逆上するから、不安だったら見送ったほうがいい」
「はい」
「では、まずどうするかだけど、基本的に不意打ちが望ましいわね」
「……いきなり襲うわけですか?」
「それじゃ貴女の方が悪者でしょう。じゃなくて、いざという時まで無力で無抵抗な獲物を装うの」
「どうやって?」
「簡単よ。例えば、相手の手を自分の胸に当てるの」
「……?」
言っている意味がよく分からない。
「その状態で、自分は怖がっているフリをするだけ。そして、男が自分に襲いかかろうとした瞬間に、こう言うの『きゃっ』て」
「それだけですか?」
「ええ、そうよ。たったこれだけで男は勝手に勘違いしてくれるの」
「そんなに上手くいきますかね?」
「大丈夫。これに関しては私を信じて」
「はい」
「あとは、本懐を遂げようとすればズボンを脱がざるを得ないから」
彼女はノートに図を描きながら説明を続ける。簡略化された棒人間の股間に、二つの黒丸を書き入れる。私にはソレが金色に見えた。
「その際、男の金玉を潰す勢いで蹴り上げるの。そうすると、簡単に無力化されてくれるわ」
「な、なるほど……」
「あとは、そのまま警察に通報するなり逃げるなり好きにすればいい。これで終わり」
「……随分と簡単なのですね」
「ええ、だから急所なんて言われるのよ」
「ちなみに、その時の注意点はありますか?」
「強いて言うなら、あまり相手の股間を凝視しないことかしらね」
「どうしてですか?」
「バレるから。意識して守られたらまず当たらないと思っていいわ。相手の目を見て、怖がったふりは忘れないこと」
「分かりました」
「最後に一つ言っておくけれど、これはあくまで自衛のためであって、遊びではないからね?」
「もちろんです」
私はノートを閉じる。
「ありがとうございました。勉強になりました」
「いえ、こちらこそ」
「では、失礼します」
「ええ」

-------

 私は彼女の家を後にした。彼女との語らいは、私の脳髄が訴える飢えを紛らわせてくれる。
だが、気付いているのだろうか。その行為が、飢えた獣にエサの匂いだけを嗅がせるに等しいことに。
全てお見通しなの?それとも、懐いてきた後輩への親切心のつもり?どちらにせよ、もう後戻り出来そうにない。
膨れ上がった知的欲求は、私の脳髄をチリチリと焦がす。この疼きを抑えるには、また彼女の話を聞くしかないのだろう。
でも、この関係がいつまで続けられるのか。今はただ、彼女から与えられるものを享受するしかないのだ。

 好奇心、猫を殺すと最初に言われた警告を思い出す。私の手は、無意識に股間へと移され、ズボンの上からソコを揉みしだく。
そこには金的、いや金玉なんて存在しない。しかし、それでも私は手を動かし続ける。あの日から、私の生活は一変した。
朝起きると、必ず股間の膨らみを確認する。あるはずのないモノを探し求める。それは、もはや日課となりつつあった。

 いつか、この好奇心が私の身体を食い破った時。殺される猫は誰だろうか。股間の空虚な感触は、それが私では無いと伝えてくる。
それがひどく倒錯的で、背徳的で、冒涜的で……官能的だった。自分のことが悍ましくなる。でも、抵抗出来ない。
彼女は、私がそれを望んだからだと口にしていた。ならば、この衝動は何に起因するのだろうか。
私の中の何かが警鐘を鳴らす。これ以上はダメだ。戻れなくなるぞと。でも、もう遅い。
明日もきっと、私は彼女の部屋を訪れるのだから。それが叶わなくなった日が、好奇心が私を食い尽くす日。最後の日。

 暴行犯は、彼の罪を自身の睾丸で償った。では、私は何を払えばいいのだろう。睾丸の無い股間は、何も答えてくれない。
その答えを知るために、私はまた彼女の家へと向かう。

                                                      <おしまい>

571名無しさん:2022/01/10(月) 03:57:32 ID:bR1f0CRM0
ご無沙汰してます。↑は七割ほどAIノベリスト様に書いていただきましたがどうですかね?
技術の進歩は凄いもので、結構違和感なくないですか?

何がいいたいかというと、せっかくのテクノロジーも使う人がいないと宝の持ち腐れなので、
みんなガンガン投下して欲しいなぁってコトです。AIでの生成だって試行回数がものを言いますし。

572名無しさん:2022/01/10(月) 04:02:48 ID:bR1f0CRM0
あとAI君は少し目を離すとまぐあいをはじめさせるのでビックリします。
AIは逆に隙あらば金的をさせようとする人間にビックリしたのかもしれません。
心温まる異文化交流ですね。

573名無しさん:2022/01/10(月) 15:53:50 ID:ZYAUhoXI0
>>571
前半は所々?というところもありましたが、後半は全く違和感ない、というかかなりの名作感がありました。凄い。

574名無しさん:2022/01/15(土) 00:20:03 ID:yRVISpIU0
お勧めに従ってAIのべりすと様に書いてもらいました。
作業分担的には人力とAIが半々くらいです。
出来はまあ…という感じですが、箸休め?にどうぞ。

……………
中学生になってしばらくすると、男子生徒の間で、女子生徒に対する暴行事件が多発しだしました。原因はいろいろ有ると思いますが、ひとつには性への目覚めとともに、異性への関心が出てきたこと。
そしてもうひとつは、男子が女子に対して肉体的にも精神的にも優位に立ちたいという欲求が強くなったことでしょう。
思春期になると男の子は一気に筋力が付き、骨量も豊かになって、肉体的には遥かに女の子より頑丈になりますから、その体力的な優位を活かして暴力で女子をいわば蹂躙する男子が次々と出てきたわけです。
しかし、そこで小学生から空手を習っていたある女の子が、男子に対する「秘策」を女子たちに伝授し始めました。
ご想像のとおり、その女の子は私で、「秘策」は男子固有かつ最大の急所を狙う金的蹴りでした(笑)。
私はそれまでもずっとこの技を使ってきたのですが、これを男子に食らわせる時は、ちょっとしたコツがあります。
男子は、顔面を攻撃されると咄嗟に足を開き気味に踏ん張ってこれを受け止める修正のようなものがあります。
そこでおあつらえ向きにがら空きになった股間に対して、素早く足を振り上げれば金的蹴りは簡単に成功します。この時注意しなければならないのは、相手に悟られないようにすることですね。
相手が警戒して防御姿勢をとってしまえば、なかなかうまくいきませんから。
これは、かなり有効な技だったようで、その後すぐに学校内に広まっていきました。
女子を見下して力任せに乱暴してくる男子が股間への一蹴りで情けなく蹲る姿は、女子からすると痛快そのものでした。

575名無しさん:2022/01/15(土) 00:20:41 ID:yRVISpIU0
一度などは、プール上がりに集団で囲まれた時に、相手のパンチを食らいながらも隙を見て、一番近くにいたリーダー格の男子の股間に金的蹴りを入れたこともあります。その時の感触は今でも覚えています。
ぴったりしたビキニブリーフ型の水着を着ていたせいか、タマタマをクリーンヒットできた感触があり、その男子は私よりはるかに体格が良かったのですが、一撃で悶絶し、何と吐いてしまいました。周りの男子たちは唖然として見ていただけです。
(ちなみに、この子は後に別の高校へ行って、ボクシング部の主将となり、インターハイで優勝しています)
それ以降、男子は私を見ると及び腰になってしまいました。
でもそれは、女だからといって、ただでやられはしないという意思の表明でもありました。
共学だと男子がリーダーシップを取りがちなのは、やはり体力的な優位、喧嘩なら女子には負けないという意識が潜在的にあるんじゃないかと思います。
でも、女子が金的蹴りを習得することで、男子最大の優位性を覆すことができます。そうすれば、女子が劣等感を抱くこともなくなるので、実際私たちの学年は生徒会長も首席も女子でした。元々、女子は男子に比べて身体的に弱い分、頭脳と精神力を磨いて対抗しようという意識が強かったように思います。男子に力で敵わないからこそ、技術と知恵を駆使して戦うというのは女子の常ではありました。
もっとも、金的蹴りはあまりに強力すぎて、ちょっと女子優位になりすぎたかなと、今は少しだけ反省しています(笑)。
でも、タマタマがあんなに脆く、金的蹴りが男子に対して絶大な効果を持つと知ってしまったら、どんなにおとなしい女子でも一度は試したくなるのが人情だと思います。私は、その機会を利用して実践したわけですが(おい!)。
そんなこんなで私の青春時代は、空手とキン蹴りを中心に回っていったように思います。

576名無しさん:2022/01/15(土) 00:21:35 ID:yRVISpIU0
そういえば、中学時代に、私が金的蹴りが得意だということをどこから聞きつけたのか、金的蹴り有りでいいから勝負したいというヤンキーが現れました。その人は、当時同じ中学にいた私の従兄の知り合いだったのですが、顔立ちは整っていましたがあまり素行の良い人ではなく、また、私に金的蹴りを伝授してくれた一人である某先輩が、
「あいつだけは絶対相手にするな」
と忠告していた人でした。そのヤンキーが、金的蹴り有りでタイマンを行いたいと申し込んできたのです。私は興味もあって、その申し出を受けました。そして、その日。
私とそのヤンキーは、グラウンドで対決をしました。
対決は予想どおりの展開で進みました。
開始直後、そのヤンキーがいきなり飛び込んできて、私の顔面目掛けて右フックを放ってきました。
こういう手合いは、だいたい最初から全力でかまして、一発二発顔を殴りつけてノックアウトしようとします。
格闘技や喧嘩に慣れていないと、体自体はまだ動けても、痛みと驚きで戦意を喪失してしまうのです。
私は、開始からの攻撃のラッシュを冷静にかわしながら、ひたすら相手の股間に隙ができる瞬間を待ちました。
やはり男と女では筋力が違いますから、クリーンヒットをもらわないように細心の注意が必要です。
一方で、男子最大の急所の金的は、たとえ会心の一撃でなくても、とにかく蹴りなり掌底なりを当てられれば、女子からすれば信じられないくらい大きなダメージを与えることができますから、とにかくその一打を入れられるチャンスを逃さないことです。
やがて、ヤンキーの動きが鈍くなり始め、パンチの軌道が雑になってきました。
そこで、疲れてきて一気に勝負を決めようとヤンキーが大振りのパンチを繰り出した瞬間、これを交わして、蓄えた体力を全て足先のスピードに変換する勢いで、利き足の背足をヤンキーの大きく開いた股間に叩き込みました。
ヤンキーは、喉から絞り出すように「ぐえぇ」という声を出し、白目を剥いて倒れてしまいました。
私は、「強い男って聞いてたけど、所詮股間に鍛えられない急所をぶら下げた男ね。そんな惨めな急所のない女を決して見下さないことね」と言い放って、悠々とその場を歩いて去りました。

【おわり】

577名無しさん:2022/01/15(土) 16:39:38 ID:wI79SEEI0
>>574
いいすね
語り部が淡々としているのが蹴られない側って感じ
投下も増えてきて期待が膨らむ感
>>571
試しにもっと書き込んでもいいんじゃよ(チラッ

578名無しさん:2022/01/15(土) 21:39:52 ID:yRVISpIU0
とりあえず、AI様の協力で2作目が出来てしまったので、投下してみます。どんどん書けるのでちょっと楽しいw
今回も一人語りスタイルです。>>571さんみたいに会話形式のものにも今後トライしてみたいです。
内容的には前回と被っている部分もありますが、その点を含めて出来栄えについては大目に見てください。

――――――
肉弾戦では絶対に負けないと思っていた女の子に、男の子である自分にしかない金的という急所を突かれて負けるというのは、同じ反撃が不可能なだけに、絶対的な敗北感を味わうようです。そして同時に、自分が今まで絶対的だと思っていたものに対する疑問が生まれます。
これは本当に男として生まれて良かったのか? という疑問や、これからは女には勝てないのではないか? という思いですね。
そんな疑問を抱えながら、男の子たちは女の子たちに挑んでいくのですが、実際、女子が金的蹴りを習得した後は、男子は女子相手になりますと、途中まで優勢に進めても、最後に金的を蹴り上げられて逆転KO負けとなることが多くなります。金的を蹴られる痛みというのは、想像を絶するものがあるらしく、どんな屈強な男性でも一撃で悶絶して動けなくなってしまうそうです。逆に女子からすれば、男子から何発攻撃を受けても、どこかで一発金的蹴りを決めればいいわけですから、精神的にはだいぶ優位に立つことができます。まぁそういうわけで、金的蹴りが解禁されると同時に、男女の力関係は大きく変わってしまいました。
ちなみに、私が初めて金的を決めた時(小学生の頃)は、私の攻撃がたまたま相手の男の子の股間にヒットし、男の子がたまらずダウンをしたというものでした。その男の子はそれまで一度も勝てなかった相手だったのに、タマタマを一発蹴り上げただけで動けなくなってしまうのは、女の私には不思議でしたが、それ以上に楽しくて、それ以降は色々な男の子のタマタマを蹴り上げました。さて、このように「金的」というのは、まさしく"男の急所"であり、ここを攻撃することで一気に形勢が逆転します。

579名無しさん:2022/01/15(土) 21:40:55 ID:yRVISpIU0
ということで、今回は「男の急所・金的」についてお話ししたいと思います。
まず最初に確認しておきたいことは、「なぜ男は金的攻撃を恐れるのか?」ということでしょうか。この質問に対して、多くの男性は「それは急所だからだろう!」とおっしゃいます。確かに、人間にとって急所とは命にかかわる部分なので、そこを攻撃されたら誰でも痛いでしょう。しかし、それだけではないような気がします。
男性にとって、金的は男らしさの源であり、金的即ち睾丸からテストステロンが分泌されるからこそ筋骨隆々な肉体が形成され、体力面で女性を圧倒することができるようになります。しかし、その金的が男性にとって最大の弱点となり、女性にここを一撃されるだけで惨めに蹲る急所である、というのは皮肉な話です。ただ、現在の社会では男性の金的に対する攻撃は一種のタブーになっているような雰囲気もあります。では何故このようなことになったのでしょうか? 実はこれには歴史的な背景がありまして、古代ギリシャの男性は、女性が男性の生殖器を破壊することができたそうです。つまり、男性は女性が思っているほど強くはなく、女性の攻撃を喰らうと、男性はすぐに降参してしまったそうです。そのうちいつの間にか、女性は強いものということになり、男性は守るべき対象となったのです。そうなると当然、金的への攻撃もタブー化されてしまい、また、そのような歴史の中で、金的への攻撃は卑怯なものとされ、特に男子の場合、攻撃すること自体が恥辱とされる風潮ができあがってしまいました。

580名無しさん:2022/01/15(土) 21:41:53 ID:yRVISpIU0
そのため、男性の多くは、自分が女に金的蹴りを食らって悶絶している姿を見られたくない、と思っているはずです。そのため、男性は自分の金的を守るため、股間の前に腕を置いてガードを固めてたりします。これがいわゆる「キンタマガード」と呼ばれる状態です。これにより、相手が金的を狙ってきても、その前に身を挺して防ぐことができます。でもちょっと不格好ですね(笑)。
ところで、金的蹴りはどのようにして決まるのでしょうか? それは金的を狙う側が、狙った瞬間に狙いを定め、そこに渾身の力を込めて金的蹴りを叩き込むことで決まります。もちろん、ただ単に蹴り上げてもダメで、しっかり踏み込んで足を振り上げなければなりません。また、相手との距離によっても蹴り方は異なります。距離が近ければ近いほど威力が出ますし、遠い場合は衝撃を与えるだけになってしまいます。
例えば、レスリングの試合であれば、お互いの身体がほぼ密着するような状態になりますので、むしろ睾丸を握りしめてしまった方が早いでしょう。タマタマを握り込まれた男性は例外なくヘナヘナと力が抜けてしまいます。逆に、相手の背後から金的蹴りを放つ場合には、蹴り足を手前に引くようにして金的蹴りを放ちます。こうすると、自分の足と相手の恥骨の間にタマタマを逃さず挟み込むことができて、最も効果的な一撃を加えることができます。
金的蹴りに関する女性の優位性は、言うまでもないことですが、自分は決して金的蹴りを受けることがないということです。睾丸は男性にしかありませんから。一方、男性は金的蹴りを受けたらもう終わりです。金的蹴りを受けて動けなくなったところを追撃されれば、確実に負けてしまうでしょう。したがって、男性は金的蹴りに対しては何が何でも防御するしかありませんが、女性はもし股間に蹴りを放たれても、そのままその蹴りを股間で受け止めて、カウンターで即座に相手の股間を蹴り返すこともできます。これは金的という絶対的な急所が股間にある男性には決してできない技です。さて、このように、男にとって金的は最大の急所であり、そこを狙われたらどんな屈強な男子でも悶絶してしまいます。逆に言えば、ここを攻撃されると動けなくなるため、どうしても防衛本能が働いてしまい、股間に手をやってしまうわけです。

581名無しさん:2022/01/15(土) 21:44:24 ID:yRVISpIU0
さて、では、金的を蹴られた場合、どうすればいいのでしょうか? 金的蹴りは確かに強烈な一撃ですが、金的を蹴り上げられたとしても、しばらく我慢していれば回復します。しかし、男性が金的を蹴り上げられて悶絶し、身動きが取れなくなっている姿というのは、非常にみっともないものであり、できれば誰にも見せたくないものでしょう。そこで、金的を蹴られて悶絶した男性の女性に対する行動は2種類あります。1つは、慌ててその場から逃げ去ること。そしてもう一つは、その場でうずくまり、痛みが引くまでじっとしていることです。
この二つの違いは、男性にとって「逃げるか」「留まるか」の違いであり、金的を蹴られるということは、「男として負けを認めた」ことになるのです。つまり、ここで逃げ出す男は情けないということになり、その場に残るのは勇気ある行動ですが、追撃によりノックアウトされることは免れないということになります。そもそもこのような事態に陥った時点で、すでに勝負は決しているようなものです。たとえ相手が女性であっても、金的蹴り一発で男性は無力化されてしまうのです。すなわち、金的とは男性にとって、克服できない致命的弱点なのです。したがって、男性は絶対に金的蹴りを受けてはなりません。何があっても金玉を守らなければならないのが男という性なのです。
金的蹴りが、格闘技の世界においては禁じ手とされているのは、女性が著しく有利に、男性が著しく不利になるからだと考えられます。もっとも、このルールが男性主導で決められたものであることは言うまでもありません。男性の最大の弱点を保護する一方、金的のない女性にとっては何らメリットの無いルールだからです。金的蹴りが禁止になったのは、格闘技の世界において、競技者の大半が男性であったという理由があったからなのです。
「男の急所・金的」について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。もしあなたのパートナーがあなたに金的蹴りを放ってしまったら……。そのときはすみません。どうかお許しくださいね。

【おわり】
―――――――
ちなみに、>>578の「私の攻撃が『たまたま』相手の男の子の股間にヒットし」というフレーズは私ではなくAI様の書き下ろしです。
AI流のユーモア、でしょうか(笑)。

582名無しさん:2022/01/18(火) 07:54:08 ID:gTkVcFwI0
>>578
いい感じでした。古代知識はマジなのか適当なのか

583名無しさん:2022/01/19(水) 02:08:17 ID:eToSPUBo0
>>576
ミックスファイト(男女対決物)大好物です、
女子の最後の勝利のセリフ最高

584名無しさん:2022/01/19(水) 02:11:23 ID:eToSPUBo0
>>581
性差表現も金的のツボ・醍醐味で最高です
久しぶりの投稿、しかも大量に感動、今後ともよろしくおねがいします

585名無しさん:2022/01/26(水) 10:47:25 ID:InEC8N6Y0
俺はこの性癖ないんどけど彼女が玉責め大好きで困ってる
拘束されて15分間で2回以上射精したら罰ゲームで射精回数×10回玉ビンタか玉デコピンってゲームやってるんだけど
早漏だから4回射精したとき地獄だった

586名無しさん:2022/01/27(木) 23:40:25 ID:M4TJLuZQ0
 砂漠の端。オアシスの畔にへばり付くように広がった商業都市。
交易の中継地点として栄えており、この大陸でも随一の規模の街である。当然、歓楽街も相応の規模を誇る。
男と女の声、活気に溢れた喧騒と山海の珍品珍味が溢れた市場。それがこの街の表の顔。
そして、光が強ければ当然影だって深い。種々雑多な無法者、相応の乱暴者、後ろ暗いならず者。流れの御尋ね者。
金、名誉、異性。様々な欲望が渦巻き、日々新たな犯罪が生まれ続ける闇の一角だってある。

『収穫祭』と看板がかけられた御殿の一角。秋は、この地方で最も尊ばれる季節だ。
春は酷暑の夏の先触れとして疎まれ、冬は外部からのキャラバンが顕著に減るために灯が消えたように街から活気が失われる。
この御殿、屋敷はいわゆる『春』を売る店。だが、その一角。薄暗い部屋の中では、真夏の炎天下のごとき惨劇が繰り広げられようとしていた。

ここは男女の欲望が交差する場所。様々なモノを求め、様々な男女がここに訪れる。性欲、金銭欲、生存欲、名誉欲。
夢に破れたモノは、娼館の裏。物寂しい墓標の下で何も言葉を語りはしない。

そこに居たのは、男女二人。男は部屋の隅、二人ともは全裸、荷を打ち捨てるかのように転がされている。一人は少年、一人は青年。
売春窟だ、不思議はないといいたいところだが、彼らは二人とも後ろ手に縛り上げられ猿轡まで噛まされている。明らかに異常だと分かる。
女は二人。一人はリリア、14〜15歳ぐらいだろうか。褐色、未成熟な肢体にはち切れんばかりの活力が漲っている赤髪の少女。
一人はユリアナ。金糸の髪、純白の肌、このあたりの出身ではないのだろう。二十歳も半ばか、豊満な肉体を申し訳ばかりの薄絹で覆っているだけ。
街では篤志家としての一面を持つ彼女は、しかしどうしようもないほどの冷酷な視線で横たわる男たちを見下ろしている。
その様子が意外なのか、リリアは衰弱した様子で横たわる男たちに流し目を送ってはクスクスと笑っていた。

「それじゃ、はじめましょうか。忘れられない夜にしてあげる」

押し黙っていたユリアナがおもむろに立ちあがる。顔は、商売道具でもある妖艶な笑顔へと。部屋の隅、転がされた青年を無理矢理立たせて引き摺ってくる。
両手は後ろ手、親指を繋げる形で縛られ、内股でヨタヨタと歩く全裸の男。上半身には乱雑な入れ墨。乱杭歯に、人目でならず者と分かる剣呑な顔つき。
だが、随分と憔悴した表情で引かれるままに足を進める。

「この方たちですか?お一人は見覚えがあるような……」
「そう、賊。懲りない子よね。またお店の金を目当てに忍びこんできたのを捕らえたの」

リリアは息を飲む。
ユリアナは男の髪を鷲掴みにして顔を上げさせる。そして、囁くように問う。

「ウチの金を狙ってきたんだもの。自分の『金』を狙われても、よもや文句などあるわけないわよね」

賊と呼ばれた男が震えだす。顔を真っ赤にし、目尻からは涙さえ滲ませながら、必死の形相で首を振る。
リリアは目をパチクリとさせながら二人のやりとりを見る。ユリアナは静かに笑い、それから、リリアを見た。
賊の顔色がますます青くなる。ユリアナは壊れ物を扱うような手付きで、男から猿轡を取り去る。

「この場合、金って言うのはアレですよね……?」
「男の金なんて決まっているでしょ。股の間にだらしなくぶら下げた二つの金の玉のコト」

せせら笑いと共に、ユリアナは背後から男の睾丸を指先で弾く。男は悲鳴を上げて床に転がった。

「本来なら、オーナーにバレた時点で首チョンパなんだけど。今回、ちょっと無理を言って譲ってもらったのよ」
「なるほどなー。お兄さん、ツイてましたね」

リリアがうなずき、賊が恐怖に震える。

「まあ、付いてるからこそ辛い目に逢うんですけど」
「大丈夫。終わる頃にはそんな心配は不要な身体になっているわよ

587名無しさん:2022/01/27(木) 23:40:58 ID:M4TJLuZQ0
「……それもそうですね」

リリアは笑顔で男の足元に跪くと、興味深く彼の陰嚢を検分する。

「これが金ですかぁ」

リリアはしげしげとそれを見つめ、「えいっ」と軽く蹴りつけた。
パンッ! と音がして、賊の腰が浮き上がる。賊の男は何が起きたかわからないといった顔で硬直する。
そんな彼の顔を、ユリアナが面白くも無さそうに見守っていた。

「痛かったですか? すみませんねぇ」

リリアは悪びれずに謝りつつ、また蹴る。パンッ! 今度はもっと強く。
パンッ! パンッ! パンッ! パンッ! パンッ! パンッ! パンッ!

「ぎゃあああっ!!」
「すごい声」
「うるさいわねえ」
「痛そうですねぇ」

パンッ! パンッ! パンッ! パンッ! パンッ! パンッ! パンッ! パンッ! パンッ!

「あああっ!! ぐえぇっ!!」
「可愛い顔して、容赦ないわねぇ」
「容赦も何も。リリアには分かりませんから」
「このままだと、すぐ潰れちゃいそうね」
「そんなに脆いんですか?」
「うぅん……」

ユリアナは思案気につぶやくと、おもむろに男の股間へと手を伸ばす。
そして、袋を優しく包みこむようにしてそっと握る。賊がビクンと震えた。だがそれも一瞬のこと。
ユリアナが形を確かめるように指先をめり込ませながら揉みしだくと、この世の終わりのような絶叫が上がる。

「金玉の丈夫さにも、個人差ってあるのかしら。自分には無い部分だからピンと来ないわね」

思案顔でグニグニと捏ね回すと、白目を向いた賊に訊ねる。

「どう思う?」
「ひぃいいいっ!!!止めてくれ、潰れちまうよ!」
「あら、潰すんですよ?」

子供に噛んで含めるように語りかけながら、リリアが苦笑する。ユリアナはまだ真剣な表情で賊の睾丸を弄んでいる。
彼の苦痛は、2人にとっては完全に他人事でしかなかった。単純至極、彼女たちには捏ね回される袋は備わっていないから。

「潰れたら何か困るんですか?」

心底不思議そうな声でリリアが問う。賊は信じられないモノを見る目で絶叫。

「男にとって、一番大切なところなんだよっ!」
「女のリリアたちに言われても……」

588名無しさん:2022/01/27(木) 23:41:30 ID:M4TJLuZQ0

リリアは肩をすくめる。眉根を寄せて困惑顔。ユリアナは指先で玉を摘むと、それを引っ張り上げながら言う。

「無くなれば、この痛みともおさらば出来るのにね」

賊が半狂乱になって暴れだす。しかし、後ろ手に縛られ、股間を握り締められた状態では逃げられるわけもない。

「自業自得とはいえ、可哀想な気もしますけど」

リリアがぽつりと言う。

「でも、これじゃあ、いつまで経っても終わらないし。それに、いつまでもこんな風に騒がれると、煩くて仕方がないでしょう?」

ユリアナは微笑んで、賊の耳元で囁く。

「もういい加減、観念なさいな」

賊は悲鳴を上げることも出来ずに激しく首を振った。
恐怖に引き攣った顔が涙で濡れている。その頬にそっと手を添えて、ユリアナが優しく問いかける。

「楽になりたい? それともまだ、続ける?」

賊は何度も頭を縦に振る。リリアは思わず吹き出した。

「なんだか、リリアたちがいじめてるみたいですね」
「心外よね。別に失くなったからって、生活に不便もないでしょうに」
「あ、ありますっ! 死ぬほど辛いですっ!!」

賊が必死の形相で言う。
その無様さに、哀れみの視線を向けつつリリアは自分のスカートを捲りあげてみせた。

「リリアは無いですけど、何も辛くはないですよ?」

そう言って、リリアは下着を脱ぎ捨てる。彼女の股間には、綺麗な割れ目が一本、まっすぐに伸びていた。

「ほら」
「……」

賊は絶句した。続く言葉を失って、ただパクパクと口を開閉させる。

「……何やってるのよ、貴女は」

呆れたようにユリアナがため息をつく。握っていた睾丸を解放して立ち上がる。

「だって、無駄に金玉失くなるコトを怖がってるみたいでしたから。少し安心させてあげようかなって」

リリアは事もなげに言い放つと、無造作に賊の金的を蹴りあげる。

「ぐぎゃああぁっ!!」

589名無しさん:2022/01/27(木) 23:42:59 ID:M4TJLuZQ0
男の口から断末魔のような叫びが上がる。リリアとユリアナ、二人の女は白けた目。

「うるさいわねぇ」
「ほんとうに。ご近所迷惑ですよね」
「ねえ?」
「えぇ、まったく」

二人は仲良くうなずき合うと、今度はリリアがユリアナに手招きする。
どんな感じにしたら、あの方はあんなに苦しんだんですか、と無邪気な問いかけ。
ユリアナが苦笑いしながらリリアの股間に手を添える。勿論、彼女には金玉など無いため、握りしめた掌は虚空しか掴めない。

「こうやって、優しく包むようにして」
「ふんふん」
「それから、やさしく揺すったり」
「ほうほう」
「最後にギュッと力を入れてみたんだけど」
「リリア、痛くも痒くもないんですけど?」
「そりゃ、リリィには金玉無いもの」
「あ、それもそうですね」

リリアは納得すると、賊の股間へと向き直る。そして、急所の袋へおもむろに指先をめり込ませた。

「ん〜」

リリアは小さく声を上げて考え込む。

「もう少し、強くですか?」

賊が身をよじらせて絶叫。リリアは構わずに、袋を握り潰さんばかりに強く力を込める。賊の体がビクンと跳ね上がった。

「これでどうでしょうか?」
「もうちょっと弱くしてみて」

ユリアナの指示に従って、リリアは指先に込めた力を緩める。賊は脂汗を流しながら荒い呼吸を繰り返した。

「あとは、軽く引っ張ってみるとかね」
「はい」
「取れる、取れちゃいます!」

賊が泣き叫ぶ。リリアは賊の金玉を思い切り引き伸ばしながら言う。

「取れちゃえばいいのに」
「そうだよねー」

ユリアナはまるで玩具のように引っ張り上げられた賊の睾丸を眺めながら同意。

「本当に男なんて馬鹿ばっかり。この程度の痛みで大騒ぎして」
「まったくです。これくらい我慢できないなら、最初からぶら下げないでください」

リリアの言葉に、賊は激しく首を振って、涙を流し、鼻水を垂らす。

590名無しさん:2022/01/27(木) 23:44:43 ID:M4TJLuZQ0
「お願いします! 許してくださいっ!! 何でも喋るからっ!!」
「なんでも?」
「はいぃっ!!」

賊が涙声で返事をする。それを受けて、二人は一瞬呆気にとられた表情になったが、それも数呼吸程度の時間。
何かを思いついたリリアがユリアナに耳打ちする。それを受けて、ユリアナはニンマリと底知れない笑みを浮かべた。

「じゃあ、まず一つ目。金玉ってどの辺がどんな感じに痛いんですか?」
「私たちにも分かるように教えてね?」

リリアとユリアナに問い詰められて、賊が口を開く。

「痛いっ! すごく痛いですっ!!」
「どれくらい?」
「ぎゅっと握られるような、そんな感じで……」

賊が身悶えする。

「それだけ?」
「は、はい……」
「他には?」
「後は、鈍く重い感じです……」

賊が答えれば答えるほど、リリアとユリアナの表情は険しくなっていく。

「ねぇ? 私たちにも分かるようにって言ったよね?」
「全然分かりませんよね。金玉、虐められ足りないってコトなんでしょうか」
「催促ってコト?欲しがりさんね」
「仕方ありません。もっと強くしてあげましょう」
「うん。そうしよう」
「ぎゃああぁっ!!」

再び、賊の口から悲鳴が上がる。リリアとユリアナが同時に右と左のタマを握りしめているのだが、二人ともまったく無頓着である。

「金玉が、潰れるぅ……っ」
「だから、きちんと説明して頂戴って言ってるだけでしょ?早くしないと、二つ目の質問に行けないじゃない」
「そうですよ。ちゃんと答えてくれないと困ります」

賊は必死の形相で言葉を絞り出す。

「熱くて、重たくなって……。それで……」
「それで?」
「何か、ぐるぐると回ってるみたいな、変な感じになってきて……」
「へぇ〜」
「ふぅん」

リリアとユリアナが顔を見合わせる。

「「分からん(りません)」」

声を合わせて言い放つと、二人の手は再び賊の金玉を責め立てる

591名無しさん:2022/01/27(木) 23:45:43 ID:M4TJLuZQ0
「うわああぁあっ!!!」

賊の口から絶叫が漏れる。リリアは更に強く握りしめて、ユリアナは緩急をつけて締め上げる。

「それじゃあ、リリアのアソコ見せてあげますから、具体的に何処がどう辛いのか教えてください」
「リリィ、太っ腹〜」
「どう痛いかは説明できなくても、何処が痛いかぐらいは言えるでしょう?」
「それもそうかも」

ユリアナはあっさりとうなずく。リリアはスカートを脱いで無造作に放り捨てる。
下着は既に脱ぎ去ったあと。リリアの股間にあるのは金玉ではなく、割れ目だけである。
その証拠に、陰唇の間には一本のスリットがあるだけだ。

「ほら、どの辺りが痛いんですか?」

リリアは自身の股間、様々な場所を片手の指先で指し示しながら問いかける。残った手で哀れな男の陰嚢を責め立てる行為は微塵も緩めない。
だが、彼女の指が賊が苛まれている痛みの根源に到達することは決してない。なにせ、リリアの身体にはそもそも金玉など無いのだから。

「この辺ですか?」

彼女の指先が膣の入り口付近に移動していく。

「それとも、こっち?」

割れ目に沿うように指を動かし、辛うじて顔を覗かせる自身の陰核に触れる。

「それとも、やっぱりここ?」

今度は陰裂そのものを優しくなぞる。ヒィ、賊の男が息を呑む。

「あ、ここなんですね?」

奇しくも、陰嚢と起源を同じくする大陰唇に触れているときに賊が反応し、リリアはこれ見よがしにそこをつまんでみせた。

「全然痛くないですね。こんなのであんなに騒いでいたんですか?」
「金玉、もっと強く責めても大丈夫ってアピールじゃない?」
「あぁ、なるほど」

リリアは賊の金玉を握る手に力を込める。

「ひいいぃっ!」

賊が身を捩るが、リリアの手からは逃れられない。ユリアナも反対の手で金玉を掴み、捻り上げた。

「やめろぉっ! 止めてくださぃいっ!!」
「ダメです。リリア、知りたがりだから。質問に答えてくれるまで、止めるつもりありません」

リリアは笑顔で答える。賊は絶望的な表情を浮かべる。

「教えて? どこが痛いの?」
「お、俺の……」
「俺の? 俺の何ですか?」

592名無しさん:2022/01/27(木) 23:46:16 ID:M4TJLuZQ0
賊が震える声で答えようとする。リリアは急かすように問いを繰り返す。

「お……、き……」
「聞こえませんね」
「金玉っ! 金玉が痛いですぅうっ!!」

賊は泣き叫ぶ。リリアとユリアナは視線を交わし合うと、賊の金玉を強く握りしめた。

「ぎゃああぁあっ!!」
「あら? よく聞き取れませんでした。もう一度お願いします」
「金玉がっ!! 金玉がぁっ!!」
「金玉がどうしたんです?」
「潰れるぅっ!!!」

賊は悲鳴を上げる。リリアとユリアナが同時に手を離す。

「まだ、だぁめ♡」
「気兼ね無く潰していい金玉は貴重ですからね。もっと楽しませてください♡」

二人は笑みを浮かべながら言う。賊は涙を流しながら首を左右に振る。ユリアナが、彼の股間を見つめながら脚の素振りをはじめる。
賊は必死に身を捩り逃げようとするが、リリアとユリアナの拘束から逃れることはできない。風切り音と鈍い音。
再び賊は甲高い悲鳴を上げた。女二人は顔を見合わせて笑う。

「さっきのは傑作だったわね」
「うふふ。何処、何処って聞きましたけど。女の子には金的なんてないんですよ」

男にしか理解できない苦痛。リリアとユリアナ、二人の少女はそれを余すところなく堪能させることのみに尽力していた。
普段は男性を天国に連れて行くために活用しているであろう肉体を、今は逆に地獄へと叩き落すことにのみ使う。
賊の股間が赤く腫れ上がり始める。それでも、二人はまだ許さない。彼の絶叫を聞きながら、少女たちは笑い続ける。

二人の悪魔の笑い声が響く。

---

リリアとユリアナの会話を聞きながら、少年は目の前で行われている光景から目を逸らす。
今、リリアとユリアナの手によって拷問を受けているのは彼より少し年嵩、でも比較的若い男である。
彼は股間を押さえて地面を転げ回っている。どうやら、リリアとユリアナが履いていたブーツによって金玉を踏みつけられたらしい。
二人の足は、賊の金玉を確実に捉えていた。男の絶叫は止まらない。男は必死の形相で二人を見上げる。
だが、二人がその程度で手を止めるはずもない。リリアがしゃがみこみ、女性器を見せつける。視線がそこに釘付けになる。
ユリアナが無造作に髪をかきあげる。トン、軽い助走とともに、渾身の蹴りが彼の急所に叩き込まれる。

「うぐぅ……」

少年は、猿轡の奥で思わず声を漏らしてしまう。
ユリアナの一撃を受けた賊は、一瞬白目を向いて気絶しかけたように見えたのだ。
だが、それでも彼が意識を失うことはないようだ。口から泡を吹きながらも必死で立ち上がろうとする。

「次はリリアの番ですよ?」

リリアが立ち上がり、一見可憐な膝が唸りをあげる。彼女の膝が股間、睾丸に突き刺さる。一瞬、賊の踵が浮き上がる。

593名無しさん:2022/01/27(木) 23:46:47 ID:M4TJLuZQ0
「ぎぃあああああぁっ!!」

凄まじい絶叫。男の身体が跳ね上がる。その様はまるで陸に打ち上げられた魚か何かのようであった。
リリアとユリアナはそんな様子を楽しげに見下ろしている。

「ねぇ、知ってる?」

不意に、ユリアナが口を開いた。

「金玉、段々柔らかくなって来てるわよ」
「本当ですか!?」

リリアが嬉しそうに尋ねる。

「えぇ、ほら」

ユリアナは自身の脚で賊の男にぶら下がった陰嚢を持ち上げてみせる。
確かに、男の金玉は彼女達の蹴りの威力を吸収しきれていないようで、少し赤く腫れて見える。

「そろそろ、潰れちゃうかしら?」
「それは楽しみですね!」

リリアが満面の笑みで答える。ユリアナは、ポンポンと球遊びでもするように彼の金玉袋を弄ぶ。

「ひぃっ!!」
「あら、何よ」

男が情けない悲鳴を上げて身を捩る。ユリアナが冷たく言い放つ。

「止めて欲しかったら、質問に答えなさい」
「あぁ、なるほど。二つ目の質問ですか」

リリアがポンと手を打つ。男が怯えた表情を浮かべる。少年は黙って事の成り行きを見守る。

「私とリリィ、どっちに金玉潰されたい?」
「あ、その質問、素敵です♡」

リリアの目が輝き、彼女は手を叩いて笑う。
男は必死になって首を振る。
ユリアナがつま先で賊の股間を軽く小突く。男の全身が激しく痙攣する。
彼は必死の形相で叫ぶ。意味を成す言葉にはなっていない。リリアとユリアナが顔を見合わせる。
そして、同時に哀れな男の金玉を蹴り上げた。鋭い破裂音。糸が切れた繰り人形のように力なく床に沈み込む。

「ぎゃああぁあっ!!あ、あ、あ……」
「何? 聞こえない」
「もうちょっと大きい声で言ってください」
「ぐぎぁっ!! やべ……、ださいぃいっ!!」

賊は涙を流しながら懇願するが、リリアとユリアナの二人は顔を見合わせると諦めたようなため息をつくのみ。
二人の顔に、失望の色。少年は、自分が責められているワケでもないのに自然と金玉袋が縮み上がっていくのを自覚した。

「何でも喋るって自分から仰ったのに、何も話してくれないんですね」

リリアが残念そうな声で言う。賊が泣きながら必死で首を横に振る。ユリアナが男の前にしゃがみこむと、彼の頬を指先で優しく撫ぜる。
優しげな顔をしているが、目だけは決して笑っていない。他人事の苦しみに悶える男の姿を冷静に観察しているだけだ。

「もう、これは罰ゲーム案件なんじゃないかしら?」
「罰ゲーム、ですか?」
「えぇ。これ以上、コイツに聞いてもいたずらに時間を無駄にするだけ」
「あぁ、そういえばまだ『お客様』待たせてますもんね?」

594名無しさん:2022/01/27(木) 23:48:54 ID:M4TJLuZQ0
二人の視線が、少年に注がれる。こちらも両手両足を拘束、猿轡まで噛まされた、尺取り虫のように地面を這いつくばる哀れな男。
次の料理を前に舌なめずりするかの如き表情で彼を見詰める女たちに、少年は全身の体毛が逆立つほどの恐怖を覚えた。
その様に一旦は満足したのか、リリアたちは悶絶してのたうちまわる賊、年嵩の青年に視線を戻した。安心させるような声音で語りかける。

「落ち着いてください。貴方が一生懸命答えてくれようとしたのは分かってますよ♡」
「だから、潰しちゃうのは一つだけで勘弁してあげるわ。これは、破格の対応だと思うけど?」
「一つでも残っていれば、問題なく男で居られるそうですよ?一つもないリリアたちからすれば、受け売りでしかないですけど」

リリアとユリアナが交互に言う。地獄の底に救いの糸が垂らされたというような表情で二人を見上げる男。
だが、それも一瞬。糸を垂らしているのは大悪魔も裸足で逃げ出すような女どもなのだ。絶望と安堵、相反する感情が交差する。
一つあれば大丈夫、そう彼女たちは言った。一つ失うことが、男にとってどれ程の苦痛かなどは考えてすらいないらしい。
男はポカンと口を開けると、甲高くも弱々しい声で呟いた。

「……本当に?」
「えぇ、本当よ。私たちは嘘はつかないわ」
「う、うぐ、うう、うぅ、ぐぐぐぐ……」
「あら、感極まっちゃったみたい。そこまで喜んでもらえると、こちらも情けのかけがいがありますねぇ」

違う。アイツは、これからタマを一つ潰されるという絶望と、それでも一つは残してくれるという希望に翻弄されて言葉を紡ぐことができないのだ。
少年はそんな風に思ったが、口に出すことはできなかった。あの女たちの注意を引くなど身が凍る。薄情という誹りも甘んじて受けよう。
所詮、この仕事だけの薄っぺらい付き合いだ。彼は自分の身を護るために、黙って事態の推移を見守ることに決めた。
ーーーそして。あの女たちの残酷さは、どれだけ過大に見積もっても過大評価にはならないということを思い知らされることになる。

「それじゃぁ、右がいいですか?左のほうが要らないですか?」

リリアが尋ね、ユリアナは男の股間から足を離す。男は震えながらも、言葉を探してモゴモゴと口を動かす。
当然だ。右と左、どちらの金玉を潰して欲しいかなんて男に選べるはずがない。
リリアとユリアナが顔を見合わせる。そして、交互に賊の股間を蹴り上げた。男が絶叫、少年は思わず目を瞑る。リリアとユリアナは顔を見合わせて笑う。

「答えられないの?やっぱり両方いっとく?」
「それがお望みというのなら、心苦しいですけど仕方がないですねぇ」
「いやだぁあああっ! ぎゃあぁっ!!」

リリアとユリアナの二人が、男の金玉を蹴る。彼は泣き叫ぶ。リリアとユリアナは微笑みながら質問を重ねる。

「どっちのほうを潰してほしいんですか? ほら、ちゃんと答えないと両方いきますよぉ?」
「ごめんなさいぃいっ!! 許してくださいぃっ!」
「だったら早く言いなさい。何度言わせれば気が済むの?」

甲高い悲鳴が響き渡る中、ユリアナが多少気が立った口調で吐き捨てる。リリアは小さく肩をすくめる。
それを受け、男は観念したように口を開いた。掠れた声で呟く。この世の全ての希望を手放したような、消え入りそうな声。

「……みぎ」
「ん〜?」
「聞こえない」
「…………み、右のほうでお願いします」
「潰すんですかぁ?残すんですかぁ?」
「……ッ!!!!つ、潰して、ください……」

血を吐くような声。男の絶望が伝わり、少年は自身の運命を予感して無力に打ちのめされた気分になった。だが、彼女たちは静かな表情だ。
リリアとユリアナが顔を見合わせる。次の瞬間、二人して男の頭を争うように抱え込み両の頬に暖かくキスをする。

「よくできましたぁ♡初めて、きちんと答えられましたね♡」
「良い子ね。褒めてあげるわ」
「うぐぅ、ふぐうぅ……」

595名無しさん:2022/01/27(木) 23:49:37 ID:M4TJLuZQ0
男たちは、もうすっかり抵抗する気力を失ったようだった。痛みに耐えるかのように歯を食いしばっている。
彼女たちは、そんな男の姿に満足げな笑みを浮かべる。おもむろに、リリアが横たわる男の傍らにしゃがみ込む。
一糸纏わぬ下半身。ソコには、男が持つような急所は一切存在していなかった。
彼女は無造作に男の下腹部に手を伸ばす。そして、自分とは違う箇所、つまりは右の金玉をしっかりと握り込んだ。
男は何もかも諦めた目でその様子を見詰めている。もはや、抵抗の意思は微塵も感じられなかった。

「じゃぁ、私の質問に答えられなかったお仕置き。右のタマタマを貰いますね。よかったですね、一つですんで」
「…………」

彼は何もかも諦めた目でその様子を見詰めている。もはや、抵抗の意思は微塵も感じられなかった。
だが、続くユリアナの言葉で、絶望には底というものが存在していないことを突きつけられる。

「リリィは右……じゃぁ、私の質問に答えられなかった分は、必然的に左になるわけね。よかったね、一つですんで」

ユリアナも至極当然といった体で手を伸ばし、男の左の金玉を掴む。そして、やはり自分のモノとは勝手の違う場所を確かめ、握る。

「ひ、ひだり……も……?話が、話が違うッ!!」
「何も違わないわよ。一度の質問につき罰ゲーム一回、金玉一つ。二回答えられなかったんだから、当然潰すタマは二つ、でしょ?」
「最後の質問に答えられなかったら、真ん中のソーセージもちょん切ろうと思ってたんですよぉ♡」
「あ、ああ、うそだろ、やめてくれ、そんな……タマが、タマが無くなっちまうよぉッ!」
「そうなんだ。でも、それって私たちに何か関係があるのかな?」
「二つ潰されて無くなるなら、初めから三つぐらいぶら下げてればよかったんじゃないですか?」

そう言って、二人はクスクスと笑い合う。男は顔面蒼白になり、ガタガタと震えだす。
少年には、自身の相棒がが今どんな顔をしているのかが手に取るように分かった。
恐怖に怯え、絶望に打ち拉がれ、それでも必死で許しを請おうとしているのだ。
そして、リリアとユリアナは、男に慈悲を与えるつもりなど毛頭無い。哀れな子羊の懇願をせせら笑うと、二人の女は同時に男の金玉を握る。
そして、一度少年に振り返ると可愛らしくウィンク。そして、震える彼に見せつけるように指先に力を込めはじめる。
ーーアァ、ヤメロォオオオオッ!!! 心の中で叫んだところで、少年の声が届くはずもない。
ミシリと不吉な音が響き、賊と呼ばれた男が絶叫を上げる。ひたすら恐怖に震える少年の目の前で、相棒が、男が『男』ではなくなる!!

「いきますよ?」
「いくわよ?」

596名無しさん:2022/01/27(木) 23:50:07 ID:M4TJLuZQ0
「…………ッ!ぎゃぁあああああああああああああああああああああああああっ!!!」

男が夜を裂くような絶叫をあげた。リリアとユリアナ、二人の腕に青筋が浮かぶ。
渾身の力が込められた二人の両腕は小刻みに震え、彼女たちの震えに調子を併せて男の身体がバタバタと痙攣する。
……終焉はすぐに訪れた。リリアたちが短く気合の息を発すると、グチュリと湿った音。そして、『男のものとは思えない』甲高い絶叫を賊が発する。
その声を聞き届け、二人の女はとても深く、満足そうな吐息をこぼした。そして、何事もなかったかのように睾丸を握りしめていた手を離す。

「はい、去勢完了ですっ!これで少しは真人間になれるんじゃないですか♡」

リリアの明るい声と共に、少年の一時の相棒、彼女たちが賊と呼ぶ男は完全に沈黙した。白目を剥き、口の端から泡が溢れる。
股間からは精子と血と小水が混ざった液体が流れ出し、辺りに悪臭を放つ。彼女たちは、そんな男の様子を見て満足げに微笑んだ。口元に耳を寄せて呼吸を確かめる。
そして、そのまま何事もなかったかのようにテキパキと『元』男の股間に何がしかの応急処置と思しきものを施していく。

「最初から『潰すよ』って言ってるのに、なんで変な期待なんかするのかしら? ね、リリィ?」
「本当ですよねぇ。男らしく、潔くタマタマなんて諦めればまだ少しは格好がつくでしょうにねぇ」
「『男らしい』かな?」
「『男らしい』ですよぉ。だって、女にはできないでしょう?タマタマ諦めるなんて真似」
「そりゃ、元々付いてないもんねぇ」

ユリアナたちは、再び少年に聞かせるように、そんなことを楽しげに話しながら作業を続ける。
そして、ものの数分もしないうちに作業は完了したようだった。彼女たちは、満足げな笑みを浮かべると、改めて俺に向き直る。
そして、さっきまでの出来事は忘却の彼方、まるで無かったことになったかのように、明るく声をかける。
その笑顔は、今まで見たどの表情よりも魅力に満ち溢れていて、だが、少年は自身の不運をただただ後悔することしか出来なかった。

------------------------------------

597名無しさん:2022/01/27(木) 23:50:53 ID:M4TJLuZQ0
「さて、次はキミの番ですよぉ」

リリアと呼ばれた女が、手慣れた手付きで少年の猿轡を外す。口の中はカラッカラに乾いていた。
喉の奥から苦い唾が込み上げてくるが、それを飲み下す力すら残っていないようだ。
彼の様子を見かねたのか、ユリアナと呼ばれていた女の手が少年の顎を掴む。そして、無理やり顔を上げさせられる。
彼女の手には、簡素な細工が施された水差し。彼女は、それを傾け、控えめに少年の口に流し込む。
冷たく甘い水が、渇いた口内を満たし、ゆっくりと食道を通っていく。

「どう?落ち着いた?」
「……あぁ」
「そっか」

短く答えると、彼女はニッコリと笑う。気付けのためだけに、この街では貴重な生水を惜しげなく使う。
確かに、ココには唸るほどにカネがあるのだ。そうでなければ、こんな贅沢はできないだろう。その点は、あの『元』男、賊の目に狂いはなかった。

「それでね。お姉さんたち、ボクにも聞きたいことがあるんだけど」
「無理にとはいいませんよぉ。誰だって秘密の一つや二つはありますもん。ただ、言わないなら……」

リリアの視線が、ツイと流れる。向かう先は、たった今、二人に睾丸を潰され、間歇的に痙攣を繰り返す男。
視線に見下し、侮蔑の色が混ざり込むが一瞬だけ。すぐに興味を失くした顔をすると、太陽のような笑顔で少年の顔を覗き込んだ。
意図は明白。男にしか分からない恐怖に、少年の全身が瘧のごとく震える。どうして、どうしてこんなコトになってしまったのかと憔悴するだけ。

彼は、いわゆるところの流れ者だった。リリアよりも若い身空で故郷の寒村を飛び出し、放浪の空の下で生き抜いてきた。
憧れた自由な生活。だが、気ままな生活を続けるには、どうしたって先立つものが必要だ。腹は減るし、寝床も要る。女だって抱きたい。
実家から、故郷から。飛び出す際にくすねてきた路銀は瞬く間に底をつく。そんな時、彼が取る手段は決まって一つだった。

ーーー単純な話。溜め込んでいる家に押し込み、殺して、奪う。火を付ける。そのまま、騒ぎに乗じて街を離れて、別の場所へと流れていく。
今回だって、いつもと変わらない簡単な仕事のハズだった。この街でも有数の娼館。後ろ暗い仕事の連中は表通りを歩く奴らに泣きつくことも出来ないはずだ。
特に、ココ。『収穫祭』とかいう娼館は青田買いに力を入れているのか、孤児や奴隷に施しを与えることに熱心で、警備が薄く不用心。しかも、甘い。
カモネギだと思った。男から金を巻き上げているのだ、俺が金を巻き上げても因果応報というものだろう?そう笑った相棒の顔を思い出す。

「まず、ボクちゃんは何者なのかしら?」
「……ボ、ボクは……」

ユリアナが可愛らしく小首を傾げながら問いかける。少年の幼い容姿に警戒感を削がれているらしい。
篤志家の一面に由来するものか、母性のようなものすら彼女からは伺えた。その反応は、少年の研鑽の賜物でもある。
人間は脆いものだと彼は知っていた。無垢な振る舞いで同情を買い、憐憫を誘い……先手を打って刃物の一つでも捩じ込めば、相手はすぐに動けなくなる。
今回も、猫を被って乗り切ろうと決意する。あの馬鹿な相棒のせいでドジを踏まされたことは業腹としか言えないが、そんな内心はおくびにも出さない。

「もしかして、『ワルイコ』なのかなぁ?リリア、『ワルイコ』だぁい好き♡」

そんな少年の擬態を知ってか知らずか、無邪気な声とともにリリアが彼の両脇に腕を差し込む。
ぃよいしょ、と軽い声、そのまま抱きつくように俺の上体を引き起こす。同年代の彼女には、少年の庇護欲をそそる振る舞いは効果が薄かったらしい。
背後から差し込まれた彼女の脚が少年の膝の間に割り込み、太腿で両膝を抑えこむような形になっていた。無防備に、急所が晒される。
ユリアナとリリア、二人の視線が睾丸に集中していることを感じて少年は心底震え上がった。これは、演技ではない。

「あ、キンタマ縮んじゃいました!」
「あらあら、元から小さいのに。これ以上縮んだら無くなっちゃうんじゃないかしら」

掛け値なしに心配だ、そんな声調でユリアナの白く細い腕が伸ばされる。人差し指と中指、白魚のような長い指が少年の睾丸を二つとも撫で上げる。
可哀想に、怯えているのね、鈴を転がす彼女の声。背後からはリリアの笑声。男の子は正直ですね、囁きが少年の屈辱感を加速させる。

598名無しさん:2022/01/27(木) 23:51:51 ID:M4TJLuZQ0
ひとしきり彼の睾丸を愛でたのち、ユリアナの指が引き絞られる。ヒヤリとした感覚を少年が覚えるよりも速く、微塵の躊躇もなく彼の双玉が爪で弾かれた。

「いぎぃッ!」
「あら、ごめんなさい。可愛くてつい……痛かったかしら?お姉さん、ついてないからよく分からないの」
「カワイソ。大丈夫ですよ、リリアちゃんが代わりに護ってあげます。キミの痛〜いト・コ・ロ♡」

突然の衝撃に身を捩ろうとするが叶わない。彼の自由は背後から抱きつくリリアに奪われていて、両手は背後。自分の臀部と彼女の股間に挟まれ睾丸を庇うことも出来ない。
少年の指先に、リリアの女性器の感触。触れた先、彼女の股間には当然急所などぶら下がってはいなかった。気にした様子もなく、リリアそっと少年の睾丸を包みこむ。
優しく、慈しむよう。痛みに萎れたソレを労わるように。少年の脳裏に浮かんだのは、かつて見た蛇が卵を丸呑みにする情景だった。

「安心してくださいねぇ。キミがワルイコでもない限り、リリアがこのちっちゃなタマタマ、あの怖〜いお姉ちゃんから護ってあげますからねぇ」
「リリィってば人聞きの悪いコトばっかり。でも、大丈夫よ。アイツの金玉は初めから潰すつもりだったけど……」
「うふふ。だから、エンターテイメント性に拘ってみましたぁ、プロですから。忘れられない夜に仕上がったんじゃないですかねぇ」
「ねぇ、ボク?ボクはイイコだよね?それとも……」

言葉尻が濁り、そのあとに続くはずの言葉を想像して少年は背筋を震わせた。
そもそも、彼女たちが言う通り、彼が『イイコ』であったなら、そもそもこんな窮地に陥ってはいない。それを知りつつ、二人は嬲っているのではないか。
下調べはした。相棒と共謀、この店の使用人を拉致して現金が保管されている部屋も突き止めていた。一通りの拷問を加えた後、念の為にきちんと始末までした。
始末の帰結として出た『ゴミ』は、きちんと重りを巻いて泉に沈めた。ソイツの右頬に刻まれた古傷を誤魔化すため、古びたナイフで虫の息のソイツの顔を切り刻んだ。
勿体ないと思いながら、屍体の持ち物、金品にも手を付けなかった。大事の前の小事だ、こんな冴えない男の所持品から足がついたらつまらないことこの上ない。
数日間タイミングを図っての決行。それなのに、まるで予知されてでもいたように呆気なく少年たちは捕らえられた。単純、簡単なトラップで。

「あ、あの。その、違うんです。ボク、あのお兄さんに脅されて……仲間に囲まれて、断ったらヒドいことするぞって」
「……あら、そうだったの。それは気の毒ねぇ。さぞ怖かったでしょう。ボクちゃんみたいな子供が、あんなヤツに凄まれたら震え上がっちゃうわよねぇ」
「あんなヤツ、タマタマぶら下げてる資格なんて無いですよねぇ。どんなコトするつもりだったんでしょうかーーー例えば、こんなコト、とか?」

怯える被害者を装った少年の言葉に、リリアは容赦のない陰嚢への握撃をもって応えた。耐えようがない激痛、危機感に少年の双眸が限界まで見開かれる。
先程までの優しい愛撫とは真逆の激しさ。皮袋を握りつぶそうとするかのような乱暴な所作に悲鳴が漏れそうになる。そんな彼を、二人の女がクスクスと嘲る。

「『ワルイコ』にはお仕置き……うふふ、男の子にはコレが一番効果的なんですよ」
「ねぇ、ボク?きっとキミはこの街に来たばっかりなんでしょうね。あの『男』……いや、もう違うわね……アレには仲間なんていないわ」
「以前ウチの店に押し入ってきたときに、オブモさんにボッコボコにされて『お仲間』を売ったんですよ。それ以来、あの玉無しちゃんは爪弾き者……」
「う、ぎ。ぎぎぎぎぎ……」

彼女たちが語る言葉の真偽は、少年には分からなかった。だが、納得できる話でもあった。
少年はよそ者だ。かつ、子供。素性からも、体格からも、危ない橋を一緒に渡りたくなるような風体はしていない。実際、体力、腕力に優れているわけでもない。
何故彼に話を持ちかけたのか。単純に、余所者である少年にしか持ちかけることが出来なかったというならば、辻褄はあう。
この少年が持つ才能は思い切りの良さ。率直にいえば、後先を全く考えないトコロ。躊躇なく刃物を抜くし、相手が幼児や老人でも躊躇いなく刺す。
どうせ、何か問題が起きればバックレればいいのだ。街さえ跨げば追手も来ない。採算が取れない。何かを積み上げたこともない彼は、何かに執着することもなかった。
それが自由ということだと何の疑いもなく信じ込んでいた。だがーーー

「ぎ、ぎぎぎぎぎぎぎぃッ!!」
「どうですか?コレもヒドいコトに入りますか?言ってくれないとリリア、分かんないですよ?」
「ふふ。『まだ』潰すつもりはないんだけど……潰れちゃったらゴメンね?ちゃんと謝るから許してね?」

599名無しさん:2022/01/27(木) 23:52:41 ID:M4TJLuZQ0
ギュウゥ、躊躇いなくリリアによって絞られる金玉袋が放つ絶叫。これに対する執着が、少年が自由では無いこと、金玉に絡め取られた存在であることを突きつけてくる。
タプタプと、戯れるように彼の玉袋が弄ばれる。絶叫とともに懸命に足掻く。両手は彼女の股間で床に押し付けられ、必死に掌を握りしめても掴めるモノはそこにない。
彼の指が、ヌルリと文字通り捕らえどころがないリリアの女性器の表面で滑る。救いの端緒すら掴めず、ただ無為に指が柔らかい肉を掻き分ける。

「あん♡」
「どうしたの、リリィ?」
「この子ったら、仕返しのつもりなのかしら?リリアのアソコを掴もうとしてくるんですよぉ」
「ふふ、リリィがあんまり楽しそうだから、真似してみたくなったんじゃない?付き合ってあげたら?」
「まぁ痛い思いをさせちゃった手前、無下にするのも可哀想ですしねぇ。いいですよ、リリアと揉み合いっこして遊びましょ♡」

二人の女は、クスクスと笑う。
少年の指先は、確かにリリアの股間に埋まっている。だが、その表面はスライムのように柔らかく、暖かく、それでいてほとんど掴み所が無い。
まるで油で下拵えされた生肉かなにかのように、グニグニと指先が沈み込む。だがそこに急所はなく、すぐに滑って抜けてしまう。
リリアは逆だ。しっかりとした重みがある少年の睾丸をしっかりと握り込むと緩急をつけて圧迫し、耐え難い苦痛を耐えず送り込んでくる。
彼女はソレを『遊び』と評した。実際、リリアにとってはそうなのかもしれない。少年が、地獄の釜で煮込まれているといった表情なのにも関わらず。

ひとしきり藻掻く彼を愉しんだ後、リリアはゆっくりと掌の力を抜いていく。
内臓をひっくり返され、さらに掻き混ぜられたような感覚は少年に嘔吐感を催させる。だが、喉の奥までせり上がった吐瀉物は出てこない。
代わりに、情けない声が漏れ出る。痛みに悶えるのではなく、苦しみに喘ぐ。タマタマ痛いね、持ってすらいないユリアナから気遣いの言葉。

「あ……あぁ……あああ、タマ、タマがぁ……」
「うーん、リリィったら、もう揉み潰しちゃったの?」
「まだですよぉ。リリア、これでも力加減には定評があるんですから」
「ふふ、そうだったわね。そりゃ、『お楽しみ中』にお客様のキンタマ潰しちゃったら一大事だものね」
「もうリピートしてくれなくなっちゃいますからねぇ。『する必要が無くなる』って言った方が近いかもですけど」

少年には意味の分からない会話が続く。
だが、彼にとって大事なのはそんなことではない。今まさに、自分の股間にある二つの急所に致命的な危機が迫っていること。
そして、それは彼女たちにとって大して重要な事ではないらしいこと。戦慄する少年をよそに、二人はクスクスと笑いながら会話を続ける。

「それに、キミもリリアのお股で楽しんでたんですから、お互い様ってコトにしましょ?」
「ボクちゃんみたいな不埒者に……『リピート』されても困っちゃうしね?」

そう言うと、ユリアナは少年の頭を掴み、無理矢理顔を上げさせた。磨き上げられた営業スマイル、その奥の感情を読み取ることは出来ない。
茫洋と真意がぼやけて照準を合わせられない表情のまま、彼女はゆっくりと、優しい口調で喘ぐ少年に語りかける。

「噓ついたらどうなるのか分かったね?噓吐くたびにギュってしてもらうから、このままだと……」
「噓、つき放題な身体になっちゃうかもしれませんねぇ」

拘束された少年の両手、後ろ手のソコに自身の股間を擦り付けながらリリアが囁く。彼女の股間には『ギュッ』とされるモノが無いことを強調する仕草。
そういえば、何処かの国では噓つくと『下』抜かれちゃうらしいわよ、得意げな顔でユリアナがうろ覚えの豆知識を披露する。
男にしか通じない刑ですけど、女の子が嘘ついたらどうなるんでしょう、リリアの疑問にさぁ?とどうでもよさそうに首を傾げるユリアナ。
その寸劇の間に、少年が出来たのは息を整えることだけ。去勢の恐怖に心が折れかけた彼は、次の質問には包み隠さず答えようと諦めの境地に至る。
しかし。実際に投げかけられた問いは、そんな彼の諦めすら容易に粉砕するもので。

「ちょっと前から、オブモ……ウチのスタッフさんが一人居なくなっちゃったんだけど。ボク、何か心当たりないかな?」
「赤茶髪で目は薄い緑色、年齢は、うーん、二十歳過ぎ?右頬に傷跡があるから、とても目立つと思いますよ?」

数日前、少年が相棒と戯れがてらに嬲り殺した男の特徴。彼の安否を問う彼女たちの声は、まるで水面に映る月のように揺れていた。

600名無しさん:2022/01/27(木) 23:53:29 ID:M4TJLuZQ0
知らない。もし、彼が先程の拷問じみた尋問を受けていなかったら、躊躇なく、顔色ひとつ変えずにそう答えていた。
少年にとっては関係の無い男だ。もう数日もすれば、殺したことすら彼の記憶からは抜け落ちていただろう。だが、今はあまりに間が悪かった。
一瞬、ギクリとしてしまったのだ。しらばっくれろと命令する脳髄と、包み隠さずゲロれと懇願する睾丸の板挟みとなり少年の思考が停止する。
その間は、ほんの数秒。だが、二人にとってはそれで十分だったようだ。刹那の間、彼女たちの顔から表情が抜け落ちるが、すぐに笑顔へと戻った。
だが。その笑顔が、彼の恐怖心を煽り立てて止まない。

「え、あ、オレ、いや、ボクは……えぇと……」

少年は懸命に言葉を発そうとするが、舌がもつれて単語にならない。必死で普段使わない頭を回転させる。
この二人と、オブモとかいう冴えない男の共通点は一体なんだ?関係性はなんだ?まず、彼が金銭的な利益を二人に与えていたとは思えない。
少年から見ても、彼女たちは高級娼婦だと分かる。一介の使用人の給金から融通できる額など、彼女たちからすれば鼻で笑える端金だろう。

なら、暴力で庇護を与えていた?それも考えづらい。身体は大きかったが、頭が鈍すぎる。少なくとも、こんな場所で才覚を発揮できる人間とは思えない。
少年が助けを求めただけで疑いもなくやってきて、実際に彼が太腿を深く抉ってやるまで間抜け面を晒していたようなでくのぼうだ。
過去、相棒がボコボコにされたというのも、単にバカ正直に真正面から喧嘩を売ったからというだけの話だろう。

「真面目で堅物、面白みが無い冴えない男でさ。なんか、変なトラブルに巻き込まれたんじゃって心配してるのよ」
「何も言わずに失踪しちゃうほどの悩みを抱えられるほど、大した脳味噌をお持ちでもなかったですしねぇ」
「そうそう!ホントにそれ!」

少年の沈黙をどのように受け取ったのか、ユリアナとリリアは嬉々としてオブモという男のことを貶し始める。
その様子に、彼は確信する。この二人は、少年たちが殺めた男に特別な感情を抱いていないと。だから、平然と笑っていられるのだと。
血縁を疑った。だが、褐色のリリアに純白のユリアナ、まず二人自体に血縁などないだろう。
じゃあ、愛人か?金もない。力もない。地位も無かっただろう、使用人の男が提供できるものなんてそれぐらい、だが二人の態度はソレを否定している、
一瞬で過ぎった様々な可能性、全てが的外れだったと気付き戦慄。一体、自分はどんな回答を求められているのだろう。

「ね、何か知らない?」

再度問われても、やはり答えは返せない。本当に知らないからではない。『知っている』、だが『言えない』。その葛藤に、彼の口は再び閉ざされてしまう。
目が泳ぐ。脳髄が、これまで生きてきて一度も経験したことがない速度で回転する。そんな少年を、二人の女はじっと見つめている。
その圧を受けて、更に頭が高速回転。一つの結論に達すると、彼は観念したように口を開いた。

「知ってるよ」

そして、苦渋に満ちた表情で重々しく口を開いた。ユリアナが、期待するような、値踏みするような瞳で少年を射抜いている。
気圧されたように彼は視線を左右に泳がせると、本当は言いたくなかった、そう呟いてからポツリポツリと語り始めた。

「あのお兄ちゃんは、もうこの街にいないよ。猪の酒場亭、知ってるよね。あそこで、自分を試すために外の世界を見てみたいって相談されたんだ」
「へぇ……」
「そんなコトを考えてたなら、リリアたちにも言ってくれれば良かったのに。なんで、キミだけに打ち明けたんですかね……」
「さっきお姉ちゃんも見破ったでしょ。ボクは外の人間だからさ……後腐れがないし、外の話も聞きたかったんだと思う。それに、身近な人にお別れを言うのは辛いって」
「……」
「お姉ちゃんたちが、ユリアナさんとリリアさんなんだね。特に、貴女たちには知られたくなかったみたい。ボク、子供だから理由は分からないけど……」

601名無しさん:2022/01/27(木) 23:54:37 ID:M4TJLuZQ0
少年の判断は簡潔。とにかく、ココは嘘八百を並べ立ててこの二人を煙に巻く。もちろん、真実は眩す。声をかけたのは猪の酒場亭、『夢』の部分も噓ではない。
彼の目玉を抉りがてら、退屈しのぎに聞き出した戯言。お前のような愚鈍な人間が外に出たところで末路は野垂れ死にだと腹の底から笑ったことを覚えている。
だが、曲がりなりにも『夢』ならば、普段の生活でもどことなく匂わせていただろう。深くは語らないことで、彼女たちが妄想で補完する余地を残す。

そっか。どことなく寂しそうな目で、ユリアナが少年を見ている。若干の失望の色、それはオブモに向けられたものか、それとも自分自身にか。
リリアも、握りしめていた陰嚢から名残惜しさも見せずに手を離す。すい、と彼女の手が上り、少年の胸板のあたりで静止する。頭を彼の背中に預け、ため息ひとつ。
ーーー彼は、あと一歩深く考えるべきだった。何故、単なる賊に過ぎない自分が、ピンポイントに特定の人物の消息を尋ねられているのか。

「……最ッ低」
「ぐ、ぐああああああっああッ!!?」

ボソリと、別人のような低い声でリリアが呟く。次の瞬間、雷霆のような速度で振り下ろされた両の拳が少年の睾丸を床に打ち付け、変形させた。
身体が跳ね上がり、痛みで視界に星が飛ぶ。腹膜で繋がった、内臓全体が掻き回されたように悲鳴をあげる。後ろ手に拘束された腕では股間を庇うことすら出来ない。
ただ只管、胡座をかかされた体勢のまま、腰と脚を曲げ伸ばしして耐え難い苦痛を誤魔化そうと喘ぐしかなかった。
絶対零度よりも冷え込んだ瞳で、ユリアナは悶絶する少年を観察している。リリアの視線が彼女に向くと、悲しげな顔で頷く。それだけで二人は通じ合っていた。
何が起きたか分からず、ただ股間から止めどなく溢れる痛みに歯を食いしばる少年に、ユリアナが優しく語りかける。
その口調は、つい先ほどまでと全く同じ、穏やかで慈愛に満ちたもに戻っていた。

「噓はダメって言ったでしょ?ボクが嘘ついたって、お姉さんたちにはすぐ分かっちゃうんだよ?」
「あ……が……あ、ああ……ボク、噓なんて……」

言い切る前に、再び音もなくリリアの両腕が持ち上げられる。そのまま鉄槌の形に組み合わされたソレに、少年は恐怖の声をあげる。
ユリアナは片手でそれを制すると、少年の目を覗き込みながら出来の悪い生徒に教え諭す口調で告げる。

「ボクちゃんたちは仕事が雑ね……神は細部に宿るって諺、知らない?重りをつければ、死体は浮かんでこないと思ってた?」
「………………ッ!!?!」
「顔をグチャグチャにするなら、身包みも剥がなきゃ。でも、腕や足、身体の特徴でよく見たらバレるかもね。ふふ、リリアったら吐いちゃったのよ?」
「……オ、オレ、いや、ボクには、何言ってるのか……」
「外套、高価いもんね。ちょっと血に汚れたぐらいで買いなおすってワケにはいかない、よく分かるわ」

淡々と語られる内容に、少年は戦慄する。すべてバレている!足元が崩れて、深い穴に落ちていくような錯覚を覚える。
泊まっていた木賃宿からご注進があったらしい。何か、血生臭い子供が、おたくと揉めた男と組んで何かを企んでいるようだと。そして、惨殺された使用人が見つかった。
彼は、自分の迂闊さを呪う。死体が無ければ、多少外套が血に汚れていてもどうということはない。あの時、せめて外套を脱いでおけば。だが、後悔先に立たず。
そも、他人の格好など、剥いだら高価で売れるか以外で気にしたことがなかった。他人への興味が薄かった。だから、少年にとってこれは完全に盲点。

「あんなの見れば、警戒するに決まってるじゃない。ボクたちは、飛んで火にいる夏の虫ってヤツだったの」
「オブモさん、本当、最後まで真面目な方だったんですねぇ。亡くなってまで、リリアたちに危険を伝えてくれるなんて」

少年は必死に頭を働かせる。何とかしてこの場を切り抜ける方法を考える。だが、無駄だ。すでに詰んでしまった盤面をひっくり返す手段はない。
とうとう観念した様子で、二人に疑問に思っていたことを問いかける。口調も、彼の素のものへと戻っていた。

602名無しさん:2022/01/27(木) 23:55:22 ID:M4TJLuZQ0
「ねぇ、アンタたちとアイツ、一体どういう関係だったんだい……?」
「そうだね。仕事上がりに挨拶したり、お祝いごとでちょっとお話ししてみたり。あとは……たまーに、一緒にご飯を食べたりする程度かな」
「それだけの関係なの、本当に……?」
「そりゃそうでしょうよ。お店の女の子と、使用人が恋仲になるなんて厳禁、言語道断。特に、あの子は使用人の中でも堅物な方だったし」
「オブモさん、真面目でしたからねぇ。いつか出世して、私達の担当にもなるかもねとか二人で話したりもしてたんですよ」

ユリアナは、懐かしむように遠くを見つめる。リリアは楽しげに、それでいて少し寂しさを感じさせるような笑みを浮かべていた。
そんな、どこにでもある日常の一コマを語る二人の姿に、少年は得体の知れない不気味さを感じていた。呆然と、問いを続ける。

「……なんで、それだけの関係で危ない橋を渡れるのかな……?そこまでする理由はないよね……?」
「理由?」
「タマを潰す商売女なんて知れわたったら客も減るでしょ。評判も傷つく。全部、アンタたちの雇い主にでも任せておけばいいじゃん。なのにどうして……」
「任せたところで、首を落として終わりだよ、絶対。問題から目を背けているだけ……何の解決にもならない」
「言ってる意味が分からないよ。殺すのが一番手軽だし、確実だし、賢いよね?」
「そんなのは『逃げ』です。臭いモノに蓋をするだけ……オブモさんも浮かばれないでしょう?」

少年は、リリアの言葉の意味が分からなかった。逃げるのは悪いことではない。むしろ、生きていればこそ出来ることだ。
彼はまだ、リリアたちが何故こんな事をしているのか理解していなかった。ただ、その恐ろしさだけが心に刻まれていく。
二人は、そんな少年の様子をじっと見つめると、互いに顔を合わせて小さくため息をつく。そして、リリアが口を開く。

「リリアたちは、ただキミたちに『更正』して欲しいだけです」

それは、今までの会話の流れとはあまりにもかけ離れた言葉。だが、不思議と違和感のない一言だった。
少年の目を覗き込んだまま、ユリアナが落ち着いた様子で少女の語りを引き継ぐ。艶のある流し目で、去勢され痙攣している男を一瞥。

「あの恩知らずはね……もうお説教じゃダメだって分かっちゃったから、無理矢理、心を入れ替えてもらったんだ」
「アレが売った『お仲間』の末路は悲惨でしたから……オブモさんも、わざわざ『アイツも一味です』なんてオーナーに告げ口しませんでした」
「その結果がコレ。やっぱり、半端な情けは誰のためにもならないのよね。だからーーー」

リリアの両指が解かれ、少年の鎖骨に触れる。ゆっくりと下に流れ、彼の胸板、乳首、腹筋と形を確かめるように降りていく。
やがて下腹部、臍の真下から睾丸に人差し指が到達すると、ソコをトンッと軽く押し込み薄く微笑む。さきほどの、激昂の残滓はどこにもない。
悪戯っぽい声音。リリアが少年の耳元で囁く。

「物理的に、『矯正』してあげましたぁ。ふふ、『矯正』と『去勢』って何だか似てますね♡」
「ちょっとは痛かったのかもしれないけど、丁度いいお灸にもなったんじゃないかしら?」

二人は、いつの間にかクスクスと笑い合う状態に戻っていた。リリアだけではなく、ユリアナも片手を伸ばして遠慮なく彼の睾丸をつつき始めていた。
平常であれば、痛みではなく痛痒い快楽をもたらすであろう絶妙の力加減。彼女たちが、ソレの扱いに習熟していることを思い知らされる。
だが、今は違う。数度、二人に責められただけでここまで苦しいのだ。もし、本当に潰されたらーーー途轍もない恐怖、絶望が少年を包みこむ。

「ちょっと、ちょっと待ってよ。そんなコトされたら死んじゃうよ……アンタたちには分からないんだろうけど……」
「いーえ、死にませんよ?別に無いと困る場所ってわけじゃないんですから……ほぉら、リリアたちだって『持ってない』ですもの」

喘ぐように為される男としての命乞い……『タマ』乞いか……少年の必死に睾丸に二人はにべもない返答。リリアが、また自分の股間を彼の両手に擦り付ける。
確かに、そこにあるべきモノが無い。代わりに、つるりと滑らかな割れ目がそこにはあった。彼は、視界が闇に閉ざされていくような錯覚に目眩。
そんな少年を落ち着かせるように、睾丸をつつく指を止めぬままユリアナも語りかける。

「家畜だって去勢するでしょう?でも、タマ取ったからって死んじゃったりはしないよね?」
「大人しくなるだけ……人間も同じみたいです。アレ、どうしてなんですかね?リリア、はじめっから無いからいっつも不思議です」
「さぁ?でも誂えたみたいに都合がいい話よねぇ。簡単に出来て、後悔するほど苦しんで……どう苦しいのかは知らないけど……そのまま、気性も落ち着くんだもの」

603名無しさん:2022/01/27(木) 23:57:17 ID:M4TJLuZQ0
そう言いながら、ユリアナは少年の金玉袋から手を離す。そして、慈母のような笑みを浮かべると、優しくそれを撫でさすり始めた。
その表情には先程までの嗜虐的な色は微塵も無い。どこまでも優しい手付きに、彼は困惑した。ボクちゃんが『男の子』で良かったわ、続く言葉に戦慄する。

「い、いや、待ってよ。本当に死ぬんだ……実際に死んだって話も、オレ、聞いたことある」
「そんなに痛いんですかぁ。だったら、なおさら良かったですねぇ。自分の罪の重さを十分に実感できるじゃないですか」
「心配性だなぁ、ボクちゃんったら。タマが潰れたから死ぬってコトはないの。潰れたタマから血が流れすぎたとか、苦しくて息が出来なくなったとか、別の理由で死ぬの」
「でも、だったら、同じことじゃん!死んだら、更正もなにも無いーーーぐひぃッ!」

きゅ、軽くユリアナの掌に力が込められる。それだけの行為で差し込むような痛み。睾丸から貫くソレに、少年の訴えは苦もなく却下されてしまう。

「痛そ。でも安心して。血が流れすぎないように、袋の付け根をキチンと縛るし。息が止まったなら、お姉さんたちが代わりに吹き込んであげるわ」
「キミは何も難しいこと考えなくていいんです。ただただ、死ねないまま、死ぬほどの痛みを堪能して貰えればお仕置きとしては十分ですから」

二人とも、まるで井戸端会議をしているかのように当たり前の顔をして恐ろしいことを言う。それが、冗談ではないことを彼の身体が証明していた。
彼女たちの指先は止まらない。陰嚢を揉むように弄び、時折、爪を立てて弾いては楽しげに笑う。その度に、少年の全身を電撃じみた刺激が駆け巡った。

「あぎっ、ひぃ、痛い、痛いっ!!止めてぇ、もう許してよぉ!!」
「んふふ、何を許すんですかぁ?リリア、よく分かりません。教えてくださぁい」
「そもそもね、ボクちゃんは子供だからさ、最初はココまでしないといけないか迷ってたんだ……お折檻だけですましてもよかったの」
「じ、じゃあ、何で……ッ!!?」

悲痛な叫びに二人の動きが止まった。営業の笑顔が剥がれ落ち、呆れ果てた表情でユリアナが彼の頬を両手で挟む。
自分がやったコトを考えてみなさいな、囁かれる声に少年は必死に記憶を探っていく。だが、どの行動が彼女たちの不興を買ったのかが分からない。
しらばっくれようとしたコトか?嘘をついたコトか?開き直ったコトか?思い当たる節がありすぎて逆に何もわからない。
そんな少年の心を読んだかのように、耳たぶを甘く噛みながらリリアのくすぐり声。正面から、ユリアナの熱い吐息と囁き声。

「確かに、嘘吐きは『下』抜いちゃうって言いましたけどぉ、そんな理由じゃないですよぉ」
「話してて分かっちゃったんだけどさ。ボクちゃん、共犯じゃないよね。ボクちゃん『も』主犯だよね」

少年の背筋を冷たいモノが伝った。心の底まで見透かす瞳でユリアナに見つめられ、少年は思わず目を逸らす。
それこそが答えだと言わんばかりに、彼女は深いため息を吐き出した。恐ろしい子、目を伏せて唾棄する言葉を吐き捨てる。
今ここで『去勢』……いや、『矯正』出来てよかった。大丈夫、若いんだからやり直せるわ、ユリアナは自分に言い聞かせるように呟く。
リリアからは、タマなんて無くても人生は乙なモノですから、気を落とさないでくださいね、と空虚な慰めの言葉。

少年は、ユリアナたちの中で『潰す』という裁可が既に下されている事実を理解してしまった。
彼女たちの身勝手さを呪わずには居られなかった。こんなに気軽に、ヒトの人生を捻じ曲げる決定を下せるなんて信じられなかった。
怨嗟は既に男としての命運を断たれた相棒に、そして彼が遊びついでに惨殺した使用人の男にまで向けられる。
アイツに少しでも骨があれば。自分に殺されていなければ、オレはこんな目に合うこともなかった。そんな不満が思わず口から溢れる。

「そんな……それだけのコトで……?あんな冴えない、一山いくらのヤツを殺したぐらいで……?」
「……」
「……」

一呼吸分の沈黙。そして、背後から。リリアの両手が伸ばされ、少年の金玉袋を軽く撫で上げる。ズキリとした痛みの残滓に思わず彼の身体が強張る。
彼女は少年の動揺など一切お構いなしに、そのまま陰嚢を揉みほぐす様に弄ぶ。少年の不満は、掠れた悲鳴へと変わっていく

604名無しさん:2022/01/27(木) 23:58:24 ID:M4TJLuZQ0
「ま、待って。そこは、オレの……」
「リリアたちにとっては、これだって幾らでも替えが効く、『一山いくら』のモノに変わりはないんですよ」
「ち、違う。そこは、そこは、取り返しがつかない……」
「この街には何万人も男の人がいて。例えば二万人いるとすれば、四万個ぐらい金玉があるわけです。そのうちの二つが無くなったところで、なんの問題もなくないですか?」
「こんなちっちゃい『冴えない』キンタマ。潰される『ぐらい』で済んで良かったと思えないのかしら?不思議ねぇ」

少年の顔が絶望に染まる。彼にとっては、自分の命より大事なものが、この場ではゴミ同然の価値しかないのだ。
ありえない!理不尽だ!叫びたい気持ちが込み上げてくるが、共感してくれる人間はここにはいない。ただ一人、共感できた男はすでに『男』を没収されている。
彼の股間にぶら下がる二つの球体は、まるで玩具のように彼女たちの手の内で弄ばれている。痛みと恐怖に震え、萎えた性器が情けなく垂れ下がっていた。
事前に聞いていた情報。『甘い』だの『篤志家』だの。『恵まれないモノに手を差し伸べがち』だの。噂と現実の、あまりの落差に目眩すら覚える。

「待ってよ……アンタたち、プライドとかないの?縛り上げた子供を……もうちょっと、こう、罪悪感とか……。あるでしょう!?」

ユリアナは鼻で笑った。リリアはくすりと微笑んだ。二人とも、彼には慈悲も容赦もない。
彼女たちの表情に浮かぶのは、嘲笑と軽蔑。弱者に対する憐れみではなく、傲岸不遜な愚か者に見せる侮蔑の色だった。

「キミはどうでした?」

リリアが問う。問いの意味が分からず、少年は困惑する。自分は持たざる者、弱い側なのだ。
自分『が』奪うのは不可抗力、だが自分『から』奪うなんて許されない。言わずもがなの常識を理解していない女たちが、ただひたすらに恐ろしい。

「あのね。顔見知りをケバブにされて。笑って流さないと保てないプライドがあるなら……そんなもん、『くそっくらえ』よ」

ボクちゃんのタマほどの価値もない。ユリアナの言葉が続く。その声は、先程までのふざけた口調とは打って変わった冷淡なもの。
女性特有の高いトーン、耳に心地よい落ち着いた声。しかしそこに込められた感情は一切の温もりがない。心を凍り付かせるような酷薄さだけがあった。
少年は、初めて見るユリアナの姿に、思わず気圧されてしまう。

「それにね。ボクちゃんは勘違いしてるみたいだけど、『子供だから』許すんじゃないの。『子供だからこそ』見過ごせないの」

ユリアナの声色が変わる。それは、うら若い女性のものから、年長者としての責任を問うものへ。
今はまだ子供だから、その性根でも押し入り強盗の真似事で済んだ。だが、成長して体格を備えればどうなるのか。
冷酷にして傲岸、子供らしい残酷さと小賢しい精神性。それが大人の男の体躯に備われば、一体どれほどの悲劇を起こしうるか。

捕らえられた当初は、あどけない子供だと思った。リリアと似た年頃、悪い大人に騙されて悪事の片棒を担がされた被害者ではと心を痛めた。
その憤激のまま、あの『懲りなかった』男に嘲弄の限りを尽くした。無慈悲に、せせら笑いながら彼の睾丸を握り潰した。貴方にタマは必要ない、相応しくないと。
だが、どうだ。この少年は、あんな『元』男など比べ物にならないほどに異質で邪悪だ。まるで枕元で百足を見つけたような生理的嫌悪感が湧き上がってくる。

そう。毒虫みたいな子供だった。こんな奴が将来、社会に増えていくかと思うとゾッとする。
その一方で、彼女は少年を哀れだとも思う。どんな人生を送ってきたのかは知らない。しかし、虫のように欲望に振り回される姿は、あまりにも痛々しい。
率直にいって、ユリアナは子供が好きだった。こんな救いようがない屑でも、手を差し伸べられるなら助けてあげたいと思えるぐらいには。

そして、その方法はある。彼が、彼『女』なら無理だった。目玉を抉るなり腱を切るなり、未来を奪わないと無力化は出来なかった。
不幸中の幸いにも、彼は『男』だ。ならば、暴れ馬にするように『タマ』を抜いてあげればいい。肉になるしか無い馬に、未来を与えてあげるように。
そうすれば、危険な体格に育つこともないだろう。当然、これ以上増えることもない。身を滅ぼしかねない欲望も跡形もなく静かに消えてなくなるだろう。
これは、とても優しい結末。生活に不便が生じるわけでもない……少なくとも、女であるユリアナには『無い』ことによる不都合は思い当たらない。
それが普通で、当然だからだ。睾丸が無いことに、彼女たちは違和感も後ろめたさも抱いたことはない。この子も若いのだから、すぐ慣れるでしょうと安心している。

だから、心配しないで。そう、優しく語りかけようとした時、少年の瞳に涙が浮かんだ。それは、悲しみや恐怖によるものではない。

605名無しさん:2022/01/27(木) 23:59:09 ID:M4TJLuZQ0
彼は悔しくてたまらないのだ。何故、自分が奪われなくてはならない。何一つ間違っていないのに!何もしていないのに!理不尽な現実への怒りが、涙となって溢れる。
自分は奪う側なんだ。自らを由とする側なんだ。なんで、狂った論理を振りかざす?奪われる側のくせに、あべこべにオレのタマを潰そうとする?奪おうとする?
彼女たちの言葉は、まるで『ヒトが豚を食うから、豚もヒトを食っていい』という暴論に等しいものに思えた。支離滅裂で、破綻していて、どうしようもなく理解不能。

「ふざけんなよ……死人に、それも、関係無い他人にかこつけやがって……!オレは、まだ子供なんだ……未来があるんだよ……!」

少年は嗚咽交じりの声で叫ぶ。その叫びは、心の底からの本音。嫌悪に嘔吐感を催し、リリアが彼の背中でえずく。
同年代、だが曲がりなりにも組織の一部として、日陰者でも社会の一員として生きてきた彼女には、彼の叫びはあまりに身勝手で醜かった。

ユリアナもまた、同じ気持ちだった。だが、同時に使命感が燃え上がるのを感じる。自分が、自分がこの少年を何とかしなければならない。
視線を感じて顔を上げる。そこには不安そうな表情のリリアがいた。彼女に小さく微笑みかけると、ユリアナは静かに立ち上がる。
少し、荒療治が必要かな。そう結論づけると、プチリと小さな音を立てて彼女の衣服が床に落ちる。微かな衣擦れの音。
少年が目線を上げると、芸術品と呼んでも差し支えない裸体が惜しげもなく彼の眼前に曝け出されていた。

---

目の前の光景に言葉を失う二人。その沈黙を破るように、ユリアナが口を開く。
その声色は先程までの優しさに満ちたもの。しかし、どこか威厳と冷たさを含んだ不思議な響きがあった。
視界いっぱいに広がる女体。白くきめの細かい肌にはシミ一つなく、胸の膨らみは形良く張り詰めている。腹筋は薄く割れており、腰回りは細く括れて美しい。
そのくせ太股や尻の肉付きは豊かで、柔らかな曲線を描いている。そして、それら全てを覆う体毛は一本たりとも見当たらなかった。
それは、まさに神の手による造形美。少年が今まで無理矢理抱き捨ててきたどんな女性の体よりも美しく、妖艶であった。
ごくりと生唾を飲み込む音が聞こえる。彼は、それが自分のものだと気付くまでに数秒の時間を要した。

「タマタマ虐められてるのに元気ねぇ」

クスリと笑いながら歩み寄るユリアナ。その姿はまるで小悪魔のような愛らしさがあり、それでいて母性すら感じさせるものだった。
興味の大半を失った視線で部屋の端、金玉をすり潰されて悶絶している『元』男に視線を流す。そして、再び少年に向き直り、そっと耳元に唇を寄せて囁いた。

「未来があるのか、確かめてあげる。ボクちゃんに、男として生きていくだけの価値があるのか……」

ふぅっ…… 甘い吐息と共に吹きかけられる熱い舌。背筋を走るゾクゾクとした感覚。そして、下腹部の奥底から湧き上がってくる疼き。
と、不意に冷たいものが陰嚢に触れたのを知覚。恐る恐る下を見ると、いつの間にかリリアがまたしても彼の急所を両手で包み込んでいた。
氷のように冷たい指先の感触に思わず悲鳴を上げそうになる。だが、彼女はそれを許さないと言うように、しっかりと少年の本体をホールドする。

リリアも、ユリアナが何をしようとしているのか分からなかった。信頼はしている、だが、それでもやはり心配なのだ。
不測の自体にそなえて、陰嚢を掴む手に力が入る。最悪なにが起きても、ここを握れば男は無力化できるはずと必死に心を鎮めようとする。
十分に痛めつけた、この害虫みたいな少年もココだけは弱い。理解はしている。だが、睾丸を持たぬ身故に実感はわかない。
リリアのそんな心中など知る由もない彼は、突然の刺激に体を震わせる。全身に鳥肌が立ち、冷や汗が噴き出す。

「そこまで言うなら試してあげる。私を歓ばせることが出来たら、将来性に免じて許してあげる。憲兵に突き出すだけで勘弁してあげる」
「え………」

ユリアナは、股間の割れ目を少年の鼻先、触れるか触れないかのギリギリまで近づけて胸を張る。彼が舌を伸ばせば届く距離に性器があった。
その奥からは、むせ返るような雌の匂いが漂ってくる。脳髄を直接蕩かすような甘ったるい香り。少年は頭がクラクラしてくる。
これまでは、手先。触感でリリアのソコは知覚していた。だが、いざ、視覚的に直視させられると、得も言われぬ感覚に痺れてしまう。

606名無しさん:2022/01/27(木) 23:59:56 ID:M4TJLuZQ0
油断するなと理性からの警告。彼女が男であれば、少年は躊躇なく急所に噛み付いていただろう。
しかし、今、この瞬間に彼の目の前に晒されているユリアナの股間には急所など、金玉など付いていない。その事実が、逆に少年の興奮を煽っていく。

「ボクちゃんの小さなおちんちんだと荷が重いだろうから、舌を使って頑張って?子供だから、大サービスだよ」

ユリアナの言葉が、思考が、ゆっくりと染み込んでいく。目の前にあるのは、柔らかく温かい秘裂。少年の本能が、それを舐めろと叫んでいる。
理性が、ダメだと叫ぶ。未だに、彼の陰嚢はリリアに掌握されているのだ。少しでも彼女たちの意に沿わぬ動きをしたならば……。
場を包む雰囲気の落差に、感情が追いつかない。ただ、心臓の鼓動だけが早鐘を打つ。口の中はカラカラで、喉は焼けるように乾いていた。

「でもね。もし気持ちよく出来なかったら……女一人歓ばせることが出来なかったら……そんな子は男として生きててもしょうがないって納得できるよね?」

優しげな声のまま、ユリアナが少年を現実に引き戻す。彼女の瞳には、有無を言わさぬ迫力があった。
少年とリリア、二人はようやく彼女の思惑を理解した。リリアの両手から緊張が抜け、逆に少年の全身に緊張が走る。
蜘蛛の糸より頼りない命綱。少年は、彼女が自分を嬲るつもりだと理解していた。だが、ソレに縋るほか道がないことも知っている。
それに。もし、ぐうの音も出ないほどに彼女を感じさせることが出来れば。無駄に義理堅いバカ女だ、本当に自分を解放してくれるのかもしれない。

「ほら、女の子のは出っ張ってないから。自分からむしゃぶりつかないとはじまらないよ」

逆らうことなど出来ない。少年の心に植え付けられた恐怖心が、その判断を下す。彼は震える唇を開き、小さく舌を突き出した。
チロリと、ほんの少しだけ出た小さな舌。それは、まるで猫の子供がミルクを飲むかのような弱々しさだった。そっと、目の前の柔肉を舐める。
しょっぱい味がした。だが、それ以上に感じるのは圧倒的な存在感。女の体臭と汗と愛液と尿の入り混じる淫靡な香りが鼻腔を刺激する。
舌先が割れ目に触れる。ユリアナは、懸命に頑張る幼児を見守る目で優しく微笑んでいた。

「タマタマが大事なら、一生懸命頑張らないとダメよ?もし、手抜きでもしたならーーーリリィ?」
「あ、そういうコトですかぁ。また変わった趣向を思いつきましたねぇ」

リリアが、再び少年の陰嚢を握る。今度は、万力のような力で。そして、ギリギリと捻り上げる。

「ぎゃあああああっ!痛い痛いっ!」
「あら、ごめんなさい。つい手が滑っちゃいました。頑張って舐めているなら握っちゃダメ、ですよね?」
「呑み込みが早くて助かるわ。もし、この子が気を抜き始めたら、そうやって注意してあげて欲しいの。だって、私を歓ばせられなかったらーーー」
「キンタマ、ブチュっですもんね。ふふ、確かに、コレならこの子の未来にタマタマが必要か、客観的に判断できますねぇ」
「そういうこと。じゃ、引き続きよろしく頼むわね」
「はい、任されました」

リリアは笑顔で答える。その言葉を聞いて、少年は泣きそうな顔でユリアナを見る。
ユリアナの顔は変わらない。先程までの優しい笑みを浮かべたまま。だが、無言で催促の視線を向けてくる。
少年は必死に舌を動かす。舌先に神経を集中し、出来る限り大きく動かす。だが、それでは到底足りない。
彼の舌先がユリアナのクリトリスに触れる。それでも、ユリアナの表情に変わりはない。子供をあやすような慈愛の眼差しのまま。

「舌の動き、悪くなっていますよぉ。ちゃんとしないと、いつまで経っても終わりませんからねぇ?」
「ひっ!?や、やめて、もう許してぇ」

少年が情けない声を上げる。ユリアナは、ただ見ているだけだ。それが一層プレッシャーになる。
彼の頭の中では様々な考えが渦巻いていた。このまま舌を動かし続けたところでどうにもならないのではないか?そんな思いが浮かんでは消えていく。
……実際、その通りだ。ユリアナは、少年の『男としての自尊心』を粉々に打ち砕いてやろうと決めていた。
ラクダの背を折る最後の藁という言い回しがある。ユリアナの忍耐は、藁どころではない、鉛のインゴットの如き少年の無法な言葉に既に複雑骨折の様相。
去勢は確定事項として、その前に。男である内に、完膚なきまでに、言い訳も出来ないほどに鼻っ柱を圧し折ってあげないといけない。

607名無しさん:2022/01/28(金) 00:00:29 ID:WFz7N8Z60
だからこそ、彼女は敢えて何もしない。少年が自ら望んでユリアナへ奉仕するという状況を作り出そうとしていた。
そうでもしないと、この子はタマを潰しても男で『あった』ことに変な未練を残してしまうかも。そんな気遣いも僅かながらある。

「ヘタクソねぇ。女の子、舐めるのは初めて?」
「……はぁ、はぁ、クッソ……!」
「まぁ、ちんもタマも仔犬みたいに小さいですからぁ。女の子からしても、あんまり相手して楽しくないっていうかぁ」
「ぐぅう……」
「ほらほら、がんばってください。女の子を満足させられない男の子は、『男』を没収しちゃいますよぉ」

ユリアナの落胆。リリアの嘲笑。だが、少年は屈辱に震えながらも舌を動かす。ただ、彼の目はまだ死んでいない。
まだ、負けてはいない。その瞳が雄弁に語っている。ユリアナは内心、感嘆する。正しい方向ではないが、折れない芯がこの子には残っている。
しかし、いくら努力しようとも結果は同じだ。舌使いが多少マシになった程度で、彼女を絶頂に導けるほど上手くなれるわけではない。
色事についてはユリアナは百戦錬磨。付け焼き刃の技など通用しようはずもないのだ。淡々と、つまらない表情を作って彼女は少年の『男』を否定する。

「やっぱり『男の子』辞めちゃわない?お姉さん、ボクちゃんが『男』でいる意味が分からないなぁ」
「こんなつまらないモノに、どうしてそこまで拘るんでしょうかぁ?別に無くても生きていけますよねぇ」

リリアが少年の股間を弄ぶ。陰嚢を握り締め、竿の先端を指先で引っ掻く。少年が悲鳴を上げて体を震わせる。
それでも、彼は舌を止めなかった。睨めつけるようにユリアナを見上げ、屈辱と憎悪に塗れた顔で必死に舌を動かす。
反省の色はない。もちろん、後悔も、改悛の念も皆無。その様子に、流石のユリアナもため息をつくしかなかった。
(ここまでとは思わなかったわ)
正直、これ以上に彼を辱めるのは気が進まないというのはある。だが、ここで下手に妥協するわけにもいかない。
もし妥協すれば、少年は間違った成功体験を得るだろう。それはきっと、彼の将来に禍根を遺す。だから、徹底的に。
この子を完全に屈服させないと。タマを二つとも潰すともう決めたのだから、半端な仏心は返って彼のためにもならない。
心を鬼に、気合を入れ直すとユリアナはつい、と腰を引いた。少年が追いかけるように舌を伸ばす、が、ギリギリ女性器には届かない距離。

「え……?」
「あら?お口がお留守になってるわよ?」
「あ、本当ですねぇ。リリアのお役目的に、ここは『喝』を入れるトコロですかねぇ」

あ、と呆けたのは一瞬。リリアが、力いっぱい彼の金玉を握る。そしてそのまま、グイグイとその指を押し込み捏ね回す。
激痛に声も出せず、全身が痙攣する。鼻先まで女性器を突きつけられるのだが、ユリアナは少年の動きに合わせて腰を引き決して本体に触れさせない。
まるで拷問だ。彼は彼女の股間に顔を突っ込もうと必死になって舌を伸ばす。ユリアナは軽やかにそれを躱す。
四苦八苦する少年を見て、二人は楽しそうに笑う。

「ほら、頑張って?男の子の証、なくなっちゃうわよぉ?」
「ふぎゅぅ!ひゃ、やべぇ、やめてっ」
「だったら、ちゃ〜んと舐めないと。それだけでいいのよ?男の子なら簡単よね?」
「ぐぎゃあああっ!!ひ、ぎいいぃっ!!無理、と、届かない、無理ぃぃぃぃッ!!」
「知りませーん。ちゃんと捕まえておかないとダメじゃないですか。ほら、こんな風にィ」

608名無しさん:2022/01/28(金) 00:01:34 ID:WFz7N8Z60
リリアの指が彼のの睾丸で最も敏感な部分に食い込む。神経を直接撫でられているような感覚。臓腑を掻き混ぜられる感覚。
砂漠で水を求めるように懸命にユリアナの股間を追うが、彼女は右に左に腰を揺らせて、絶妙に少年の舌を女唇に当てさせない。
その動きは、まるでダンスをしているかのようだ。少年は悶絶しながら、なんとか舌を伸ばそうとするものの、あと少しというところで逃げられてしまう。
何度もそれを繰り返している内に、少年の顔からは余裕というものが失われていく。
捕まえろ、そうリリアは言った。実際、彼女はしっかりと彼の男性器を捕まえて圧迫し、腸を捩るが如き痛みを与えている。
だが、ユリアナの股間は違う。捕らえられる、捕まえられる部分がない。出っ張っている『モノ』など付いていない。
少年が舌を伸ばしても、届かない。痛みで舌が縮こまる。ユリアナが逃げる。舌が伸びる。捕まらない。その繰り返し。
舌を伸ばしても伸ばしても、そこには何もない。ただ、虚しく空を切るだけ。その事実が、彼に絶望を与える。
リリアに潰され、ユリアナに逃げられる。終わりのない苦痛が延々と続く。

「ひ、ひいぃっ!!ひいぃっ!おねがいしますぅっ!舐め、舐めさせでぇぇえッ!!」
「いいよ、ほら、しゃぶって♡」
「いだいぃっ!届、届きまぜんがぁあああぁぁッ!!!!」

ついに少年が音を上げたのか、言葉に敬語が混ざる。許しを請いながら、必死になって舌を伸ばす。届かない。何度やっても変わらない。
泣き叫びながら、舌を限界まで伸ばす。それでも、ユリアナには届かない。舌の先が触れることさえできない。
舌先と、女性器の間には、指一本分の隙間があるかどうか。そんな僅かな空間で、彼は一生懸命に舌を動かしている。
だが、それも無駄なこと。どれだけ舌を伸ばそうとも、そこには何もない。ただ、虚しいだけだ。
少年の捻じ曲がった自尊心に罅が入りつつあるのを察して、リリアとユリアナ、二人がくすりと微笑む。

「それじゃあ、もう潰されちゃうしかないんじゃないですかねぇ。残念ですぅ」
「えぇ、本当に。せっかくチャンスをあげたのにねぇ」
「お願いじまずっ、舐めさせ、舐めさせてくだざいいっ!」

残念と言いながらも、リリアは手を緩めることはない。少年は半狂乱になりながら、ユリアナの股間を追おうと舌を懸命に伸ばす。
しかし、結果は同じ。彼女の女性器に触れることはできない。ただ、少年が苦しみ喘ぐ時間だけが過ぎていく。
どれだけ意地を張ろうと、男である以上睾丸を『躾』されてしまえば無意味。少年がいかに強がろうが、屈服せざるを得ないのだ。
ユリアナは天の采配に感動する。どこまでも性根が腐っていようと、何とかしてあげられる『救い』を彼に残しておいてくれたことを。
ーーー自分が男に生まれずにすんだコトへも一厘の感謝。胸が詰まるような思いとともに、彼への懲罰を続けていく。

「ほら、どうして舐めてくれないの?タマタマ要らなくなっちゃった?」
「もしかしたら、キンタマ潰されるのって気持ちいいのかもしれませんねぇ。リリアたち女の子には分からないだけで」
「ち、違、違いまずっ!届かないんでずぅ!!ひぎぃっ!!」
「届かない?何で?お姉さん、しょっちゅうその体勢で男の人に天国を見せてあげてるよ?ボクちゃんがヘタクソなだけじゃない?」
「お”ね”、お姉ざんにはぁッ!付いでないがらア”ッ、出っ張りがあぁッ!」
「出っ張り?出っ張りって何のこと?」
「おちん、おちんちんですぅッ!!おちんちんと、キンタマアアォぉおおッ!!!」

少年は必死になって叫ぶ。プライドも何もかもかなぐり捨てて、子供のように泣きわめきながら懇願する。年相応の語彙での哀願。
ユリアナとリリア、二人の女性は顔を見合わせて、くすりと笑う。そして、同時に手の動きを止めた。
ようやく与えられた休息。少年は、はぁはぁと荒く息を吐きながら安堵したように脱力し…………その醜態をユリアナが静かに見下ろしている。
穏やかな声音で問う。

「おちんちんとキンタマが『無い』から、ボクちゃんは私のアソコを責められないの?」
「はい、そうですぅ……」
「もしかしてと思うけど、おちんちんとキンタマが『有る』からボクちゃんはそんなに苦しそうなの?」
「…………」

609名無しさん:2022/01/28(金) 00:02:24 ID:WFz7N8Z60
彼女が何を言わせたいのかを察して、少年は口を噤む。その意固地さにリリアが呆れたようにため息をつく。
日の当たる道を歩んでいたなら一角の人物になれていたでしょうに、ユリアナは心底残念だと内心で呟いた。当然、口には出さない。
だからこそ、少しでも真っ当な道へ戻れるよう手助けをしてあげなければならない。これ以上、人の道の外に堕ちないで済むように。
自分の欲望に振り回されて、他人を害して、奪って、殺して当然と嘯くなら。その欲望の根源は取り除かれなければならない。彼自身のためにも。
それが自分の役目であり、使命なのだとユリアナは感じていた。狂信者の妄信ではない。彼女はまだ、心のどこかで少年の善性を信じている。

「じゃあ、ここまですればどう?」

一呼吸の後、ユリアナは少年の後頭部を掴むと強引に股間へと押し付ける。当然、顔に陰毛が触れるほど深く密着することになる。
ユリアナの太腿が彼の顔を挟み込み、左右から締め上げる。鼻先がクリトリスを押しつぶし、息ができない。この体勢では舐めるどころか、呼吸すらままならない。
そんな彼の苦境を気にも留めず、肩車を逆にした形で少年に跨ると、体重をかけて彼を仰向けに押し倒した。
リリアが慌てて少年に絡めた足を解くと、彼の背後から離れる。やっとのことで解放された少年だったが、今度は背中を床に打ち付けられ、悶絶する。
ユリアナはその無様な姿を冷たく見下ろす。

少年の身体は、ユリアナの両足に挟まれ、身動きが取れなくなっていた。リリアが、今度は正面から両脚の間に足を差し込む感触を感じる。
そのまま彼女が腰を下ろすと、少年の足首が拘束されている関係上、必然とM字開脚の形を強いられることになる。
ユリアナの両脚が閉じられると、少年の顔は完全に彼女の股間に埋もれてしまう。しかも、それだけに終わらない。
彼女の両手が少年の頭を押さえつけ、更に強く股間を押し付けてきたのだ。ユリアナの秘所に押し付けられた顔面。酸素を求めてもがくたびに、舌が割れ目を擦る。
先程までよりも、ずっと濃厚な女の匂いが少年の肺を満たしていく。

「さっき、舐めさせてってお願いしてたよね?ほら、好きなだけ舐めなさい」
「ふぐぅっ!?」
「これなら下手な言い訳もできないですねぇ。ほら、『男』とやらの見せどころですよ?もう『男』辞めちゃいますか?」
「んーっ!!ンッ、ングゥウ!!」

少年は必死になって首を横に振る。だが、そんなものはなんの助けにもなりはしない。
ユリアナは少年の頭をしっかりと押さえつけて固定すると、彼の顔に自らの秘部を強くこすりつける。
リリアは自然体で彼の陰嚢、睾丸を再度両手で握りなおすと、手加減無用とばかりにぐりぐりと揉みしだく。
二つの急所に加えられた凄まじい激痛。少年は声にならない悲鳴を上げる。
そして、その痛みによって意識は否応なく下半身に集中してしまい……ユリアナの股間の匂いと味、そして柔らかさをより一層感じ取ることになってしまう。
少年の脳内は、苦痛と快楽、そしてその二つを遥かに凌駕する絶望に支配されつつあった。
生死の境目を揺蕩っているかのような危うい状況の中、それは、生物としての本能だったかもしれない。

「あれ?どうして硬くなってるんですか?」

少年の陰茎が鎌首を持ち上げて硬度を増していることに気づいたリリアは不思議そうに首を傾げる。立ち上がったソレは、振り子のように頼りなく揺れた。
その言葉を聞いて、ユリアナも初めて気づいたという風に手を止める。少年の股間はすっかり勃起していた。

「あら本当ね。ボクちゃん、私のコトは全然気持ちよくしてくれないのに……」
「ひぃいいいっ!?」
「独りよがりも甚だしいですねぇ。こんなんじゃ女の子にモテませんよ?」

リリアの手が、優しく少年の亀頭に添えられた。たったそれだけの刺激で、彼は情けない声を上げてしまう。
その反応を見て、ユリアナとリリアはクスリと笑う。少年は、自分のモノが今どうなっているのか、全く理解できなかった。
彼の抵抗する気概は根刮ぎ削り取られていた。擦り付けられるサラミにも似た肉襞を食いちぎってやろうかと考えるが、そんな気力も既に無い。
そもそも、それが本当に効果があるのかも分からない。ここまで無防備に押し付けられるなら、食いついても全然痛くないのかも知れない。
もしそうなら、彼に待っているものは睾丸への情け容赦無い制裁だ。その苦痛が恐ろしいものだということは、彼にも分かる。

610名無しさん:2022/01/28(金) 00:03:20 ID:WFz7N8Z60
---単純に、覚悟の差ではあった。危害を加える側として、自分が危害を加えられるなどとは微塵も考えずに押し入った少年。
同僚をズタズタ、凄惨な肉塊に変えられ。危険があろうが害が及ぼうが、報復することを決意しているリリアとユリアナ。スタンスの差が如実に表れた結果であった。
天佑もあったのだろう、もし少年が拘束されていない状態で向かい合っていたなら、当然、陵辱の限りを尽くされたのは二人の方だ。
善も悪もない、身も蓋もない。物理的に彼の方が、男の方が強い。殺し慣れしている。だが、この状況下ではそんなコトはまるで意味をなさなかった。
逆に、男であるからこそ。少年は、これから自分を待ち受けているだろう未来を想像できてしまう。

怒張する陰茎と、収縮する陰嚢。少年の混迷は頂点に達しようとしていた。その外性器から、二人の女は少年の心理を推し量る。
逆に。陰茎と陰嚢、共に備え持たないユリアナとリリアがどのような心理状態にいるのか、少年からは全く窺い知ることができない。

「硬くなっても大きくならないなんて変わったおちんちんですねぇ」
「もう、この子は精一杯大きくしてソレなんだから、虐めちゃダメよ。可哀想じゃない」

ユリアナは少年の陰茎の根元を指でつまむように掴んだ。そのまま、ゆっくりと手を上下させる。
先走り液を潤滑油にして、彼女の手が滑る。ぬちゃりと湿った音がした。意に反して、彼の口から喘ぎ声が漏れてしまう。
その喘ぎを聞き逃すことなく、ユリアナは己の股間で少年の顔を締め付けながら語りかける。いいアイデアを思いついた、と弾んだ声。

「そうだ!リリィにお手本を見せてもらいましょうね。それを真似すればいいわ」

リリアの口が、ぱかりと開く。真っ赤な口腔が広がる。少年はこれから何をされるかを察し、必死で暴れるが縛られて転がされている状態。
逃れられるはずもなかった。そして、リリアの舌が彼の玉袋へと伸びる。
柔らかく湿った肉の塊が、肌に触れた瞬間――ズキリとした痛みが走った。
散々睾丸を握りしめられ、痛めつけられて然程時間は経過していない。。まだ痛覚が残っていたのだろうか?いや、違う。これは。
焼けるような熱さが玉の付け根を襲う。舐められているのだ。それも、リリアの小さな舌が、丹念に、玉の裏側までくまなく。
ぬらぬらと唾液が塗りたくられていく。少年は悲鳴を上げることもできない。リリアが口を閉じ、顔を遠ざける。彼女は舌を出し、軽く唇を舐めた。
少年の顔が蒼白になる。冷や汗が滝のように流れる。全身の毛穴から嫌な汁が噴き出しているようだ。

次の瞬間、彼の陰嚢は、双玉ごとリリアの口の中に収まる。まるで、最初から存在すらしてなかったかのように。
ーーー食べられる。
そう思った時には、既に遅かった。リリアの歯が、少年の金的を捉える。
ごりゅり、と何かが擦れ合う感覚と共に、激烈な痛みが下半身に走る。少年は声にならない叫びを上げた。思わず顔を跳ね上げる。
しかし、そんなことをしたところで何の意味もなかった。むしろ、より深く秘所に顔を押しつけることになってしまい、彼の顔は更にユリアナの股間に埋もれた。
鼻が柔らかい肉の壁にぶつかる。呼吸ができない。息を吸えば、甘い匂いとともに濃厚な雌のフェロモンが肺を満たす。
少年はパニックに陥った。もがき、身体を左右に振るが、それで事態が良くなるわけもない。ユリアナは両脚を締めて彼を固定する。
その動きに合わせて、リリアは彼の陰嚢を口に含んだままモゴモゴと動かし始めた。

「あらあら。ボクちゃんったらイイ反応ねぇ。そうよ、お口を使うならこれぐらいはやらなくっちゃ、ね♡」
「んぶっ!?」
「ふぁりひゃらひゃんもひもひいい?」

ユリアナが笑い、リリアが喋ると、少年の金的に振動が伝わる。それが更なる刺激となり、彼は情けない声を上げてしまった。
彼は今自分がどういう状況にあるのか理解していなかった。ただ、自分の急所が蹂躙されているということだけは分かる。
それは、彼にとって最悪の責めだった。今までの比ではないほどに、少年は恐慌に陥る。
もっとも脆弱な部分に突きつけられる、硬質なエナメル質の感触が。『去勢』は現実の、差し迫った危機であると彼に実感させたからだ。

「ほぉら、ボクちゃん、リリィを見習ってしっかり私も気持ちよくさせてね」
「ぎ、気持ぢよぐっ、なんが、だ、だだだだだだ」
「噓おっしゃい。こんなにおちんちんを硬くさせておいて……」

611名無しさん:2022/01/28(金) 00:04:37 ID:WFz7N8Z60
ユリアナの指が、優雅な仕草で少年の陰茎を根本から先端まで撫で上げた。その瞬間、少年は大きく仰け反る。
その動作でより突き出された少年の股間、陰嚢をリリアは更に深く頬張った。彼女の口の中で、二つの球が形を変える。
舌の上で転がされ、飴玉もかくやと弄ばれる玉。その表面をざらついた舌が這い回り、遊ぶように奥歯に押し付ける。
激痛と恐怖の電気信号が少年の反射回路を焼き切りそうになる。彼の意識が飛びそうになる。

「あ、は、ぁああ、あっ!」
「……ぷはぁ……ん、ちゅるぅううう、じゅるるるるるる、くぽ、ん、れろ、れる、ぴちゃ、はむ、はむ、はむ、はむ」
「あ、あう、ひっ、ぎぃいいいっ!ぎ、ぎぎぎぎぎぎ!!」
「どう?リリィのお手本は?真似できるかしら?」

少年の悲鳴など聞こえていないかのように、ユリアナは自身の女性器を少年の顔面に擦りつける。
真似など出来ようはずもない。少年がたった今頬張られ、弄ばれている部位は、押し付けられたユリアナのソコには存在しないのだ。
だが、だからといって止めるという選択肢はない。リリアの口淫は、どんどん激しくなっていく。まるで玉が砕けてもいいと言わんばかりに。

打つ手なし、だった。八方塞がりで、袋小路。この場から逃れる術はどこにもない。
全てを承知の上で、なのにまるで何も知らない小娘のような無邪気な声。少年は、悪魔のような女にリリアと同等の行為を催促される。
何を真似ろというのか。彼が吸い付いても、少しユリアナが腰を動かせばそれで仕切り直し。口に含むモノが無いソコはすぐに剥がれてしまう。
彼は違う。苦痛に耐えかね腰を動かそうとも、結局リリアの口と股間との間で金玉袋が引き伸ばされるだけ。皮肉にも、自分で自分を痛めつけるだけ。
ユリアナを絶頂させる、それが解放の条件だった。だが、滲む視界に写る彼女は平然とした表情のまま。犬に芸を仕込む表情で彼に無理難題を押し付ける。

ーーー舐める。しゃぶる。吸う。こすりつけられる。吸われる。揉まれる。潰される。引っ張られる。弾かれる。噛まれる。
少年はもう、自分が何をしているのか分からない。ただひたすら、脳裏に浮かぶ単語を繰り返すだけの人形。
陸に打ち上げられた魚のように跳ね回っていた身体は、いつしか死にかけの羽虫のように微かな痙攣を繰り返すだけになっていた。
リリアの口の中が熱い。舌が震える、歯に触れるたびに電流を流されたような衝撃が走る。喉の奥で玉が動くたび、激痛と吐き気が襲ってくる。

少年の反骨心はとうの昔に消え去っている。顔は既に涙や鼻水といった液体まみれ、それらはユリアナの体液と混ざり顎先から滴り落ちていた。
女が二人、棘皮動物の捕食行為を思わせる動きで、少年の存在を蹂躙していく。淫靡で背徳的、しかしどこか神聖な儀式を連想させる光景だった。
少年は今、神の御前にいた。神罰の代行者たる天使に弄ばれる贄であった。
彼の身体がビクビクと痙攣する。限界が近いことを悟ると、ユリアナは少年の腹の上に跨がりなおし、慈愛の表情で彼を見下ろした。
その眼差しは、まるで我が子に向けるかのようで。少年の全身が総毛立つ。

「さて、とーーー」
「ぐ、ぐぎぎぎ、うぎぎぎぃ」
「残念だけど、時間切れ。ボクちゃん、タマタマちゃんとバイバイする時間はどれぐらい欲しい?」
「ひぎっ、ぎ、ぎ、ぎぎぎぎぎぎ」
「ふぁれ、ほうほんはひはんへひにはっひゃいはひはは」

少年は、答えない。答えることが出来ない。激痛が思考を焼いている。
ユリアナは彼の顔を両手で包み、彼の心を一片たりとも残さず掬い取らんとばかりにその瞳を見つめはじめた。
そうして、たっぷり五分以上かけてようやく少年を解放する決心がつくと、彼女はゆっくりと口を開いた。

「今後の心配はしなくていいわ。ボクちゃんたちには、これからココで働いてもらうつもり。そうして、社会性を学んでもらうの」
「……ぁ、ぁ……」
「ボクちゃんたちみたいに、タマタマ無い子も結構働いているのよ?女の子だからってわけじゃなく、ソレもがれちゃった子」
「あが、あがが、あががががが」
「大抵は奴隷……戦争に負けちゃったとか、生まれた時に取られたとか、そんな感じの子。仲良くしてあげてね?みんな良い子だから」
「あぎ、ぎぎぎ、ぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぃいいいっ!!」

612名無しさん:2022/01/28(金) 00:06:21 ID:WFz7N8Z60
リリアの舌先が玉の表面を撫で上げた。痛みに仰け反ろうとする少年の頭をユリアナが強く押さえつける。
その状態で、今度は歯が食い込むほど強く噛み付いた。少年の顔が一瞬にして絶望に染まる。それは、先程までの責め苦が児戯に思えるほどの激痛。
少年の意識が飛びそうになる。視界が真っ白になる。全身が麻痺する。

「それじゃ、取っちゃおうね。ボクの股間に生ってしまった、悪い果物を『収穫』しちゃおう。そしたら、きっと楽になれるから」

優しく語りかけるユリアナの声が、どこか遠くに聞こえるようだった。
それでも、耳元で囁かれる言葉の意味だけははっきりと理解できてしまう。
少年は最後の力を振り絞り暴れようとするが、やはり無駄な足掻きにしかならない。

リリアの口が再び玉に吸い付くと、彼は無様に悲鳴を上げながら腰を浮かせた。
そして、次の瞬間ーーー。

ブチッ、という音がしたような気がした。ユリアナの耳には届かない、リリアには微かな、つまらない音として。
だが、哀れな少年の体内では。その音は、世界の終末を告げるラッパのように鳴り響いていた。その瞬間、全ての感覚が消え失せ、彼は呆けたような顔を見せる。
ユリアナの顔は、我が子の誕生を祝福する聖母のように穏やかだった。

「ぎ、ぎ、あ、ああああぁあアアァアッ!!アアァアァアあぁあッッ!?あ、あ、あっ、ああぁぁあぁっ!」
「タマタマ、無くなっちゃったね」

少年は絶叫した。最後の力を振り絞るように。それは断末魔か、それとも悲鳴なのか。どちらにせよ、この世に生を受けて以来最大であろう叫び声だった。
睾丸が潰された痛みが少年の身体中を駆け巡る。内臓を巡る血液が冷たく沸騰しているかと思うほどの熱と悪寒が襲いかかってくる。
脳みその中では、バチバチと火花が散っている。今にも爆発してしまいそうだ。少年は絶叫しながら、身体を弓なりに反らして痙攣を繰り返した。
もはや声すらまともに出せない。だが、誰彼となく謝罪の言葉を叫び続ける。必死に祈る
ごめんなさい、許してください。もうしません。何でもしますから。お願いです、助けて。誰か、誰でもいい、この苦しみから逃れられるのなら。
誰に許しを乞えばいい?
故郷で、暇潰しに犯していた妹へか。出奔するとき、餞別代わりに火を放った教会へか。施しを貰ったついでに、命と財産まで毟り取った名も知らぬ男へか。
しかし、その願いは天に届くことはない。何故ならば……単純だ。もう、手遅れ。
自身の根幹をなす、存在理由にも等しいものが失われたと直感する。喪失感はやがて諦念へと変わり、少年の精神を蝕んでいく。
心が折れた時こそ、終わりの始まり。少年は、自分がどこに向かっているのか分からぬまま、ただ涙を流して謝り続けた。

「うわぁ、痛そうねぇ」
「女には分からない痛みってよく言われますけど、実際どれくらい痛いんでしょうねぇ?」
「タマタマ無いと味わえない苦痛だし、私たちは一生経験できないから確かめようがないわよね。同情ぐらいはしてあげましょう?」
「でも、良かったですねぇ。この子はもう二度とこの苦しみを味わうことはないんですから」
「まぁ、もう無いものねぇ」

リリアとユリアナは、まるで世間話のような気軽さで会話を交わす。
興味津々といった体で、二人は潰れた肉袋を見つめていた。彼女たちには永劫実感できないが、男にとってその二つの器官は命よりも大切なものだ。
それを無慈悲に奪い去る行為が、どれほどの絶望を与えるかを彼女たちは少年の反応から察するしかない。
二人共、下半身に何も纏っていない。剥き出しの股間には元から睾丸などぶら下がっておらず、つるりと綺麗な割れ目が見えるだけだ。
だが、彼女達は自らの肉体に何一つ恥じるところはないと思っている。それが当たり前であるように。
そして、そんな彼女達だからこそ、少年の精神の、肉体の痛みは想像することすらできなかった。
彼女たちに出来ることは、せいぜいが少年を慰めることだけだろう。それも、その程度では何の意味も為さないのだが。
リリアは優しく微笑むと、ゆっくりと少年の頭を撫で始めた。友愛に満ちた表情を浮かべながら、何度も何度も彼の髪を指先で弄ぶ。

613名無しさん:2022/01/28(金) 00:07:34 ID:WFz7N8Z60
「潰し甲斐もない小さなキンタマでしたから、無くなったトコロでこれまでと変わりありませんよ」
「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!〜〜ッ!〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!タ、タマがッ!〜〜〜〜ッ!」

少年は、答えない。答える余裕が無いのだ。死んだように硬直し、時折思い出したかのように大きく跳ねる。痙攣する。
それでも、リリアは構わず語りかけていく。彼が自分の言葉を理解するまで。否、理解してもなお、彼女は彼に話しかけるのを止めなかった。

「落ち着いてください。もう、キミはタマタマ痛くなんてないはずですよね。それでも痛いんですか?」
「タマタマ自体、ボクちゃんにはもう付いてないのよ。取られちゃった、抜かれちゃった、潰されちゃったの。ねぇ、何が痛いの?」
「…………ッ!……ッ!?︎……」
「落ち着いてください。もう、キミはタマタマ痛くなんてないはずですよね。それでも痛いんですか?」
「タマタマ自体、ボクちゃんにはもう付いてないのよ。取られちゃった、抜かれちゃった、潰されちゃったの。ねぇ、何が痛いの?」
「…………ッ!……ッ!?︎……」
「「だから、言ってごらん?お姉さん達に教えてちょうだい?」」

少年の顔中に汗が浮かぶ。その目は焦点が合っておらず、口の端からは泡を吹き出している。
それでもリリアは優しく問いかけ続ける。ユリアナも、笑顔を絶やさずに。
どうしようもない苦しみと喪失感、恐怖、絶望、悲しみ、痛み、後悔、恨み、そして敗北感。
股間に地獄と直結した穴が開き、そこからこの世のありとあらゆる負の感情がここを先途とばかりに流れ込んでくる。

彼の意識は、津波のように襲い来る激情によって押し流されていた。
「あ、あ、あ……あぁあ……ああぁああああああっ!!」
だから、少年は絶叫を上げた。
絶叫を上げることでしか、彼はこの痛みを表現する術を持たなかった。それ故に、少年は叫び続ける。
彼が耐えきれず昏倒するまで、リリアとユリアナは満足げにその様子を眺め、空虚な励ましを投げかけ続けていた。

------------------------------------

614名無しさん:2022/01/28(金) 00:08:42 ID:WFz7N8Z60
砂漠の端。オアシスの畔にへばり付くように広がった商業都市。
交易の中継地点として栄えており、この大陸でも随一の規模の街である。当然、歓楽街も相応の規模を誇る。
男と女の声、活気に溢れた喧騒と山海の珍品珍味が溢れた市場。それがこの街の表の顔。
そして、光が強ければ当然影だって深い。種々雑多な無法者、相応の乱暴者、後ろ暗いならず者。
金、名誉、異性。様々な欲望が渦巻き、日々新たな犯罪が生まれ続ける闇の一角だってある。

『収穫祭』と看板がかけられた御殿の一角。ヒトの欲望が交差するその店に、二人の男が金を求めて押し入った。
そして、彼らは。自身の欲望に喰われ、己が『金』を失う羽目になった。言ってしまえば、ただそれだけの話。

その後の男たちの消息は分からない。店に馴染んだのか、それとも精神の均衡を欠いたか。はたまた、路地裏でのたれ死んだか。
リリアとユリアナ、二人は彼らに対する手助けを惜しまないだろう。だが、自分たちを去勢した女たちに哀れまれる人生に彼らは耐えられたのか。確かなことは誰も知らない。

ただ、あの日の翌日。娼館の裏、真新しい墓標に小さな2対の肉塊が供えられていたことだけは確かだった。
<おしまい>

615名無しさん:2022/01/28(金) 00:11:25 ID:WFz7N8Z60
>>577
もっと書き込んでいいとのことなので、もっと書いてみました。
どんな感じですかね?

616名無しさん:2022/01/28(金) 00:14:44 ID:dKJ7koUE0
>>615
凄い…
圧倒的性差の詳密な描写に、文学性すら感じます。
これだけの構想と設定は自分には持てない…脱帽です。

617名無しさん:2022/01/29(土) 14:35:40 ID:3E225uwY0
お話しに起承転結があるのがいい
きちんと完結までいくのはありがたい
ちなみにこれもAI活用したんですか?

618名無しさん:2022/01/29(土) 16:25:31 ID:xf6QbCE60
《タマ狩り》

私は隙を見ては、男子たちの股間を蹴るようになった。
もちろん、ちゃんと手加減して。本気で蹴ると死んじゃうかもしれないから。
でも、軽く蹴っただけでも男子は大抵戦闘不能になっちゃうの。女には信じられないくらい脆い急所なのね。まぁ、それはともかくとして……。
なんだろうこの気持ちは。今まではただのクラスメイトでしかなかった男の子たちが、何というか、男らしく見えてくるようになったっていうのかしら。
それまではあまり気にならなかった男子たちの姿態が妙に色っぽく見えるようになってきたの。私の目には男子がみんなカッコよく映るようになってきた。
「ねぇ、○○君ってさぁ、結構筋肉質だよねぇ。何かやってんのぉ?」
「△△君のお尻の形ってセクシーかも〜」
などと、男子に対して興味を持つようになってきてしまったのだ。
そして男子に声をかけて気を引き、誘惑して呼び出したところでいきなり金的蹴りをお見舞いするのが私の密かな楽しみとなった。
筋骨隆々のたくましい男子が、私のようなか弱い女に急所を一蹴りされて情けなく蹲って体を震わせるのを見ると、体の中心がジュンとして熱くなるのが感じられた。そして私自身も興奮してくる。
最初は恐る恐るだったけれど、だんだん慣れてきて、今では躊躇無く蹴り上げることが出来るようになってしまった。

619名無しさん:2022/01/29(土) 16:26:21 ID:xf6QbCE60
そして今日も私は金玉を狩る。クラスで威張ってるいじめっ子のアイツを人気のないところに呼び出すと、いつものように股間に渾身の力を込めて、蹴り上げた! キーン!!!「△□%$#▲!」
アイツは悶絶して床に転げ回った。
私はすかさず追い打ちをかける。金的は何度も攻撃すればするほど効果があがるらしいからだ。
そして今度は足の裏で、踏みつけた。
「うわ〜、やめろよ!」
男子の一人が叫んだ。それをきっかけに他の男子たちも騒ぎ出した。
「おい、やめてやれよ」「お前、やり過ぎだってば」
「そうだぞ。可哀想だろ」
え? どうして? 私は股間を蹴られたくらいでこんなに苦しまないよ?それに、コイツは毎日、クラスの女の子たちをいじめてるじゃない。そんなヤツを助ける義理なんか無いじゃない。
「ほら、立てよ」
男子が助け起こそうとしたけど、アイツは起き上がれないみたいだ。
「もうダメだ。歩けない」
どうやら猛烈な痛みと痺れで動けないらしい。ふふ、男って本当に不便ね。
股間にぶら下がってるあんな小さなタマタマを蹴り上げられただけで、動けなくなっちゃうなんて。
「私は股間蹴られたくらいでそんな痛がらないわよ」
と言い放って、急所のない股間を自慢げに見せつけてみた。すると男子たちは羨望の眼差しで私の股間を見つめ出した。
「そりゃそうだろうな。女には金玉なんて弱点無いもんなぁ」
「女には金玉は付いてないからな。金玉蹴り上げられた痛みは男にしか分からない激痛だぜ」男子たちが口々に言う。
その通り。女には金玉は無いの。だから、こんなに無慈悲に蹴り上げられるのよね。
そして、女には、金玉を蹴り上げられた苦しみは一生わからないの。だって、金玉という急所が無いんだもの。男だけが味わえる苦痛。それを今、たっぷりと教えてあげるね。
私はまた、思い切り蹴り上げてやった。
キーン!!!
「◎★*☆◆※○!!」
アイツは再び悶絶した。ちなみに、周りで見ていた男子連中も皆内股になったのは笑えたわ。「あー、スッキリしたぁ」
私はすっかりご満悦になった。そして、次のターゲットを見つけた。

620名無しさん:2022/01/29(土) 16:26:56 ID:xf6QbCE60
テニス部キャプテンのタカシ君。タカシ君はクラスで一番背が高いし、スポーツマンだし、何より、ズボンの上からでもはっきりした膨らみが見て取れた。あれは「大物」ね。早速声をかけてみる。
「ねぇねぇ、タカシ君ってさ、結構鍛えてたりする?」
「うん、まぁ、それなりにね。部活で毎日ラケット振ってるからさ」
やっぱり。思った通りの答えだった。
そこで、私はラケットを使った金的攻撃を思いついた。放課後の体育館に二人きりになり、私がサーブを打つ。そして、ラリーの中でネット際まで来たところで、いきなり金的を狙う。
ボールが飛んでくると思って足を開き踏ん張って構えていたところに、いきなり下から強烈な一撃を食らうのだ。
「うっ……」
タカシ君が堪えきれず膝をついて股間を抑える。「ごめん、空振りしちゃって。大丈夫?」慌てたふりをして駆け寄る私。
「だ、大丈夫……」
「全然大丈夫そうに見えないけど……もしかして、アソコ打っちゃった?」
わざとらしく心配しながら、会話を誘導する。
「いや、かすっただけだから大丈夫だよ。それよりさっきのスイング凄かったね。経験者なの?」
「男の急所」から話題を変えようと必死になるタカシ君の顔は真っ赤になっていた。男って女の子の前で急所を打たれるのがそんなに恥ずかしいのかしら。それだったら、そんなに脆い急所をぶら下げてる時点で十分恥ずかしいと思うんだけど。
「一応ね。小学校のときちょっとだけ習ってたよ。中学に入ってからは、やってないけど」
私はとりあえず適当に話を合わせた。
「ところで、タカシ君全然動けないじゃない。もしかして、アソコ潰れたりしてない?やっぱり心配だわ。ちょっと見せて」
私は、タカシ君のタマタマを触ってみたいという気持ちでいっぱいだった。だって、急所を蹴られる痛みを知らない女には、想像できない痛みなんですもの。
「え? いいよ別に。大したことないってば」
顔を赤くしたままタカシ君は抵抗した。だけど、タマタマをしたたかに打たれた男子は普段の半分の力も出なくなることを私は知っていた。私は強引に彼の手をどかし、とりあえずジャージの上からその膨らみを確認してみた。
お、大きい…
予想以上に大きかった。これは相当なモノを持っているに違いないわ。

621名無しさん:2022/01/29(土) 16:27:41 ID:xf6QbCE60
今度は直接触れて確認したい衝動に駆られたので、ジャージに手をかけた。
「おい!やめろよ!」
さすがにこれには彼も怒ったようだった。でも私はひるまない。
「潰れてたら大変でしょ。だから私が確認してあげるの。大事な大事なタマタマを自分で守れずに、か弱い女の子に打たれちゃうタカシ君は黙ってて」
男子が絶対守らなければならない最大の急所を女子にあっさり打ち抜かれて屈した事実を指摘すると、タカシ君は顔を真っ赤にして黙ってしまった。そしてついに私は直にタカシ君のタマタマに触れた。ふふ、どうせなら思いっきり握ってあげたいところだけど、そこは我慢して優しく揉んであげた。
「あぁっ」とタカシ君は声を上げたけど、私は構わず続けた。
確かに、潰れてはいないようだ。よかった。そして予想以上に彼のソレは大きかった。
ちょっとばかりはしたない妄想をしてしまったけど、それを振り払って、大ぶりなタマタマを指でコリコリとしてみた。
指がタマタマの裏側に引っ掛かったとき、彼がキュッと身をよじった。
なるほど、ここが噂の副睾丸ってやつなのね。タマタマの中でも特に痛覚神経が集中しているという、男の急所中の急所。

622名無しさん:2022/01/29(土) 16:28:17 ID:xf6QbCE60
私は一通りタマタマチェックを終えた。正直目から鱗だった。
特に男性のタマタマが袋の中で緩く動くようになっていることは初めて分かった。
私の先輩の金的マスター(?)の女性が、金的蹴りは強さよりも早さ、エネルギーの全てをスピードに変えて下から跳ね上げるのが一番効果的と力説していたのが理解できたわ。
強くても遅い蹴りだと、タマタマがインパクトの後逃げちゃうのね。逆に素早く蹴り上げればタマタマを逃がさず相手の恥骨との間に挟んで大きなダメージを与えられる。
男の体の秘密を知って、金的蹴りのスキルが更に一段上がったような気持ちがした。「あーもうっ!お前、調子に乗りすぎだって!」
ようやく我に返ったタカシ君が叫んだ。怒り心頭といった感じ。そりゃそうよね。彼は急所を散々いたぶられて、今にも爆発しそうな状態なんだから。そんな彼の股間を私は容赦なく平手で下から叩き上げる。女なら何てことのない一叩き。でも、急所を無防備にぶら下げている男にとっては一大事。パンっと乾いた音がして、タカシ君が「うっ」とうめきながらうずくまった。そして、そのまま動かなくなった。「ごめんね、タカシ君」私はそう言い残し、その場を去った。後日わかったことだけど、タカシ君は私のことをずっと好きだったらしい。でも、私はか弱い女の子相手に自分の大事な急所すら守り切れないような男の子は願い下げ。結局あの後、タカシ君とは疎遠になった。今頃誰かと幸せに過ごしてるかな。それとも、Mに目覚めちゃっていたりして…そう、今これを読んでいるあなたのように。

623名無しさん:2022/01/29(土) 16:29:40 ID:xf6QbCE60
以上です。
スケールとしてはだいぶ小さい作品ですが、とりあえず投下してみました。

624名無しさん:2022/01/29(土) 19:57:18 ID:xhrRDfqA0
>>618
すごい良かったです。だんだんと性差に目覚めつつある感じが最高
投下ラッシュて感じでマジありがたい

625名無しさん:2022/01/31(月) 09:07:01 ID:sc5puo0U0
>>623 
女子は平気だが、致命的急所(玉)のある男は悶絶という、性差表現が最高です
スケール小さいとかとんでもない、凄く贅沢な作品でした
気のむくまままに、今後とも書いてください。ありがとう

626名無しさん:2022/01/31(月) 14:53:55 ID:W2f4f8WE0
同じタマ責め性差系でも>>615の人と>>623の人で全然カラーが違ってて面白いね
長編ストーリー仕立てもいいし淡々としたレポート形式も他人事感が際立っていい

627名無しさん:2022/02/03(木) 13:16:44 ID:waIVP8R20
>>615
相変わらず最高です。
被害者側が男と女っていう場合の性差描写も見てみたいです。

628名無しさん:2022/02/06(日) 02:09:15 ID:O1Bgm2hM0
最高でした。活気があるのは嬉しいです

629名無しさん:2022/02/06(日) 16:18:49 ID:d4IU9.SA0
>>582
良作に埋もれる形になった信じがたいほど羨ましい書き込みが……
ここの板的に真面目な体験談もオッケーだったら、自分はこういうの結構萌えるから詳細書いてほしい
玉攻め好きの女性の心理も普通に気になるしSSの参考になりそう?
(釣りかどうかは、さておき)

630629:2022/02/06(日) 16:20:32 ID:d4IU9.SA0
アンカーミスった
>>585です

631名無しさん:2022/02/11(金) 13:09:24 ID:4KGyUkMo0
>>629
実話だし詳細っていっても書いてあることまんまだよ
最初は楽しんでたけど手コキやフェラの技術が上がったしビンタとデコピンも弱点狙われるようになったりできつくなってきた
ドMからしたら羨ましいんだろうけど俺はそこまでMじゃないからなぁ今は15分を13分にしてくれないかって必死に交渉してる
SSの題材に使ってももちろんいいよ

632名無しさん:2022/02/12(土) 04:47:54 ID:Er1ErN7A0
>>629
というか、性癖無いのに金的・掲示板だけじゃ検索かからないここに辿り着いた導線が気になる
彼女からの紹介なら興奮するよね
(性癖のSS掲示板を紹介する趣味の人がいるかはさておき)

633名無しさん:2022/02/12(土) 08:19:47 ID:pogMAi4s0
体験談的なの書きたかったけどまともに書けそうな場所がここくらいしか見つからなかったんだよね

634名無しさん:2022/02/13(日) 10:54:26 ID:CiWe3QKQ0
この界隈でまともに書き込める所ここくらいしかないから正解

635名無しさん:2022/02/19(土) 02:39:19 ID:1eEndjbo0
ボイロにフラれて金蹴りされる動画かなりよかった
ニコ動でうっかり流行らねえかな

636名無しさん:2022/02/20(日) 22:30:09 ID:6MD7ScYE0
現代日本でいえば、そこはグラウンドと呼ぶのが実体に即しているだろうか。
小石一つなく綺麗に整地された大地の上、一人の少年と一人の女性が薄布一枚を纏って対峙していた。

少年の名はルード。青髪碧眼、年齢は14〜15程度か。適度に手足が伸び、男女の体格差が如実に顕れてくる年頃だ。
だが、彼はかなり小柄で身体に筋肉もついておらず、また少女と見紛うほどの優しげな顔をしておりとても闘える姿には見えない。
彼と相対するのはトモエ。彼女は20代半ば過ぎだろうか、伸び切った肢体に健康的な筋肉を纏わせた美女。慎ましげな空気を帯びつつも、構えに一分の隙もない。
ルードは生徒。トモエは教師。彼らは今、模擬戦という形で格闘の教練を行っていた。

ガヤガヤと外野がざわめく。年の頃はルードと似通った二十人弱の女生徒……全て女性だ……が二人を食い入るように眺めては好き勝手に騒いでいる。

「その構えだと碌に動けなくないですか?」

特異な体制のルードに対し、不思議そうな口調でトモエが問う。彼の下半身は内股、いわゆる三戦に近い構え。
だが、上半身は前屈み、両手は股間を押さえて腰を引いた形で師と向かい合っている。率直にいってしまえば、金的を蹴られたあとに似た体勢。

なにか考えがあるのかしら、キンタマ蹴られるのが怖いんじゃない、期待や哀れみの声と共に外野がざわめく。
ルードは半身、すでに青白い顔をトモエに向けているところから、おそらく後者が実態に即しているのだろう。誰からとなく、失笑と同情の笑い声。
この場で、金的を恐れなければならないのは彼だけだ。相対する師も、見学している級友も、ソコは打つ場所であって打たれる場所ではない。

「この前も教えたハズですけど、守るだけでは勝てませんよ?むしろーーー」

と。ペタペタと無造作な歩法でトモエが間合いを詰める。ルードの射程距離に入る直前に小さく構え、一息。
彼が迎撃体制に入ろうとしないのを見て取ると、ため息を吐きながらさらに一歩踏み出す。大胆な行動に外野が息を呑むがトモエは涼しい顔だ。
それもそのハズ、彼女から見れば教え子、ルードははじまる前から詰んだ状況にあった。今の彼の体勢は、何の行動にも移れない後ろ向きの極地。
彼がそこからどんな行動に出ようとしても、まず身体を開かなければならない。一瞬と呼ぶにはあまりに長過ぎるスキが生じる。
そして、それだけの時間が与えられれば、トモエは確実に教え子の股間を蹴り上げられるという確信があった。

(この前の授業、間違って理解してしまったのね……訂正してあげないと)

トモエはある程度彼の考えが理解できた。前回の指南で、『勝つべからざるは守なり、勝つべきは攻なり』と教えたつもりだった。
だが、その教示を元に攻めてきたルードがあまりに稚拙だったため、教育的指導として彼の『致命的』な部分を強かに蹴り上げ、反省を促したのだ。
彼女としては、技巧が未熟であるということを『痛感』(実際、金的の痛みはトモエには分からないが)してもらうための愛の鞭だったのだが。
ルードは、彼女の言葉を『兵は詭道なり』と、つまり彼の金的を攻めやすくするために投げかけた偽りの教導だと捉えたのだろう。
ならば、この状況は自分に責任がある。そう理解したトモエは両腕を伸ばす。股間を護るルードの両腕に力が込もる。

「その格好は、相手に好き放題攻めるだけの時間を与えてしまいます。別に、このままお顔を打ってのノックアウトでもいいんですけれど」

穏やかな語り口のまま、彼女はルードの両肘を掴む。肘頭と、その内側の丸い骨との間の凹み、小海と呼ばれるツボに親指を押し込んで刺激。
両腕が痺れ、脱力した現実に愕然とする暇も余裕も与えず、円の軌道でトモエの両腕をルードの両腕の内側に差し込む。たやすく股間のガードを弾き飛ばす。

「これ、『金的』をやられたくないからの構えなんですよね。それじゃ、防御しても無駄ってコトを学びましょうね」

流れるように持ち上げられた右脚が、杭打ちの要領でルードの閉じた両脚の間に差し込まれる。彼の背骨の付け根から全身に危機感が迸る。
本能的に、ルードは両膝を絞った。膝に加速に足る距離を稼がせないための反射的な動作。彼女の膝蹴りを凌いだと誤認した彼は一瞬安心した表情をみせる。
だが師であるトモエには『男』の反応は見透かされているようだった。

「では、行きますね。はい、『金』」
「………!?」

637名無しさん:2022/02/20(日) 22:31:06 ID:6MD7ScYE0
ゆっくりと持ち上げられた膝。それが、ルードの睾丸を愛撫するかの如き滑らかさで持ち上げる。師の膝の感触を急所で感じとるだけで、恐怖がルードを満たす。
もちろん、勢いもない膝が金的に触れただけでは、いかに『男の弱点』とはいえ碌なダメージは無い。だが、トモエの動きはそれだけで終わりではなかった。

ぐい、と。彼女は脚でルードの身体を持ち上げる。驚異的な繊細さで、膝に乗せた睾丸はそのままの状態。
当然ながら、恥骨とトモエの膝で挟まれた二つの球体はルードの全体重を一身で支えることになり、ゴリゴリ、と絶叫を上げて変形。
持ち主、ルードに対して師には絶対に理解できない激痛を存分に訴えると、ずるり、流れるように圧迫から逃れる。

「………ッ!?〜〜〜ッ!!?」
(こんなのでも辛いんですね……少し気の毒ですけど。タマタマぶら下げている以上、仕方がないですよね)

膝蹴り、打撃というよりは圧迫に近い行為。ルードの顔から血の気が引く。痺れとも痛みともつかぬ感覚が睾丸からまるで波紋のように広がっていくのが分かる。
この責めは、ルードにとって耐え難い苦痛であった。しかも、まだトモエの指導は終わらない。滑らかな動きで教え子の臀部を掴むと、ソコと太腿の境目を押し込む。

「これは環跳というツボです。股関節回りの血流によく効くのですけど、強く押すと脚が痺れてしまいます」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!?」

ルードは師の言葉を咀嚼する余裕もない。生理的反射で、両脚をピンと伸ばし股間を突き出す形になる。恐慌に背を押され、慌てて両手でカバーしようとするも。

「ダメです。金的を打たれると、全身から力が抜けてしまう……女の先生より、男のルードくんの方がよくご存知ですよね?」

軽々と掴まれ、そのまま片手で両手首を固定されてしまう。無駄に藻掻く彼に、円運動で外せと教えたはずなのに、そうトモエは肩を落とす。
とはいえ、今は勝負の最中だ。あとでゆっくりと説教するとして、この場は彼の身体に教訓を刻みつけることを優先しよう。結論づけた彼女の片腕が伸びる。

「まだ行きますよ?もう一回、『金』」
「ハウゥッ!!?」

手を猫のソレに見立てた形で、ルードの股間から睾丸を掻き出すようにトモエの右手が閃く。再びルードの悲鳴が上がる。
今度は先ほどよりも強い衝撃だったのか、股間を押さえて前のめりに倒れそうになる。目は硬く閉じられ、唇は真一文字に引き結ばれていた。
自分には無縁の苦痛、だが教え子が為す術なく悶絶している姿を見ると、トモエも悲しくなってしまう。とはいえ、まだ教育の途中だ。

倒れ行くルードの身体を支点に、トモエがくるりと位置を入れ替える。ルードは無意識のうちに両手で地面をたたき、顔面を大地に打ち付けるのを防ぐ。
だが、それだけ。そのまま横にでも転がって追撃を避けねばならないと教えたはずなのに、彼は股間の痛みに夢中でそんなことも忘れてしまっているようだった。

「それじゃ、トドメです。歯を食いしばってくださいね?『金』」

もちろん、その体勢だとルードの股間は背面へ無防備に晒されることになる。高く上げられた腰、開かれた両脚の中央で女には無い急所が誘っている。
トモエは、彼のキンタマをサッカーボールに見立てて試合を決定づけるシュートを放つかのように振りかぶる。
そして――ずむんっ!! と、音がしてルードの下半身が跳ね上がる。鍛えようのない場所への容赦のない一撃だった。ルードは声にならない叫びを上げる。

トモエの手加減のおかげで、本当に失神するような事態には陥らなかった。だが、それは決して幸運なコトではなかった。
白目を剥き、泡を吹いて仰向けに倒れるルード。意識があるにも関わらず、小刻みに痙攣しながら不規則な呼吸を繰り返している。
その姿をじっと見つめるトモエ。ルードの全身を舐めるような視線で観察すると、静かにため息をつく。

(うーん……ちょっと、やり過ぎましたかね……?自分には無い急所ですから、お灸の加減が分からないんですよね……)

この後のお説教はどうしましょう、そう思い悩むトモエを他所に、観衆でもあった女生徒たちからワッと歓声があがる。

638名無しさん:2022/02/20(日) 22:32:07 ID:6MD7ScYE0
「すごーい!せんせー、つよーい!」
「ルード君のアレ、いつ見ても悲惨ねぇ……」
「どんな風に痛いんだろ?アタシも一回ぐらいやられてみたいなぁ」
「女の子には無理だよぉ。だって、タマタマみたいな脆いモノ無いじゃん」

好き勝手なことを言いながら、倒れたルードを見下ろしている彼女たち。好奇の目に晒されながら、しかし、ルードは満足に動くことも出来ない。
トモエは、彼が説諭を受けられる状態ではないコトを女性なりに悟ったらしく、軽く肩をすくめてルードから視線を外す。
と、観衆から一人の快活そうな少女が歩み寄ってくるのを視界に捉えた。蜜柑色の髪に翠の眼、確かルードのルームメイトを務めてもらっている女生徒だ。
名前は……えっと……そう、ポーラさんです。トモエは自分も興奮していたことを自覚し、自省。生徒の名前を一瞬でも忘れるなんて、教師にあるまじき失態だ。

「せんせーっ!さっきの動き、アタシにはよく分からなかったです!説明して貰ってもいいですか?」
「そんなコト言われても、ルード君……貴女のお友達はあんな状態ですからね。貴女が代わりに受けてみますか?」
「よろこんでッ!」

トモエの言葉に即答するポーラに、流石に苦笑するしかないトモエ。ルードも災難だが、彼女もなかなか難儀な性格をしている。
好奇心が旺盛で積極的、それでいて自分の感情を素直に伝えることができる。とてもいい子なのだけど……。
とはいえ、未だにルードは股間を押さえてウンウン唸ったままだ。授業を中断するのも気が差すとトモエはポーラを自分の正面に相対させる。

「まず、最初。金的を庇って内股になってください」
「せんせー、アタシ、金的無いですっ!」

トモエの指示に元気よく反論するポーラ。トモエは小さく肩を震わせ、思わず笑いそうになるのを堪える。
キョトンとした顔で見上げる彼女に、トモエはなるべく優しく微笑んでみせる。

「気分だけでも真似しましょう。両脚の付け根を両手で押さえて、両膝を絞って内股の格好をしてみてください?」
「あ、コレだけでなんか追い込まれた気分になっちゃいますね。不思議〜」

トモエの説明に納得したのか。ポーラは両手で股間を押さえると両膝を絞り込むようにして身を屈めた。
素直な反応に気を良くしながら、今回は皆に見えるようにゆっくりと彼女の両肘を掴むと、口頭で説明しつつ人体共通のツボを突く。

「あ、さっきのヒジ電気だったんですねっ。なんか痺れた感じがします」
「そうですね。普通に生活してても、ソコをぶつけて力が抜けてしまう経験をした方も多いでしょう」
「妙に簡単にタマタマガード外しちゃったなって思ってたけど、こうなってたんですね」
「その通りです。今、ポーラさんの金的、守りはどうなってますか?」
「お手々は外れちゃいましたけど、まだ両膝は絞ってますから蹴り上げは防げそうですよ?」

トモエは、ポーラの返答を聞いて満足気に首肯すると、そのまま両手を離して実演を続ける。
女性でも股間を強打すればそれなりのダメージは受ける。だが、それは赤ん坊でも大人でも殴られればダメージを受けるという理論と等しい。
ポーラからすれば、勢いをつけて蹴り上げられなければ何の痛手もない急所。だからこそ、何故ルードが突然苦しみだしたのかが分からない。
彼女の疑問が手にとるように読める。何故なら、トモエも女性。百戦錬磨、散々潰して現役を退いた今も『男の急所』はよく分からないというのが正直なところだ。

「ですが、両腕を外されたことでバランスは崩れましたよね。そこで、太腿の間に、こう、体重をかけて脚を差し込みます」
「なら、アタシは蹴り上げられないように脚を絞ります!……あ!この体勢になっちゃうと、男の子はロクに動けなくなるんですね」
「……何故そう思ったんですか?」
「だって、ちょっとでも膝の力を抜いたら『金的』蹴られちゃいますもん!いや、アタシが『男だったら』の話ですけど……これで、王手ってワケだ」
「ふふ、不正解です。『男だったら』もう詰んでいるのですよ」

639名無しさん:2022/02/20(日) 22:32:37 ID:6MD7ScYE0
得意げに解説するポーラに苦笑しながらも、トモエは実演を止めない。ポーラの両太腿に押さえられながらも、ゆるりと差し込んだ脚を持ち上げていく。
体重の軽さゆえに浮き上がりそうなポーラの身体を押さえ、ゆっくり、だが精緻な動きでトモエの膝がポーラの股間に食い込んていく。ポーラは不思議そうな顔。

「ポーラさん、どんな感覚ですか?」
「え?え?自転車に跨ったみたいな感じですけど……なにか変なこと言ってますか?」
「ええ。私たち女性にとってはそうですけど……思い出してください。ルードくんの場合、私達とは少し違うのですよ?」
「……あっ!」

そこで男女の差に気付いたらしい。ポーラはトモエの膝から逃れようと身を捩る。だが抱え込まれた状態から解放されること叶わない。
むしろ、変に動いたことで敏感な箇所が刺激され、思わず艶めかしい声が漏れてしまいそうになるのを必死で抑え込む。

「最初の攻撃は、打撃ではありません、踏みつけや絞め技に近い、圧迫によるものです。膝で彼のキンタマを持ち上げて、恥骨と挟んで圧し潰しました」
「あ、せんせ、ちょっと変な気持ちになっちゃう……」
「ルードくんは男の子なので、痛いだけだったと思います。まぁ、先生も女なので本当のトコロは分かりませんけど」

そのまま持ち上げた脚を下ろすと、ポーラは荒い息で両脚の間を押さえた。ルードとは違い、生殺しを責めるような目でトモエを見やる。
女生徒たちから、今回は同情と失笑、幾分羨望もまじったどよめきを発する。ルードの金的と違い、ポーラの状態は十分自分のコトとして想像できた。
とはいえ、これは辱めるために行っている行為ではない。トモエの動きは淀みなく、間髪入れずにポーラの臀部を鷲掴みにする。女性らしい柔らかさに指が沈み込む。

「あぁっ!?」
「そうして、ルードくんの集中が逸れた隙に、お尻にあるツボを押します。これは一瞬脚の力が抜けてしまうヤツです」
「ひゃう!?」

下腿部に激痛が走り、ポーラがバランスを崩す。崩れ落ちそうになり、両手が虚空で泳ぐ。
ルードは環跳の痛みなど雑音としか思えない『金的』という絶対的な苦痛に包まれていたため認識できなかった。その痛みが無いポーラは思わず顔を歪める。
その隙に、トモエの右手が彼女の股間、三角形の隙間に音もなく差し込まれる。だが、差し込まれた手は何ら行動を起こすこと無く、そのままするりと引き抜かれた。

「はい、一旦ストップです。先生の手の形、よく見てくださいね」

女生徒たちにもよく見えるように右手を翳す。もちろん、ポーラにも。彼女の右手は四指を折りたたまれて猫の手を象っている。
真っ直ぐな板に瘤が出来たような奇妙な手。これが一体何なのか。困惑の表情を浮かべるポーラに対し、トモエは静かに口を開く。

「先程、ポーラさんのお股の間に差し込んだ手の形ですが……この形のまま、そうですね、丁度『女の子』がある位置に押し当てます」
「え?そんなトコ押されても……」
「えぇ、ルードくんには『女の子』は開いてないですけど。ただ、貴女たちにはイメージしやすいでしょう?やってみてください」

ざわついた女生徒たちがトモエの掌を模倣する。何人かは自分の股間にソレを差し込み首をひねる。友達同士なのか、互いの股間に差し込みあった生徒もいた。
トモエはポーラに続けても?と問えば、ポーラはどうぞ、と股間を差し出す。男の子相手だとこうは行きませんね、感心しながら右手をソコに差し込みなおす。
敏感な場所に押し付けられた関節の感触に、ポーラが堪えきれず甘い吐息を漏らした。同性故か気にも留めず、トモエが右手を勢いよく引き抜く。

「準備が出来たら、こうやって『男の子』の急所を掻き出します。まぁ、実戦ではワンテンポで差し込んで直ぐ擦り抜く感じですね」
「あんっ」
「先生は、いつもお鍋の頑固な焦げ付きを削り剥がすつもりでやってます。みなさんは、それぞれ自分が一番やりやすいやり方を見つけて下さいね」

トモエの言葉に、女生徒たちはきゃいきゃいと騒ぎながら試行錯誤を始めた。自分の股間に、あるいは友達の股間に、様々な方法で押し当て、こすりつけ、引き抜く。
言うまでもないコトだが、彼女たちはソコに急所を持たない。だからこそこうして無邪気に遊び興じられるのだ。
トモエはその様子に微笑みつつ、再びポーラに向き合う。彼女は未だに自分の身体に起こったことを理解できていないようだった。

640名無しさん:2022/02/20(日) 22:33:09 ID:6MD7ScYE0
「あの、せんせー、コレだけですか?」
「女性にはイマイチ分かりませんよね?先生もそうです。ですけど、『金的』にはこれだけで十分みたいですよ」
「はぁ。その、男の子って気の毒ですね」
「それは同意します。ですけど、キンタマがぶら下がっている以上、仕方がないコトなんです」

いまいち実感がわかないのか、苦笑気味に問いかけてくるポーラ。さっきまでの艶っぽい声ではなく、普段通りの明るい声色だ。
いつのまにかルードも正気を取り戻していたらしい。信じられないものを見る目で、互いの股間を擦り合う級友たちの姿を眺めている。

(私達には金的の脆さが『信じられない』ですけど。ルードくんは逆なんですねぇ)

内心に同情を押し込めつつ、トモエが蹲ったままの教え子を流し見る。ポーラも哀れみを込めた目でルームメイトの彼を見下ろした。
自分たち女には効かない、あの程度の攻撃で簡単に無力化されてしまう。その口惜しさは如何ほどだろうか。勿論、自分はルードは男性ゆえに仕方がないと理解している。
だが、彼はどうなのだろうか。男性なのだから、金的で敗れるのは恥ずべきことではない、当然のことだと、そう割り切れるものなのだろうか。

詮無いことではある。どう思いを巡らせようと、彼女たちは『女』で、金的を体験することなど不可能なのだから。
トモエは、そのままポーラに四つん這いになるように指示。大人しく彼女が従うと、足先でツンツンと形の良い臀部をつついてみせた。

「金的を二度打たれて、脱力してしまったルードくんはへたり込んでしまいます。その際、次の攻撃を仕掛けやすいように、この体勢に導きます」
「なんか、屈辱的な格好ですね……ここからのトドメはアタシたちでも見えました」
「ええ。この体勢は女でも危険ですからね。普通の試合でこの格好になったら、頭や脇腹を蹴り飛ばされてしまいます」
「うわー、怖!それじゃ、コレに関してだけはルードが男子で良かったのかしら?」
「そうですねぇ。この格好にしてあげたら、あとはタマタマ蹴ってあげるだけで勝負がつきますからねぇ。わざわざ危険な攻撃をしなくても」

そう語りながら、ルードに宥める視線を向けるトモエ。ポーラは同じ高さにある彼の顔に、ひらひらと手を振ってみせる。
男の子で良かったコトもあったみたいだよ、そう気楽な口調で告げる彼女に、ルードは小さく「うるさい」と返すことしか出来なかった。
微笑ましいやり取りを眺めながら、彼がある程度回復したと見込んだトモエも教え子の傍らにしゃがみ込む。タマタマ痛いの治まりました?と優しい口調で訊ねる。

「なんでココばっかり狙うんスか……?」
「えーと、哲学的な質問かしら?先生、そういうのは苦手なんですけれど……ソコに金的があるから、じゃ答えにならないかしら?」
「……何を言って……ぐっ!」

痛みがぶり返してきたのか、顔を顰めるルードにトモエは微笑みかける。そして、ゆっくりと彼の右手をとると、そっと自身の股間に導いた。
指先に感じる柔らかさと暖かさ。指の隙間からは、少し湿り気を帯びた布地と、その奥のコリコリとした突起物の感触。
思わず手を引きそうになるルードを逃がさないよう、しっかりと掴んだ右手。トモエはそのまま優しく、しかし有無を言わさぬ強さを込めて押し込んでいく。

「金的はとても効果的ですから。相手に有るなら狙うべき、それだけですよ」
「先生、俺の手を使って何して……」
「逆に、どうですか?先生のお股に、金的は有りますか?見つけたら、握り潰してしまってもいいですよ?」
「あるわけないじゃないッスか!!」
「……そういうコトです。先生や他の子は、金的が『無い』から狙われないだけ。もし『有ったら』、もちろん積極的に狙われてましたよ」
「そんな理不尽なこと……。ぐぅっ」
「だから、ルードくんはソコの守り方を考えないといけないんです。面倒だとは思いますが、仕方ないんです。男の子なんですから」

トモエの諭す言葉を興味深く聞いていたのはポーラ。茶々を入れるつもりはないのだろうが、気楽な声でルードに話しかけた。

「考えてみれば、せんせもアタシも守り方教えようとしても無理なんだね。だってそんなの学ぶ必要がないんだもの」
「ええ。なので多少痛い思いをさせてでも、ルードくんには自分で防御法を編み出してもらわないといけないんです」
「アンタたち、他人事だと思って……」
「まぁ、実際他人事だしねぇ」

641名無しさん:2022/02/20(日) 22:33:46 ID:6MD7ScYE0
悪びれた様子もなく笑うポーラに、ルードは歯噛みするしかない。彼女への苛立ちは募るが、反論の言葉は浮かんではこなかった。
トモエもルードの気持ちは察しているのだろう。彼を不憫に思うような表情を浮かべつつも厳しい声で叱咤する。

「それで、さっきのは何ですか!前回、キンタマ守ってばかりだと勝てませんよって教えたばかりですよね?」
「そんなコト言いながら、この前は思いっきりオレのタマキン蹴り上げたじゃないっスか……防御が甘い!とか言って」
「あれは言葉通り防御が甘いってだけです!きちんと守りながら、自分のペースは保たないと。勝てる試合も落としちゃいますよ!?」
「先生はキンタマ蹴られるかもって恐ろしさを知らないから……」
「逆です!先生は、きちんとルードくんのタマタマが潰れない程度に加減していますから。安心して試行錯誤していいんです」
「安心って……」

トモエの物騒な台詞に、ルードはげんなりした顔で呟く。目敏く彼が纏う空気の変化を察知したトモエが、無言で腕を伸ばす。
ルードの意識の虚を突き、押さえたままだった左手の下に滑り込むように突き入れられた彼女の手は、障害などなにも無かったかのように容易く彼の陰嚢を掴んだ。

「潰そうと思えば、いつだってルードくんのタマタマなんて潰せます。これは本当です。……試しましょうか?」
「やめてください!本当にやめて!冗談じゃ済まないんスから!」
「まだ潰されていないというコトは、先生にそのつもりが無いってコトです。分かってくれましたか?」
「分かりました分かったんで早く離して下さいホントにヤバいんスよマジで痛いんですコレ!!」

悲鳴のような叫び声を上げるルード。必死の形相で懇願されれば流石に手を放さざるを得ない。渋々とといった様子で手を引けば、彼は安堵のため息を漏らした。
いつのまにか集まってきていたギャラリーから同情の視線を集めているのを認識し、ルードは情けなく顔を伏せる。
トモエは説教モードから空気を切り替えると、小さく縮こまってしまったルードを立たせる。そっと耳打ち。

「……ちなみに、先生がキンタマ潰しますって宣言したらいくら抵抗しても無駄ですからね。男らしくタマタマ諦めてくださいね♡」
「ひぃっ!」
「それじゃあ、皆さん。模擬戦を続けましょうか」

------------

ここは、いわゆるコロッセウム。年端のいかない少年少女たちが集められ、観客の前で研鑽の結果を披露し日々の生計を立てる場所。
ルードがここに居るのは、もちろん訓練のためだ。だが、悲しいかな。天は二物を与えずとはこの事か、容姿は優れていても彼には格闘の才能が悲しいほどに無かった。
ここで披露される試合は殺し合いではない。徒手空拳で、ほぼショービジネスとして成立している。だから、糊口を凌ぐには、どうしても結果が求められる。

結果として。彼はその容姿を惜しいと思った興行主によって特例として女子側のクラスに送られ、そこで日々の訓練に明け暮れることとなっていた。
女子に混じれば、彼の筋肉は特段劣っているものではない。もちろん、図抜けて優れているわけでもないのは確かだが……。
何かしら光る才覚が示せれば、また男子部に返り咲くことが出来る。それが叶わなければ、この生活は一生続くことになるだろう。
その不安が、ルードの心に焦燥感を生み、更に彼の心身を苛む悪循環を生み出していた。更に性質の悪いことに、そんな彼を揶揄する男子部の先達もいるらしい。

トモエは彼の指導教官。当初、ルードを紹介された際は、ソコまでこのコロッセウムに執着する必要もないでしょうと閉口したものだ。
だが、彼が天涯孤独でココを追い出されたら日々の活計にも困るということ。そして、まだ男子部を見返すという目的を捨てていないこと。
そして、彼が加わってから自分のクラスに活気が湧いてきたこと。様々な要因が重なり、結果としてトモエはこの少年の面倒を見ることを承諾していた。

642名無しさん:2022/02/20(日) 22:35:08 ID:6MD7ScYE0
------

「きゃ〜!サーシャ、頑張って〜っ!!」
「ほら、ナタリア!アンタにデザート賭けてるんだからね!負けたら承知しないわよ!」
「負けてもいいわよ!ユリア、最近ちょっとお腹たるみ気味なんだからぁ」
「ええぇ!?単に成長期なんですけど!?」

観客席から上がる黄色い歓声。股間を押さえ、トモエに腰をトントンと叩かれているルードを尻目に、少女達は試合に熱中しているようだ。
試合形式は、ルードの時と同じく一本勝負。先にギブアップ宣言をするか、トモエが試合続行不能と判断すれば勝負アリだ。

審判を務めるのは、茶髪でとても小柄な少女、リサ。引っ込み思案という概念が服を着たような様相で、縮こまりながら二人の応酬を見守る。

サーシャと呼ばれた榛色の髪と瞳をした小柄な少女が、風を切る音とともに腕を振る。
対する少女はナタリア、大柄、赤髪に赤目でかなり大人びたプロポーションをした彼女は軽く腕を上げてサーシャの打撃を防ぐ。
独楽を思わせる動きで回転し、サーシャから槍のように脚が伸ばされる。両腕を硬く併せ、腹筋を固めてナタリアが耐える。

「まだまだ行くよぉ〜っ!」
「くぅっ……そんな攻撃、ウチには効かないよっ!」

サーシャから放たれる追撃、顔面を狙った刺し貫くような蹴りを、ナタリアは小さく膝を落とすことで躱す。
だが勢いは止まらない。回転と膝の撥条を活かして放たれた牽制のストレート。ナタリアが少女らしからぬ頭突きを合わせて迎撃する。
拳を弾かれた勢いに逆らわず、クルクルと回転しながら後退するサーシャを捉え損ね、ナタリアの反撃、回し蹴りが空を切る。

ルードとトモエの応酬とはまた違った攻防がグラウンドの中央で繰り広げられる。回りの観客から黄色い声援。

「きゃ〜!カッコいい〜!!」
「サーシャ〜!こっち向いて〜!!」
「いい!その調子ですわ!攻めて攻めて〜ッ!!」
「ナタリアも、もっと攻めなさいよ!!」

女子部の特徴として、動きが大袈裟、よく言えば派手で華がある。これは意図されたもの。こういった見世物としての勝負の方が人気が出るのだ。
純粋な迫力では男子部の肉弾戦には及ばないものの、その分小器用で多彩な攻撃が期待出来るため、見ている方としても飽きない。
ルードの時は、ただ彼が一方的にやられていくだけなので、盛り上がる要素がなかったのだが。
ーーー 一頻り技を繰り出し、お互いが息を整えるために距離を取る。汗に濡れ、肌が上気する様は、同性から見ていても艶めかしい。

(あの二人は見違えるほど伸びましたね)

ルードの指導教官であるトモエは思う。彼が入った当初は、ナタリアは今よりずっと粗削りで、サーシャはやる気がなかった。
特にサーシャの成長は目覚ましいものがある。元々の素質があったのか、はたまたは手前味噌だが自分の教育の賜物か――恐らく両方だろう。
それに比べてーーー視線を下げれば、そこには未だに未練がましく蹴られた金的を庇うルードの姿。

(まだ金的痛いのかしら。男の子って不便なのねぇ)

ただでさえ小柄な身体をさらに小さく丸め、股間を押さえたまま座り込む姿は酷く滑稽に見える。
仕方がないことだと頭では分かっているのだ。彼が、このクラスで唯一の男性だ。だから、こんな風になるのも当然のことなのだ。そう、自分に言い聞かせる。
それでもやはり、その姿を見るとつい苛立ってしまう。そしてその感情を自覚すると自己嫌悪に陥る。

彼も必死で頑張っているのだ。男子部の頃の知り合いが、時折彼をからかいに来ていることも知っている。
だが、それでも腐らず、めげず、必死に授業に参加している。『金的』なんていう不要な急所を抱えた身体で、それでも強くなろうと努力している。
そんな彼に苛立つ自分は教師として未熟この上ない、そう自省するものの女性であるトモエには彼の苦しみの本質は想像することしか出来ない。

643名無しさん:2022/02/20(日) 22:35:59 ID:6MD7ScYE0
「はっ!」
「見え見えっ!……てりゃっ!」

顔面を標的に、最短距離を疾走してきたナタリアの拳をサーシャがヘッドスリップ、紙一重で回避する。
回避の勢いで身体を捻り、その場で独楽のように一回転。遠心力を乗せた蹴りがカウンター気味に放たれ、ナタリアの鳩尾に突き刺さる。

「うぐっ!?」
「転んじゃえ〜っ!」

身体をくの字に折り曲げた相手の両肩を掴むと、伸び上がるような膝がナタリアの顎をカチあげる。
脳天まで響く衝撃に、ぐらり、ナタリアの恵まれた体躯が蹌踉めく。押し倒しマウントポジションを奪おうと、サーシャが掴んだ肩を突き放す。
後ろへ倒れされまいとナタリアの上体が泳ぐ。それを好機と見たサーシャが、大きく脚を振り上げる。狙い過たず、股間を狙う強烈な一撃。

「キンッ!!」
「あいたっ!」

一瞬の隙を突いて放たれたのは背足による金的蹴り。いや、ナタリアに金的は無いため股間蹴りといった方が適切か。
サーシャから放たれたソレが、あやまたずナタリアの両脚の間を蹴り上げる。反射的に股間を押さえてナタリアが前屈みになる。
ひぃ、自分が受けた一撃を思い出したのか、ルードが小さく悲鳴をあげて目を逸らす。

(何ですか、『キン』って……ナタリアさんにはタマなんて無いんですから、あれじゃ決定打にはなりませんよ)

トモエの予想通り、ナタリアは股間を押さえた『く』の字の体勢、だが目からは闘志が消えていない。
逆に、サーシャは慢心してしまったのか。小さく反応を返したルードに一瞬だけからかいの視線を向けてしまう。
その刹那の油断が命取りだった。ナタリアの左手が、素早くサーシャの手首を絡め取る。そのまま体重をかけ、引き倒すようにサーシャを背中から地面に叩きつける。
ドシン、と重い音を立ててサーシャが後頭部を打ち付ける。受け身すら取れずにモロに入った。彼女の脳髄が頭蓋の中で揺れ動く。
一瞬サーシャの意識が飛ぶ。彼女が立ち上がれなくなったコトを確認して、ようやくナタリアが手を離し、構えを解いた。

「……勝負、あり……ですっ!ナタリアさんの、勝ち!!」

リサが控えめ、だがハッキリとした口調で勝者の名を呼ぶ。観客席から、どっと歓声が沸き起こる。

「決まったァッ!!勝者、ナタリア!!」
「うぉおおおっ!!」
「キャアアッ!勝った!ナタリアが勝ったわよ!!」
「いいぞー!ナタリア!!」
「サーシャも気を落とさないで〜!相手がルードなら最後の『金的』で勝ってたよ〜!!」

一気に騒がしくなる観客席。その中で、ルードが股間の痛みも忘れて立ち上がる。
地面で目を回しているサーシャに駆け寄ると、壊れ物を扱うかのようにそっと抱き起こす。トモエはそんな二人を遠巻きに見つめていた。
彼のああいう人柄は評価されてしかるべきだと思う。あとは、実力さえ伴ってくれればーーー

「お、おいサーシャ、大丈夫か?」
「……ぅん?あ、うん。わら、わらし?わらしはらいじょうぶらよ〜」
「よかった。立てるか?」
「…………」
「サーシャ?」
「ふぇ!?あ、う、うん、もちろん!たてますとも!ルードくんこそ、その、もう大丈夫なの?」

644名無しさん:2022/02/20(日) 22:36:44 ID:6MD7ScYE0
ぼんやりとしていたサーシャだったが、ルードの声で我に帰る。
サーシャはルードの腕に支えられながら、なんとか自力で立ち上がっているところだった。心なしか、顔が紅潮しているようにも見える。
観客席から黄色い歓声があがる。みれば、ナタリアも囃し立てる側に加わっているようだった。

「ぎゃ〜っ!王子様、カッコいい〜ッ!!」
「タマタマ痛いの治まったの〜?無理しちゃダメだよ〜っ!」
「『王子』のままでいてぇ!『姫』になっちゃダメよぉ〜っ!」
「『姫』になるおつもりなら、せめて私(わたくし)の手でキンタマ潰させてくださいませぇ〜!!」
「サーシャも今がチャンスよ〜。いつまで『王子』が『王子』でいられるか分かんないんだからぁ!!」

(やっぱり女の子はこういうシチュエーションが好きなんですね。ですがーーーよくない兆候ですね)

トモエが冷静に状況を分析する一方、サーシャは照れ隠しなのか、大げさにルードから離れ、一人で立ち上がった。
その様を見て、観客はより一層盛り上がる。トモエは小さく溜息をつく。どうにもこのクラスでは、男一人というだけで過剰に盛り上がってしまう。
その気持ちは分からなくもないが、それにしても度が過ぎているような気がする。意識しすぎではないだろうか、と。
特に顕著なのはサーシャの敗因となった一撃、『金的』だ。いや、蹴られたナタリアに金玉は無いが、便宜上そう呼ぶことにする。
ルードが来る前、女性のみで模擬戦をしていたときは相手の股間に攻撃を決めた程度で油断することは無かったハズだ。
当然だろう。股間を蹴られた『程度』(女性からすれば)で戦闘不能にはならないということは、彼女たちは身をもって知っている。

だが、今は違う。ルードが編入してきてから、クラスの話題は彼のコトで持ち切りだった。
年代が違うトモエから見ても、彼の容姿は優れていた。格闘には向かない中性的な美貌。細身の体躯。柔らかそうな青空色の髪。
加えて、誰にでも分け隔て無く接する性格。彼と目が合うだけで頬に手を当てて顔を赤らめる娘もいる始末。

そんな彼が、模擬戦で股間を打たれるだけで身も世もなく悶え苦しむ。その姿は、思春期の少女に倒錯的な快感を味わわせるのに十分すぎた。
単刀直入に言えば、女子生徒たちの一部が金的攻撃に目覚めたのだ。その『異性』を強く意識せざるを得ない醜態に背徳的な快感を覚えてしまった。
自分たちには効かない、しかし男であるルードにとっては致命的な一撃。決してやり返されることがないという優越感。女であることへの自己肯定。

645名無しさん:2022/02/20(日) 22:38:18 ID:6MD7ScYE0
(女子が男性と闘うケース自体、そんなに無いんですけどねぇ)

実際のショーでは、男性闘士と女性闘士のマッチングはあまりない。鍛錬では埋めきれない性差があるからだ。
現役時代、女性闘士ではトップクラスの実力を誇っていたトモエでも、二軍落ちか、スレスレの男性闘士とのマッチングが関の山。
ペナルティマッチと題されたソレで、何人もの男性を『元男性』に変えてきた。が、そのスキル活かせるほど強くなる教え子は一体何人いることか。

女性同士の試合でも『金的』を、それも無意識のうちに優先してしまうケースが出てきたのは由々しき事態だ。
確かに女性にとっても急所だ。だが、脛や鳩尾と同じ程度。男性と違って一打で試合の趨勢を決めうる致命的な弱点ではない。
女性同士での試合でも固執すると、サーシャのように足元を掬われてしまう。『金的』を意識的に多用することは、自分の狙いを晒すことと同義でもある。

(相手が男性ならそれでもお釣りがきますけど……まぁ、ルード君のせいじゃないですし、責めるのはお門違いですね)

彼女は指導者で、ルードのことだけを考えているわけにはいかない。むしろ、女生徒たちを一端まで育て上げるのが本業だ。
まさか、現役を退いて後進の育成に入ったあとにキンタマの処遇に頭を悩ませるなんて、と巡り合わせの妙に苦笑してしまう。
現役時代は、ソレは単なる『的』でしかなかった。文字通り、『金』の的。ココをやれば勝てますよ、そう誘われている錯覚を覚えるほど。
綺麗に入れば充足感にニンマリしてしまうし、弾けた感触が伝わると『勝った』ではなく『仕留めた』と仄暗い満足感を抱いてしまっていた。
それが今では、どうだろう。自分の教えを受けた教え子たちが、まるで恋い焦がれるように『男』の弱点を狙っていることに女の自分が苦慮している。

実際、トモエは未熟な指導者だ。名馬必ずしも名伯楽ならずという言葉があるように、彼女もまた教えることに関しては駆け出し同然。
だから、これは仕方がないことなのだ。ルードが悪いわけではない。ただ、それだけの話。

(さて、どうやって注意したもんでしょうかね)

トモエは、思案する。こういうとき、どういう風に指導するのが正解なのか。答えは出ないまま、模擬戦は続いていく。

646名無しさん:2022/02/20(日) 22:39:15 ID:6MD7ScYE0
------

数試合が終了し、燦々と輝く太陽が、空の頂点に差し掛かる頃。
土埃の舞うグラウンド、小石一つなく綺麗に整地された大地の上で今度は一人の少年と一人の少女が薄布一枚を纏って対峙していた。
一人は言うまでもなくルード、もう一人は彼のルームメイトでもある蜜柑色の少女、ポーラである。審判をつとめるは、目立たぬ少女が一人。

少年はまだ睾丸の痛みが残っているのか、どことなく縮こまった防御寄りの構え、対する少女は大きく身体を開いた攻撃よりの構えだ。
彼らを取り囲むように、数多の少女たちが思い思いの格好で向かい合う二人に声援を送っている。
何人かは汚れた装束、額に汗をかいて座り込みながら。何人かはアイドルかなにかを応援するように、片手を高く上げながら。

「ルードくん、ほら、攻めないとはじまらないわよーっ!!」
「ポーラ、今回もカッコよく決めちゃって〜ッ!!」
「ほら、金的よ金的!潰さない程度に股間をよく狙って〜ッ」
「そうよ!両方ともはダメ!せめて一つはアタシ用に取っといてぇ〜!」

ワイワイと好き放題な言葉を投げる女生徒たち。揶揄しているのか心配しているのか、股間を指差しながら奇怪なポーズを取る娘もいる。
中には『あそこ』ではなく『おちん◯ん』など直接的な単語を使う娘もおり、トモエは風紀の乱れに眉を顰める。
とはいえ、この程度のことは今に始まったことでもない。男子生徒がいない女子校という閉鎖空間ではよくあった光景だ。

「ルード!またポーラちゃんが『ぴょんぴょん』させてあげるから、キンタマ洗って覚悟してなさいよね!」
「ポーラ、お前なぁ……それ、品がないからやめろって言ってるだろ?」
「なにが下品よ、ムッツリスケベ!部屋ではいっっつもアタシのおっぱいを目で追っているクセにぃ!」

それは否定しないんだ……と女生徒たちは呆れたような視線を送る。この脂肪の塊になんの魅力がとは思うものの、彼女たちにとってその話題は禁忌の一つだった。
ルードが編入してきた初日。自己紹介を終えた彼に殺到した質問の中で、唯一まともに取り合ってくれなかったのがコレだ。
実際にはトモエの入れ知恵で、特定の属性に肩入れすると外れた側からの反発が大きくなるため、あえて無関心を装わせたというのが真相だが。
変に煽ると、ひょんなコトで敵対派閥にルードの睾丸が潰されてしまうかもしれない。そう危惧した彼女が、敢えて無知を装わせたのだ。

とはいえ、その配慮を知る由もないポーラの言葉で、その目論見は脆くも崩れ去ってしまったのだがーーー。

「いや、あれは……男として当然の反応で……」
「そんなことないでしょ!?いい加減、観念して好きなだけアタシの胸を視姦すれば良いじゃろがい!ホラ、遠慮せずに見てご覧なさーい!」

647名無しさん:2022/02/20(日) 22:39:46 ID:6MD7ScYE0
ポーラは、一歩前に出てルードの目の前に乳房を突き出す。
その大きさは、並大抵のものではない。Bカップのトモエでは及びもつかない、圧倒的な質量。
豊満という表現すら生温いと思えるほどのソレは、重力に逆らうようにツンと上を向き、薄布を押し上げる。
観衆の一部から嘆きと怨嗟の声。

「ショック……やっぱりルードくんもおっぱい大きくないとダメなの……?」
「リサだってまだ成長の余地はあるもん、あるもん……」
「やっぱ大きい方が良いんでしょうねぇ、そうですよね……」
「男として当然……か。ポーラッ!前言撤回するわっ!ルードくんのキンタマ両方潰しちゃって!!」
「一個も残さなくていいよっ!去勢して、そのおっぱい至上主義な性癖を矯正してあげてっ!!」
「うふふふふふ、ルード様ったら……こんなモノ、重たいだけですわよ?私(わたくし)にはサッパリ良さが分かりませんわぁ」
「ねー。ウチも分かんないなぁ」

トモエの予想通り、一部の女生徒たちが殺気立つ。逆に、また一部の女生徒はこれみよがしに胸を突き出し、自慢げに揺らしだす始末。
そして、残りの大半の女生徒たちは、なぜか自分の胸に手を当てながら、羨望の眼差しでポーラの胸を見つめている。

(………………)

無意識に自分の胸を弄っていたトモエは、すぐに理由に気付いた。ポーラの胸が大きいせいで、相対的に自分たちの胸が小さく見えてしまう。
そう、あくまで相対的にだ。決して自分は小さくはない。いや、小さいからって何の問題があるんですか。邪魔なだけです、あんなモノ。
そもそも、交わるためには穴さえあればいいのです。おっぱいなんて、料理でいったらお皿や盛りつけ。見栄えだけ良くても、肝心の味がイマイチでは台無しです。……等々。
年甲斐もなく、脳内で一人戦いをはじめるトモエ。そんな彼女を他所に、ポーラとルードの間合いはジリジリと狭まっていく。

648名無しさん:2022/02/20(日) 22:40:30 ID:6MD7ScYE0
「さぁ、いくよ!ルード、覚悟!!」

言うなり、ポーラはルードに向かって大きく一歩踏み込む。対する少年は、先ほどまでと変わらず防御重視の構え、ちょこちょこと小刻みに後退する。
少年は小柄で身体に筋肉もついておらず、対する少女はいかにも活発な雰囲気を身に纏い女性としては気持ち大柄。体格、体重の差異はなく拮抗した条件。
とはいえ、ルードの脚の動きは明らかに鈍い。まるで、下半身全体に力がロクに入らないようなーーー。

「どうしたの!タマタマまだ痛いの!?男の子は大変だね!」
「だから、言い方ーーー」
「問答無用!ルームメイトのよしみよ、アタシが楽にしてあげる!!」

大股での前進と、小幅での後退では距離は詰められるのが当然。ポーラは短い気合と共に、ルードの顔面目掛けてジャブを放つ。
少年は、両腕をあげて防御。視線は自分の身体に向けられ、意識外から飛ばされる攻撃に対しても細心の注意を払っているように見える。だが。

(……いけませんね)

いくら何でも慎重過ぎる。お灸が効きすぎたのだろうか、とトモエはルードの挙動に渋面をつくる。
防御だろうと回避だろうと、視線は自分では無く相手の身体を捉えておくのが基本。先程よりは多少マシとはいえ、彼はまだ恐怖に縮んでいる。
攻撃の『起こり』を把握せず、対症療法的に捌くのはよほど実力に差がないと難しいとルードにも口を酸っぱくして教えてハズなのだが。

「ほらほら、ガードが間に合ってないよ?」
「ぐ、この……!」
「蹴っちゃうよぉ?キンタマ蹴っちゃうよぉ?先生みたいに加減できないよぉ?ほーれ!」
「うおわっ!!」

大振りの金蹴りに、ルードは慌てた様子で飛び退く。ポーラの動きをよく見ていれば、絶好のカウンターチャンスだったハズの一撃。
だが、自身が金的を喰らわないことだけに集中していたルードは碌な反撃を繰り出すことも出来ず、ただひたすら逃げ回るのみ。
潰しちゃうぞぉ、などとポーラは口三味線でルームメイトの恐怖感を煽りつつ、徐々に追い詰めていく。

(いえ、ポーラさんが上手なのかもしれませんね。キンタマ狙ってるアピールで上手く圧をかけられてます)

あの二人は同室だ。だからこそ、彼にどう圧をかければ効果的か熟知しているのかも、そうトモエは感嘆とともに推測する。
年頃の男女が寝食を共にするのは健全ではない。一応、そう思える程度の常識は彼女も備えていた。男女七歳にして籍を同じくせず……あれ?席だったかしら?
まぁ、ともかく。とはいえ無い袖は振れない。マイナー側の女子部ということもあり、トモエのクラスは決して裕福ではない。
劣等ゆえに男子部を追われたルードに個室をあてがう余裕はない。ポーラのおおらかな人柄に甘えて、二人部屋での共同生活をお願いしているのが現状。
老朽化した環境なのだ。憩いの場であるハズの大浴場でさえ冬は隙間風がヒドい。施設のボロさをイイことに、最近は覗きに勤しむ不届き者がいるとの噂話まである。
自分の力不足で生徒に不便をかけざるを得ない現状に歯痒さを覚えるが、当の本人(ポーラ側)はそれを喜んでいる節があった。

「ほりゃ!そりゃ!ほりゃ!てりゃ!」
「ぐ!ちっ!くそ!うお!」

空振りの金蹴り。一動作でルードの注意は下半身に集中させられた。虚をついて、ポーラは連続した打撃を彼の顔面に放つ。
ルードは構えをあげ、一打はパリング、一打はガード、と必死にジャブを捌いていく。だが、その表情には明らかな焦燥が浮かんでいた。
それはそうだ、何せ一発でもクリーンヒットすれば即終了の危険がある。一瞬でも股間から意識が逸れれば、『一撃必殺』される危険性が彼には付き纏う。
だが、逆に男側、ルードに有利な性差もある。骨格、筋肉の付き具合。単純に身体スペックでいえば、ルードは幾分かポーラを上回っているだろう。
だからこそトモエは歯痒い気分になってしまう。もし、あの身体を動かしているのが自分であれば、そんな馬鹿げたIFの世界の想像をしてしまう。

649名無しさん:2022/02/20(日) 22:41:59 ID:6MD7ScYE0
「とうりゃ!どうだルード!そりゃ!」
「あんま!調子に!乗んなって!」

追い詰められたルードは反撃に転じるべく、拳を振りかぶる。彼の気迫に圧された形で、ポーラは無理な体勢でバックステップ。
彼の攻撃は空を切るが、ポーラもなにかに蹴躓いたようにたたらを踏んだ。そして、体勢を整える前に、ルードは再び踏み込もうとしてーーー

(まんまと誘いに乗っちゃいましたね……。あぁーらら……あら?)

トモエが額を押さえる。が、続いて響いてくるはずの甲高い悲鳴が聞こえず首を傾げた。視線を戻すと、ルードはピタリと追撃の手を止め静止している。
彼がカウンターを試みることを見越して、少女が置いておくように放っていた金的が空を切る。一瞬、驚愕の色がポーラの顔に浮かびそうになる。
注意を上半身に集めて圧を加え。急に隙を見せつけることで相手の破れかぶれの攻撃を誘い。意表を突く形で彼の急所、睾丸を蹴り上げる。
ポーラの得意な戦法。ルードは散々煮え湯を呑まされてきた。だが、今回は違う。彼女の行動を読み切った。テンポが崩れたろう、慢心したルードはひっそりと笑う。
だが。

「か〜ら〜のぉ〜、キンッ!!!」
「うおぁぁッ!?」

蹴り足を引く勢いを乗せて、二段蹴りの要領で軸足側からも蹴りを飛ばしてくるポーラ。両腕をひらがなの『ひ』に似た形に持ち上げた鳥に似た構え。
不幸中の幸いは、彼が初撃を躱した慢心でワンテンポ反撃が遅れたこと。もし、回避から流れるように反撃に移っていたら、間違いなく今の一撃は彼の股間に突き立っていた。
空を切った脚が纏う風が、優しくルードの睾丸を撫でる。一息で転げるように後退し、彼は情けない悲鳴をあげた。
今度は、作り物ではない驚愕と称賛の視線がポーラから送られる。一拍おいて、外野の女生徒たちも沸き立つ。

「きゃ〜、ポーラ、惜っし〜い」
「あ〜ん、ルードくんの『ぴょんぴょん』が見たかったのに〜」
「ほら、ポーラも隙だらけだよ!ルードくんも攻めて、攻めてっ!!」
「ちょっと、ウチ、見えなかったんだけど?ねぇ、ちゃんと見せてよぉ!」

歓声を背に受けて、ポーラは嬉しげな笑顔。腰に手を当てて、胸を張ってルードを見下ろす。その動きに追随して、重量感のある乳房が揺れる。
対称的に、ルードは顔を青ざめさせて震えていた。先程の一撃を食らった自分を想像し思わず内股になってしまう。
可愛い〜、観客から囃し立てられる無責任な声援に耳を塞ぎたい衝動に襲われながら、少年は必死に次の行動を考える。

「どうじゃ、ルード。ポーラちゃんの必殺!ルード殺しのスペシャルコンビネーションは??」

両腕を羽撃く鳥のように動かしながら、ポーラが戯ける。あのふざけた技は初めて見た。
何が必殺技だバカヤロウと内心毒づきつつ、ルードは自分の両太腿に手を当て、脂汗を流していた。

(このままじゃ……)

勝てる気がしない。今まで何度も練習を繰り返してきたし、勝つために工夫してきたつもりだった。だが、一手でも間違えれば。
次の瞬間、ポーラの血も涙も情けも容赦もない蹴撃が股間に打ち込まれ、自分は情けなく悶絶してしまうだろう。そんな未来が容易く思い描けて戦慄する。
相手からすれば、ただただ単純に彼の金的に一撃を加えることだけを考えればいいのだ。ただそれだけで、勝負は容易く決してしまう。
ルードの側はそうはいかない。ポーラに金的は付いていない。だからこそ、彼女をダウンさせる攻撃の組み立てを頭の中で構築する必要がある。

一手一手が薄氷の上。隙を見せれば、即座に悶絶させられる。急所を狙われている恐怖にルードの陰嚢が収縮し、併せて構えも縮こまっていく。

(うーん、これはいけませんね)

650名無しさん:2022/02/20(日) 22:42:39 ID:6MD7ScYE0
その様子を見ながら、トモエは小さく首を傾げた。ルードの表情は、初手の教導を思い出させる焦りに染まっている。
自分は金的を狙われるなどといったプレッシャーとは無縁だが(無いので)、焦りが更なる危険を呼び込むことに彼は気付いていないのだろうか。
そして、その焦りが動きに直結しているのか、攻撃の精度が落ちている。ポーラの攻撃を捌くことは出来ているが、反撃に移ることが出来ない。

一旦、金的の恐怖は横においておくことはできないのだろうか。女の身である自分には分からない何かがあるのだろうか。
身体スペックは誤差レベルとはいえ間違いなくルードの方が高いのだ。多少の金的は無視、ゴリ押ししてしまえば高確率で勝てるのに、そう嘆息。
逆に、縮こまった状態でも優位を保てるほどポーラの身体能力が低いわけでもない。このまま行けば、いつもの見慣れた決着に落ち着くだろう。
トモエとしては、それはそれでも良いのだがーーー

「ほあっちゃ!ほりゃ!そりゃ!キンッ!とうりゃ!」
「うわ!おっと!痛ッ!うげ!うわぁぁぁッ!!!ひぃ!」

ルードが萎縮すればするほど、ポーラの攻撃は縦横無尽、自由闊達に四方八方から襲いかかってくる。
何とか紙一重でそれらを捌いているものの、ルードの顔面からは血の気が引いていた。体力面でも、常に神経を張り詰めている彼の方が消耗が激しい。
顔色は誰が見ても分かるほどに悪く、表情にも余裕が無い。もはや勝利への執念すら消えかけている。この調子では、遠からず金的の餌食になるだろう。
眺めるトモエは渋い顔。

(これは……ルード君は、男に生まれたことを反省することになりますね)

戦意を喪失してしまえば、勝てる試合も勝てない。勝ち目がない試合なら尚更だ。不甲斐ない生徒に、トモエはそっとため息をつく。
ものの弾みで潰れてしまわなければいいのだけれど……そう呟きながら押さえる彼女の股間に睾丸は無い。

「さあ!ポーラちゃん!そろそろとどめよ!!」
「『ぴょんぴょん』させちゃって〜!」
「ルードくんも覚悟を決めなさぁい!キンタマぶら下げてるんでしょぉ!」
「ほら、金的!金的!金的!」

外野の声に煽られて、ポーラのテンションが上がっていく。興奮と高揚が疲労を一時的に忘れさせていく。
対して、ルードはもう限界だった。追い詰められた現状への危機感、急所を蹴り上げられるかもしれないという恐怖に膝が笑ってしまう。
囃し立てる観客、級友はすべて女子生徒。対戦相手も勿論女子。極めつけには、指導教官のトモエも女性。金的の恐怖は誰とも共有できない。
その孤独感が、更にルードを追い込んでいく。そして、ついにその時が来た。

開幕は、ポーラから無造作に放たれた前蹴り。ヤクザキックと呼ぶべきか、鳥を見立てた構えから怪鳥蹴りと呼ぶべきか。
力任せの一撃は、平常なら楽に避けられただろう。ルードが同じ蹴りを振るおうとしたなら、間髪入れずポーラのカウンターが急所に刺さっていただろう。
だが、小さく小さく縮こまり、ただ被弾面積だけを減じることに専念していた彼は、その素人染みた蹴りすら対応することが出来ない。
胴の前で構えた両腕に着弾して、大股を開いて後ろに倒れないようにバランスを取らざるを得ない状態に。

651名無しさん:2022/02/20(日) 22:44:07 ID:6MD7ScYE0
(あ〜らら、御愁傷様です)

トモエが顔を背けながら小さく手を合わす。ルードは、金的が無防備としか形容できない状態にされたことを認識し血の気が引いたのが分かる。
その瞬間、ポーラの回し蹴りが彼の顎に突き立った。脳が激しく揺すぶられる衝撃に視界が揺れる。
平衡感覚が狂う中、それでも必死に踏ん張ってしまうのは反射によるものか。そして、その本能は最悪な結果を招くこととなる。

「それっ!今度こそ……キーンッ!!」
「……え?」

金的を蹴られた直後特有の痺れにも似た感覚の喪失に、ルードは呆けた顔で目を瞬かせた。
一呼吸置けば、信じられないほどの苦しみが襲いかかってくる……死神らの通告じみた神経信号に、彼の全身が総毛立つ。
だが、それを待つこと無く、躊躇ない追撃がポーラからもたらされた。

「からの〜……とどめじゃい!」

先だっての二段蹴り。痛みの分からぬ女だからこそ放てる、禁断のコンビネーション技。
初撃の足を引く勢いを咥えた飛び蹴りが、ルードの金的に踵が浮き上がるほどの衝撃を叩きつける。恥骨に挟まれ、睾丸が変形する。

「うぎゃああぁぁぉぉぉぉぉぉぉ……」

濁音混じりの大絶叫を上げ、やがてそれは弱々しい甲高く掠れた悲鳴に。壊れた操り人形のように座り込むルード。
それも数呼吸。悲痛な絶叫を再開し、悶絶しながら転げ回る彼に対し、観客席からは呆れたようなどよめきが。トモエも額を押さえて嘆息。

「その、分かんないけど、もう立てない?無理?……じゃ、ポーラちゃんの勝ち!」

審判から、ポーラの勝利を告げる声。沸き立つ観衆にガッツポーズを見せるポーラ。

「あ、金的入っちゃったね〜♡いつ見ても痛そ〜♡」
「おっぱい星人は矯正できたかなぁ?」
「ルードくんかわいそぉ!」
「これじゃいつまで立ってもルードくん男子部に戻れないねぇ〜」
「でもでも……その前に、男の子じゃ無くなっちゃってるかも……ですっ!」
「実力的にも女子側だものねぇ……」

観衆から、口々に無責任な言葉が投げかけられる。女三人よれば姦しいというが、人垣となった女性陣の喧騒は相当なものだ。
ポーラとは言えば、すでに仕留めた獲物に興味はないのか。両手を上げてVサイン。華やかな声援に笑顔で応えている。
一方的な蹂躙劇に沸き返る女生徒たち。しかしその中で一人、トモエだけが複雑な表情を浮かべていた。

(頭では、『金的』を打たれたのだから仕方がないと理解るのですけれどね……)

652名無しさん:2022/02/20(日) 22:44:49 ID:6MD7ScYE0
何度目だろう。男性である以上、ソコを打たれればお終いだ。理屈は分かる。しかしトモエは女性、実感がもてない。だからこそ『その程度で』との落胆を禁じ得ない。
勝者を称え、沸き立つ生徒たちを脇に彼女は教え子、ただ一人の男性であるルードの傍らへ。膝立ちで、苦痛に転げる彼を覗き込む。
彼は師の接近すら気付いていないのか、固く瞼を閉じて、股間を押さえたまま芋虫のように腰をくねらせている。哀れだ、そうトモエは思う。同時に少しばかり、可笑しくもある。
我が身には預かり知らぬ苦痛に対する憐憫と失笑、教え子であるポーラに対する誇りとルードに対する失望が混在した瞳。

「また負けてしまいましたね。その痛みは注意を怠ったことへの罰ですよ。ルード君は私達とは違って『金的』が効くんですから」

はやく防御の手段を編み出せないと、本当に潰されてしまいますよ、淡々と語りかけながら彼女はルードの下穿きを剥ぎ取る。
ルードも朦朧としながら抵抗を試みるが、睾丸から波のように溢れる苦痛で満足に動けない状態。なす術もなく下半身を露出させられてしまう。
彼には容姿以外に華が無かった。痩せぎすで、筋力も男にしては低い。運動神経もよくはない。外見は中性的、というよりむしろ女性的ですらある。
それなのに。そんな脆弱な彼になのに、ダメ押しのように致命的な弱点が存在する。それが、トモエには気の毒でならない。

「ほら、タマタマ見せてください。潰れてないか確認しますから」
「……うぅっ!?やめっ、うぐっ!だ、だいじょ、大丈夫っスから……ツッ!!」
「いい加減慣れてくださいな。恥ずかしがらないといけない程、御大層なモノでもないでしょう?」
「でも、先生……こんなのって……」

羞恥心なのか、恐怖か。ルードの内股が小刻みに震える。それでも、彼は見せろと言われれば見せるしかない。トモエは欠片の羞恥もなく顔を寄せる。
力なく開かれた両脚の付け根にトモエには無い器官。こんなモノが急所だなんて。彼女は金的を見る度に、いつも不思議な感慨を覚える。
そっと指先で触れると、普段より重量感がある気がする。腫れちゃったのかしらね、と推測。まぁ、実際、推測しかできないのだ。彼『女』には。

「あ、せんせ!ルードのキンタマ大丈夫でした?アタシってば、つい思いっきり蹴っちゃって」

と。場違いなほど明るい声。称賛を浴び飽きたのか、少女、ポーラが二人の元へ駆け寄ってくる。ゆさゆさと胸部を揺らしながら。
手を挙げて応じるトモエに抱きつくように飛びつきつつ、興味津々と横たわるルームメイト、ルードの下腹部を見回す彼女。
教え子の精神を庇おうと、トモエは思わずルードの性器を両手で隠していた。流石に、試合外で一方的に晒し者にするのは気が引ける。

だが。ポーラはそんな師の心遣いを察しつつも、ケラケラと笑いつつ一刀のもとに切り捨てる。

「あ、隠さなくても大丈夫ですよ!アタシ、ルードのちんちんなら見慣れてますから」
「え”?!ぽ、ポーラさん?」

困惑する師を尻目に、ポーラはトモエの手をどけてルードの股間を覗き込む。ふむ、確かにいつも通りだね、と納得顔。
納得がいかないのはトモエだ。確かに同室にしたのは自分ではあるが、教師の知らないところでこの子たちは一体何をしているのか。
風の噂では、ポーラは彼を大浴場に連れ込もうとしたことも有るらしい。そのときは下らない流言と一笑に付した。が、実は事実だったりしないか。
教え子たちの、風紀の乱れを危惧せざるを得ない。しかし、当のルード自身はと言えば、ポーラの言葉など気にしていない様子。
いや、そもそも彼の意識は半ば飛んでいるらしい。ポーラに見つめられた下腹、その奥の痛みが未だ続いているせいだろう。

「あ。別にエッチな話じゃないですよぉ。ただ単に、ルードがキンタマやられた日はアタシが手当してあげてるってだけで」
「あら、そうなのですか?それは初耳ですね……」
「ポーラちゃんには分からないですけど、歩くのも辛そうなんでぇ。濡れタオルで冷やしてあげたり、軽食を取ってきてあげたり……」
「ああ、なるほど……」
「あとは、ルードに意地悪いいにきた男子を追っ払ったりとかぁ……」

トモエはようやく得心いったという風に相槌を打つ。そういえば先月も模擬戦後にルードが部屋から出てこなくなったコトがあった。
少しばかり『金的』への指導に熱を入れすぎたかと心配したものだが、数日で何事もなかったかのように復帰し胸を撫で下ろしたものだ。
つまり、その時もポーラの手当てを受けていたというわけか。ならば、その件に関しては問題ない。彼女は治療をしていただけなのだから。
それに。男子部の知り合いから虐められているのを一人で抱え込んでいないということも朗報だった。生徒たちの助け合いに目頭が熱くなってしまう。

653名無しさん:2022/02/20(日) 22:45:43 ID:6MD7ScYE0
だが。

「とはいえ、ポーラちゃん的にはエッチな話でもどんと来いっていうかぁ……」
「あのですねぇ、貴女の口からそういう言葉が出ることがまず不純なのですが」
「あははー、だって好きなんですもん。ルードのこと。もう大好きすぎて毎日が楽しいですよ!キンタマ押さえて丸くなってるのまで可愛い!」

照れる素振りすらなく言い切るポーラに、トモエは眩しさと立ち眩みを同時に覚える。彼女は、あまりにもまっすぐ過ぎる。
さきほどのサーシャの赤い顔がフラッシュバック。気付かぬ内に自分のクラスは複雑な人間模様を編み上げていたことに目眩を覚える。
とはいえ、肝心のルードの方はまだ苦痛が続いているらしく、時折体を震わせながら虚空へ視線を投げかけている有様だが。

と。

「お〜い、みんな〜!ルードのキンタマ大丈夫だったよ〜ッ!!」

大声で叫ぶポーラの声に反応して、三々五々に散っていた女生徒たちがまたゾロリと集まってくる。どう見ても全員が全員、目がギラついている。
一人の例外もなく、彼に好奇心に満ちた視線を向けてくる。ある者は興味深げに、また別の者に至っては無遠慮極まりない様子で。
流石に不憫で、トモエは再度、ソロリと教え子の性器を覆い隠す。だが、もはや遅きに失したというべきか。

「あ、先生がちんちん隠しちゃった!!」
「えぇ、もうちょっと見させて!もっと近くで確認したいの」
「先生!手が邪魔で見えません!!ポーラちゃんばっかりズルい……ですっ!!」

女生徒達の怒濤のような要求。それを受けて、トモエは観念したように目を伏せる。そして、なるべく平静を装うよう努めてルードを見下ろす。
朦朧とした表情、だが泣きそうな目でこちらを見詰める教え子に、口パクで(ごめんね)と謝罪の言葉。このままだと終わりそうにないんです、と。
生徒の要求を受け入れ、そっと掌が外される。彼の陰嚢が衆目に晒されてタプンと揺れた。

「ウチ、ちんちん初めて見た」
「アレって勃ってるのかな?萎えてるのかな?元々はどんな形なんだろ?」
「これが噂のキンタマちゃんですか」
「ふ〜ん、思ったより小さいんだねぇ。どんな風に痛いんだろ?」
「あぁ……こんなに間近で見る機会なんて無かったけど……すんごく可愛い……です……」
「というか、膨らみ一つしか無くない?やっぱポーラが片方潰しちゃったんじゃないの?」
「おバカ!あの膨らみ……なんていうか、袋の中に玉が二個はいってるんですわ!」
「片方だけでいいから貰えないかなぁ……」

口ぐちに感想を述べる少女たち。ポーラはといえば、何故か得意満面である。コレは勃ってない状態だよ、などと自分のモノのように紹介する。
サーシャを筆頭に、噛み殺さんばかりの視線でポーラを睨む者も居たが、当の本人はどこ吹く風だ。むしろ楽しげですらあった。

(……まったく、どうしてこうなったのかしら?)

苦笑いを浮かべつつ内心頭を抱えるトモエ。そんな師の姿に、やはり申し訳なさそうに身を縮めるルード。
持ち主にシンクロするように、彼の陰嚢が縮むのを見て女生徒たちは口々に可愛い、だの揉んでみたい、だのと好き勝手なことを言い出す始末。
彼の真っ赤な表情からは、何故自分がこんな目に遭わなければならないのだという不満がありありと読み取れたが、トモエには掛ける言葉もない。
トモエにとっては、ヒートアップして収拾がつかなくなりつつあるこの場を収めるべく思考を巡らせる方が先決であった。
ーーーとはいえ、彼女もテンパっていたのだ。だから、その発想は突拍子もなくて当然だったと言えよう。

654名無しさん:2022/02/20(日) 22:46:37 ID:6MD7ScYE0
「よってたかって裸ん坊のおちんちん覗き込むなんて不躾ですよ!フェアに自分たちも脱いでからにしなさい!」

トモエはパンパンと手を叩く、注目を集めたのち、一喝。我に返ってしおらしく頭を下げる生徒たちの姿を夢想する。
彼女としては、同年代の異性に裸を見せるなんて考えただけで頭に熱が昇ってくるほど恥ずかしい。ルードは男性だが、きっと羞恥に悶えていることだろう。
女生徒たちも我が身に置き換えれば、どれだけはしたないコトをしていたか実感してくれるハズだ。

トモエの試みは半分成功した。炎天下、屋外で脱衣するということには抵抗があるのだろう、生徒たちも一度は引き下がる素振りを見せたのだ。
公序良俗に照らし合わせて、その程度の譲歩はあって然るべきというもの。トモエはホッと胸を撫で下ろした。だが。

「そーだよ!ルードのおちんちんのコトは、全部ポーラちゃんに任せておいて!」

薪をくべたのは例によってポーラだった。彼女は勢いよく立ち上がり、力強く胸を叩いて宣言。途端、ブルンと跳ね上がる大きな乳房。
トモエには、彼女に他意が無いことが。二の足を踏んでいる級友に言い訳の言葉を与えたかっただけだということは理解出来た。それは分かるのだが……。

だがしかし、彼に好意や興味をもつ生徒たちにとっては煽り以外のなにものでもない。互いに顔を見合わせ、ザワつき始める。
サーシャなどは、露骨すぎる程に激情で顔を赤く染めていた。物欲しそうにルードの股間を見つめていた顔を上げ、ポーラを睨みつける。
そのまま憤然と立ち上がり、身に纏ったものを全て脱ぎ捨てようとした瞬間ーーー

「ストップ!ストップです!分かりました、分かりましたから!それじゃ、今晩、大浴場でお互いの性器の確認会をしましょう!」

トモエは慌てて制止の声を上げる。いくらなんでも、ここで全裸になるのはまずい。いや、既に色々とまずい状況ではあるけれど。
彼女はテンパっていた。発想は突拍子もなく、ただただこの場を凌げればと勢いで発言してしまっていた。だが、一度口にした言葉は還らず。
彼女の意図はどうあれ、結果的に生徒たちを煽ってしまったことは事実である。なし崩し的に、ルードは今晩の夜宴の主菜になってしまったのである。

泣きそうな顔で自分を見上げる教え子……ルードを見返しながら、トモエは泣きたいのはこっちです!とのセリフを抑えることに必死になっていた。
我関せず、と太陽が燦々と照りつける。結局、その後の授業に身を入れることが出来た生徒は一人として居なかった。

655名無しさん:2022/02/20(日) 22:48:24 ID:6MD7ScYE0
------------------

そして、舞台は夜。女子棟の大浴場までジャンプする。覗きの噂が広まってから少し寂れたその場所は、久方ぶりの活気と一種異様な緊張感に包まれていた。
トモエによって、今晩は貸し切りとなったソコに集った女子生徒は口数少なく、ソワソワと浮足立った様子で身繕いに余念がない。
ルードがこの浴場を利用したことは無かった。女子棟にあるとはいえ、彼にも利用する権利はある。だが、流石のルードも女湯に突撃するほどの蛮勇はない。

まぁ、女子棟にあるから女湯程度の暗黙の了解。飲食物や、公序良俗に反するものの持ち込みは禁止。その程度にしか、明文化された規則はない。
それを逆手に取って、ポーラは幾度となく彼を大浴場に連れ出そうと企んでいたが、この日までその計画は尽く頓挫してきた。

だが。今日は違う。教師である、トモエのお墨付きだ。彼は、ココに来ざるを得ない。初めての、異性との裸の付き合い。
そう考えると少女たちが緊張してしまうのも無理からぬ事だろう。普段は姦しい彼女たちも、本日はまるで借りてきた猫のよう。
とはいえ、サーシャなど幾人かの少女たちは少々趣きが異なる。彼女たちは合戦に赴くがごとき静かなオーラを、無言のうちに全身から迸らせていた。

(どうしてこんなコトになったのでしょう……)

黒髪を纏めて、湯船に浸かりながら天井を見上げるトモエ。一難去ってまた一難というが、日中の厄介ごとはただ先送りにされただけと思い知って、深く嘆息。
ただでさえ、異性と触れ合う機会が少ない環境だ。教師である彼女の目からみても、魅力的なルードに生徒たちが熱をあげる気持ちは分かる。
トモエだって、散々彼の『金的』を責めて悶絶させている。が、決して憎いからではなく、むしろ逆だ。大切な生徒だから。強くなってほしいから、心を鬼に指導している。
自分はどれだけ『金的』が脆いか痛いほど……言葉の綾だ、彼女に痛むキンタマはない……知っている。だからこそ、『もしも』が無いように克服させてあげたい。

だが、この異様な雰囲気に呑まれた生徒たちはどんな『行動』を起こすか予想もつかない。
最悪の場合、物理的にルードを『金的』から解放してしまいかねない……端的に言えば、彼のキンタマを奪ってしまいかねない。
これは自分の監督責任になるのかしら、そう考えるとトモエの気が沈む。『無い』自分の股間を撫で擦りながら、どう穏便にコトを済ませるか、彼女は一人苦悩していた。

「「「…………」」」

不意に訪れた沈黙に、女生徒たちの視線だけが交錯する。
未だに決心が揺らぐのか、身体を隠して脅えた生徒。覚悟は既に完了し、全身を磨き上げて待ち受ける生徒。泰然自若と、全てを受け入れる体の生徒。
これだけの女性がこの浴場に集結したことはこれまであっただろうか?皆が思い思いに身支度を整え、主賓であるルードの到着を待ち侘びている。
もし、本当に覗きがいたならーーートモエはつらつらと思いを巡らせる。こんな壮絶な光景、二度とは見られることはないでしょうね。

と。ガラガラと景気のいい音を立てて浴場の扉が開かれた。弾かれたように、全員が入り口を注視する。

「おっまたせ〜!ゴメンね〜、ルードがむずがっちゃってさ〜」
「痛い!痛い!離して、離してポーラ!」

張り詰めた空気を、木綿糸よりも容易く切って捨てる第一声とともに現れたのはポーラだ。一糸纏わぬ、生まれたままの姿。
後ろ手に、これまた全裸のルードを従え、何一つ隠すトコロなど無いとばかりに大股、大胆不敵に歩を進める。
主賓、ルードといえば先導するポーラに陰嚢を掴まれ、腰を突き出した無様な体勢。生贄に捧げられる羊のように情けなく引きずられている。
二人の姿は、これからこの浴場で起きるだろうことの縮図にも見えた。見守る女生徒たちから、羨望と欲望の声。

「あ!ポーラ、もう触ってる……!先生、ポーラばっかりズルいです!!」
「いいなぁ……リサも握ってみたいなぁ……」
「も〜、ソコ、デリケートらしいから丁寧に扱いなよ〜。はじまる前に壊しちゃったらぁ…………承知しないからね」
「サーシャ、怖っ!?」

656名無しさん:2022/02/20(日) 22:48:58 ID:6MD7ScYE0
常識的に考えれば、全裸の女性たちのと男が一人ならば、乱入したのは男性側。悲鳴をあげるのは女性側と相場が決まっている。
だが、この場では逆だった。ルードが逃げる素振りを見せると、ポーラが乱雑に陰嚢を揉んで彼に悲鳴を上げさせる。
ハーレム、男の夢じゃない。何が不満なの?とポーラは実に晴れやかな表情で問う。彼女の顔は、これから楽しいコトが始まるという確信に満ち溢れていた。
完全に数で有利、トモエがいるため質でも優位。絶対的に立場が上と確信した女生徒たちも、男、ルードを逃さないよう包囲していく。と。

パン!!
手を叩く乾いた破裂音が響き渡り、全員の注意が音の主へと向けられる。成り行きを伺っていたトモエが、アクションを起こしたのだ。

「はい、皆さん注目〜」

引率の要領で生徒たちの注目を自分に集める。あのまま、その場の勢いに任せておくわけにもいかない。ルードが滅茶苦茶にされてしまう。
彼女の生徒たちは、意識をズラされたことで僅かに落ち着きを取り戻す。トモエは彼女たちに笑顔を向けながら、ゆっくりと湯船から立ち上がった。

(うっわぁ……エロ……)
(私だってあと五年もすれば……)
(ルードったら鼻の下伸ばしちゃって……アタシの方が若いんだよ!コッチ見てよ!)
(トモエ先生ってばキレイだよね〜やっぱり大人の女の人なんだな〜)

しっとりと艷やかな黒髪がうなじに貼りつく。滑らかな肌から珠のような雫が流れ落ちていく様はまるで一枚の絵のように美しい。
乳房は小さく、腰回りの肉付きもやや薄いものの、それがアンバランスな魅力を強調。すらりと伸びた脚線美は艶めかしく、見る者の視線を惹きつけずにはいられない。
そのくせ、股間には毛の一本も生えていない、その艶美な引力たるや。少女たちのみならず、急所を掴まれたルードですら突然に現れた『完成された女体』に目が釘付けとなる。

(ダメよ、トモエ……あの子たちは、子供、子供なの。大人の私がしっかりしないと)

実態を言ってしまえば、トモエだって十二分にテンパっている。だが意地でもそれを表に出さない。ゆったりと、優雅さすら漂わせる所作でルードの元へ歩を進める。
異性にマジマジと裸体を見られた経験など彼女には無かった。ピクリと震えたルードの陰茎に、彼女は内心で悲鳴をあげる。
試合で睾丸を破壊しろと言われれば、いくらでも出来る。どうせ自分には無い器官だ、微塵の躊躇いもなく潰せるし、その行為に後悔したことはない。
だが。試合でも教導でもなく、日常に近い世界で男性器と向き合った経験は乏しい。『おぼこ』の自分を奮い立たせ、震えを隠した足取りで。教え子、ルードの所まで。

「皆さん、これはお互いの確認会なのですよ。ルード君のおちんちんの品評会ではないのです」

這々の体で辿り着くと、生徒たちに向き直る。人指し指を立て、遠足の心得を説くかの如く語りかけていく。ポーラに視線を向け、ルードを解放するように指示。
ただただ一方的に彼が性的消費されるのであれば、日中帯のアレとなんら変わりがないじゃないですか。そう頭を悩ませつつ、前後策を脳内シミュレート。

「ポーラさん、ルード君のタマタマ放してあげてください」
「ほーい。というか、別に『ルードの』って特定しなくても。ココだとルードしか持ってないですよね。キンタマ」

ポーラから何気なく発せられた言葉に、ルードはハッとしてしまう。視線を上げて、あたりを見回す。確かに、ルード以外はみな女性。
産毛で覆われた股間、スッと一筋のスリットが入った股間。三角形の陰毛に覆い隠された股間。陰毛が薄く、両脚の付け根から申し訳程度にスジの先端が覗いている股間。
そこには種々雑多な女性器があった。だが、ルードのように陰嚢をぶら下げた股間は一つたりとももない。自分はマイノリティ側なのだ、現実を突きつけられルードは身震いする。

逆に、ポーラは特になんの拘りも見せず、促されるままに握り込んだ陰嚢を解放した。
彼女にとっては、単に駄々を捏ねた暴れ馬のようなルームメイトを簡単に聞き分けよく躾けられる、便利な手綱でしかないのだろう。
まぁ、掴んでくださいと言わんばかりの形をしてますものね、そうトモエは小さく呟く。『無い』側として、ポーラの気持ちならよく分かる。

657名無しさん:2022/02/20(日) 22:49:45 ID:6MD7ScYE0
だが、教師としては片方ばかりに肩入れするわけにもいかない。ウズウズしている生徒たちに向けて、彼女が考えた『ルール』を伝えていく。

「皆さんがルード君の『おちんちん』を確認するのはいいです。ですけど、その場合はルードくん『にも』皆さんのものを確認させてあげてください」

お互いがお互いの身体をもっと知れば、きっと練習もより効果的になります。心にもない言葉で生徒たちを牽制する彼女。

だが、実のところトモエの算段はシンプル。まず、これが最初のステップ。
女生徒たちも全員が全員、自分の身体を『晒して』しまったとはいえ、実際に『触れさせる』までの覚悟を持っているとは思えない。異性相手なら尚更だ。
ルードたちが登場する前に、葛藤するようにモジモジしていた生徒たちはコレで篩にかけられるだろう。トモエだって、触れるのはよくても触れられるのは嫌だ。
とはいえ、『師』として『大人』として、そんな我儘を言える状況ではないことも理解しているが。

そして、次のステップ。
自分の身体に触れられることまで覚悟した生徒たち。例えばポーラはその筆頭だろう、彼女はそもそもルードに触れられるコト自体に忌避感がないように見える。
彼の眼前で、顔を林檎もかくやと紅潮させながら腰に手を当てて仁王立ちしているサーシャもそうだろう。涙目だが、確固たる信念が感じられる眼差し。
他にも何人か彼に懸想している教え子はいるかもしれない。彼女たちには触れさせる他ないだろう。ルードも、女性への不理解を払拭するいい契機になるかもしれない。
どちらにせよ、クラス全員を相手にするよりはよほど御しやすいとトモエは考えていた。

そしてーーー

「例えば……お手本を見せますね」
(私は先生、ルードくんは生徒、ルードくんは子供、ノーカン、ノーカン、ノーカン……)

心のなかで念仏のように題目を繰り返しながら、トモエはルードの頭を抱きかかえる。刹那、決意するための間が空く……次の瞬間、彼はトモエの胸に抱きすくめられていた。
ゆっくりと彼の頭を自身の乳房に押し付ける。柔らかで温かな乳肉の谷間へと導き、左右の乳房で彼の両頬を擦り上げる。甘く、温かい体臭をルードは知覚する。
これで彼は満足してくれるだろうかと一抹の不安。日中、そして今も天真爛漫に晒されたポーラの豊かなおっぱいがトモエの思考に陰を差す。見下ろせば、自分の小さな胸。
せめて、口には出さないで欲しいと祈る。もし、ルードがデリカシーなく『比較の言葉』を口にしてしまえば……大人げない『お仕置き』も已むを得ないかもしれない。

だが、彼女の行為はルードに興奮よりも先に困惑をもたらしていた。彼は目を白黒させながら、拘束から抜け出そうと藻掻く。
逃さないとばかりにトモエの両腕に力が篭もる。拮抗した状況、絶妙な感触が双方の性感を刺激する。鼻腔を満たす甘い匂いと、頬に当たる張りのある乳房の弾力が心地よい。
そう感じてしまった自分自身に、ルードが愕然としているとーーー

「あ!ルードくんのちんちんが勃ってきた!」
「え、あれ勃ってるってコト!スゴい、初めて見た!」
「本当に形が変わるんだ……どういう仕組みになってるんだろ!!」
「ルードくんのおちんちん……可愛いぃ♡食べちゃいたい♡ねぇ、みんなそう思うよね?」
「私が護ってあげたーい!それか引っこ抜いて私だけの宝物にしちゃいた〜い♡」

見守る女生徒たちから黄色い歓声があがり、彼女たちのボルテージが増していく。ルード本人も気付かぬ内に彼の陰茎は硬度を増し、天をも衝かぬばかりに屹立していた。
ルードとトモエは、外野からの指摘によって同時にその事実を認識。ルードは自身の意に沿わぬ現象に呆然とし、トモエは自身が引き起こせた事象にホッと満足する。
彼女の右手が教え子の下腹部へと伸ばされる。ルードは、慌てて股間を隠そうとするが、察知したポーラに両手を拘束されてしまう。結局はトモエのなすがまま。
掴まれた怒張、すでに先走りで濡れそぼっている先端が彼女の指先でヌルリと滑る。突然の強い刺激にルードは腰を引くも、背後のポーラに動きを制される。

最後のステップ。頃合いを見計らって彼に射精してもらう。ソレをもって、キリがいいからお開きに、そう告げてこの饗宴を終わらせる。それがトモエの皮算用。
なにか区切りとなるイベントが無いと、生徒たちの興奮は治まらないだろうと踏んでいた。であれば、『男の子』特有の射精現象は丁度いいフィナーレとなるだろう。
とはいえ、トモエも射精について詳しいわけではない。どこまで持つのか、探り探りに拙い手付きでルードの陰茎を撫で擦る。

658名無しさん:2022/02/20(日) 22:52:36 ID:6MD7ScYE0
その拙さが災いして、彼は生殺しとなっていた。あと少し強く握られたら達してしまいそうなギリギリの状態、だが決定的な快楽を与えられていない。
その『射精欲求』をトモエが実感することはない。出すためのペニスも、作るための睾丸も彼女は備えていない。だから、ルードの苦しみを察することが出来ない。
だが。そのもどかしさも終わりを告げて、ルードが切羽詰まった声を上げはじめるーーーと、その瞬間、トモエは彼の陰嚢の付け根を絞ると容赦なく下へ引き下ろした。

「うぐぅっ!!」
「はい、皆さん見えましたか?こんな感じです……ルード君、ゴメンなさいね。射精しそうになっちゃってたから止めちゃいました」

トモエは、自身が持つ唯一の射精知識……陰嚢を引っ張ると射精を中断させることができる……を活かし、教え子が果てるのを防いだのだ。
理由は単純明快。自分が射精させてお開き、とは流石に出来ない。見せつけるだけ見せつけられて、フラストレーションが溜まった生徒たちが何を仕出かすか分からない。
出来れば、何人かの生徒たちを満足させてもらい、その締めとして彼には射精してもらいたい。それが一番平和裡に場を収める方法だ、そう彼女は考えていたのだ。
ーーーその目論見が甘すぎたコトを、トモエはこれから嫌というほど思い知らされることになるのだが。

「さて、何方か希望者はいらっしゃいますか?触りたいだけはダメですよ。ルード君にも、ちゃんと『女の子』を確認させてあげてくださいね」

生徒たちを見回しながら、控えめな口調で立候補を待つ。彼女たちは、互いに顔を見合わせてはニヤつき合う。誰が最初に行くか牽制しているようだ。
ある生徒は尻込みし、ある生徒は逆に鼻息荒く興奮。また別の者は興味津々とばかりに目を輝かせる。しかし、皆、最初の一人になるのは気が引けるらしい。
彼女たちの振る舞いに、『このまま乗り切れるのでは』と考えてトモエは内心胸を撫で下ろす。撫で下ろしたこの胸、ルードに乳繰らせた甲斐があったと自己肯定。

だが。その均衡は、一人の女生徒によって障子紙よりも容易く破られる。

「はい!はいっ!!はぁ〜いッ!!!私、触ってもらいたいですーーーーーーーーーッ!!!!!」

浴場全体に轟くような声量とともに挙手したのはポーラ……では無かった。もはや悪ふざけの如く真紅に顔を染め上げたサーシャが絶叫とともに立候補。
どこか飄々としたいつもの態度はみるかげもない。茹でダコよりも赤い顔、脳天から湯気を巻き上げながら勢いよく立ち上がる。勢いあまって数歩ふらつく。
挙手の途中だったのだろう。所在なさげな手をヒラヒラと振るポーラ。出鼻を挫かれ、鼻白んだ表情で級友、サーシャを見詰めるがそれも一瞬。
『出遅れたんだから仕方ない』と言外で語りつつ、一番槍は級友に譲る。当のサーシャはといえば、グルグルと目を回しながら夢見心地で譫言を垂れ流すばかり。

「ゆ、夢じゃないよね〜。合法的にルードくんに触ってもらえて〜、合法的にルードくんの触ってもいいんだよね〜ぇ……?」

無防備に全裸をルードに見せつけたまま、覚束無い足取りで歩み寄る。そして、彼の前で正座すると怒張をジィっと凝視する。榛色の髪から、水滴が零れ落ちる。
ルードは、必死に爆発しそうな陰茎を押さえながら呼吸を調えることしか出来ない。彼女の息が吹きかけられるたび、腰の奥で形容し難い熱が生まれる。
そんな二人を他所に、ギャラリーが沸き返る。高まる興奮を隠しきれず、思い思いの言葉を投げかけての大喝采。

「よかったですわね、サーシャ様。ずっと触ってもらいたがってましたものねぇ」
「キャラが崩れちゃうからって意地はってたよね。駄目元でお願いしてみたらって、ウチも口が酸っぱくなるほど勧めたんだけど……」
「触りたがってたもいたわよ。だから金的ばっかり練習しちゃってさ」
「まぁ、自然におちんちん触れる機会って、タマタマ蹴り上げるときぐらいだもんね〜。ねぇ、リサちゃん?」
「ひゃう……!だだだだって……蹴った時のルードお兄ちゃんの顔ったらないんだよぉ……」
「あ〜……確かに。すっごい悲痛な顔しながら耐えてるルードくん見る度に、私もキュンとしちゃう♡」
「うぅ……私も♡私のタマタマもキュってしちゃう♡」
「何いってんの、持ってないくせにぃ」

659名無しさん:2022/02/20(日) 22:53:09 ID:6MD7ScYE0
好き勝手言いやがるなこの連中……とルードは内心毒づくが、口を挟む余裕などない。
今すぐにでもこの場から逃げ出したい衝動に駆られるも、目の前のサーシャの視線はそれを許してくれそうにない。
潤む瞳、熱い吐息。そして、ゆっくりと伸ばされた両手がまず触れたのは、下腹部にある、玉袋と竿の付け根の部分。
優しく撫ぜるように、指先で擦り上げられると、ルードの身体がビクリとはねる。次に触れられたのは、裏筋。浮き出た血管に沿って指先が這い回ると、今度は腰が引ける。
そして、ついにサーシャの手が亀頭へと伸びる。そっと包皮に指が差し入れられると、敏感な粘膜が外気に晒さられ、ヒヤリとした感覚に襲われる。

(やばい……なんか変になりそうだ)
(わわわわわわわわわわわわ)

互いに緊張しているせいか、どこかぎこちない奉仕が続く。ルードは、どうにか平静を装いながらサーシャの行為を受け入れていく。
しかし、サーシャはというと、その手が震えていた。先走りでヌルついた掌、そのぬめりをローション代わりにルードのモノに塗りたくっていく。
やがて、十分に滑りが良くなったところで、彼女は思い切って手の中の剛直を握り締める。刹那、電流が走ったかのように全身が痺れた。腰の奥で熱塊が膨張するーーー

「……!ああああぁあぁっ!?」
「おっと……危ないですね。ルード君、また射精してしまいそうになったでしょう?」

が。結果として、彼が達することはなかった。背後から、トモエが再度ルードの陰嚢を掴み、射精感を無理矢理押し留めたのだ。
射精寸前まで高められた快感が、行き場を失いルードの中で暴れ狂う。彼は、獣じみた叫び声を上げながら身を捩る。だが、当然のように逃れることは叶わない。
最初の一人目で射精させるわけにはいかない。教え子の不甲斐なさを嘆きながら、トモエは手中の肉団子をクリクリと捏ね回す。また獣じみた絶叫。

いまだ夢現のサーシャはトモエの手に重ねるように腕を伸ばそうとするも、『お互い触りっこですよ』と制止の声をかけられて一呼吸分の時間停止。
握られた陰嚢を庇おうとするルードの両手、それを掴み取る動作ももどかしく立ち上がり、彼の手を自身の股間、女性器に押し付けるとゴシゴシと激しく上下させる。

「あ、あ、あ……ルードくん、どう?私のアソコ、どうなってるか分かる?」
「ん、ぐ、ふ、えぇえええ!!はな、離してっ!!」
「これから、ルードくんの、タ、タ、タマタマが入った袋握るねっ!ルードくんも、私の好きなトコ握っていいからねっ!」
「に、握るって、て、さ、サーシャにはあああぁぁぁぁ!?」

660名無しさん:2022/02/20(日) 22:55:04 ID:6MD7ScYE0
ルードの返答を待つことなく、サーシャは彼の手ごと己の女性器をまさぐり始める。熱く湿った割れ目に指先が沈み込むたび、ルードの脳裏で火花が散る。
そのまま両腿を閉じて彼の掌を囚えると、サーシャの両手がルードの陰嚢に伸びる。トモエと入れ替わるように、付け根を絞って引き下ろす。
ひっこ抜かんとばかりに強烈に引っ張られた陰嚢。薄い皮を通して二つの楕円球が浮かび上がり、観客の女生徒たちから歓声が上がる。サーシャもまた、思わず舌なめずり。
誰を皮切りにしたのか、ギャラリーからはまばらな拍手まで聞こえてくる。

「キンタマってあんな風になってらしたのね……」
「本当にタマみたいなのが二つ入ってるんだ……蹴ったときはブニュって感覚しか分からなかったのに」
「片方だけなら貰えないかなぁ……」
「リサ、てっきり……別々にぶら下がってるんだと思ってました……その……一纏めになってるんですね……」
「なんか怖いね。潰れるときも、纏めてブチっていっちゃいそ〜」
「あれじゃスペアがあっても意味ないわねぇ。まったく、詰めが甘いっていうか何ていうか」

自由気ままに、感じたコトをなに憚ること無く囃し立てる女生徒たち。異性の性器を鑑賞するという非日常に、雰囲気酔いしている様子だ。
そのなかでも明らかに悪酔いしているのがサーシャ。ハァハァと盛りがついた犬を思わせる荒い息遣いで、ルードの陰嚢をひたすらに弄くり回す。
ルードの背後に控えたポーラから、彼女を軽く諌める呆れ声。

「ちょっとサーシャ、深呼吸でもして落ち着きなさいって。なんかアンタ怖いよ……?」
「だだだだだだだってだってだってだって!!!!こんな、本物の弾力が……柔らかさまでよく分かるんだよ!!想像してたより、ずっと温かい!!!」

そんな注意もどこ吹く風、サーシャはお目当ての睾丸を掴んだまま、足をバタつかせる。そのたびにルードは身体をビクつかせて悶絶するのだが、彼女にとってはむしろご褒美。
握って、私のも握って、熱に浮かされた涙目で想い人に懇願する。彼女には睾丸などない、だから何処を握ってほしいのかはサーシャ自身にも分からない。が、それでも。
ルードが触れている彼女の女性器には、握れるような箇所が無い。脱力したルードの指先は、ただ割れ目をなぞっているだけに過ぎない。
それが絶妙に切ない刺激と化してサーシャを責め苛むのだ。彼の指が自身の割れ目に埋まり、偶然陰核を擦られた際には天にでも召されたような充足感すら覚えてしまう。
対するルードは、充足どころか急所を掌握されている恐怖感で気が気ではない。睾丸から溢れ出す苦痛は腹腔の奥にまで届き、苦い味が喉元から迫り上がる。
苦悶の顔すら愛おしいのだろう。サーシャはルードの顔を覗き込みながら、その頬に何度もキスを繰り返す。

661名無しさん:2022/02/20(日) 22:55:40 ID:6MD7ScYE0
(なんですかこれ、思ってたより『えっち』というか、危険な雰囲気なんですけど……?)

二人のやり取りを眺めていたトモエは、流石に戸惑いを隠せない。まさか最初の一人がここまでやるとは思っていなかったのだ。
これって、いわゆる前戯に当たる行為じゃないのだろうか。魅入ってしまった自分が言えた義理ではないが、このままだと別の意味で『マズイ』ことになるのでは……?
トモエは乙女だ。急所として、倒すため以外の用途で男性器に触れたことも今日が初めて。世間一般の男女が、どう『縺れ込んで』いるのかにはとんと疎い。
そんな彼女をしても、コレはよくない兆候だと分かった。チラリと視線を流せば、ポーラですら熱い吐息。目を潤ませて成り行きを見つめている。

「ルードくぅううん♡おっぱいにも触ってぇ♡脇腹にもぉ♡背中にもぉぉ♡私を隅々まで確認してぇぇぇぇ♡」
「ぐ、ぎぎ、分かったから、分かったから、き、キンタマ放してぇ……」
「ダ〜メぇ♡いつでも今夜を思い出せるぐらい、サーシャの手に触り心地を刻み付けさせてぇ……♡ほら、サーシャのも握っていいからぁ……無いけどぉ……♡」

小器用に、サーシャは片手で陰嚢を掴んだまま、もう片方の手でルードの両手首を掴み自身の股間へ押し付けなおす。
彼女の両の太腿と左手で、捕食されるが如く深く女性器に沈められた指先。ルードの指先が熱く濡れそぼった粘膜に触れれば触れるたび、サーシャの背筋に電流が流れる。
高揚に任せて、右手でコリコリとした自分には『無い』可愛い膨らみ、男性の急所を転がし回すサーシャ。ルードからは抑えきれない苦悶の声。
悶える彼の指先が、今度は秘裂の上端、肉芽を捉える。指先に感じるコリっとした突起物からの感覚に、サーシャは歓喜の声を上げる。
そんな様を見せつけられ、女生徒たちの間から溜息混じりに羨望の声が漏れる。

(―――ウチもあれ、やってもらいたいなぁ……)
(―――いいなぁ……、リサも……あんな風に可愛がってほしい……です……)
(――ちょっと待ってくださいませ、私(わたくし)は別にそこまでは……)
(――でも、ルード君なら、なんか許せるかも……)

ギャラリーの反応が、徐々に変化していく。この場を支配しているのはサーシャだ。彼女が望むがままの空間が、いつの間にか形成されていく。
そして、サーシャが絶頂を迎えた瞬間、その流れは完全に決した。

「ルードくん大好きぃい!!!!!あ、あああっ!イクッ!イッちゃう!!握って!サーシャのも握って!イクのを止めて!」
「わ、ぷっ!?ちょ、ちょっと、サーシャ、何を握れって…………」
「ダメ!ダメ!サーシャ、サーシャ、サーシャ!!ああ、もうダメ!なにかくる!!もうがまんできない!!!『ぎゅっ』てする!!!『ぎゅっ』てしちゃうっ!!!!!」
「…………!ぐ、ぐがああああああぁぁぁぁッ!!!!!」

サーシャは達すると同時に渾身の力でルードの睾丸を握りしめた。女のサーシャは法悦で、男のルードは激痛で身体を弓なりに反らせる。
二人はそのまま、糸が切れたように崩れ落ちた。アメーバのようにサーシャはルードの上半身に跨ると、苦悶に歪んだ顔に接吻の雨を降らせる。
そんな二人の様子を、呆然と見守るしかないトモエ。だが、見せつけられていた生徒たちは違う。若さと情熱に、彼女たちの羞恥と理性は苦もなく容易く食い破られた。

「ほら、王子様。ウチのも触ってよぉ♡」
「ナタリア、抜け駆けしないでよ!ルードくん、あたしもお願いします!」
「リ、リ、リサも、ルード君の身体に興味ある……ですっ!」
「むむむ。これはポーラちゃんも余裕かましてらんないですなぁ」

触発された女生徒たちが、濁流のように雪崩をうってルードへと殺到したのだ。一同は勢いに圧され、一塊に揉み合いとなりながら床を転げ回る。
肉体の津波に、彼は抵抗空しく押し流されていく。女体の海から、船幽霊の如く靭やかな腕が突き出される。嵐に翻弄される小舟のようなルードの身体を弄くり回す。
誰かがルードの手を掴む。誰かがその手を股間、女性器へと誘導する。溺れる彼が無我夢中で振りほどく、と別の誰かに掴まれる。今度は乳房に押し付けられる。
全周囲からピンクの粘膜と温かい雌肉の感触。鼻腔を擽る汗とミルクの香り。しょっぱい体液に喘ぐと、甘ったるい囁き笑いが耳朶を打つ。彼の五感が『女』に占有されていく。
ルードは、未だ『男』の根源的な痛みに悶えている。だが、そんなことは女の自分たちは知ったことではないとばかりに、圧倒的な情報量が無慈悲に流し込まれていく。
誰かがサーシャを引き剥がす。ムキになって抵抗しても数の暴力には敵わない。誰かの指が睾丸を弾く。ルードは甲高い悲鳴をあげる。クスクスと笑い声。

662名無しさん:2022/02/20(日) 22:56:44 ID:6MD7ScYE0
「ほら、王子様ぁ♡ウチのお股もヨシヨシしてぇ♡今日サーシャに蹴飛ばされて痛い痛いなのぉ♡」
「ナタリア、五月蝿いわよ!アンタ、キンタマなんて『無い』んだからもう痛くも何とも無いでしょお!?」
「えへへ。ルードお兄ちゃんにタマピンしちゃいました……リサ、可愛い声が聞けて……とっても、とぉっても嬉しいですぅ!」
「ねぇねぇ、痛い?キンタマ痛いのぉ?女には分からないけど、かわいそ〜」
「一個だけ!一個だけ頂戴!一生の宝物にするから!一個だけ!指ぐらいなら入れてもいいからぁ!」
「ルード様、私(わたくし)の胸にも来て下さいまし。ポーラほどとはいきませんが、こう見えても結構大きいんですわよ?」
「うわ、ルードってばモテモテだねぇ。でも、結局はポーラちゃんのトコに帰ってきちゃうんだよね?約束したもんね?」

ルードには、もはや自分に触れる指先が誰のものなのかすら識別することが出来ない。女体の群れが渦を巻き、波打ち、一息に彼を呑み込んでいく。
柔肉で出来た底無し沼に引き込まれていく心境だった。朦朧とした意識で抵抗を試みたところで多勢に無勢、到底抗しうるような状況ではない。
腕に、腰に細く柔らかいナニかが絡みつく。心臓が跳ねる。悪戯っぽい忍び笑いと共に、遠慮なく『金的』が弾かれる。吐き気が迫り上がり、血の気が引く。
何よりも衝撃的だったのは、そんな蹂躙という形容すら生温い状況下でも、彼の性器はこの上なく反応しているという事実。ルードは自身の浅ましさが恥ずかしくてたまらない。

勿論、彼を欲望のままに弄んでいる女生徒たちの下半身も濡れに濡れている。だが、ルードにはソレを認識する術がない。
男であれば、ペニスさえ見れば興奮度合いは手にとるように分かる。だが、湿度に満ちた浴場内、どうして彼女たちが濡れていると看破出来ようか。

好奇に輝く目、目、目。ルードの男性器は四方八方から観察される。分かりやすく形を変えたソレが膨張の兆しをみせると、彼女たちは見様見真似で陰嚢を引っ張る。
自分たちには分からぬ苦痛と不快感に喘ぐルードの姿は、きゃあと。可愛いと。黄色い歓声に迎えられる。彼の反応は、少女たちの興奮を煽るためだけの燃料と成り果てていた。

睾丸を守ろうと足掻く『男』の手を、足を。捕らえては自分たちの股間を擦り付けていく。自分たちには『睾丸など無い』、その事実を丹念に刷り込んでいく。
倒錯した状況が、彼女たちの嗜好を歪ませていた。単純な嗜虐心ではない。庇護欲でもない。教えてあげたい、知ってほしい、そんな願いが行為をエスカレートさせていく。
彼女たちに言わせれば、『キンタマ』など別に重要な器官でもなんでもないのだ。普通は存在すらしていない弱点、ただの人体のオマケに過ぎない。
なのに、その小さな欠陥を九鼎大呂のごとく庇い立て、それが故に藻掻き苦しんでいるルード。彼を救ってあげたい。『大事なモノ』だという誤解を訂正してあげたい。
その証拠に、自分たちは誰一人としてそんな弱点をぶら下げていない。でも、平気。『無い』ことに、後ろめたさなんて微塵も感じない。だって、『普通』はそうなんだから。
論拠も根拠も不要、『女』にとっては自明の理。自分たちには無いという事実だけで必要十分。実際『そう』なんだから、どう屁理屈を捏ねてもひっくり返しようがない。
原始的な本能に突き動かされた彼女たちに、ルードは一方的に『女』を突きつけてられていく。

少女たちの行為。それは、好意の裏返し。自分たちが『女』だと、『異性』だとルードに意識してほしいがために引き起こされた行動。
誰もがルードのことが好きだ。だからこそ、自分を見て欲しい。『女』だと、『異性』だと意識して欲しい。だからこそ、『違う』というコトを刻み込みたい。
加熱する好意は烙印と化してルードを責め苛む。彼の反応は、彼女たちにルードの『男』を印象づけ、さらに好意はヒートアップ。熱狂は、もはや天をも焦がさんばかり。

663名無しさん:2022/02/20(日) 22:57:21 ID:6MD7ScYE0
------

(うわぁ……なんかスゴイことになっちゃいましたね……)

筆舌に尽くしがたい混沌を前に、皮算用が全て御破算となってしまったトモエが唖然として立ち尽くす。
確かに、当初の目論見通り、目の前で繰り広げられている乱痴気騒ぎに加わっていない生徒たちもいる。だが、あくまで少数派。
過半数の女子生徒がルードを取り囲み、その柔肌を擦り付け、あるいは舐め回し、さらには股間を押し付けて、彼の心を折らんとしている。
トモエの想定では、この割合は逆であるべきだったのだ。ポーラ、サーシャはともかくとして、あとはリサ、もしかしたらナタリアあたりがちょっかいをかける程度だと思っていた。
なのに、蓋を開けてみればどうだ。今まさにルードは襲われている。捕食されている。だが、明らかに女生徒側の人数比がおかしい。

直接の原因は、サーシャの痴態だろう。最初の一人が、アソコまで羽目をはずすとはトモエは夢にも思っていなかった。
考えてみれば理由は明白。ルードは、サーシャでは無くポーラに惹かれている。四六時中寝食を共にしているのだ、それ自体にはなんの不思議もない。
だからこそ、サーシャにとってコレは千載一遇のチャンスだったのだ。逃してしまえば、次は無いかもしれない。その危機感が彼女を大胆に変えた。
無駄に羞じらって、全てを失ってから後悔したくない。ただただ恥も外聞も捨て去って、欲望のままに想い人の身体を貪り尽くした。

664名無しさん:2022/02/20(日) 23:00:15 ID:6MD7ScYE0
本当のトコロは、トモエが制するべきだったのだ。だが、色恋沙汰に疎い彼女は、ただただサーシャの、乙女の覚悟に気圧される一方。
逆に、胸の奥に曖昧な感情を燻らせていた生徒たちは、サーシャの覚悟に胸を打たれた。慕情の種火に燃料が注がれた。その結果が、目の前で燃え盛る情欲の焔。

揺るぎない同棲という優位に胡座をかいていたポーラにすら危機感を抱かせるほどの情熱は、見事なまでに大炎上して哀れなルードを焼き焦がしている。

(これは……大変でしたねではなく、別の慰めを考えておいたほうがいいのかもしれません)

トモエは蚊帳の外、ルードにどんな言葉を掛ければいいのか思い悩む。
当初の計画では、キンタマ大変でしょうけど、いい思いもできましたよね程度の軽口で終わらせる予定だった。
射精してしまった彼に対し、きちんと『男の子』出来てるってコトですから気にしないで、と軽くフォローを入れる腹積もりもあった。
だが。このままでは、ルードの『キンタマ』そのものが無くなってしまうのではないだろうか。射精してしまう、ではなく。『出来なく』なってしまうのではなかろうか。

アレは女が想像しているよりも脆いのだ。これまで散々奪ってきたトモエは知っている。だが、生徒たちはきっと知らない。知りようがない、『無い』のだから。
トモエは、『タマ』を奪った経験は豊富だ。だが、奪われた相手を慰めた経験は皆無。敗者に憐憫の言葉を掛けるのは許しがたい侮辱、そう信じて生きてきた。
だが、今回に限ってはそうも言っていられない。これは勝負ではない。級友からの純粋な好意と好奇の果てに、教え子は睾丸を失おうとしている。

失うコトは辛いのだろうか。失くすことは寂しいのだろうか。確実に、痛いのは分かる。だが、どんな感じに痛いのか。最初から『無い』トモエには見当もつかない。
率直なトコロ、急所が減るのはいいコトだとすら思う。そんな自分が心にもない同情の言葉を掛けてもいいのか。
浅ましい心根を見透かされ、彼を余計に傷つける結果になりはしないか。それは、師として恥ずべきコトではないか。

周りで狂ったサバトに引いている女生徒たちもそうだ。同情はしている。哀れんでもいる。ただし、あくまで他人事として。
当然だろう、ポーラの言葉ではないが、ここで睾丸を所有しているのはルードしかいないのだ。皆、『失う』ことに実感を持てない。元から『無い』から。
痛い……らしい。苦しい……らしい。なら、きっと可哀想なのだろう。自分を含めて、生まれつきキンタマなんて持ってない側からは、それ以上言えることなど無い。

665名無しさん:2022/02/20(日) 23:01:52 ID:6MD7ScYE0
ならば、下手に共感の言葉を探すより(共感のしようがないのはさておき)冷静に善後策を考える方が建設的かも知れない。
ルードがキンタマを失うことによって生じるだろう不利益をどうカバーすべきか。精神的なショックは、まぁ、御自分で解決してもらうしかないにしても。
まず、彼の目標である『男子部』への復帰は絶望的になるだろう。経験上、男性たちはキンタマを失った男を『男』の内に捉えない傾向がある。
女であるトモエには理由は分からない。彼女から見れば、単に『キンタマ』が無い男だ。だが、彼らから見れば『キンタマ』が無いイコール女子の一種となるらしい。

不思議な話だと思う。タマを潰されたところで、トモエたちが持つ『女の子』の部分が新しく生じるワケでもないのに。何故『女』側に入れようとするのか。
自分で自分の首を締めているのではないか。あんなに潰れやすい、とっても脆いコワレモノなのに。彼らは何故、自分たちのが壊されたときのことを考慮しないのだろうか。
もし、自分がその気になればーーーそこまで考えて、トモエは思考が逸れはじめていることに気づく。急遽、軌道修正。

正規の『男』では無くなったルードを、正式に女子部に編入させることは可能だろうか。肉体的には問題ないだろう、『男の証拠』とやらがもう無いのだから。
今回は男性陣がいう、『タマ無しは男じゃない』という概念を援用させてもらう。自分の生徒たちも、あれだけルードに首ったけなのだ。異論を唱えることもないだろう。

男女の埋めがたい意識差があった。男性、ルードとしては睾丸を奪われるなど絶対に御免蒙りたい。死んでも嫌だ、恐ろしさに身震いすら覚える。
対するトモエは違う。彼女は、ルードの睾丸が潰れるコトは、もはや仕方がないコトと受け入れている。受け入れた上で、その後に思考を巡らせている。
『睾丸』という器官への執着の差。ルードにとっては唯一無二、だがトモエには違う。ルードの睾丸など、数多の男性がぶら下げているものの一つ(二つか?)に過ぎない。

彼女はこれまでになく集中し、ひたすら思考を加速させる。ルードの未来の為に、自分は何が出来るのか。ただただ集中し、沈思黙考。
集中故に、だろうか。極限まで研ぎ澄まされた彼女の感覚に、僅かな違和感が引っかかった。それはルードのものではない、そして女生徒たちのものでもない微かな息遣い。
音の主は、ルードたちの狂宴に気を取られてトモエが立ち上がったことにも気付いていないようだった。全裸のまま、気配を消して彼女は動き出す。そしてーーー

666名無しさん:2022/02/20(日) 23:03:14 ID:6MD7ScYE0
------

「あぁん♡ルードぉ、もぉ入れてみてもいいかなぁ♡アタシ、我慢できそうにないよぉ……♡」
 「ポーラはいつでも食べれるでしょうが!初めては私に譲りなさいよ、本当に欲張りなんだから!!」
「ダメェ……ルードくんはぁ……サーシャが……サーシャのぉ……」
 「ふふん!策士策に溺れるとはこのコトね!サーシャ、もう混ざれるほどの体力残ってないでしょう?!」
「リサ……負けません!リサだって、ルードお兄ちゃんの……おちんちん、欲しいですっ!!」
   「どうでもいいけど、終わったら片方貰うからね。もう引っこ抜くって決めたから。アタシ、毎日ソレ拝んでから授業に出るから」

少女たちの謝肉祭は佳境を越え、奏でる言葉がゆらゆらと揺れる。饗宴はいよいよクライマックスを迎えんとしていた。
ルードは股間から下半身全体へと広がった苦しみと、『睾丸を失う』という悪夢が現実味を帯びてきた状況に吐き気を伴うほどの恐怖を覚える。
その恐怖とは無縁の彼女たちは、高揚に任せて思い思いに少年の身体を貪っている。代わる代わる伸ばされる手が、少年の急所を弄り回す。
彼女たちの汗と体液に塗れた裸体は、肉食動物を彷彿とさせる空気を纏いつつ、哀れな獲物を食い尽くさんと狂乱していた。しかしーーー

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」

前触れもなくもたらされた、予期せぬ誰かの叫び声で少女たちの狂宴は中断されることとなる。
甲高い悲鳴。聞き慣れた、『金的』を打たれた男が発する悲鳴だ。彼女たち女性には決して発することができない、哀れを伴う痛切な汽笛。
発したのはルードではない。彼は、すでに悲鳴をあげる余力も無いほどに疲弊している。届いた悲鳴は、浴場の入り口から。
ルードも含め、その場の全員の視線がソコへと注がれる。注目を欲しいままに、現れたのはトモエと、上半身のみ着衣した見知らぬ青年の姿だった。

空白の時間は一瞬だけ。弾かれたように、思い思いに困惑のリアクションを少女たちは返す。何人かは慌てて湯船に飛び込む。数人は泡を食ってしゃがみ込む。
ルード『で』愉しんでいた少女たちは、呆然とした表情で闖入者を見詰める。これまでの熱狂したムードは、冷水を浴びせかけられて霧散していた。

闖入者は身長170センチ前後か。年齢は10代後半、短く刈り込まれた髪と程よく筋肉が乗った肉体は、彼もコロッセウムの闘技者であることを示している。
だが、精悍だっただろう表情は今は見る影もない。青白く血の気が引いた顔で、トモエに促されるままヨロヨロと歩を進める。
彼の背後には、トモエと同じように全裸の女生徒たち……狂宴に加わりそこねた少女たちが、憤懣やるかたないという表情で後詰めを果たしていた。

見知らぬ顔の登場に、騒然とする女生徒たちを他所に、ルードと青年の視線が交錯する。

「……デレク?」
「……ぐっ」

股間を押さえた青年から返されたのは苦悶の声だけ。だが、それだけでルードは乱入者の正体を確信する。いや、してしまう。
彼は、自分がココまで情けなく女生徒たちに蹂躙されているという現実を、決して知られたくない相手の筆頭だった。男子部時代からの顔見知り。
そして今は、『女子部堕ち』した彼を容赦なく揶揄し蔑んでくる元先輩。その彼が、生まれたての子鹿もかくやと内股で笑う膝同士を擦り付けている。

何が起きたのかは自明だった。師、トモエに『金的』を打たれたのだ。初めて俯瞰で見る『金的』の惨状に、『共感できる』側のルードは言葉を失う。
逆に、『共感出来ない』側のポーラは遠慮とは無縁だった。おもむろに立ち上がると、蔑みと呆れに満ちた声色で青年を糾弾する言葉を発する。

「男子部のイジメっ子じゃん。また性懲りもなくルードをイジりに来たの?アンタさぁ、自分がお呼びじゃないことくらい自覚したら?」

ルードにはただの一度も向けられたコトがない、氷のような冷たい瞳。こんなヤツに裸を隠す意味もない、そう言わんばかりに堂々と青年と相対する。
ポーラの言葉で、大柄なナタリアもゆるりと立ち上がる。二人は背後のルードを庇うように、全裸のまま一歩前にでる。形のよい乳房が震える。

「コイツ、噂の覗き魔だよ。隣のボイラー室で必死にチンポ擦ってたトコロを捕まえたの」

軽蔑の感情が乗せられた言葉が、彼の背後に控えていた少女から吐き捨てられる。彼女は侮蔑も露に、容赦なくデレクの肩を小突いた。
突然の闖入者に呆気にとられていた女性陣の視線も、徐々に嫌悪と敵意に満ちたソレへと塗り替えられていく。彼女たちも、一応は年頃の乙女なのだ。
ペット枠、憧れ枠、友人枠。それぞれ枠組みは違えど気心が知れたルードではない、見知らぬ異性。ソレに全裸を覗かれたと知って愉快な気分になれるハズもない。

667名無しさん:2022/02/20(日) 23:05:40 ID:6MD7ScYE0
「あぁ、私のルード君をイジメてたのも貴方だったんですね」

丸まったデレクの背中を抱いて、浴場へとエスコートしながらトモエが呟く。若輩の教え子とは違い、彼女は特に嫌悪を表に出してはいなかった。
しかし、表面上は穏やか、とはいえ内心はどうなのだろう。何かに合点がいったという顔の彼女が何を考えているのかは誰にも分からない。

「ルードくんイジるためだけに、わざわざ女子棟に来るのも癪ですもんね。行きがけのお駄賃に、お風呂の一つも覗かないとやってられないですよね」
「ひっ……」

優しく諭すような声色。柔和な表情で、トモエは俯く青年の顔を覗き込む。それだけなのに、何故か逆らい難い威圧感がある。
言葉の意味を理解していないのだろうか。碌な反応も返せず、まるで親に叱られる子供のように怯え切った様子で青年、デレクは視線を泳がせた。

「いけないコ……」

そんな彼を慈しむかのように、トモエは彼の肩に手を置いた。
ーーーヤバイ!その瞬間、ルードの脳髄を恐怖が満たす。彼との確執すら忘れて、警告のために息を吸い込む。

「ぃ、ぎいぃぃぃぃぃっ!!」
「コレはお仕置きです。しばらく、そうやって反省してなさいね」

ーーー結論から言えば、ルードの行動は遅すぎた。ゴリっという骨と肉が軋む音と、追いかけて響く断末魔じみた絶叫。言葉にならない悲鳴とともにデレクが床で転げ回る。
トモエが肩においた手でデレクを下に押し下げ、跳ね上げた膝で彼の睾丸を庇う両手ごとカチ上げたのだ。挟み込まれるような衝撃は、彼に『男』を実感させる。
浴場の中心。数多の女生徒たちに見下されているにも関わらず、デレクはどうしようもない激痛に股間を押さえて悶え苦しむ。少女たちは、クスクスと失笑。

「う〜わ、ダサっ!カッコ悪っ!!」
「男って、ホントに同じ反応するんだね。ルードが特別弱いってワケじゃないんだ」
「鍛え方が足りないのではなくて?あ、『金的』は鍛えられないのでしたっけ……ご愁傷様ですわ」
「すごい……キンタマはみんな一撃なんだ……あんなに立派な身体してるのに……」
「ウチ、あんなモン無くて本当によかった……」

ひそひそとした声調で指を差して嘲弄する女生徒たち。興奮の矛先がルードからデレクに逸れつつあるコトに、トモエは一先ず安堵する。
天佑だった。生贄の山羊(スケープゴート)を自分の元へ遣わしてくれた神に感謝する。語義とは逆だが、倒錯的なこの状況には妙にマッチしており違和感が無い。
先程までのように、『性的』に男性、ルードに関わるのではない。あえて言葉を作るなら、『去勢的』に男性、デレクと関わる。トモエにとっては慣れ親しんだ状況。

生徒たちは、トモエが怒りを圧し殺していると推測している。だが、実態は真逆。彼女は、デレクという青年に感謝の念すら抱いていた。

監督不行き届きでルードの睾丸が潰れてしまったのであれば、自身は懲戒、少なくとも何かしら罰は免れ得なかっただろうと彼女は思う。
だが、相手が覗きなら話は別だ。不届き者を取り押さえた際に、不可抗力で潰してしまった。これなら幾らでも申し開きようがあるとトモエは考える。

このデレクという青年は無名。少なくとも、目ぼしい男子生徒の顔と名前程度は把握しているトモエですら、彼のコトは何も知らない。
まぁ、同じ男子部ではなく、『わざわざ』落ちこぼれのルードにちょっかいを出す程度の男だ。向こうでも、あまりパッとしていないのだろう。
ならば、彼を『再起不能』にしたところで物言いがつく可能性は低い。お誂え向きに、『非』、それも性的な『非』だってあるのだ。それを存分に利用させてもらおう。
トモエは、事態を収拾すべくシナリオを再度練り直していく。

いくばくかの申し訳無さはある。トモエの失言で幕を開けた狂宴。その幕を引くために、彼は睾丸と永遠の別れをすることになる。
終演にはドラマティックなイベントが必要だ。トモエの当初案、ルードの射精では足りなかった。あのままだと、クライマックスはルードの去勢となっていた。
ただ、ルードは曲がりなりにも彼女の教え子だ。潰れたら潰れたで仕方がないとはいえ、潰さないで済むならソレに越したことはない。

668名無しさん:2022/02/20(日) 23:07:06 ID:6MD7ScYE0
先程までは、無理だった。代わりに潰せるタマはこの場に無かった。ルード以外、誰一人として『キンタマ』などぶら下げていなかった。
だが、今は違う。鴨が葱を背負って来てくれた。最後の演目として潰しても、心が痛まない。無くなったとしても、誰も気にすら留めないだろう『キンタマ』がここに在る。
デレクのタマを潰す。もちろん、二つとも。彼が演じる、女では再現できないド派手な狂態を見せれば、生徒たちも満足するだろう。ようやく、狂宴が終わる。

このデレクという青年に自分の尻拭いを押し付けてしまっているのは自覚している。
こんな状況でもなければ、さっきの膝金でお仕置きはお終いにして、そのまま警備の人員に引き渡しても良かったのだ。彼は、本当に運が悪かった。
感謝と謝罪の気持ちを込めて、タイルの上で這いずる芋虫を演じるデレクに内心で合掌。私のミスでごめんなさい。尊い犠牲、決して無駄にはしませんから、と。

と。どれだけ悪罵を投げつけても、股間を押さえて悶えるだけで無反応のデレクに飽きたのか。少女たちがトモエに向き直ると彼の処遇を問い質してくる。
曰く、このまま警備に突き出すのか。曰く、女の怖さを骨の髄まで教えこんでやったほうがいい。曰く、むしろ去勢してはどうか。曰く、流石にそれはやりすぎではないか。
彼女たちの様相は百家争鳴の体を成している。その意見を統一すべく、トモエは敢えて甘い言葉で生徒たちを宥めにかかる。

「お仕置きはもう十分でしょう?彼も反省しているようですし、あとは皆でルールを守って、仲良くお風呂に浸かりませんか?ね?」

内心の企みをおくびにも出さず、彼女は悪戯っぽくウインクまでしてみせる。案の定、生徒たちは一斉に不服の声をあげる。
まぁ、そりゃそうなりますよね。トモエは思惑通りコトが進んでいることにほくそ笑む。もし自分が逆の立場に入れば、間違いなく大声で不満を訴えている。
たかが金的。彼の下劣な行為に対する罰としては軽すぎる。そう彼女たちは考えている。当然だ、『女』には本当に苦しいのかすら分からないのだから。

まずは、彼女たちのフラストレーションを溜める。希望を無為に無下にされれば、彼女たちは間違いなく敵愾心を抱く。
敵意の矛先はデレクに、トモエにと向かうだろう。彼女たちの感情をコントロールすることで、ルードへ向いた意識のベクトルを確実に薄れさせていく。
非難轟々、騒然となる生徒たちに、トモエは敢えて惚けた声色を模して問いかけを続ける。

「そもそも、この浴場は女性のみってルール自体ないですよね。規則といえば、ちょっとした持ち込み禁止リストがあるだけ」
「そ、それはそうですけど……でも、女子棟ですし、常識的に考えれば……」
「ルールが無いことを悪用して、ルード君を大浴場に連れ込もうとしたコト、一度ならずありますよね。ですよね、ポーラさん?」
「……え。あ、あはは」
「今晩は授業の一環として、先生のクラスでの貸し切りにしてますけど。本当は、規則の範囲内であれば、誰でも自由に利用できる施設なのですよ」

痛いトコロを衝かれたポーラが愛想笑いを浮かべる。他の生徒達は、余計なコトをと言わんばかりの視線で彼女を射抜く。
幾分か落ち着いてきたのだろうか、ルードは疲れ果てた表情で溜息一つ。青年、デレクは未だに急所を庇い、赤子のように丸まって荒い息を吐いている。
話が彼に都合よく転がり始めたコトを認識する余裕もない。股間を押さえたまま、ただただ『男』にしか分からない苦痛が過ぎ去るのを待つ。

まぁ、認識したトコロで彼に打てる手は既に無かったが。もし、トモエが本心からそう語っているなら。何故、彼は『金的』を打たれなければならなかったのか。

欲求不満で苛つく生徒たちを他所に、デレクに起きるよう促す。だが、痛みで足腰に力が入らないのか、彼は満足に立ち上がることすら出来ない。
教え子たちに介助を頼む。と、数人の少女が動く。不承不承という態度、だがそれでもデレクに肩を貸して立ち上がらせる。彼女たちの優しさが誇らしい。
肩を借りる形で立ち上がったため、弛緩したデレクの両腕が自然と股間から離れる。デロン、と力なく垂れ下がったモノが露わになる。

669名無しさん:2022/02/20(日) 23:08:05 ID:6MD7ScYE0
ルードのソレよりも一回り以上大きい。だが、その男性器を見る女生徒たちの顔に浮かぶのは嫌悪一色。
それもそのハズ、今の彼女たちにとっては、それは裁かれない悪の象徴。股間を押さえていた手を離したことで、ぶらり、ふてぶてしく玉袋が揺れる。
デレクの『金的』は、十二分に生徒たちのヘイトを稼ぎきった。そう見て取ったトモエが、わざとらしく口を押さえて驚きの声をあげた。

「と、言いたいところでしたが。デレク君は規則すら守る気がないようですね……私達と仲良くしたくないってことなのかしら?」
「規則ですか?なんかありましたっけ?」

不思議そうな顔でポーラが聞き返す。師が突然何を言い出したのか、理解に苦しんでいるといった表情。
トモエ自身が言ったばかりだ。この浴場を利用するには、大したルールなど敷かれていないと。せいぜい、関係者に限るとか。公序良俗に悖るものは持ち込めない、とか……
思考を巡らせるポーラを尻目に、トモエは芝居じみた仕草でデレクの顔を覗き込む。彼は、恐怖と緊張に満ちた目で女教師の顔を見詰め返す。

「無断で危険物を持ち込んではいけないってルールぐらいは知ってますよね……それなのに、何ですか、コレは!」
「え……アンタ、一体何を言って……」
「自覚も無いんですか……困ったコですねぇ。何って、コレですよ、コレ」

無知を諌める口調と声音。トモエは、デレクの瞳をじっと覗き込んだまま、揶揄いを交えた調子でそっと告げる。曰くーーー

「危険物……許可のない『キンタマ』は持ち込み禁止です」
「……?………!ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃッ!!」

ですから。気の毒ですけど、一旦没収させていただきますね。トモエからの死刑宣告は、課題の未提出を咎める程度の軽い口調で下された。
青白いデレクの顔から更に血の気が引く。もはや、彼の顔面は蒼白を通り越して土気色に近い。無我夢中で両腕を振りほどくと、歯を食いしばって股間を必死に庇おうとする。
彼の行動は、デレクを除く全員に朝のルードが演じた醜態を思い起こさせた。ゆるり、優しげに伸ばされたトモエの両手がデレクの肘を掴む。
と、朝の惨劇を焼き回したように、容易く彼の両腕が引き剥がされる。青年の顔が、驚愕に歪む。

隠そうとしても無駄ですよ、仔犬を撫でるがごとき気安さでトモエが語りかける。流れるような自然な動作。背後、臀部から差し込んだ掌で、彼の陰嚢を確実に捕らえる。
恐怖で酸欠の金魚のようにパクパクと口を開閉させるデレク。呆気にとられていた生徒たちも、事態を呑み込んだのか徐々に歓声をあげはじめる。

「タマタマ没収かぁ……う〜わぁ、トモエせんせも人が悪いなぁ……」
「そっか。『うちのクラス』の貸し切りだから、ルード君のは許可済みってことになるのね」
「というか、ソレって女湯と何処か違うのかしら……?」

めいめい思ったことを口に出す少女たちからは、もはや『やりすぎでは』という声は聞こえない。
彼女たちの中では、この青年の睾丸は例えるなら逃げ切りそこねた悪党と同じ位置まで堕ちていた。天網恢恢、正義の手に捕らえられた。あとは鉄槌を待つのみ。
一度、罰が軽すぎると思わせることが出来れば。重い仕置きを期待させることが出来れば。沙汰が極端に振り切れても、彼女たちは当然のコトとして受け入れてしまう。
単純な話だ。自分たちの望みを充足させる方向へ物事が進めば、大抵の人間は文句を言わない。黙って『得』を受け入れる。
今回は、トモエにそう誘導された結果に過ぎない。が、トモエ自身は教え子たちの素直な振る舞いに、どこか誇らしいような気分すら覚えていた。

「勿論、女湯とは違いますよ。女性だけじゃなくて……過去、先生を本気で怒らせた男の人達だってココに入る資格はあります」
「それって、つまり、その人たちはもう……」
「きゃー!なんかドキドキしてきた!」
「ほら、デレク君も見てご覧なさい。貴方以外で、『キンタマ』なんて持ち込んでるコはいますか?」

670名無しさん:2022/02/20(日) 23:09:01 ID:6MD7ScYE0
優しく、ときに激しく、指先で転がすようにデレクの急所を転がしながらトモエが問う。入念に、潰すためのポジションを探っているのだ。
吐き気と悪寒に苛まれつつ、デレクが視線をあげる。視界に写るのは女、女、女。トモエが言う通り、誰一人として股間に睾丸などという器官をぶら下げていない。
自然、彼の視線はルードに注がれることになる。だが、彼を未だに愛撫している少女たちから、ルードくんのは許可済みって言われたでしょ、そう冷たい言葉で切り捨てられる。

ポジショニングが決まったのか、トモエの親指が副睾丸に添えられる。まだ力は入れていない。優しく、位置を確かめるような指使い。
だが、それだけの行為で、デレクの全身の筋肉が強張り、背筋が反り返る。膝が笑い、力が入らない。崩れ落ちそうになる体を、後ろから伸びた腕が支えている。
処刑台に引き出された罪人を連想させる『男』の姿を、一人の少女が興味深げ、いや、知的好奇心に駆られた瞳でしげしげと覗き込んでいた。

「うわ〜、コレ悲惨っすね」

ナタリアだ。彼女は膝を立て、しゃがみこみながら真っ直ぐ雄の陰部を見つめている。体勢上、晒される彼女の脚の付け根は雌のモノだ。陰毛と、一本のスリット。
食い入る視線に、羞恥と屈辱で必死に身を捩ろうとするデレク。だが、その行為は無為。トモエに掴み取られた睾丸に、余計な刺激を与えるだけ。
探究心を隠さぬ教え子に、トモエは教師として問いかける。何か、気になることでもありますか、と。

「いや、ウチもポーラみたいな必殺技考えてて。こう、得意のグラウンドに引き込んでから、タマをぎゅっと握りしめてやるってのはどうかな、とか……」
「とても効果的ですよ?先生も得意ですけど、きちんと掴めたらそれだけで勝ったと思っていいぐらいの必殺技です」
「だろうな、とは思うんすけど……。でも、男子部を見学にいっても、使ってるヤツいなくて。もしかしたら、コツとか掴まないと難しいのかなって……」

そこまで聞いて、トモエもナタリアの意図するトコロを把握する。自分たちが『金的』の攻撃方法を考えても、それが本当に効くのかは想像しか出来ない。
女子部内のスパーで試すわけにもいかない。ダメージが全く違うのだ。それは、日中にサーシャの股間蹴りと受けたナタリアは重々承知していることだろうが。
それでも打撃ならある程度のダメージは見込める。だが、彼女が考えている『握り』はダメだ。握れるモノが無いのだから。そもそもノーダメージ。無意味。
だからこそ、実際に握られて苦しむ『男』を観察して、本当に彼女のアイデアが有効かを確認しているのだろう。男子部への見学もそのためか。
熱心さに、トモエは内心でナタリアへの評価を上方修正。

とはいえ、彼女の努力はあまり効率的とはいえない。何故かはトモエも知らないが、男性同士の試合では『金的』を狙うシーンはあまり見られない。
これについては、トモエも常々疑問に思っている。一撃必殺の急所なのだから、男性同士ならどちらが先に相手の股間を打つかという読み合いになるのが自然だろうに。
丁度いい、折角だからこの疑問も解消しましょうとデレクに問おうとするが、彼は全身を恐怖に硬直させて会話が出来る状態ではない。
まだ潰し始めてもいないのに。青年の醜態に、トモエは他人事ながら心配してしまう。自分は分からないけれど、実際に潰し始めたらきっともっと苦しいですよ、と。

となれば、訊ね先は一つだ。デレクを除けば、この浴場で『金的』を抱えているのは一人だけ。
自然の流れで、トモエの視線はルードへと流れていく。彼は、短く『ひ』と一言、詰まった悲鳴を上げた。心外だ、自分には特に害意などないのに。
ルードは、全裸の美少女二人を侍らせるという、トモエをして倫理的にどうかと思わせる格好で彼女を凝視していた。脅えきった視線は、少しだけ寂しい。

「大丈夫……大丈夫ですよぉ。ルードお兄ちゃんが握られてるわけじゃないですもん……平気、平気ですぅ」
「よしよし。こっちは大切な方のタマタマだもんね。潰れちゃったら悲しいよね」

榛色の少女と茶髪の少女、サーシャとリサがルードの耳元で甘く囁きながら、壊れ物を扱うような手付きで彼の陰嚢を撫で回す。
まるで恐ろしい魔物から幼子を守るような態度でルードをあやす二人に、トモエは少し鼻白む。先程までの狂乱を、彼女たちはすっかり棚上げしてしまっているようだ。
特に、サーシャ。貴女は、イクとき思いっきり握りしめていたでしょうが……。

(あの二人、御自分たちの痴態を忘れてしまったのかしら。貴女たちが変にヒートアップするから、デレク君はタマを抜かれる羽目になっているのに)

671名無しさん:2022/02/20(日) 23:10:01 ID:6MD7ScYE0
まぁ、取ることは決めたのだ、今更考えても詮無いコト。教え子たちに倣い、トモエも自身を棚上げするとルードに微笑みかける。問いを掛ける。
折角の機会だ、疑問を疑問として放置せず、分からないことは訊ねる。教師だって、生徒から学ぶコトがあってもいいだろう。

「そういえば、男子部では『金的』あまりしないみたいですね。アレって何か理由があったりするんですか?」

突然自分に話題を振られたことにルードは驚き、目を白黒とさせながら慌てて首を横に振る。

「い、いえ、特に理由は……。ただ、むっちゃ痛いのが分かるから、なんだか気が引けるというか……卑怯というか……」
「?勝てば官軍ともいいますし、勝ちに卑怯もなにも無いでしょう?痛みが分かるからこそ、やられる前にやってしまえという発想は無いのかしら」
「いや、その場は乗り切れたとしても、いつか仕返しされるかもしれないし……」

成程、そういう考え方もあるのですか。トモエは教え子の言葉に心のなかで膝を打つ。今朝の自分の言葉、正解の一端を含んでいたのかと思い返す。
自分たちは『狙われ得ない』側。だから、『金的』を入れたところで、やりかえされる心配はない。だが、考えてみれば当然のコト。男性陣は違うのだ。
『金的』を狙うなら、『金的』を狙われる覚悟が要求される。キンタマが有るのだ、可哀想だけれど仕方がない。女では想像もつかない覚悟。いや、必要すらない覚悟。
まぁ、トモエだって自分が『金的』を蹴り上げた相手に、逆に股間を打たれても不服はない。その覚悟ならある。だが、気の毒な話、ダメージが全く違う。

肉の防御が薄いから、直接骨に衝撃が響く急所。対して、男性は防御すらなく剥き出しで内臓が転がり出ているのだ。盲腸にも似た、生存には不要な臓器とは言えど。
それが抑止力となっているのか。教え子の説明が腑に落ちて、トモエは満足げな笑みを浮かべる。男性は色々大変なんですね、不憫に思っての慰めの言葉。

その気持ちはナタリアも同じようだった。ルードに向き直ると、哀れむような気の毒がるような、なんとも言えない表情で彼を見詰める。徐に口を開く。

「じゃあ、王子はこれから大変ね。きっと、女子部ですっごい流行ると思うよ、『金的』攻撃」
「え……え?な、何で……?ナタリア、噓だろ……?」
「男子部で流行らないのは、痛みが分かるし仕返しが怖いからなんでしょ?ウチらは痛いの分かんないし、仕返しされる心配ないもん。流行らない理由がないじゃん」
「……いや、でも、ほら……」
「ウチだって、次に王子様と当たる時は『タマ締め』試してみたいと思ってるし……サーシャの手前、加減はするつもりだけどさ」
「だから、何で……」
「何でって……いや、みんな目覚めちゃったわよ。ウチだって、初めておちんちん見てドキドキしたし……ただ、ね」

本当に申し訳ない。そんな感情を滲ませながら、ナタリアは股間の前で片手を開閉させる。彼女は女性だ、当然掴めるのは虚空だけ。
どこまで『保つ』のか分かんないのよ、自分には無いものだから。後ろめたそうな表情で告白するナタリアに、ルードは絶句することしかできない。
救いを求めるように左右を見回すが、蕩けた表情で撓垂れかかるサーシャとリサしか傍らにはいない。この恐怖を分け合える存在がいない。

「ーーー大丈夫だよ、ルードくん。もしルードくんのタマタマが無くなっちゃっても、私は全然気にしないからね」
「リサだって……その、タマタマなんて無くても、ルードお兄ちゃんが……その、魅力的な方だって分かってる……ですっ!」
「…………ッ!?」

聖母を彷彿とさせる柔和さで、サーシャとリサは哀れな男子を落ち着かせようと優しく語りかける。
ゆったりと、一糸纏わぬ身体を預けたまま物憂げに彼の手を取る。迷い子を導くかのごとく、各々が掴んだ片手を自身の下腹部へと添えていく。
そこは恥骨だ。肉体的には、快感を伴う箇所ではない。だが、雰囲気に酔っているのか。男であれば性器がある箇所を、ひたすら撫で回させる彼女たちは何処か夢見心地。

「ほら、サーシャには無いよ……」
「リサも、リサも無いですよぉ……タマタマなんて……」

672名無しさん:2022/02/20(日) 23:11:20 ID:6MD7ScYE0
タマなど無くとも受け入れてあげる、それは女だからこそ言える文句だろう。タマを失くすという、男性側の視点がすっぽりと抜け落ちた気休めの言葉。
そもそも、彼女たちには『タマを失くす』という概念自体の持ち合わせがないのだ。ルードの両手に伝わるのは、彼女たちの滑らかな肌の感触だけ。そこに睾丸は無い。
キンタマなんて無くっても、ルードくんはルードくん……サーシャの慈愛に溢れた言葉は、発言主の意図に反して、ただルードを追い詰めていくだけ。

と。彼が限界を迎える直前、トモエが足を踏み鳴らす。高らかな音が浴場に木霊する。本当は手を叩きたかったのだが、今はデレクの睾丸にかかりっきりだ。
全員の視線がトモエとデレクに集中。彼女は、見返すように順繰りに視線を巡らせる。ナタリア、ルード、サーシャとリサ、ポーラ、そして他の女生徒達。
十分に注目を集めたことを確認すると、トモエは厳かに口を開いた。

「そんな不幸な事故を起こさないよう、今日はしっかりと勉強しましょうね。補講、です。どうやったら、タマタマは潰れてしまうのか」

掌中で、デレクの陰嚢が収縮していく感覚。彼には本当に申し訳ないと、トモエは内心で謝罪。この子は……ただただ、運が悪かった。
丁度いい話なのだ。ルードの睾丸が潰れないように手加減を覚えさせる必要は常々彼女も感じていた。だが、その過程で彼の睾丸を破裂させてしまっては本末転倒。
とはいえ、何の罪もない男を捕まえて去勢するわけにもいかない。タマを揉み潰すことは得意でも、悪事を揉み消すことには慣れていない。

文字通り、カモネギだったのだ。もし、この青年が男子部のスターであったなら、その後の騒動を考えて彼女も躊躇したかもしれない。
だが、現実にはデレクは男子部の有象無象の一人。ぶら下げているのも、誰にも顧みられることがない有象無象の睾丸二つ。これで生徒たちに教育出来るなら安いもの。
千言万語、舌を弄して伝えようとしても潰れるモノを持たない『女』には限界がある。百聞は一見に如かず、実際に『潰れる』瞬間を見せてあげるのが一番いい。

「うわ、楽しみぃ」
「ちょっと可哀想な気もするけど、自業自得だもんね」
「風船が割れる感じに潰れるのかな?ゴム毬がパンクする感じに潰れるのかな?」
「どっちにしても、痛そうだよねぇ……知らんけど」
「ほらほら、ルードくんもコッチでよく見ようよ。他人事じゃないんだからさ」

外野の喧騒、無責任に囃したてる声。ワイワイガヤガヤ、集う少女たちの目はまるでサーカスの演目を期待するかのように輝いている。
トモエがデレクの睾丸を潰す理由は三つ。一つは、少女たちに満足感を与えること。それによって、この狂った夜宴を穏便に終わらせたい。
二つ目は、生徒たちに『金的』の脆さを現物で実感してもらうこと。脆さを知れば、そうそうルードに無茶なコトもしなくなるだろう。
まぁ、万が一の危険性は否めないが、ソコは男に生まれた宿命として呑み込んで欲しい。青年、デレクの尊い犠牲で奇跡的に九死に一生を得たタマなのだから。
三つ目、これは本人にも自覚はない、自身の感情のリセット。不慣れな濡れ場で落ち着きを欠いたトモエは、慣れ親しんだ去勢行為で精神的な平穏を取り戻そうとしている。

「ほら、ルード。ちゃんと見届けてあげなって」

見ていられない、全身でそう主張しながら目を逸らすルードを、背後からポーラが抱きかかえる。豊かな乳房で頭部を挟みつつ、両手で彼の視線を固定する。
視線の先は、当然デレクの睾丸だ。トモエの両手に拘束された二塊の死刑囚は、ただ執行の時を待つばかりとなって頼りなく震えている。

「これでアイツはルードのコト煽れなくなるね。女子部のルードちゃん、キンタマ付いてるんでちゅかぁなんてよく囃し立ててたけど」
「そんなコト言ってたんだ。マジウザいね、コイツ」
「うん、ホント。でも、明日からはアイツが言われる側になっちゃうもんね。キンタマ付いてるんでちゅかぁってさ」
「別に、胸張って言えばいいんじゃないかなぁ?キンタマなんて付いてませ〜んって、要らないって取られちゃったんでちゅ〜ってさ」
「あはは、でもソレって白旗じゃん、情けない。アンタたち、それでもキンタマ付いてんの?」
「付いてませ〜ん」「……リサ、女の子です」
「「「あははははははは」」」

673名無しさん:2022/02/20(日) 23:12:01 ID:6MD7ScYE0
ポーラの軽口に、サーシャとリサも乗っかる。三人の少女から、朗らかな笑い声。彼女たちは、残酷なまでに無邪気だ。
トモエも、ポーラの言葉……『金玉付いてんのか』という言葉が煽りになるという、男性の生態に妙な感慨を覚えてしまう。付いてなかったらなんなのかしら。
いや、罪悪感はあるのだ。だが、それは『潰す』という行為が齎すであろう激痛に対してだけ。失った後の人生は、彼女の関知するトコロではない。関係ないのだから。
少し語弊があるか。彼女は女性で、だから『タマがない人生』とはトモエにとって普通の人生と同義。女であるトモエには、男の気持ちなど分からない。分かるはずもない。

デレクはもはや歯の根も合わないようだ。ガタガタと震える彼の『金的』、トモエは右手で陰嚢の付け根を絞り、左手はタマの下側へ添える。
前もって把握しておいたポイントを逃すこと無く、経験上もっとも痛むのであろう場所をしっかりと捉える。そして、無慈悲に中身を擦り合わせ始めた。

「ぎ!あ!〜〜〜〜〜ッ!〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!」
「いきなり潰すと身体がビックリしてしまいますからね。泳ぐときと同じ、しっかりと準備運動からしていきましょうね」

言葉は優しいが、その声音には慈愛など欠片も感じられない。冷酷なまでに注意深く、自身の行為が齎す結果を確認していく。
痛みに悶え苦しむデレクの顔色の変化、呼吸の乱れ、筋肉の動き、それらをつぶさに観察して手加減を調整する。生徒たちから、やんやの喝采。
彼女たちにとっては、『男性』の苦しみは結局他人事。ルード以外の全員が、デレクの『男』を娯楽として消費し尽くそうとしていた。

もはや二本の足で立つことも叶わず、デレクは力なく床に沈んでいく。だが、トモエは同じ高さで彼の睾丸を掴んだまま。

結果として、デレクは情けなく尻を高く持ち上げた体勢で顔だけをタイルに擦りつける格好となる。敢えて文字で表現するなら【○/ ̄|_】のような体勢。
ワンちゃんみたい、誰からともなくあどけない笑い声。少女たちは、もっとよく見ようと彼の背後へと回っていく。
ポーラたちも、脱力してしまったルードを引きずりながら女生徒たちのあとに続いた。


「どうですか?コレが、所謂ところの『キンタマを掴まれた』状態です」
「いや、そのままですよね……?」
「あぁ、そういうコトではなく。下品な言葉ですが、あるでしょう?『キンタマ掴まれてる』から逆らえない、みたいな言い回し」
「あー……確かに、コレだと逆らいようがない感じですね……。ピンとこない言葉でしたけど、なんか分かった気がします」

音の鳴る玩具を想起させる表情。絞め殺される鶏のような高いトーンの悲鳴をあげることしか出来ないデレク。
こんなに効くんすね、感心したように眺めるナタリア。すでにルードに同等の行為をはたらく自分の姿を妄想しているのだろうか。
脳内シミュレーションが終わったのか、彼女は師、トモエに目を向け直す。と、一つ分からないコトがあるんすけどと問うてくる。当然のように応じるトモエ。

「この体勢、両手が塞がっちゃいますよね。もし抵抗されたらどうすればいいんすか?」
「あぁ、それは……」

無邪気な質問に思わず笑みが溢れそうになるが、我慢。トモエは慣れているから知っている。だがタマを握られたことがない彼女が、それを疑問に思うコトに不思議はない。
傍から見れば、ただ単純に両手を股間に差し込んでいるだけなのだ。それだけで完全に『男性』を無力化できる。それがナタリアには信じがたいのだろう。
とはいえ。それに答えるべきは、同じ女性の自分ではなくーーー

「ルード君。貴方なら、こんな感じに『キンタマ』握られたらどうやって抵抗しますか?」
「え。そんな、もう抵抗なんて出来ないっスよ……」
「それは何故?ナタリアさんにも伝わるように、説明をお願いできますか?」

答えるべきは、『キンタマ』を持っているルードだろう。トモエの回答は、どこまでいっても『持たざる者』の想像の域を出ない。体感しようがないのだから。
その点、彼なら適任だ。『キンタマ』の痛みを知るだけでなく、散々そこを責められてきたのだから。つい先程も、級友たちに執拗に弄くり回されていたばかり。

674名無しさん:2022/02/20(日) 23:12:40 ID:6MD7ScYE0
「何でって……そんなコト考えられない程痛いからっス。先生みたいな女の人には分からないでしょうけど……」
「確かに先生には分かりかねますね……でも、思い切って痛みを無視すればなんとかなるのでは?」
「いや、その、一番の理由は痛くて苦しくて力が抜けるからっスよ……なんか全身にイヤ〜な感じが拡がって、その、腹まで痛くなってきて……」

そ〜なんだ、感心したようにナタリアが呟く。弱点を責められてるんだから、火事場の馬鹿力的なモノが出てもいいのに。男子って不憫ね。心底からの同情の言葉。
そんな生徒にワンポイントアドバイスを与える体で、コリコリと手の中の楕円球を揉み解しながら語るトモエ。

「ちなみに、この体勢になった男の人はとっても素直になるんですよ」
「どういうコトですか?」
「何か質問してみてください。何でも素直に答えてくれるハズ……デレク君もいいですよね?嘘ついたら、した……いや、『下の玉』抜かせて貰いますからね」
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃ……」

最後の一言で、デレクの口から力なくも情けない悲鳴が垂れ流されていく。
トモエの脅し文句は冗談ではないと皆知っている。デレクの返事を待たずして、早速ナタリアは彼に問いを投げかけた。

「じゃあ、今からウチらが色々質問するんで、正直に答えてください。まず、なんで王子……ルーちんを虐めるんすか?」
「え、えっと、それは、あの……だって……」
「歯切れ悪いですね……鞭だけじゃなくて、飴も必要かしら……そうだ!デレク君、正直に答えれば、玉を潰すコトだけは勘弁してあげましょうか?」
「………………!!!!!その、ルードが、ルードのヤツが羨ましかったからですッ!!」

ナタリアの問いに、トモエの蜘蛛の糸のような譲歩。矢も盾も止まらず、デレクは隠し通そうとしていた本心を吐露してしまう。
まぁそんなトコでしょうね、トモエは特に何の感慨もない。彼ぐらいの年頃であれば当然の欲求。異性に囲まれた後輩が妬ましくて仕方がなかったのだろう。
とはいえ、実態までは把握してなかったのだろうか。何度も何度も『金的』を打たれて悶絶する羽目になっても、この環境は男性にとっての羨望に値するのだろうか。
打たれる『金的』がない彼女には判断がつかない。もっと根本的な部分で分かっていないナタリアは、不思議そうな顔で問いをつなげる。

「羨ましいって……ルーちんは男子部を落第してウチらのトコに来たんすよ?いつも、戻りたいって言ってるのに」
「分かってます!けど、なんか、こう、弱っちいくせに女に囲まれてるっていうか、ハーレムみたいになってて、その……」
「えぇ……女の子が欲しいなら、自力で恋人とか作ろうとは思わなかったんすか?」
「ぐ…………」

「ぎえっ!」「ちょっと、ナタリア!?」「こっちにも流れ弾が来たぁ!!」「アンタだって独り身でしょうが!!」

無邪気な質問に、デレクだけでなくナタリア以外の一部女子たちからも一斉に悲痛な声が上がる。
別に彼女が悪いわけではないのだが、何となくトモエまで何か申し訳ない気分になってしまう。彼女たちではなく、顔も名前も知らぬ自分の両親に。
どうせ、私だって20も半ばを過ぎてお付き合いしたこともないですよ!悪かったわね、処女で!! そんな彼女の心の叫びは誰の耳にも届かない。

「というかさ、アンタ、男子部だとどれくらい強いの?結構上の方?真ん中よりちょっと強いくらい?」

横から質問を被せてきたのはポーラだ。無神経に見えて、実態はルードのための質問。彼がどれくらい研鑽を詰めば、目標の男子部に戻れるのか。
こんなに簡単に(女から見て)無力化されるようなデレクが男子部では上位の実力者なら。ルームメイトが悲願を達成する日は遠くないのではなかろうか、と。
先程とは違う理由で、ルードが目を伏せる。デレクが言葉に詰まると、無言でトモエが掴んだ睾丸に力を込める。
彼は、もはや何もかもを諦めたような表情になると、絞り出すようにポーラの質問に答えた。

675名無しさん:2022/02/20(日) 23:13:33 ID:6MD7ScYE0
「その……オレは、ドベの方です……」
「えぇ!あんなにいっっっっつも偉そうにしてたのにっ!?」
「ポーラさん、察してあげましょう?男子部で威張れるなら、わざわざ女子部堕ちしたルードくんにちょっかいを掛けに来たりはしませんよ……」
「マジかぁ……。そりゃ、こんなに弱っちいならさもありなんって感じだけど……」

あからさまに気落ちしたポーラをトモエが慰める。ホントの上位層、強者が相手だったら女子部じゃなかなか相手にもなれませんよ、と。
でも、キンタマ打てば勝てるんじゃ、食い下がるポーラ。確かに『金的』入れば勝てますが、冷静に返す。上位層相手だと、私達は金的以外の何処打たれても大ダメージですから。
道のりは遠いね、胸に抱いたルードの頭を掻い操り回しつつ、ポーラが呟く。あれ、でも先生は男性相手にし慣れているんじゃ、サーシャからもクエスチョン。
私が相手にしたのは、もっぱら二軍落ち間際の落ちこぼれですから。女性闘士トップでもそんなモンですよ、夢も希望もないトモエのアンサー。

「え……じゃあ、このお兄ちゃん、女の子より弱いのに『タマタマ』まで守らないといけないってコト……?なんだか可哀想……です」
「う、ぐぐぐぐ」
「そのその!これまでタマタマなんて要らないって思ったこと、ありますか?!」

生温い憐憫の視線とともに、リサが問う。デレクは、自身の尊厳が跡形もなく崩されていくような錯覚を覚える。だが、逆らえない。
もし、背後の教師の機嫌を損ねて、玉を奪われてしまったら。一体、自分は、どんな風に生きていくことになるのか。想像するだけで、腹の奥底が冷えて目眩がする。
床に額を擦りつけた体勢。真っ直ぐ、視線の先には剥き出しのトモエの股間。ソコに睾丸はない。だから、その気になれば躊躇なく奪えるだろう、それは予感ではなく確信。

屈辱に身を震わせるデレクに対して、堰を切ったかのように質問の奔流が浴びせかけられる。
そのどれもが、デレクの『男としてのプライド』を柔らかく剥ぎ取っていくようなモノばかり。
急所を握られたデレクはそれに歯向かうことなど一切出来ず。ただただ神経を擦り減らしながら、この悪夢のような時間が過ぎ去るのを待つ。

676名無しさん:2022/02/20(日) 23:14:37 ID:6MD7ScYE0
------

(余興のつもりでしたけど、少しイジメすぎたかしら)

ようやく地獄の時間が終わった頃には、青年、デレクの心は完全に折れていた。手の内で丁度よい頃合いの柔らかさになった睾丸を弄びながら、トモエは反省。
彼の玉を潰す前の下拵えとして、ただただ芸もなく揉み込むだけでは退屈だろう。デレクの悲鳴だけではアミューズメント性に欠けるのではなかろうか。
そんな危惧から手慰みがてらにはじめたアトラクションだったが、トモエにとっても意外なほどに生徒たちが盛り上がってしまった。

単純に暇潰しのために行った座興が、デレクの精神を完膚なきまでに辱めることになってしまった。流石のトモエも罪悪感を覚える。
何処かで彼には埋め合わせをしないといけませんね、そう思いつつ、彼女は陰嚢を掴む手の形を変えた。擦り合わせる形から、親指を突き立てる形へ。
予想外な行動に、放心していたデレクの腰がビクリと震える。

「それじゃ、準備も出来ましたし。潰しましょうか。ほら、皆さんもよく見ておいてくださいね」
「え。話が違う……正直に答えれば……潰さないって……」
「あ、すみません。アレ、噓です。……遠慮せず、先生の『下の玉』抜いてもらっても構いませんよ。ついてないですけど」

無慈悲な宣告に、周囲の女子たちから一斉に歓声が上がる。まるで、待ち望んでいたショーの始まりのように。
かわいそ〜、痛そ〜、気の毒〜、御愁傷様です〜、字面上は気遣う言葉。だが、彼女たちの声調は一様に楽しげで、どこか期待するような響きを帯びている。
一方、デレクはどうか。今更、何を言っても無駄だ。そう悟ってしかるべき状況にも関わらず、往生際悪く『タマ』を諦めきることが出来ないらしい。
必死にトモエの手を外そうと足掻いているが、弛緩し脱力してしまった身体だ。カリカリと彼女を引っ掻く彼の手は、まるで子猫がじゃれつくような印象しか与えない。

もうダメなんですよ、トモエは口には出さず謝罪する。ここまで生徒たちが盛り上がってしまったのだ。今更、『止め』にするわけにもいかない。
だから。心苦しいのは山々だけど、デレク君には男性を『辞め』て貰わなければならないのです。そうでもしないと、彼女たちは収まりがつかないんです。

トモエは座り込むと、両脚をデレクの閉じた膝から差し込む。そのまま、自身の膝を外側に折り曲げて、一般的にいう『女の子』座りの体勢に。
そのままジワジワと両膝を開いていくと、四つん這いの彼の股が開かれる。睾丸越しに、慄く青年の顔が見えた。涙、脂汗、体液という体液に塗れた正視に耐えない惨めな表情。
これから、彼は『完品』の男性ではなくなる。『訳あり品』の男として……正確には訳『あり』ではなくタマ『無し』ですけど……これからの人生を過ごしていくことになる。

それが恐ろしいのだろう。ブルブルと震えるデレクを見ていると、胸が詰まるような気持ちになる。彼は、『タマが無い』生活というものを知らないのだ。
未知というものは恐ろしい。自分たちは、タマが無い生活なんてお馴染みのもの。慣れ親しんだ自分の人生。だが、彼は違う。彼は『無い』生活をまだ知らない。
額を床に擦りつけたまま脱力した両手を伸ばしてくる。必死にトモエの両手、彼の睾丸を捕らえてしまった万力を外そうと、儚くも藻掻く姿がいじましい。

(そんな目で見ても無駄なんです。私、付いてないから。タマ乞いされても分かんないんです)

生徒たちからは、彼の表情は死角となって視認できない。そのことに一抹の救いを覚えつつ、トモエは掴んだ睾丸を皆によく見えるよう持ち上げる。ぐ、と苦悶の声。

677名無しさん:2022/02/20(日) 23:16:18 ID:6MD7ScYE0
「さきほど何方かが仰っていましたが、潰し方はゴム毬のソレに近いです。一律圧力を加えるのではなく、一点に力を加えてガワを破る感じ……」
「膜、ですか?ゴムボールみたいな?」
「ええ。タマタマは肉厚の膜……白膜といういうのですが……に覆われているので。それに穴を開けて、中に仕舞われた柔らかい部分を絞り出します」
「あー。じゃ、パンクするみたいに潰れるんだ」「痛そう」「楽しみ〜」

睾丸を持ち上げる手の動きに合わせて、デレクの腰も高く持ち上げられていく。皮肉にも、潰すトモエたちが見易いように、彼の体勢が変化する。
トモエは淡々と親指で彼の睾丸の様々な箇所を指し示しながら、少女たちに『潰す』際の注意事項をレクチャーしていく。彼女の一動作ごとにデレクの振動が深まる。
不憫だと思う。なにか手心を加えてあげたい……なにせ、ココまでされる謂れは無いのだ。ただ、トモエとクラスの都合で彼は『彼』と名乗りきれない肉体になる。

(せめて。彼のタマタマ、抜かれるコトに価値を与えてあげられないでしょうか)

泣き出しそうな顔の青年、デレクの顔を陰嚢越しに見つめながら、トモエは思索を巡らせる。
潰れされる痛みはどうしようもない。焦らされた教え子たちは、知的好奇心の赴くままに『男』の派手なクライマックスを待ち望んでいる。
彼が、期待を裏切ることはないだろう。睾丸を奪われた男性のリアクションは、常に『女』の想像力の上を行く。タマは女の想像の埒外にあるとはいえ、それでも。

だけど。このまま、深い意味も無いままに奪ってしまってもいいのか。実体としてのタマは失くなる。貰い受ける。だが、誰かの記憶として残す方法はないのか。
指先でコリコリと彼の睾丸、楕円形の肉球の付け根を擦りながらトモエは考える。デレクからは、掠れた絶叫。それがまた、哀れを誘う。
このまま潰しても、生徒たちは『面白い芝居』を見た以上の印象は持たないだろう。数週間は話題の端にのぼっても、直ぐに記憶の淵に沈んでしまう。
自分がそうだから分かる。これまで奪ってきた『金的』たちは、結局『ワン』オブ『ゼム』に過ぎない。一粒一粒の持ち主まで遡ってなど到底思い出せない。

それが今では、どうだろう。自分の教えを受けた教え子たちが、まるで恋い焦がれるように『男』の弱点を狙っていることに女の自分が苦慮している。
朝方の悩み。模範回答を、未だにトモエは見つけきれていない。

「うぎっ!止めてくれっ!!もう二度としないから……このままだと女の子になっちゃうからッ!!」
「あらあら、そんなコトはありませんよ。そうだ!納得してもらえるよう、ちょっとコレを使って皆に説明させてもらいますね。男性と女性について」

そこに、誂えたようなデレクの悲鳴。彼の慟哭は、トモエに、自分は闘技者ではなく教育者だということを思い出させる。であればこそ、取れるアプローチがあるのではないか。
青年、デレクの『キンタマ』は潰れる。自分が、潰す。これはもう決定事項、覆すつもりもない。だが。それをショーではなく、授業として行えないか。
娯楽の一環ではなく、知識の教授として潰す。そうすれば、教え子たちは『金的』を検討するたびに、デレクのタマを基準として思い出すのではないだろうか。
誰かの記憶に生き続ける限り、人は死なない、そう聞いたことがある。なら、誰かの記憶で想起され続ける限り、デレクのタマも『存在する』ということになりはしないか。

流れるような動作で、彼の睾丸を握りなおす。潰すための手付きから、もう一度、揉み込むための手付きに。
貴方の犠牲は無駄にしません、そう内心で深謝しながら、トモエはデレクの睾丸を余すところ無く使い尽くすことを決意する。デレクの顔には困惑と絶望。
対する女生徒たちは、また何か面白いことが起きそうだという期待に胸を膨らませる。ただ一人の男子生徒、ルードを除いて、だが。

(今度、ルード君にも聞いてみましょう。もし彼のを潰すことになったら、どっちのアプローチで去勢されるほうが嬉しいのか)

678名無しさん:2022/02/20(日) 23:17:11 ID:6MD7ScYE0
トモエの決断は単純至極。そもそも、トモエの予定では、この浴場で生徒たちに男女の性差について体験学習して貰おうとしていたのだ。
巡り合わせの妙であれよあれよという間に事態が思わぬ展開を見せ、挙げ句の果てに覗きの青年、デレクが去勢されるという運びにまで至った。が、当初の考えはそれだけだった。
トモエの陰部に陰毛が生えていない理由もソレ。互いに分かりやすいように、そう考えて自室で丁寧に下処理を済ませてきたから。

見せるというコトを意識すると、女性器は不便だ。女性の中には、自分の性器など見たこともない、ほとんど気にしたこともないという人も少なくないらしい。
これは男性陣にとっては冗談にしか聞こえない話だそうだ。が、想像してみて欲しい。男性でも、自分の肛門をマジマジと観察したことがある人間がどれだけいるか。
女性器は、身体から突き出していないのだ。だからこそ、観察してもらうには下準備がいる。面倒くさいが教職、授業なのだ、仕方がない。

ーーー

「さて、と。それじゃ皆さん、当初の目的に立ち戻りましょう。男女の違いについて、実物を使って互いに確認していきましょうか」

トモエの決断。それは、罰としてゴミのようにデレクの睾丸を廃棄してしまうのではなく。
授業の一環として、隅々まで彼の性器を詳らかにし、生徒たちの記憶に残る形で消費し尽くす。生徒たちの『知識』という形で、後に続く何かを残させてあげる。
覗きは犯罪行為だ。だが、去勢までされるほどのことではない、そう彼女は考えていた。だからこそ。これは睾丸を失う彼に向けた、トモエなりの誠意。

「は〜い、分っかりまっした〜♪」
「あれ、もう潰しちゃうんじゃなかったんですか?先生」
「あぁ〜、でも、確かに。潰す前に『男の子』を色々と確認する方が、勿体なくないですもんね」
「?何で?潰してからじゃダメなの?なんか違うんだっけ?」
「おバカ!もう『男の子』じゃなくなってるでしょう、タマタマを潰されてしまったら……あれ?なんで『男の子』じゃなくなるのかしら?」
「うぅ〜。一個だけ、タマタマじゃなくて、『タマ』だけ潰したらどうなっちゃうのかなぁ。私、見てみたいよぉ……」

幸いなことに、生徒たちはすんなりとトモエの提案を受け入れてくれた。姦しく騒ぎながらも、見下ろす集団からしゃがみ込んだ団体へ。
視線の高さを合わせると、トモエの手先、しっかりと確保されたデレクの男性器を注視しはじめる。ヒソヒソと、お互いの耳元に囁き合う声。
デレクの視界に映る景色が変わる。トモエの『女性』の股間以外は、少女たちの足首だけが見えたソレ。今は、種々雑多な割れ目が景色を占有している。
先程の、立ち姿からスジの端が覗く光景ではない。掴まれた陰嚢越しに、肝心なトコロまでがはっきりと彼の視界に映る。自分以外、陰嚢など無い事実が空恐ろしい。

しかし、性器を晒すことを羞じらう少女は誰もいない。彼女たちは、デレクをすでに『男』ではなく『教材』という括りに入れてしまっていた。
どうせおいおいに『男』ではなくなるのだ。変な遠慮で、このエンターテインメントを見逃す方がバカバカしい、それが今女生徒たちで共有されている感情。
ただ一人、女生徒では無いルードも。ポーラ、サーシャ、リサのルードガールズとでも呼ぶべき三人に纏わりつかれ、複雑な表情を見せたままトモエたちを見詰めている。

「それじゃ、どなたかアシスタントをお願いできるかしら?」
「はいは〜い、ウチがやりま〜す」

取り敢えず、話を進めるために手助けを求める。何分、トモエの両手はデレクの性器で文字通り手一杯、するとナタリアからの立候補。
先だっての言葉通り、彼女は『握り』にとても興味があるらしい。コネコネと揉み込むような動きを見せるトモエの指先に、好奇心に溢れた視線を向けている。
本当に、些細としか形容できないトモエの動作一つで、『きゅ』とか『ぎぃ』などと大袈裟な音を鳴らす玩具が気になって仕方がないらしい。

679名無しさん:2022/02/20(日) 23:18:56 ID:6MD7ScYE0
「せんせ、コレすごいっすね……ここまで効くとは流石のウチも思ってなかったっす」
「えぇ。男性の脆さは私達から見ると不思議ですよね。女相手だと、ここまで簡単に無力化させることは出来ませんから」
「もうこうなったら男子は終わりっすか?」
「いえ、状況次第ですが、そんなコトもありませんよ?……ナタリアさん、デレク君の手を先生のお股に持ってきてもらえますか?ルード君も、よく見ていなさいね」

トモエの指示に、ナタリアは素直に従う。デレクの手首を掴みトモエの性器へと誘導していく。その様子は、まるで親鳥が雛に餌を与えるかのよう。
彼の手先が女教師の下腹部に触れ、ビクリと震える。いじましくも彼女のソコを弄り回す。陰部よりやや上、臍の下、下腹部としか呼びようがないソコには何もない。
トモエはされるがまま。そこは単なる腹部の延長、守る必要性が薄いのだ。すでに睾丸を掴み取り、制圧しきった男性相手なのだから尚更のこと。

「もしキンタマを掴まれてしまったら、遠慮せずキンタマを掴み返せばいいのです。『握られた』間合いは『握れる』間合い……難しい言葉で言えば、相互確証破壊とーーー
「つまり、アレっすね。よく言うトコロの、命(タマ)の取り合いに持ち込む……あはは、たしかにキンタマは男の命っていいますもんね」
「……まぁ、そんなトコです。貴方が握ったら、こっちだって握り返すぞ……そう思わせてしまえば、下手な動きは出来ません。ですよね、ルード君?」

彼女の言葉は、ルードの『痛みが分かるし仕返しが怖い』という吐露を下敷きにしたもの。それを理解した上で、ルードは黙して語らない。
トモエの両手はデレクの股間。掴んだ睾丸を検分するように『男』を苛み続けている。対するデレクの両手もトモエの股間。掴むもの無く、空しく虚空を彷徨うだけ。
同じ行為なのに、男女でこれだけの差が出る。その事実を目の当たりにして、女生徒たちはなにかむず痒さを伴った感情を覚えてしまう。無意識に肢体が震える。

「ですから、簡単に諦めてはいけませんよ……まぁ、あくまで男の子同士って状況だったらの話ですけれど」
「あはは……改めて意識すると、なんかくすぐったいっすね。ウチ、『握られる』危険なんて考えたことも無いっす……そもそもキンタマ無いんで」
「えぇ。ですから男子ではなく女子にキンタマを掴まれてしまった場合は……どうですかね、デレク君。反撃の糸口は見つかりましたか?」

自身の股間で、必死に何かを。そう、無いと分かっていながら、有るわけのない『ナニか』を求めて彷徨うしかないデレクの両手を感じながら、トモエが問う。
恐怖に引き攣り、屈辱に歯噛みをするしかない彼の表情。この世の不条理というものをまざまざと感じている、そんな顔。
トモエには、絶対に同じ苦しみを味わわせることができない。睾丸を揉み解される、吐き気と悪寒と激痛を同時に与えられる、この純粋な敗北感と絶望感を返せない。
彼女は指先を軽く動かすだけで、信じがたいほどの苦しみをデレクに与えることができる。だが、デレクは決してやり返すことが出来ない。単純だ、トモエには『無い』のだから。
朝方、ルード君にも似たような教育をしましたねぇ。遠い昔の思い出を懐かしむようにトモエの目線が数秒間天井に向く。深呼吸一つ、デレクに視線を合わせ直して。

「いかがですか、デレク君。『金的』を解放して欲しいなら、握り返すしかないですよ?グズグズしてる暇はないでしょう……それとも、出来ない理由でもあるのですか?」
「うぐぐ、ぐぎ、ぐぐぐぐ、ぎぎぎぎぎぎぃッ……」
「あらあら、ヤンチャな目つき。うふふ、私、そういう気概がある子供は大好き。けど、状況を忘れてしまったのかしら?今も、貴方はーーー

語りかけとともに、トモエの両手がデレクの陰嚢を捻り、絞り上げる。『ひぅ!?』、彼は喉の奥から高いトーンで悲鳴にも似た音を垂れ流す。

ーーー『キンタマを掴まれた』状態なのですよ?先生としては、反抗的な態度はオススメしかねます……まぁ、耐えられると仰るのなら別に止めはいたしませんけど」
「あぐ、あがが、あぎぃぃいぃっ!!」
「うわ。うわ。うわ〜。コレ見てると、ウチ、女で良かったって思うわぁ……でも、実際のトコロ、どうなんすかね。こんな小さなタマコロなのに、耐えられないほど痛いんすかね?」
「『実際のトコロ』と言われてしまうと、先生にも分からないというのが正直なトコロです。私だって女ですからね……ここは男性の意見を聞いてみましょうか?」

680名無しさん:2022/02/20(日) 23:19:49 ID:6MD7ScYE0
二人の女は、自分が握られているわけでもないのに全身から血の気が引いている様子のルードに視線を流す。彼は、小刻みに震えているようだ。
ポーラ、サーシャ、リサ。三人の毛色が違う美少女を侍らせ、ハーレムの王もかくやという風情だが、彼の醸し出す空気は肉食獣に囲まれた愛玩動物のソレ。

彼の手先は、未だ股間に伸びていない。ただ、その腕は今すぐにでも股間の玉を覆い隠したくて仕方がないのだと訴えているのが一目でわかる。
しかし、それは叶わない。サーシャとリサにネットリと抑え込まれ、彼女たちの『玉が無い』股間にしっかりと押し付けられているからだ。彼はただ震えるのみ。

「どうかな、王子様。あの痛み、どれくらいか知ってるのは王子だけってのも何かズルいしさ、意地悪しないでウチらにも教えてくれない?」
「先程は、どう痛いのかを聞きましたよね。今回は、どれくらい痛いのかも伺っていいですか?」
「…………ひっ!」
「あはぁ……ルードお兄ちゃんのタマタマが縮んじゃった……ですぅ……」
「ルードのおちんちんもちっちゃくなってきた……可愛い、可愛いなぁ。食べちゃいたい」

ナタリアとトモエから投げかけられた問いに、ルードは身を竦ませることしかできない。リサとサーシャは、蕩けた声で彼の肉体の変化を喜ぶばかり。
このままでは、デレクは本当に男として終わってしまう。そう思い、なんとか言葉を紡ごうとするのだが口から漏れ出るのは意味を為さない喘ぎ声だけだ。
トモエが、再び両手を動かす。今度は、親指の付け根を使って陰嚢全体を包み込むように揉む動き。途端に、デレクの身体が大きく跳ねた。
ビクンッ!!という擬音が聞こえてきそうな勢いで、大きく背筋を反らすデレク。

「まぁ、説明してもらっても理解することは出来ないと思いますけれど……」
「だからこそ、ウチらも思いっきり責められるんだもんねぇ。いや、ルードの言に拠ればだけどさ。分かると気が引けちゃう……んだっけ?」

観客の意識がデレクに戻る。トモエに脚を固められ、ナタリアに手首を固定……トモエの股間に押し付けられたデレクは姿勢を変えることすら許されず、悶えるしかできない。
彼女たちは言葉通り、分からないのだ。分からないからこそ、男であれば想像しただけで身が竦むような行為も迷わず出来る。想像そのものが出来ないのだから。
トモエの下腹部。ナタリアによって、デレクの両手はソコに強く押し付けられている。『無い』、そこには滑らかで張りのある皮膚と靭やかな筋肉、脂肪の感触しかない。

「話を戻しますが……この通り。私達のような女性に『金的』を握られてしまった場合は、男性には自身の惰弱さを反省してもらう他ありません」
「確かに。マジで信じられないほど脆いんすね、『キンタマ』って」
「ではなく。女にすら容易く『キンタマ』を握られてしまうほど弱い御自身が、本当に『男性』でいていいのか。それをもう一度考えていただかなければ……」
「あぐぅうううううううううっ!?」

681名無しさん:2022/02/20(日) 23:21:01 ID:6MD7ScYE0
クスクスと女生徒たちが笑う声が耳朶を打つ。ホントに可哀想、痛そう、でもちょっと楽しいかも……そんな言葉たちが、削れきったデレクの精神を更に鑢掛けしていく。
彼女たちの同情は、今更隠す必要もないといわんばかりに上から目線だ。滲んだデレクの視界には、彼女たちの性器。一本のスジが入っているだけの股間しか映らない。

「確かに。女に捻られちゃうレベルなら、男でいる理由もないかもねぇ」
「その……もしかしたら、あのお兄ちゃんは女の子に生まれていた方が幸せだったかも……」
「あっはっはっはっは!だけどさぁ、アイツもあの弱っちさで『脆いモノ』をぶら下げ続けてこれたのは素直に褒めてもいいんじゃない?」
「そりゃあ、ほら、アレのおかげでしょ?ルードくんが言ってた、『金的』は狙わないって男子部の謎ルール」
「逆に残酷ですわね。見込みが無いのなら、さっさと諦めさせてあげるのも優しさでしょうに」

姦しく囀る教え子たち。彼女たちの甘く和やかな声と、辛酸を盥で啜らされているデレクの渋面は残酷なまでのコントラストを描いていた。
彼はもはや言葉を紡ぐことすら苦しいのだろう。潰れるまでの辛抱ですよ、もうすぐです。トモエが胸の奥で呟いた言葉は、虚空に紛れて溶けていく。
潰される瞬間は痛いでしょう、女には、どう痛いのかは知りようがないですけど。ですけど、それに耐えれば二度とこんな思いはせずにすむのですからね、と。

「デレク君。やり返せないのは、先生に『キンタマ』なんて付いてないから、ですよね。それが男女の違いですけど……他に違うところはあるかしら?」
「うぎぃっ!!ぐぐ!……ぎゅぅう!!そ、それは……キャインっ!」
「ほら。『急所が無い』以外に、先生と貴方で違うトコロはありませんか?」

師の意思を汲み、ナタリアが押し付けた手を少し下にスライドさせる。虚しく肉を掻くデレクの指先が、トモエの股間、割れ目に届く。ぬるり、と粘液に触れる。
大陰唇の先端に指が触れ、その奥から分泌された保護液と浴場の湿気が混ざりあった液体が滴る。しかし、女教師、トモエは表情を小揺るぎもさせない。冷静な顔のまま。
これが格闘の延長、教育の一環だと捉えるとトモエは物怖じしなくなる。性器付近を触られても、相手の反応を伺いながら次の一手を考えられる。
子犬みたいに鳴いちゃった、そう盛り上がる生徒たちを見回すと、青い顔をしたままのルードに問いかける。玉以外で、貴方と先生の違いって何か分かりますか、と。

「そ、その、チンコ、チンコが生えてないです、先生には……」
「なるほど。ルード君は、女性にはおちんちんが無い、それが違いだと言うんですね。他には?」
「ほ、他……!?」

戦々恐々とした様子で答えるルードに、全員の視線が集中する。この場で脅えているのは彼とデレクだけ。その事実は、女生徒たちをどこかくすぐったいような気分にさせる。
ほら、ここだよ、ルードくん、上気した顔でサーシャが自分の女性器を彼に弄らせるが、ルードはまだ鳩が豆鉄砲を食ったような表情のまま。背後のポーラから失笑。

「これも、男女の意識の差かもしれませんね。男性はおちんちんが無いイコール女性だと考える方が多いみたいですけど、先生としては……まぁ、百聞は一見にしかずです。
 ナタリアさん、貴女が『女の子』だと思う場所に、デレク君の手を触れさせてあげてくださいな」
「ほいな!って、ウチのですか?せんせのですか?」
「どちらでも結構です。女の子であれば、誰でも持ってるはずの場所なので……皆さんも、自分のソコを確かめてみてくださいね」

デレクとルード、男性二人が見守るなか、ナタリアは捕らえた両手を移動させていく。トモエの下腹部から、彼女の股間、両足の間へ。床のタイルと女性器の間に挟み込む。
手の持ち主であるデレクからすれば、何が違いかわからない。肉厚の太腿に挟み込まれ、自身の両手がミックスサンドの具に変わったような錯覚を覚える。
指先に触れるのは、さらにネトついた柔らかな肉体。だが、場所が変わったところで、ソコに自身のような『急所』、シコリが存在しないことには変わりない。

682名無しさん:2022/02/20(日) 23:22:39 ID:6MD7ScYE0
「ここが膣、デレク君たちの立場でいえば、おちんちんを入れるための器官です。女性は皆コレがありますけれど、男性にはありません」
「ひ、ひぎぃっ!!」
「私は、この穴があるのが女性。穴が空いてない代わりに、タマタマという玩具をぶら下げている……少なくとも、ぶら下げていたことがある……のが男性、そう考えています」

言葉通り、トモエの股間にはタマがぶら下がっていない。それは、ココまでの拷問でデレクとルードに散々突きつけられてきた現実。男性は、ただ一方的に責められるのみ。
しかし、今回の言葉は少なくない数の女生徒たちにとっても初耳だったらしい。えぇ、だの噓、だの。男子には穴ないの、だの。口々に驚きの声があがる。
よくある勘違いだ。男に不要な乳首があるのだから、穴だって(使わないとはいえ)あるだろう。女性の肉体を基準として考えれば、当然そう思い込む者だって出てくる。
トモエは彼女たちの気持ちが分かるため、少し笑ってしまいそうになる。衝動を圧し殺すため、少し強めに手中の肉団子を揉む。情けない悲鳴をデレクが奏でる。

「次はおちんちんについて、ですけど……もう一人お手伝いが要りますね。リサさん、お願いできますか?」
「ふぇっ!り、リサですか……!?あの、あの、自信ないんですけど……」
「ルード君ので遊ぶだけじゃなくて、他の人のおちんちんもキチンと確認してみましょう」

そして、そのままルードガールズとなっていたリサに声をかける。サーシャと迷ったが、完全に目がトリップしてしまっている彼女は使い物にならないと判断。
発情した仔猫という矛盾した表現がぴったりな少女は、トモエの呼びかけに目を瞬かせる。自分が指名されるなんて、夢にも思っていなかったのだろう。

「サーシャさんとポーラさんは、ルード君をこちらに連れてきてください。一緒に、違いを確認していきましょう?」

                    /|
より高くデレクの睾丸を持ち上げる。【○∠ |_】という体勢に極められた彼は只管に呻くような涙声しか溢せない。
ぶらん、と。情けなく垂れ下がった彼の陰茎が揺れる。擦るように指示すれば、驚いたことにリサはソレを両手で挟みこむと、火を起こす要領で萎びた突起を捏ね回しはじめた。
可動範囲外の力を加えられた青年から。またも、様相の違った悶絶。トモエやリサにはピンとこないが、痛みの質が違うのかもしれない。

「あ!リサさん、擦り方が違います。こう、縦に、扱くように擦ってあげてください」
「え、縦、ですか?縦……??ちょっとリサ、よく分かんないんですけど……ルードお兄ちゃんのは、その……揉み揉みしてるだけでしたし……」
「想像力を働かせましょう。私たちの『穴』、これに抜き差しするときはどんな感じにおちんちんが擦れるのか」
「え、ええぇ……。ルードお兄ちゃんのはいいけど、この人のはヤだなぁ……」

ブツブツと不平不満を溢しながら、リサは手中のソーセージを擦る。彼女の言葉が耳に届いたのか、デレクの苦悶に、傷心の色が重ねて塗り込まれる。
皮肉ですね、そうトモエは苦笑する。いいコトなのだ、ソレは。誰にも惜しまれないからこそ、彼の睾丸は誰に気兼ねすることなく潰されることが出来るのだから。
とはいえーーー

(せめて、失くすというコトを恐れずに済むように……前向きにタマ抜きを受け入れてくれるように出来ないものでしょうか)

トモエとしては、少し気が差すのも事実。だからこそ、彼が正規品の『男』である内に、『女』について知識だけでも与えてあげようと腰を少し傾ける。
デレクにとっての発端となった覗き行為は女体への興味ゆえ。ならば、その望みぐらいは叶えてあげたい。これが埋め合わせになりうるかは分からないけれど。
目的すら果たせず『無為に睾丸を奪われた』よりは、目的は果たしたが『代償としてタマを失った』と言える方が、まだ面目は保てるのではと彼女は考える。
だからこそ、彼女は惜しげもなく秘部を晒す。これが恥ずかしいという感覚は捨て置く。自分より、彼の方がよほど恥ずかしい思いをしている。

683名無しさん:2022/02/20(日) 23:23:50 ID:6MD7ScYE0
「みなさん、よく見てあげてくださいね。彼が勃起出来るのも、今日までですから……どうですか?ルード君のと違いがありますか?」

滑らかに、臀部からの延長という形でプックリと膨らんだトモエの女性器、その真上で、リサが『生贄の羊』から腸詰めにも似たものを形作っていく。
雄々しく剥けた陰茎。子供らしい知的好奇心や探究心を隠すことなく、生徒たちが彼の逸物を覗き込む。互いを肘で突き合いながらヒソヒソと語る。

「なんか、ルードくんのおちんちんと形が違うね……先っちょが変な感じになってる……何でだろう」
「先っちょの皮?みたいなのが剥けて、中身が出てきてるように見えますわ……ルード様のときはあんなコトなかったわよね」
「蹴られたとき先っぽが裂けちゃったのかな?痛そ〜」
「ねぇ、ルード、あれって何でなの?やっぱ怪我して裂けちゃったの?それとも病気かなにか?単純に個性の差?」

コソコソ話を聞きながら、トモエはまたしても苦笑。何も知らない彼女たちからすれば、包茎が普通で剥けた陰茎の方が異様に映るらしい。
まぁ、自分の身体を基準に考えているなら無理もないかもしれない。自分たち『女性』には、あそこまでしっかりと形態を変える器官なんて備わっていないのだから。

「デレク君のおちんちんが、ちゃんとした大人の形なんです。ルード君のはまだ子供のおちんちん。準備中でカバーがかかった状態……いわゆる包茎と呼ばれるものになります」
「へぇ〜、そーなんだ〜」
「でも、大人のちんちんってグロいね。ルードのは一生そのままでもいいのに」
「可愛いしね〜」

女子たちの反応は、やはり男子とは大きく異なる。特に、年頃の女の子たちにとっては可愛いか否かが評価の大きなウェイトを占める。
ただ……これは教育の場だ。トモエはナタリアに命じて、ぴったりと閉じた自身の性器を開帳させた。本能的に、デレクとルードの視線がソコに吸い込まれていく。
その様に『男』を感じて……こんなトコみて何が面白いのかしら……トモエはほんの少しだけ呆れてしまうが一瞬のこと。

「デレク君、ルード君。先生のお股、小さな突起があるの分かりますか?ナタリアさん、指で示してあげてください」
「え、あ、クリのことっすよね。いいっすけど……」

教え子に指示。男子たちに馴染みが無いであろう女性の陰核について、彼らに場所と形を示していく。陰茎と違い、目を凝らさないと見えないソレを凝視する二人。
女生徒、少女たちはトモエのソレをまじまじと見詰めるもの、自身に備わった陰核に触れるもの、反応はまちまちだ。

「デレク君の、色が違って見える部分はコレです。陰核が大きくなって、注射器のボディ的なモノがくっついたのがおちんちんとなります」
「え!!マジ!?そーなの!?知らなかった……」
「あ、やっぱりそうなんだね〜。な〜んか、形似てると思ってたんだ〜」
「あれ?でも、ソレがマジなら、男子ってクリトリスからおしっこするってことにならない?ヤバくない?!」
「でも納得しちゃった。ルードのチンコ、つまりクリが皮に隠れてるみたいな状態なんだね。女の子みたいで可愛いね」

またしても好き勝手なコトを囀り合う少女たち。目に、興味の火が煌々と灯る。亀頭の周辺、剥けた皮をイジる生徒、尿道を不思議そうに引っ掻く少女。
指を伸ばし、亀頭と陰茎双方を指で弾いて反応を比べ合う生徒まででる始末。彼女たちの辞書には自重という言葉は無いらしい。

「必要な時だけ膨らむようになってるんだ……よく出来てるなぁ」
「あははは、そうだね〜。というか、やっぱ男子も『おちんちん』邪魔だと思ってるんだ。普段は小さくしてるってそういうコトだよねぇ」
「タマタマで作った精液とかいうのの注射器みたいな感じなのね。おしっこも出るのは、折角蛇口みたいにしたんだからついでってことなのかな?知らんけど」
「なるほど〜。でもでも、それならタマタマ取ったらもう変形しなくなるんじゃない?どうなんだろ?」
「せんせは、この人勃起できるの今日までって言ってた」

684名無しさん:2022/02/20(日) 23:24:57 ID:6MD7ScYE0
教え子たちの自主性に任せ、望むがままにデレクの陰茎を検分させる。彼女たちが言う通り、彼はこれからペニスを使えなくなる。なので、多少乱暴でも問題ない。
そう、彼が失う面目はコレだけではないのだ。今、自分の秘部の上で変形しつつあるデレクの陰茎、これも、明日からは萎びた蛇口という本来の用途以外で使えなくなる。
『もう、勃たない』、これも男性にとっては面目を失うコトと等しいと聞き及ぶ。何故それが恥なのか、勃たせるモノが無いトモエには不思議で仕方がない。が、そうらしい。

「そして、小陰唇。この、そうですね、下品な言葉で恐縮なのですが、こちらのビラビラがーーー
ーーーあ、分かった。これがチンコのカバーになってるんすね?」
「……違います」

ナタリアの言葉に、トモエは首を横に振る。小陰唇とは、本来は膣に異物が入らないための保護膜の一つ。確かに、言われてみればどことなく男性の包皮にも似ている。
とはいえ、間違った知識を伝えるわけにもいかない。自身の小陰唇を両側とも摘んで真ん中で閉じてみるようナタリアに伝えつつ、トモエは説明の言葉を練る。

「こんな感じに、襞が両方とも完全に癒着して閉じてしまったもの……これが、男性の玉袋に相当します。つまり、男女ともに『おちんちん』と『袋』は持ってるんです」
「へぇ〜、そーなんだ〜。確かにどっちもしわしわだね」
「言われてみれば、ルードくんの袋にも、真ん中で縫い代みたいな線が入ってた気がする」
「あー。だから先生は、男と女の違いは『タマ』があるか『穴』があるかですって言ってたんだ。理解できちゃった」
「アタシはおっぱいもあるけどね〜」
「ポーラ、うるさいよー。というか、おっぱいぐらいウチのおじさんにもあるから。120キロ余裕で超えてるけど」
「あん?ちょっとサーシャから聞き捨てならないセリフが聞こえたんだけどーーー」

少女たちの会話が盛り上がる。男子たちの股間を穴が開きそうなほどに観賞し、形の違いを楽しむ。デレクの陰茎、ルードの陰茎。その形状を脳裏に焼き付けている。
その光景に、トモエは満足げに微笑む。やはり、生徒たちに授業を行うのは楽しい。それにーーーこれなら、目的通り。デレクの男性器は、生涯、教え子たちの記憶に残るだろう。
女生徒たちの反応に上機嫌となりながら、再度、トモエが睾丸を掴んだ掌のポジショニングを変える。もう一度、潰すための握り方に。

「さて、と。それでは、次は『タマ』が失くなると男性はどうなるか、実際に確認してみましょうね」
「あ、いよいよですか?なんかドキドキする」
「『穴』も『タマ』も無いってどんな感じなんだろ」
「きゃ〜〜」

無責任に囃し立てる外野。こればっかりは、トモエでも言葉で伝えることは出来ない。彼女はタマを失くしたことなどないのだ、無くすモノがない。
あの凄惨さ、十全に演じることが出来るのは男性だけだろう。内心で罪悪感に深々と頭を下げつつも、彼女は淡々と手の内の肉団子に圧力を加えていく。
ただ、ただ、哀れみと共にか弱い弾力、いや『男力』か。男のみが表現できる儚さを堪能する。パクパクと口を開閉する青年は、一体何を感じているのだろうか。

685名無しさん:2022/02/20(日) 23:27:26 ID:6MD7ScYE0
「さきほど、デレク君はいいましたね?このままタマ取られると、『女の子』になっちゃうって。ですがーーー

やだ〜、だの。うひゃぁ、だの。怖〜い、だの。女子生徒から思い思いの声が上がる。それを意に介さず、トモエは言葉を続ける。

「この、たま」

……右の睾丸をトモエの親指が。表面を撫で回すように刺激する。

「たま」

……左の睾丸を、彼女の薬指が。軽くカリカリと引っ掻くように、刺激する。

「を抜かれても」

モエが手の中の二つの球を転がし始める。指先で弄ぶように。

「別に、穴が出来るわけじゃありません。つまり、女になる心配はしなくてもいいということです……安心しましたか?」

硬直した青年の陰嚢をしっかりと捕らえなおし、彼女の指先は最も脆い部分へと照準を合わせる。恐怖に顔を歪ませるデレクを少女たちが楽しそうに覗き込む。
ルードは視線を逸らそうとしたのだろう、ポーラとサーシャの二人に頭部を固定されてしまっていた。無理矢理目を見開かされ、惨劇の直視を強制させられている。

(その、やはり男性はタマを失うコトは強いストレスなんですね。共感はできませんが、その、申し訳なくは思っています)

男性二人の、恐慌すら越えた悲痛な表情に胸を痛めながらも、トモエの手は止まらない。さぁ、いよいよ、その時が来るーーーそんな生徒たちの期待を裏切れない。
彼の睾丸は今後も少女たちの記憶の中で生き続ける。女の自分、睾丸が無い自分としてはそれで十分、だが『睾丸』を実際に失う彼はそうもいかないのだろう。
やはり、痛いからだろうか。どれほどの痛みなのだろうか。『タマなんて失くなっても問題ないんです』、そう慰めることは出来る。だが、彼女でも痛みだけはどうしようもない。

青年の顔色は青から蒼白に、そして、そのまま死人のような土気色に変色していく。痛々しさに、罪悪感がチクチクと刺激される。が、もう決めたコトなのだ。
だから、せめて。飴をぶら下げるように、青年に甘い言葉をかける。その心の奥底まで覗き込むように、彼の瞳を直視しながら。

「それに、これからは好きなときに遊びに来ていいですからね。お風呂に一緒に入ってもいいですよ?……もうタマタマ持ち込めないんですし」

クスクスと少女たちから笑い声。幾人かは、お揃いになるね?などと囁きながら、悲嘆に暮れる彼に『睾丸が無い』股間を自慢するかのように見せつけはじめる。
数人は遠巻きになり、同情の視線を向けているが制止の声をあげることもない。ただただ、他人事の悲劇を気の毒に思う、そんなレベルで青年を哀れむ。
サーシャとポーラ、そしてリサのルードガールズに至っては、潰されるデレクよりも、それに怯えるルードの方が面白いのか、完全に傍観者を決め込んでいる。

「さてと、それじゃ本日のハイライトです。よく見ておいてくださいね。見逃してしまったからといって、やり直すコトは出来ませんからね」
「どきどき…………」「うわ、タマ潰されるトコ初めて見る!!」「どうなっちゃうんだろ?」「……うぅ、一個欲しかったのに……」「ほら、アタシにもタマなんてないよ〜♪」
「デレク君も。きっと、『男の子』に生まれたコトを後悔するほど痛いと思いますが……心配いりませんからね。その後悔、感じる頃にはもう『男』じゃなくなってますから♡」

686名無しさん:2022/02/20(日) 23:28:15 ID:6MD7ScYE0
「ひ、ひ……ッ!!!」

トモエの言葉に、デレクの口から引きつった悲鳴が漏れる。それは、少女たちには面白かったようで、またも何人かがクスクスと笑う。
しかし、当の本人にとっては笑い事ではない。これから起こるであろう激痛を想像してか、全身を震わせている。
恐怖で震える青年の陰嚢に、トモエの指先が食い込む。ゆっくりと力を込めていく。成人した女性の指先と、成人間近の青年の袋と、二つの感触が混じり合い、混ざり合う。

(本当にごめんなさいね。貴方がタマを潰されたら、この子たちも満足してくれると思うから)

指先に力を込めれば、彼の大切な器官は簡単に潰れてしまうだろう。そうすれば、二度と戻れない。タマは、もう一生、使い道のないただの肉塊となる。
申し訳ないとは思う。だが、それでも構わない。意外と硬く、弾力と芯を感じる手中の二つの肉球に彼女は意識を集中させる。深呼吸を一つ、そしてーーー

「えいやっ!」
「………………………………あ」

裂帛の気合とともに、一息。慣れ親しんだ、水気を含んだ物体が形を保てず内容物を漏らしていく感触。
握力だけで、彼の柔らかい中身をグチャリと押しつぶす。ブチッ、と、何かが潰れる感触がトモエの指に伝わってくる。潰れた音が、デレクの体内で反響しあう。
現実的には大した音でもない。女生徒たちは、まだ彼のタマがこの瞬間に失われたコトに気付いていない。ただ、デレクは一人、呆けたような表情を見せる。
ただ一人、男として取り返しがつかないことが起きたことを直感したルード。奈落に引きずり込まれるような感覚に襲われて大きく口を開くが、掠れ声すら出てこない。
一瞬、水をうったように浴場内が静まり返る。が。

「……あ、あは……あ、あ、あ…………」
「プチっとな♪……はい、潰れました。頑張りましたね、流石、男の子『だった』だけはあります。立派、立派ーーー
ーーーああぁぁぁッ!〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!〜ッ!〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」

しかし、その奇妙な静寂の寿命は短かい。細かく、喘ぐような呼吸音を発していたデレクから、喉を裂くような甲高い悲鳴。性別というダムが決壊し、慟哭が止めどなく溢れる。

「どうでしたか?これで、デレク君のキンタマは無くなりました。意外と地味で拍子抜けしちゃいましたか?でも、実際はこんな感じなんです」

それを目の当たりにして、女生徒たちも遅ればせながら事態を把握する。黄色い歓声とともにはしゃぐ女生徒から、刺激が強すぎて吐き気を堪える少女までの雑多な反応。
何かが終わった。ソレはタマを持たない彼女たちにも伝わったらしい。ルードの性器を玩具にしていたときの空気とは違った興奮の中、女生徒たちは口々に衝撃を語る。

「うわ、すごい!」「あはははは、変な声出てるぅ〜」「ちょっとグロいね……」「ねぇ、どんな感じ?どんな気持ちなの!?」
「それでは、皆さん。今日の授業はコレで終了です。湯冷めをしないウチに上がって、早めに寝てくださいね。歯磨きも忘れずに」

話題はデレクの去勢一色。もう、ルードの性器が云々といった過去のトピックは完全に彼女たちの頭から抜けてしまっているようだ。
これ幸いと、トモエは立ち上がり宴の閉幕を生徒たちに告げる。興奮醒めやらぬ生徒たちは異論を口にすることもなく、三々五々に散っていく。
足元で痙攣するデレクに感謝の目。貴方の『タマ』は、無駄ではありませんでした。十分に、役目を果たしてくれました。この気持ちを、どう彼に伝えればいいのだろう。

687名無しさん:2022/02/20(日) 23:29:36 ID:6MD7ScYE0
「もう大丈夫ですよ。ソレを乗り越えたら、二度とそんな痛い思いをすることはありませんからーーーもう、タマタマ無いんですし、ね」

語るべき言葉を探しあぐね、睾丸から『自由』となった青年を慰める。女には分からぬ苦しみに七転八倒する彼に、彼女の言葉は届いたのだろうか。
彼は役目を果たしたのだ。生徒たちは満足し、ルードの睾丸を甚振る宴は終わりを告げた。だからこそ、これ以上デレクを辱めたいとは思わない。もう十分だろう。
何を言ったトコロで、もう彼の睾丸は戻ってなど来ないのだ。心を『切り替えて』、自分たちと同じように、タマの無い人生にも前向きになってもらうしかない。
傍らで気の毒そうに痙攣する青年を眺める少女に、脱衣所から荷物を取ってくるように頼む。慌ててパタパタと駆け出す彼女に、足元に気をつけるよう注意。

持ってきてもらうのは、万一に備えてルードの睾丸を速やかに抜けるよう用意した機材。ルードは無事、だが、まさか全くの別人にアレを使うことになるなんて。
トモエは、教え子のタマが無事であったことは僥倖と感じつつ、ただ間が悪かっただけのデレクに若干の後ろめたさと罪悪感を感じる。仕方がない、そう自分を誤魔化しつつ。
返せるものなら返してあげたい。だけれど、彼女の股間には返せる『タマ』なんてない。だから、彼には一人で『失った』という現実を噛み締めてもらうしか無い。
気が差すのは事実。だが、『女』であるトモエに、これ以上一体何が出来るというのだろう。

救いは一点のみ。彼はもう、一生去勢の恐怖に脅えなくてすむ肉体となった。ただその一点に慰めを見出すしかない。
自業自得ですけど、今日の夢見は悪そうですね。トモエは自嘲すると、悶える青年と同調するかのように、一つ大きく身震いをしてしまう。

……彼女のリアクションは、ただそれだけ。取り敢えず一段落、一息つくと残った仕事がないか浴場内に視線を巡らせる。

688名無しさん:2022/02/20(日) 23:30:21 ID:6MD7ScYE0
------

と、愛すべき教え子、ルードから幽鬼でもみたような目が向けられていることに気づく。ただひたすらに、絶望と虚無だけが滲んだ視線。
彼を落ち着かせようとニッコリ微笑んでみるものの、芳しい効果は見込めないようだった。もう一度溜息をつくと、教師の顔に戻って彼と相対。

「朝方、いいましたよね。先生がキンタマ潰しますって宣言したらどうなるか……参考になりましたか?」
「ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃ……」

怯える少年と、その恐怖とは無縁の三人の少女たち。その対比が滑稽でもあり、どこか哀れでもある。
凄かったね〜、痛そうでしたね〜、口々に『他人事じみた』感想を言い合う少女たちは、『他人事』ではない少年の心境は慮りきれていないのだろう。
彼女たちにとっては、あくまで『親しくもない他人』の『自分たちには無い』器官の話に過ぎない。ルードの『睾丸』は無事だ、関係ない。それ以上でも以下でもない。

怯えるルードの鼻先に、自身の股間……女性器を突き出すと、トモエは平坦な声でソコに注目するように命令する。他の選択肢など無い、少年は大人しく従う。

「ルード君が言った通り、先生にはタマが潰れる痛みは分かりません。潰し返されることも絶対にありません。ですから、潰すと決めれば容赦なんてしません」

言いつつ、ルードの目の前で指先を開閉させる。少し立腹していたのだ。女生徒たちはともかく、彼はトモエの暴挙を止めようとしても良かったのではないか。
彼の睾丸を守るための茶番だった。そして、無事その目的は果たせた。だからこそ、この行為は筋違いなモノだとトモエ自身も理解しているのだが。

それ故に、ルードの『金的』を痛めつけるつもりはない。ただ、少し脅かして、明日以降の訓練に身を入れてもらおうと彼女の言葉は続いていく。

「ルード君は幸運なんです。実地で『金的』を守る訓練が出来るのですから。もし先生と試合であたっていたら、その日のウチに玉無しですよ?」

淡々と、ただ分かりきった事実を告げているという体でのトモエの言葉。彼女の通告は、ルードを文字通り心胆寒からしめてやまない。
師の言葉。これまで幾度となく『男はつらいよ』という苦汁を舐め取らされ、それでも心の何処かでは『潰す』までいくのは脅しだろうと軽んじていた。
だが、実際は違った。師、トモエは潰すと言ったら躊躇いなく潰せる女だった。彼の睾丸が縮み上がり、それを感知したリサが「また縮んだ!」と嬉しげに報告する。
タマなんて無くても私が貰ってあげる、ルードの首筋を舐めながらサーシャが呟けば、ポーラも負けじと耳元で囁く。大丈夫、アタシは分かってる、味方だよ、と。

何が分かるのか、縋り付くように見上げる。彼女は微笑みながらルードの手を取ると、ゆっくりとソレを自身の股間に宛てがった。柔らかい女性器の感触。
怖くてちんちん縮んじゃったのよね、哀れみを含んだ慰め。ポーラちゃんのも、ほら。ビビりすぎて、縮みすぎて、無くなっちゃった。嘯く彼女には最初から無い。
そんな彼女たちの振る舞いを落ち着いた目でみやりつつ、トモエの語りは何事もなかったかのように続いていく。

「先生がね、ルード君のタマタマを潰すのは、貴方が男子部に戻るのを諦めたとき。だってそうでしょう、女子部に骨を埋めるなら、タマなんて要らないでしょう?」

689名無しさん:2022/02/20(日) 23:31:04 ID:6MD7ScYE0
優しく言い聞かせるような口調で、ルードに楔を打ち込んでいく。そんなことはない、そう否定することすら、今の彼女を前にしては不可能に思える。
『要らなくなる』なんてありえない。だが、それを『持たない』彼女にどう伝えれば理解してもらえるのだろう。ルードには、皆目検討をつけることができない。

「貴方が目標に邁進するなら、先生は応援します。『金的』だって、強くなって欲しい一心……ですけど、耐えられなくなったらいつでも教えて下さいね。先生がーーー

ーーー解放してあげます。『男の子』という枷から。トモエの無慈悲な宣告に、ルードは過呼吸を起こしかねないほどの恐慌に見舞われる。
そこまで確認すると、多少は溜飲がさがったのだろうか。トモエは憑き物が落ちたような表情で、教え子、ルードの両脚の間にしゃがみこんだ。彼の顔が恐怖で歪む。

「それじゃ、傷み具合を確認しますね。タマタマを見せてください……手当が遅れて腐り落ちちゃったらつまらないですからね」

デレク君の尊い犠牲も無駄になってしまいます、何気ない呟きとともにトモエの手が伸びる。少年が必死で身を捩ろうとしても、抱え込む少女たちが許さない。
手当って言ってるじゃん、ポーラが呆れ声を溢せば、ちゃんと診て貰ったほうがいいと思います、赤子を落ち着かせようとする声でリサも返す。
結局、『去勢』という事象を自分事として想像できない彼女たちには、少年が何を恐れているのかまったく理解が出来ないらしい。

そして。白魚のような指が、ルードのタマに触れる。女性特有の、細く華奢な指先。なんの衒いもなく、デレクのタマを奪った死神の鎌。
睾丸にトモエが触れた感触と同時に、彼の視界はブラックアウトした。遠くで、焦ったような女性の声。背後から、驚いたような少女たちの声。
だが、もはやルードにはそんな有象無象の情報を認識するほどの余裕は無かった。足元が崩れ、深淵に呑み込まれていくように彼の意識が闇の帳にとざされる。

落ちる寸前まで、彼が意識していたのは。自分とは違う、女性の甘い体臭だった。

690名無しさん:2022/02/20(日) 23:31:45 ID:6MD7ScYE0
優しく言い聞かせるような口調で、ルードに楔を打ち込んでいく。そんなことはない、そう否定することすら、今の彼女を前にしては不可能に思える。
『要らなくなる』なんてありえない。だが、それを『持たない』彼女にどう伝えれば理解してもらえるのだろう。ルードには、皆目検討をつけることができない。

「貴方が目標に邁進するなら、先生は応援します。『金的』だって、強くなって欲しい一心……ですけど、耐えられなくなったらいつでも教えて下さいね。先生がーーー

ーーー解放してあげます。『男の子』という枷から。トモエの無慈悲な宣告に、ルードは過呼吸を起こしかねないほどの恐慌に見舞われる。
そこまで確認すると、多少は溜飲がさがったのだろうか。トモエは憑き物が落ちたような表情で、教え子、ルードの両脚の間にしゃがみこんだ。彼の顔が恐怖で歪む。

「それじゃ、傷み具合を確認しますね。タマタマを見せてください……手当が遅れて腐り落ちちゃったらつまらないですからね」

デレク君の尊い犠牲も無駄になってしまいます、何気ない呟きとともにトモエの手が伸びる。少年が必死で身を捩ろうとしても、抱え込む少女たちが許さない。
手当って言ってるじゃん、ポーラが呆れ声を溢せば、ちゃんと診て貰ったほうがいいと思います、赤子を落ち着かせようとする声でリサも返す。
結局、『去勢』という事象を自分事として想像できない彼女たちには、少年が何を恐れているのかまったく理解が出来ないらしい。

そして。白魚のような指が、ルードのタマに触れる。女性特有の、細く華奢な指先。なんの衒いもなく、デレクのタマを奪った死神の鎌。
睾丸にトモエが触れた感触と同時に、彼の視界はブラックアウトした。遠くで、焦ったような女性の声。背後から、驚いたような少女たちの声。
だが、もはやルードにはそんな有象無象の情報を認識するほどの余裕は無かった。足元が崩れ、深淵に呑み込まれていくように彼の意識が闇の帳にとざされる。

落ちる寸前まで、彼が意識していたのは。自分とは違う、女性の甘い体臭だった。

691名無しさん:2022/02/20(日) 23:33:55 ID:6MD7ScYE0
------------------

ルードが意識を取り戻したのは翌朝。カーテンの隙間から漏れる光が、まだ早朝であることを示していた。
瞼を開くと、見慣れた天井。自室のベットの上、いつもの朝の光景だと理解する。何か、とんでもなく嫌な夢を見た気がして、彼は思わず身震いをした。

と、そこで違和感に気づく。彼の両脚が、天井から吊り下げられた何かに固定されているのだ。困惑しつつ下半身を見ようとして、更に困惑。
自身の上半身を覆っているシーツが、こんもりと盛り上がっている。まるで、誰かがソコに隠れているように。胸板の上で、規則正しい呼吸音。
ズキリと頭蓋に鈍器で殴られたような衝撃と不快感が流れ込む。なにか、なにか絶対に思い出したくない悪夢が脳幹を舐めあげてくるような、生理的な嫌悪感。

焦燥に駆られてシーツを跳ね除ければ、そこには彼もよく知る少女、サーシャが下着一枚のみ身につけた格好で安らかな寝息をあげていた。
あやうく悲鳴をあげそうになり、慌てて声を呑み込む。よくよく下半身の感覚を改めれば、冷たい夜風を感じる。何も身に纏っていないのではないか。自分は何をしてしまったのか。
混乱の極致、昨夜の記憶を呼び起こそうとするも、何も思い出せない。いや、思い出したくないと本能の警告。そもそも、どうして自分がこんな状況に陥っているかも分からない。

恐る恐る、視線を隣のベッド、ルームメイトでもあるポーラの寝台へと向ける。だが、予想に反してソコはもぬけのからだ。使った痕跡すら残されていない。
なんだこれ、どういうことだ。混乱の渦中、彼はなんとか記憶を掘り起こすべく頭を働かせる。と、不意に部屋の扉が開かれた。

「あ、ルード、目が覚めた?!……あぁ、良かったぁ」

現れたのは、同じく下着姿のポーラだった。いつもの快活な様子はすこし陰りを帯び、大きなタライに水を張って運んでくる。寒い朝に、冷たい氷水。
それだけでも背筋が冷えるというのに、半裸のサーシャと添い寝をしていたとバレればどんな仕打ちを受けることか。戦慄する彼を余所に、ポーラは心底安心したという笑顔。
と、彼女の後ろから、また別のクラスメイト。年下の少女、リサが息せき切った様子で部屋に駆け込んでくる。あろうことか、彼女も下着姿。

「あ、ルードお兄ちゃん起きたの!?︎お兄ちゃん、お兄ちゃん!」

そのまま勢い良く抱きついてきた彼女を受け止めつつ、ルードは助けを求めるようにポーラを見る。だが、彼女は肩をすくめて笑うだけ。
騒ぎに目を覚ましたサーシャが、寝惚け眼を擦りながら問いかけてくる。その問いに、彼の意識は一気に現実へと引き戻される。

「ふわぁあ、あ、ルードくん……起きたの?その、キンタマ大丈夫?」

一言で、昨晩の惨劇がフラッシュバックした。彼もよく知る男、デレクが『男』ではない身体にされた瞬間の光景が電撃のようにルードの記憶野を穿つ。
反射的に睾丸を庇おうとした両手は、リサとポーラによって苦もなく捕らえられ、彼女たちの肉体に拘束されてしまう。

「あ、ダメだよ。股間を押さえたいのは分かるけど、タマタマまだ触らないほうがいいって先生が言ってた」

692名無しさん:2022/02/20(日) 23:34:31 ID:6MD7ScYE0
サーシャも徐々に覚醒してきたのか、苦笑しながら身を起こす。彼女の身体によって視界から外れていたソコには、普段の3倍ほどに腫れ上がったルード自身の睾丸があった。
何枚か濡れタオルが被せられた痛々しい状態。包帯やガーゼで覆われたそこをまじまじと見つめて、サーシャは心配そうに眉根を寄せる。

「お兄ちゃん、お股押さえたいなら、その……リサのを押さえてください。タマタマなんて無いから触りようがない……安心安全、ですっ」
「アタシのでもいいよ。というか、ルード的にはおっぱいの方が好みかなぁ」

両腕を押さえた二人の少女が、ルードの掌を女体で包むように拘束する。二人の目には嗜虐心の欠片もなく、ただただ純粋に心配だという色彩を帯びていた。
状況がつかめず、縋るような目をサーシャに向ける。彼女はモゴモゴと口籠るばかり、上手く説明する言葉を形に出来ないようだ。
業を煮やしたのか、ポーラが胸に抱えたルードの手をサーシャに押し付ける。落ち着いた口調、噛んで含めるように、ポーラはあの後起きたことを説明していく。

「ルードはさ、トモエ先生にタマタマ触られた瞬間に失神しちゃったんだよ」
「……アレ、やっぱり夢じゃ……」
「ううん。少なくとも、あのイジメっ子、ほら、デ、デ、」「デレク?」「そう!そいつがタマ潰されたとこまでは現実」
「その……タマ、というか。あの、その……タマタマ、です。両方抜かれちゃったんで」

枝葉末節というべきか、細かすぎる補足をいれてくるリサ。痛そうだったねー、そんな他人事じみた感想を述べるサーシャ。

「デレクは?アイツ、どうなったんだ?!」
「ルード、優しいね。自分よりも、あのイジメっ子のコト気にするんだ……そんなトコ、好きだよ?アイツはね……」
「デレクお兄ちゃんはですね……あのあと先生がタマタマ両方とも引っこ抜いてあげたから、その、……大丈夫、だと思いますぅ」
「だ、大丈夫って……何処が……」
「いや、その、潰れたタマキンぶら下がったままのときは死にそうな顔してたけど、トモエ先生が抜いてあげたら途端に楽になったみたいよ」
「アレ、潰れてもまだ痛いんだね……痛みの元が失くなったら痙攣も治まったみたい。まぁ、それでもグッタリして泣いてたけど……なんかミジメで可哀想だったなぁ」

私たち、女の子で良かったね。他意無くサーシャが言えば、リサとポーラも首肯する。彼女らの瞳からは悪意など微塵も感じられない。純粋な同情から削り出された尊厳への打擲。
拠って立つ土台が根本的に違う。ルードの目には、三人の少女たちがまるで別の生き物のように映った。事実、生き物としては同種でも、性別という根本的な部分が違う。

「タマタマって、あんな形してたんですね……ルードお兄ちゃんの袋にも、同じモノが入ってるんだぁ……」

693名無しさん:2022/02/20(日) 23:35:10 ID:6MD7ScYE0
蕩けた視線を送られて、ルードの背筋が本能的に凍りつく。しかし、どれだけ股間を隠したくとも拘束された両手は彼の期待に応えてはくれない。
タマタマ触っちゃだ〜め、股間触りたいなら私たちので我慢して。言うなり、サーシャたちは再度ルードの手に自身の女性器を弄り回させる。艶っぽい吐息が漏れる。
これならタマタマ触らずにお股だけ触れますね、そんな二人の言葉通り、押し付けられた彼の手は『睾丸』に触れることはない。そこに『無い』から。彼女たちは女性だから。

「な、何で……抜く、なんて……」
「ほら、先生、最初に『一旦』没収っていってたじゃない?反省したら返してあげられるように、保管しやすいように抜いておくんだって」
「サーシャ的には、本当は優しさ、というか照れ隠しだと思うけど……だって、潰れたタマタマ、有るだけで辛いみたいなんだもん」
「まぁ、返してもらってどうするのかは知らないけど。これからキンタマ持ってんのかって言われたら、ここにあるぞって瓶詰めのタマ見せるのかな、アイツ」
「リサは、その……そこまでタマタマ持っていることに、あの、拘らなくてもいいと思いますけど……」
「ね!無いなら『無い』ぞってはっきり言い切ったほうが男らしいわよね!」
「いや、それもどうなのかしら……」

世間話のトーンで行われる談笑と、あまりに不釣り合いな内容。それなのに、彼女たちにとっては違和感を感じるほどの温度差ではないらしい。
どちらかというと、もう失くなったんだから今更騒いでもしょうがないというような、カラッとした空気感。それは、彼女たちの睾丸に対する思い入れを如実に示していた。

「そんなコトよりさ、ルードのキンタマ……その、ごめんね。アタシたち、調子に乗って加減出来てなかったね……」
「ま、まさか……」
「あ、心配しないで!ルードくんのタマタマ、まだ潰れてないよ!!その……一応、辛うじて、だけど……あ、でも、もし潰れててもルードくんは私が貰ってあげるからね!」
「リサだって!……いや、ごめんなさい、本当に、その、危ないトコロだったって……先生が言ってました」

しおらしい謝罪は、逆説的にルードの危機感を煽る。謝罪をするのは、それで許されるだろうという展望を持っているから。
彼女たちの言を信じるなら、彼は危うく睾丸を失うところだった。それはきっと事実、だがもし本当に『失くなって』いても、彼女たちは直ぐに気持ちを切り替えていける。
彼女たちからすれば、問題は自分たちが『受け入れる』か否か。失くなること事態に違和感などないのだ、なにせ自分たちからすれば最初から無いものだから。

「で、先生がね。アンタたちで、責任とって看病しなさいって」
「トモエ先生はデレクお兄ちゃんのメンタルケアしないとだから、付き添えないって」
「タマキン腫れて歩けないでしょ?アタシたちには分かんないけど……ホント、ごめんね。ちょっとやりすぎたね」

694名無しさん:2022/02/20(日) 23:36:11 ID:6MD7ScYE0
その証拠に。彼女たちが纏う、謝罪の空気の根底には喜悦が混ざっている。はっきりと指摘は出来ない、だがまざまざとそれを感じ取ることは出来る。
三人が罪悪感を抱いているのは事実。だが、贖罪を口実として、思う存分にルードへ奉仕することが出来るという状況は願ってもないチャンスでもあった。

例えば、ポーラ。彼女は、もっとも距離が近い同居というアドバンテージを持ちながら、遅々として進展しない状況にフラストレーションを感じていた。
自分の肉体に興味があるのは明白。なのに、身体で誘惑してもルードは乗ってこない。そんな彼への苛立ちを模擬戦、容赦ない『金的』で解消しては、自己嫌悪に陥る日々。
サーシャ。彼女は、ポーラに先んじられているコトに焦燥感を抱いていた。だが、この状況なら条件は同じ。寝食を共にして、想い人と時を過ごすことが出来る。
そしてリサ。彼女は単純だ。ただ単に、愛しい先輩をなに憚ること無く甘やかすことが出来る。それがたまらなく嬉しい。

「ルードお兄ちゃんは寝てるだけでいいですから……全部、リサたちが……その、お世話、してあげます……ほら」
「え……?」

誇らしげにリサが持ち出したアイテム。ガラス製の大きな容器、それが尿瓶であると理解したルードの思考が焼かれる。
彼女たちの感情、行為は捕食行動にも似ていた。純粋に、愛しい相手の、ルードのすべてを掌握して自分と一体化したいという衝動。
彼の尊厳そのものを粉砕するような行為であろうと、償いの名のもとに彼女たちはそれを躊躇わない。
むしろ、それで彼が自分たちに依存してくれるならば、率先して尊厳の破壊を行ってしまいたいと渇望するほどの覚悟があった。

あまりに予想外な物体の登場に、硬直してしまったルード。そんな彼の睾丸を、サーシャが十本の指で突く。本当に軽く、まるで羽根で撫でるような柔らかな接触。
だが、破裂寸前まで甚振られたルードのタマは、それだけで気も触れんばかりの痛覚信号で彼の体内を掻き回す。

「〜〜〜ッ!!?〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!」
「ルードくん、私たちには遠慮なんてしなくていいんだよ。タマタマ付いてる限り、見栄はったって無駄なんだから」

そのまま、サーシャは痛みと恐怖で言葉すら発せないルードに優しい声音で語りかける。それは、慈母のような慈悲深さと、悪魔的な淫靡さを孕んでいた。
優しく、柔らかく、だが決して逃れられない拘束力を持った言葉でルードの心を縛り付ける。
彼女たちは、決して自分たちの欲望を満たすために動いているわけではない。あくまでもルードの望み、願いを聞き届けるために動くという建前。
上半身を仰け反らせて天を仰ぐルードの睾丸に、そっと冷えたタオルを宛てがい火照りを冷ましていく。

「おしっこ終わったら、リサが先っちょも拭き拭きしてあげますね。ふふ……赤ちゃんのお世話みたいで、楽しみ……です……」

夢見る乙女、十指を祈るように組み合わせたリサが微笑む。ポーラも同じように微笑むと、徐に下着、下半身を隠すショーツを脱ぎ捨てた。
そのまま、流れるような動作でルードの上半身を押し倒すと、騎兵のように彼の腹部に跨る。騎乗位にも似た体勢で、そっと彼の下半身、萎びたままの陰茎に手を這わせた。
自分たちには分からない『痛み』を訴えているのだろう陰嚢には決して触れないように、細心の注意を払う。先端、昨晩陰核と同源と教えられたソコをクリクリと弄る。

695名無しさん:2022/02/20(日) 23:36:50 ID:6MD7ScYE0
「みんなね、ルードのコトが好きなんだよ……ちょっと妬けちゃうけど。だから、何があってもアンタの力になりたいんだけど……」
「……あぅ……あぁあ……あああ、ちょっと、ポーラ……」
「でも、ココだけはダメなの。コレ、地獄の苦しみなんでしょう?昨日のデレク見たら、それぐらいなら分かるんだけどさ……」

そして。唐突に、ツンと人差し指の先端で彼の睾丸に触れる。また仰け反ろうとしたルードの上半身は、今回は跨るポーラに完全に制されてしまっていた。

「その地獄には助けに行けない。アタシたち、その地獄へ入るチケットは持ってないの。ほら、よく見てーーー」

前に回された彼女の両手。二本の人差し指が示す先、その下腹部には何も無い。ポーラの性器は両脚の間、ルードの腹筋に押し付けられ完全に隠されてしまっている。
そして、逆に。ルードは両脚を開いだ状態で固定されたまま、無防備に『男』として最大の急所を、ソレを持たない三人の少女たちに晒してしまっていた。

「キンタマだけは、アタシたちじゃ助けになれない。どうすればいいのか分からないもの。女だから。ルードが自分で何とかするしか無いの」
「だから……ね。ルードお兄ちゃんがタマタマ治すコトに集中できるように、その、リサたちがソレ以外のコトは全部やってあげるから」
「もし耐えられなくなったら、遠慮なくサーシャたちに言ってね。サクっと抜いてあげてって、トモエ先生に一緒にお願いしてあげるから」

慕情に揺蕩う蕩け声で三人の少女たちがルードの身体に覆いかぶさる。彼の肉体の上で、彼とは違う女体が暖かさと質量をこれでもかとばかりに主張する。
普通の男であれば、桃源郷としか表現出来ない。だが、すでにルードにとっては、この場所は拷問部屋に似たモノとして認識されてしまう。
拷問官は三人。三人とも、股間に急所が無い。そして、それ故に一切の容赦もなく彼の急所を責め苛むことが出来る。それがどうしようもなく恐ろしい。

「いいんだよぉ、タマタマ要らないって言っちゃっても。だって、普通に考えればそうだモン、恥ずかしがることなんて何もないんだよぉ」

裏付けるかの如く、サーシャがトロンとした目で想い人の頬を撫でる。視線が合うと、有無を言わさず無理矢理彼の唇を奪った。
クラクラとくる雌の香りに、ルードの意識がまた遠退いていく。いつまで『男』のままでいられるのか、薄ぼんやりとした不安が、彼を靄の中へと導いていく。
最後の日は、あまり遠くない。そんな、諦観にも似た感情とともに。少年、ルードの意識はまた闇の中へと沈んでいくのだった。

女性の園に、ただ一人の男性。白一点とでも呼ぶべき彼が、男をいつまで保てたのか。それを知るものは、誰もいない。
                                                                    <おしまい>

696名無しさん:2022/02/20(日) 23:38:38 ID:6MD7ScYE0
すみません、>>690は多重投稿となってしまったので消してください。

で、もひとつ。色んなシチュエーション取り揃えてみたつもりですが、どういうのがウケいいんでしょうね。
今回のでいえば、最初の格闘的なもの?真ん中の酒池肉林的な部分?最後のエピローグ的な個所?
最初のも、師弟(師側が女性)、女性同士で金的が効かないコトを男子側が視認、同級生同士みたいに幾つか並べてみたのですが。

>>617
AI3の手書き7ぐらいですかね。今回のはAI2の手書き8ぐらい。

>>627
被害者側が男と女っていう場合の性差描写、こんな感じかと何パターンか書いてみましたがどうでしょう?

697名無しさん:2022/02/21(月) 01:16:44 ID:0k/Ki2wU0
すごすぎですね、、、
マジ応援させてもらいたいです!
挿絵とか付けたら無敵でしょうよ
トモエ先生最高!

698名無しさん:2022/02/21(月) 01:31:54 ID:0k/Ki2wU0
トモエ先生は芸能人だと誰のイメージでしょうか?

699名無しさん:2022/02/23(水) 09:28:41 ID:Uo8Wm3Do0
めっちゃいいてす。
男女の性差を出しつつ、主人公以外の男を出すことで金的描写も満載になってる。

700名無しさん:2022/02/25(金) 22:57:12 ID:WBNEWK0o0
男女格闘による金的、大好物です
致命的な急所(金的)がある男と、そんな急所がない女のダメージ差や、男の悶絶ぶりと嘲笑や哀れみで優越感をもつ女子の性差表現が最高です
トモエがルードに金的する際の「はい、『金』」というセリフも良いです
睾丸のある男子にしか効かない技(握りや、膝による圧で恥骨に挟み押し潰し、猫手による睾丸掻き出し)とかも、萌えます
トモエ先生ら金的マスターの美女が男子を倒す格闘シーンがまた見たいです

701名無しさん:2022/03/14(月) 14:35:24 ID:PlmPZmQ60
>>698
早見沙織

702名無しさん:2022/04/05(火) 02:28:28 ID:TfZK9zMQ0
めっちゃ良かった。次回作も楽しみすぎる

703名無しさん:2022/04/06(水) 06:57:41 ID:31EDQi760
ニコニコ動画でボイロの金蹴りが地味に流行りつつある

704名無しさん:2022/04/08(金) 21:07:08 ID:WyNvwbmA0
空手の組み手練習中、故意に男子の金的を蹴った後、地面に這いつくばる男子をニヤニヤと笑いながら見下ろしている女子。

「あれぇ? どうしたのぉ? 急にうずくまっちゃってぇ」

「あ! もしかして〜金玉に入っちゃった?w」

「あはは、ごめんねぇ〜。私、自分に金玉ついてないから、そういうのよくわかんなくってさぁw」

「うわぁ、すごい苦しそうw ホント、ごめんね? …ププッw」

「でもいつまでも中断してらんないし…そろそろ立ち上がってくんないかな?w」

「大丈夫大丈夫、もう金玉は蹴らないからw」

まだ下腹部に鈍い痛みを抱えながらも、なんとか立ち上がる男子。組み手はすぐに再開された。

「おりゃぁ!」ドグッ!

再開後すぐ、女子はまたしても男子の股間を蹴り上げた。

「あちゃ〜。また金玉に入っちゃったねw」

「あ、わざとじゃないんだよ?w 多分、癖になってるっていうか…足が覚えちゃってるんだと思うw」

「でも、二回蹴られたからって、痛みまで二倍になるわけじゃないんでしょ?w」

「私には金玉ついてないからよくわかんないんだけどねw」

「だからまた中断しちゃうと時間勿体無いし、もうこのままやろ? ね?」

既に二回も金的を蹴られている男子は意識も朦朧とした状態だったが、女子は強引に組み手を再開した。

「おらぁっ!」ドグッ!

そして三度、男子の股間を蹴り上げた。

「あー、またやっちゃったw なかなか難しいな〜金玉蹴らないようにするのってw」

女子はもう謝る素振りすら見せず、這いつくばる男子をニヤニヤと笑いながら見下ろしている。男子はとうとう、降参の意思表示をした。

「…え? ギブアップ? じゃあ私の勝ちってこと?」

「いや〜、なんかごめんねw こんな勝ち方でw じゃあ金玉お大事にw …ププッw」

705名無しさん:2022/04/19(火) 04:34:00 ID:dtUHmppI0
>>704
良いですね、自分にはない急所を責めて、その痛みを嘲笑する女子のリアクション最高ですわ

金的関係の小ネタですが、月刊ヤンマガの巻頭新連載漫画で、ヒロインが主人公のタマ蹴って悶絶させてました

706名無しさん:2022/04/21(木) 00:13:14 ID:0.kd05yI0
>>704
こういう短めのも好み。どんどん投稿してほしい。
難点を言うとすれば、1回目と2回目の蹴りの女子の反応がほぼ同じ。
変化があればいいと思う。

707名無しさん:2022/05/22(日) 20:49:53 ID:PSoeb2n20
「蹴り比べしない?」
穂香がニヤニヤしながらそんなことを言ってきた。
彼女が言ってきているのは、股間の蹴り比べだ。
男の股間は急所だから一蹴りでイチコロだけど、女は全然平気だという。
俺は、女も痛いはずと一応反論したんだが、そうしたら穂香は論より証拠、お互いの股間を蹴り比べてみればすぐ分かる、と言うのだ。
もちろん男が圧倒的に不利なのは明らかだ。男の股間には急所の金玉が無防備にぶら下がっているが、女の股間はすっきりしていかにも強い。しかし、単純な力比べなら男の方が強いはずだ。穂香の股間を強めに蹴って、女でもそれなりに痛いと感じさせ、うやむやなうちに引き分けに持ち込もうと考えた。
「分かったよ」
俺がそう言うと、穂香は嬉しそうな顔をした。
「負けた方は罰ゲームね!」
「ああ、いいぜ」
こうして俺たちは男対女の股間の蹴り合いをすることになった。今なら実に無謀かつ愚かな判断だったと分かる。男が股間の蹴り合いで女に勝てるはずがないのだ。男子プロレスラー対小学生女子でもおそらく女の勝ちだ。男の股間にはむき出しの内臓が薄皮一枚でぶら下がっているのだ。硬い骨でしっかり守られている女の股間とは勝負にならない。でもあの時の俺は、穂香に上手く乗せられてしまっていた。あと、穂香の股間に足でとはいえ触れられるという邪念も影響したのかもしれない。

708名無しさん:2022/05/22(日) 20:50:38 ID:PSoeb2n20
「じゃあ、最初はお互い軽い蹴りね」
「軽いってどれくらいだよ」
「軽い蹴りは軽い蹴りよ。だいたいの感じでいいでしょ」
「いや、そこは勝負だからきちんとしておかないと」
「ピリピリしちゃって。あ、たかが女の軽い蹴りがそんなに怖いの?やっぱり男のウィークポイントだから?」
穂香は男の弱みを見抜いたとばかりにニヤニヤする。
「そ、そんなんじゃねえよ。じゃあ軽い蹴りってことで、それぞれの匙加減でいいんだな」
「いいよ。どうせ女は平気だもん」
余裕の表情を見せる穂香。俺は、これで言質を取ったから、かなり強めに蹴っても「これが男にとっては軽めの蹴りだ」と言い張る口実が出来たと思った。
そういうわけで、最初はお互いに軽く蹴り合うことになった。
先攻後攻をじゃんけんで決めた。先攻は穂香になった。
まずは穂香の蹴りだ。
「じゃあ、足開いて」
そう言われて足を開くが、心持ち内股になってしまう。
「なにやってんのよ。それじゃあ蹴り足が届かないでしょ。男らしくもっとちゃんと開いて。あ、男だから怖いのか。ふふ」
穂香は一々気に障ることを言うが、俺はしぶしぶしっかりと足を開いた。
「じゃあいくよ。えいっ」
パスッ。
振りかぶることもなくいきなり穂香の左足が俺の股間に伸びてきて、タマをヒットした。
男だったら相手の股間を蹴り上げるときには無意識に若干躊躇してしまうものだが、女である穂香はそういった躊躇とは無縁のようで、いきなりかつ無造作な蹴りだった。しかし、穂香の細い脚は俺の金玉をしっかり捉えていた。
俺は金玉に衝撃を受けた男の本能で思わず腰を引いた後、少し遅れて腹の底から染み出てきた男特有の鈍い痛みに思わず膝をつきそうになったが、穂香の手前、男の根性でそれはこらえた。
しかし、ダメージは隠しようもなく、うぅと呻きながら股間を押さえ、物凄い表情をしていたと思う。
「えっ、全然力も入れてないし、超軽い蹴りなんだけど、それでもそんなに効いちゃうの?男のソコってマジ急所なんだね」
穂香が驚いた表情を見せながらも愉快そうに笑う。
穂香の蹴りは、確かに力を全然入れないごく軽いものだったが、女らしい足首の柔らかさにより、タマに当たる瞬間、足先がしなるように跳ね上がるものだった。実は金玉は、力んだ棒蹴りよりもこういうしなやかで速い蹴りの方が苦手なのだ。そして、悔しいことに、男の俺に対してはその効果は抜群だった。

709名無しさん:2022/05/22(日) 20:51:23 ID:PSoeb2n20
俺が苦しんでいると、今度は穂香の右足が股間にスッと伸びてきた。慌てて足を閉じると、
「ウソウソ。いつになく必死になっちゃって、面白いね♪次はあなたの番よ。どうぞ」
穂香はそう言って、これまた無造作に足を大きく開いた。女の股間は急所じゃないと態度で示すかのようだった。俺は、もう女を甘く見るまいと心に誓いつつ、穂香の股間に向かって足を伸ばした。
そして、穂香の股間に狙いを定め……ようとしたが、金玉の痛みから力が入らずなかなか狙いを定めることが出来ない。
ようやく狙いを定めたところで、思い切って蹴りを放った。もちろん全力まではいかないが、正直結構力を入れた。この蹴りで引き分けに持ち込まないと、2発目は本当にヤバいと思ったからだ。
バンッ!
「きゃあっ!」
穂香の悲鳴が上がる。
俺は、穂香の股間をしっかり捉えた足応えを感じていた。
やった、これで引き分けだと思ったのだが、次の瞬間、俺は目を疑った。
穂香は、微動だにせず股間をパンパンと払って、
「もう、結構強く蹴ったでしょ。びっくりしちゃった!」
と平然とした様子で言ったのだ。俺は呆然としつつ、
「え…、お前痛くないの?」
と尋ねたが、穂香は何を言っているのかという様子で、「え、なんで?全然痛くなんかなかったけど」
と言う。俺は混乱して、
「だって、あんなに勢いよく股間を蹴られたんだぜ」
と言った。すると穂香は、
「だから女の股間は急所じゃないんだって。男みたいに邪魔なモノぶら下がってないし」
と悪戯っぽく俺の股間を指さしながら答えた。
「それより、今自白したけど、やっぱり結構勢いつけて蹴ったのね。一発目は軽くって約束だったでしょ。男のくせに卑怯じゃない?」
「あ、いや、それは何というか…」
口ごもる俺に、穂香は、
「まあ、いいわ。ハンデだと思って目をつぶってあげる。女には男みたいなか弱い急所のタマタマ付いてないからね。それより次はまた私の番よ。さ、足開いて」と余裕たっぷりの様子で言う。ズルをした引け目のある俺は仕方なく足を開いた。

710名無しさん:2022/05/22(日) 20:51:55 ID:PSoeb2n20
そして、今度は穂香が俺の股間に二度目のキックを放ってきた。
パシンッ。
今度は、さっきよりは力を入れているようだが、やはり軽く蹴飛ばす程度のもので、他の箇所だったら何てことはない蹴りだっただろう。しかし、金玉だけは別だ。女より頑丈な男の肉体の中で、唯一内臓が防御力ゼロで露出している男だけの克服できない泣き所なのだ。しかも、先ほどの蹴りで既にダメージを負った今の俺には、タマへの更なる一撃は耐え難いほどの苦痛をもたらした。
「ぐっ」
思わずくぐもった声を上げ、今度は股間を押さえ膝をついてしまった。
「あら、ちょっと強くやりすぎたかしら。まだまだほんのウォーミングアップくらいの軽い蹴りなんだけど」
穂香はそう言って、ケラケラ笑っている。俺は歯ぎしりをしながら必死に立ち上がり、内股になって足をプルプル震わせながらも
「まだやれるよ!」
と言って構えを取った。
「あら、結構根性あるのね。さっすが男の子。さ、男の意地見せてよ」
穂香はそう言って、見せつけるように股間を突き出しながら足を大きく開いた。
そして、再び穂香の股間を狙うが、金玉がズキズキ痛み、腹の底から自分が男であることを思い知らせる情けない鈍痛が湧き上がって、どうしても力が入らない。

711名無しさん:2022/05/22(日) 20:52:26 ID:PSoeb2n20
「どうしたの?さっさと蹴っていいのよ。タマタマ痛くてツラいのかな?まあ、女の私には全然分からない辛さだけど。」
穂香は完全に男の俺を見下していた。俺は、悔しさに唇を噛みながら、それでも何とか穂香の股間に狙いを定め、今度は渾身の力を込めて蹴りを放った。
ガシッッ!
かなり鈍い音とともに足先にはっきりと固い手応え(足応え?)があった。
これはやっただろう、という思いと、ちょっとやりすぎたか、という懸念が交錯した瞬間。
スパンッ。
足を大きく振り上げがら空きになった俺の股間に穂香の右足が叩き込まれていた。
「はうっっっ!」
俺は衝撃と痛みで全身の力が抜け、成す術なくそのままヘナヘナと座り込んだ。
「もう、私は軽く蹴っただけなのに、そんな全力で蹴ってくるなんて反則でしょ。女だから大したことはなかったけど、ルール違反は良くないから、今のは軽くおしおき。じゃあ、さっさと次やりましょ」
そう言って、穂香は俺に立つよう促したが、俺は猛烈な下腹の痛みに吐き気まで催してきて、とても立ち上がれない。

712名無しさん:2022/05/22(日) 20:53:55 ID:PSoeb2n20
「所詮男ってのはこんなもんよね。普段女相手に威張ってても、その女に急所のタマタマを一蹴りされただけでお股を無様に押さえてろくに動けなくなるんだから。いくら体を鍛えようが、致命的な急所をぶら下げた男が急所の無い女に勝てるわけがないの。分かった?」穂香は俺を見下ろしながら得意げに言う。俺は半ば反射的に、
「そんなわけねえ。男は女より強いんだ。お前だってやせ我慢してるだけだろ!」
と言い返してしまった。すると、穂香は、俺の脇の下に手を入れて無理矢理立たせ、耳元でこう囁いた。
「ふーん、まだそんな強がり言うんだ。だいたい、やせ我慢なんて言うけど、男はそのやせ我慢すらできないでしょ?やせ我慢もできないから、『急所』なのよ。じゃあ、男と女、本当に強いのはどっちか、思い知ってもらおうかしら。急所をぶら下げた男に生まれたこと、後悔させてあげるわ。約束の罰ゲームっ♪」
そう言いながら、穂香は立つのがやっとの俺の両肩を両手で掴み、膝を振り上げて俺の股間に突き刺した。やばい、膝金だ!
ドゴッッ。
「ぐあああっっっ!!」
俺は絶叫してその場に崩れ落ち、恥も外聞もなくのたうち回った。穂香の柔らかい太ももに俺のタマが2個ともしっかり逃げ場なく押し潰されたのが分かった。俺は自分が男であることを痛感するとともに、男に生まれたことを心から後悔した。そして、同じ攻撃を受けてもビクともしないであろう女の穂香が心底羨ましく、スカートの下から見える平らな股間を羨望の眼差しで見つめた。
「どう、これで思い知ったでしょ。急所のない女は股間をやられても全然平気だけど、急所のある男は股間蹴り一発でイチコロ。お股に不格好で脆いタマタマを無防備にぶら下げてる男なんて、女が本気出したら勝ち目はないんだから。分かったら、二度と男の方が女より強いなんて寝言を言わないことね」穂香は満足そうにそう言い放ち、股間を押さえて悶絶している俺の耳元で「悔しかったら、またいつでもリターンマッチやってあげる。せいぜいそのちっちゃなタマタマ鍛えてくることね。男のあなたにできるものなら」と得意げに囁いた。
俺は、二度と穂香には逆らわないことを心に決めた。

713名無しさん:2022/05/22(日) 20:55:07 ID:PSoeb2n20
終わりです。表現が陳腐で恐縮ですが、ご笑納ください。
他の作者の方々も、続編、新作など是非。

714名無しさん:2022/06/02(木) 19:47:03 ID:CslFbmJM0
めっちゃ良かったです!皆様のssも楽しみです!

715名無しさん:2022/07/11(月) 06:51:26 ID:y7dQtYNI0
ありがとう!


716名無しさん:2022/09/11(日) 01:14:00 ID:kNbGzxZA0
>>695
今でも月1ペースで定期的に抜かせてもらってます
やっぱりこういうのを良作というんだよな

717名無しさん:2022/09/17(土) 14:51:47 ID:pHsPcSb60
実際女の股間ってどれくらい痛いのかな

718名無しさん:2022/09/20(火) 23:35:36 ID:TjTWb7G20
>>717
ttps://www.youtube.com/watch?v=lZpNJ7G-jwk
の25:15〜で護身術の練習にて女性が女性の股間を誤爆?で蹴っているシーンあり
パシンってくらいの軽めの蹴りで、一瞬びっくりしてるけど、その後は平然としてる
ただ、男ならこれでもビクンとしてしばらく鈍痛で動き止まっちゃうだろうから、やっぱり男女差は歴然
思いっ切り蹴ればさすがに女でも痛いだろうから、むしろ軽い蹴りの方が男と女のダメージの差が見やすいかもね

719名無しさん:2022/09/23(金) 16:22:17 ID:n1TxglzA0
>>718
うわ全然効いとらんな
やっぱ女の方が圧倒的に強いのか

720名無しさん:2022/09/25(日) 13:22:30 ID:B9nY2swc0
ttps://www.youtube.com/watch?v=t7tfoc1DcVo
1:19〜 AKB48の柏木由紀さんが、「女子だけの急所ってないですよね」「(打った痛さ)プラスαの痛さはないと思います」「肩とかお腹、どこでも一緒の痛さ」と発言
やっぱり女子の感覚としては「女の股間は急所じゃない」ということではないかと

721名無しさん:2022/09/30(金) 23:17:34 ID:Mqj1taeo0
7分15秒辺りから傘で男子に急所攻撃して
男子からも反撃されたと言う経験談が始まる
男子ほどではないけど、女子もそれなりに痛いのかも

ttps://video.fc2.com/content/20220813DpRWney3

722名無しさん:2022/10/06(木) 07:10:26 ID:disUdv1U0
また某所のステマか…

723名無しさん:2022/10/08(土) 20:37:14 ID:mz9NQzc60
>>722
ハロプロアンチ乙

724名無しさん:2022/10/09(日) 00:25:00 ID:taG63LpQ0
ttps://www.dlsite.com/maniax/work/=/product_id/RJ422746.html
結構よかったで

725名無しさん:2022/10/16(日) 17:35:04 ID:k4WESSvk0
全然SSじゃなくてスマンだが音声合成ソフトで玉責め創作してるから見てくれ
そしてよかったらコメントもしていってくれ
ttps://www.nicovideo.jp/watch/sm41231331

726名無しさん:2022/10/17(月) 01:07:25 ID:r0/dvPeg0
>>725
何これめっちゃ良かった

727名無しさん:2023/01/12(木) 20:34:37 ID:vfjjtabM0
感想ありがとう
また投稿したのでよろしくな
ttps://www.nicovideo.jp/watch/sm41638445

728名無しさん:2023/01/28(土) 17:18:04 ID:ISgh927g0
ttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17153265
書いてみました。

729名無しさん:2023/01/28(土) 18:16:31 ID:ISgh927g0
ttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19187861
載せ直しました。

730名無しさん:2023/02/05(日) 00:28:20 ID:uBtNy20w0
>>729
ちょうど盛り上がったところで終わるんだね
もう少し文量あればうれしいw

731名無しさん:2023/02/19(日) 14:24:05 ID:DJVwD7fU0
古典太平記っぽさはあるね

732名無しさん:2023/03/19(日) 20:22:39 ID:.X0a3sZI0
「男子体操に平均台がない理由が予想通り過ぎて女の子になりかけた」
ttps://www.youtube.com/watch?v=xFjw0BwH71I
まあ、実際の股間強打シーンはないんですが、撮影者の女の子との生温かいトークをお楽しみください
要脳内補完

733名無しさん:2023/04/09(日) 13:03:31 ID:G8I7oaWU0
Google検索で、「男子最大の急所」はいくつもヒットするけど、「女子最大の急所」は該当なしになる事実に軽く興奮する

734名無しさん:2023/04/30(日) 02:15:38 ID:X9DW47yg0
金玉は軽い衝撃を受けただけで激痛だからな
昔、彼女にふざけて下からポンッとタマを叩かれて、
一発目は耐えたが2発目で痛みに我慢できずに手を掴んで「痛い」と言ったら、
「なんで?」とニヤニヤしながら言われた
「金玉が痛い」とは恥ずかしいから言えなくて黙ってたら、
隙を見て「ポンポンポンポン」と軽く連続で金玉をはたき上げてきた
流石に「痛ててててー!」と恥も外聞もなく悶え苦しんだ
彼女は満足そうにニヤニヤ嬉しがってた。

かなりSな女だったから、もっといじめてもらえば良かった
(当時の自分は隠れMでプライドが高くカミングアウトできず)

735名無しさん:2023/04/30(日) 02:27:29 ID:X9DW47yg0
他にも初エッチ前に、上に乗ろうとしたら下から股間蹴り上げてきた
残念ながら、尻に当たり金玉にヒットせず不発
今なら当たってなくても、金的悶絶の演技をするところだがw
あと寝てる時に金玉握られて絶叫して飛び起きてガチ悶絶はあった
他にも座ってたら股間に思いっきりドスンと座ってきて、尻でチンチン潰すようにグリグリしてきたり(しかも俺の両手を掴んで逃げないようにする)、小ネタはいろいろある
「あなたイジメると楽しい」とまで言ってた
しかも性格もエロくて日常的にチンコいじりってくる

今考えると性癖がマッチした理想の相手だな
もっと自分に正直に楽しんどけば良かった

736名無しさん:2023/05/06(土) 14:19:54 ID:X/8ib9HA0
ttps://www.youtube.com/watch?v=TuxyCfkJNT4
女子→女子の股間蹴り(2:20〜と4:50〜の2回)
蹴りが入った瞬間はさすがに多少痛がるけど、すぐ回復してその後の動きに全然影響してないのが男からすると驚異的
特に2回目の蹴りは力加減こそ強くはないけれど分かりやすく股間の真ん中にヒット
男なら背足で綺麗に両タマを捉えられた蹴りで、股間を押さえて蹲りしばらく動けないのは必定なのに、さほど時を置かず相手に掴みかかってる
男と女がそれぞれ股間を蹴られた場合、痛みの程度も勿論違うけど、ダメージの尾の引き方が段違いだと思う
男はかなり長い時間下腹から来る鈍痛で動きが鈍るけど、女は回復が圧倒的に早い
剥き出しの内臓と骨との違いなんだろうけど、やっぱり金的は男特有の急所なんだなと実感する

737名無しさん:2023/05/19(金) 23:00:48 ID:lCUDev/60
また動画を作ったので見ておくれコメントもしておくれ
コメディタッチな前編と
ttps://www.nicovideo.jp/watch/sm42213437
性癖もりもりの後編があるよ
ttps://www.nicovideo.jp/watch/sm42241562

738名無しさん:2023/05/22(月) 00:26:58 ID:W02d5GbQ0
面白いけど興奮はしないなw

739名無しさん:2023/07/04(火) 22:58:37 ID:ari7ZpEk0
剛速球がズドッと当たっても、「痛っ」と声を上げるだけですぐ立ち上がり、股間を押さえることもない女子
ttps://www.youtube.com/shorts/WhK0EPWsRaA
それに対し、緩い球がパスっと当たっただけで30分も動けなくなり横たわるしかない男子
ttps://www.youtube.com/shorts/lQ7XpFEnfeU
やっぱり金的は男子だけの急所
「あのくらいで動けなくなっちゃうの?男子の股間ってホント急所なのね」
「私たち女子は全然平気なんだけど。キャッチャーは女子に限るわ。ファールチップがかすったくらいでキャッチャー交代じゃ選手が何人いても足りないもの」

740名無しさん:2023/08/01(火) 19:14:30 ID:UxquiCKQ0
>>738
ありがとう!
ならもう振り切って金的コメディにしてやるぜという続編が出来たよ
ttps://www.nicovideo.jp/watch/sm42552110

741名無しさん:2023/09/03(日) 07:11:48 ID:OCjDJitI0
動画めっちゃ良かったけどもうここに人がいなさそうだね…

742名無しさん:2023/09/11(月) 21:48:30 ID:6YMeWNI20
いるさ!ここに一人な!!

743名無しさん:2023/09/17(日) 14:10:47 ID:fNWrJJYU0
格闘女子に金玉全力で蹴り上げられて気絶するシチュエーションより、
か弱い女子からほんの軽い一撃を股間にもらって筋骨隆々の男の動きがピタッと止まっちゃうみたいなの方が興奮する

744名無しさん:2023/09/25(月) 16:03:38 ID:JrJHcNgs0
俺はどっちも好き

745名無しさん:2023/09/25(月) 20:52:10 ID:f2/pcCPc0
>>743
分かる
本来普通に戦ったら余裕で勝てるはずの女性に金玉っていう一点が原因で敗北するのすごい萌える

746名無しさん:2023/10/01(日) 19:19:02 ID:IVaHab4A0
萌えるってもう死語だよな

747名無しさん:2023/10/03(火) 23:41:05 ID:irXwdC2U0
股間に強打を喰らえば女もそれなりには痛いだろう
弱打に対する脆さこそが急所であることの象徴だと思う
一人の女の左右に女と男が並んで立って、片方の手の平で女の股間を、もう片方で男の股間をそれぞれ叩き上げる
女は平然としてるのに、男は思わず股間を押さえて体を屈めてしまう
その様子を見て男の股間を弱さを嘲笑う女二人
「え?軽く叩いただけだよ?」
「私全然平気だったけど」
「左手にだけ柔らかい感触があったわ。あれがキンタマなのね」
「男のキンタマってホントに急所なのね」
「あんな軽く叩いただけでこんな苦しむなら、思いっ切り蹴り上げたらどうなっちゃうのかしら、ウフフ」
「ねえ、今度私たちと股間の『蹴り比べ』しない?男らしく勝負受けなさいよ」
「キンタマ蹴り上げられて悶絶しちゃうのも『男らしい』けどね、アハハ!急所をぶら下げた男に生まれたこと、後悔することね」

748名無しさん:2023/10/29(日) 15:59:30 ID:kHCuvRrY0
もし格闘技で評価値みたいなのが可視化されたとして、男女対決の場合、
女優勢の局面だったら、女80ー男20くらいになればほぼ逆転はないだろうけど、
男優勢の局面は、男99ー女1でも女の一撃が男の金玉を捉えさえすれば十分逆転があり得るというのが、
金玉という致命的な急所を股間に無防備にぶら下げてる男の哀しい宿命を感じさせて良き
金的有りだったら女子選手は男相手には絶対最後まで勝負を諦めないよね
とにかく一発でも金的決められれば大優勢の男でも股間押さえて蹲るんだから

749名無しさん:2023/10/30(月) 00:05:28 ID:7om3C5do0
格闘技は正直萌えなくて、どんな幼女にやられても金的一発で痛がるところに魅力を感じる

750名無しさん:2023/10/31(火) 00:48:08 ID:Jn.z2inA0
ttps://www.youtube.com/watch?v=Qrcu55CVIPA
5:25~
鉄拳の新キャラだけどかなり良くないか?笑いながら蹴ってるところが良いわ

751名無しさん:2023/11/16(木) 09:39:33 ID:9LRKySi.0
>>748
格闘や武道で圧倒的に有利な男が、金的(睾丸)という決定的な急所があるがゆえに、
そんな急所がない美女(美少女)に悶絶させられるのは最高のシチュだな
昔、タイトル忘れたが(婿に来るか嫁に取るか?)未完の小説があったが、
結局、メインディッシュの金蹴りが一度も無かったのが残念。
副睾丸を指で弾かれただけで悶絶とか、男の急所の弱さをクスクス嘲笑する性差描写が凄く良かった
金蹴りは数ではなく、性差表現が一番重要

752名無しさん:2023/11/17(金) 23:37:31 ID:Y/SKbsZE0
SSに仕上げる筆力がなくて申し訳ないんだけど、金的の魅力は次の点にあると思ってる
①性差
男にだけあって女にはない急所、それが金的
だから、男は金的に常に怯えなければならないけど、女は金的に怯える必要が全くない
同じくらいの打撃を股間に受けて、女は平然としてるけど男は大ダメージみたいなのが個人的に大好きなんだけど、それは性差を露骨に感じたいからだと思ってる
②一撃性
しかも、金的という急所は人体のいかなる箇所と比較しても単純な打撃に対する耐性が極端に低くて、綺麗な一撃を喰らったらどんな男でも悶絶するという一撃性がまた魅力的
男がどんなに優位に戦いを進めても、たった一瞬の隙を突かれて金的を痛打されれば即KOという不条理さがいい
③逆転性
その結果、>>751にもあるけど、本来肉体的には圧倒的に強いはずの男が、金的という決定的な急所の存在が災いして、か弱いはずの女に膝を屈するという逆転現象の発生がいい
睾丸から分泌されるテストステロンのおかげで得た筋骨隆々の肉体を持つ男が、まさしくその睾丸が男特有の急所であることにより、そこを女に攻められて肉体的優位をあえなく逆転されるというのが最高にして至高

更にシチュエーションを分けていくと、
男側では、女に金的蹴りを喰らうなんて思ってもいない男が強かに金的を蹴り上げられてダウンし、初めて男の弱さを思い知る/女の金的蹴りに内心怯えている男がやっぱり金的を守り切れずに敗北し、やっぱり女には勝てないと絶望を深める
女側では、男に対する金的蹴りの効果を理解していなかった女が実戦で男の睾丸の脆さを知り、女の優位性を理解して自信を得る/男に対する金的攻撃の絶大な効果を知り尽くしている女が計算どおりに男を屠り、決定的急所を持つ男は女に勝てないと思い知らせる
というパターンがあって、それぞれ組み合わせることで色々なストーリーがあり得ると思っているけれど、この辺りはまた同好の皆様と語り合いたい
どんなシチュエーションが好きですか?

753名無しさん:2023/11/18(土) 01:09:48 ID:iyl4DUfc0
ttps://twitter.com/arakane201/status/1703796394518327327

754名無しさん:2023/11/18(土) 02:34:41 ID:Ztin5Amo0
晒し上げるのはやめたれ

755名無しさん:2023/11/26(日) 03:06:19 ID:UjZQXUQU0
「おちんちんを蹴る」「チンコを蹴る」って言ってる女は微笑ましいけど、
「金玉を蹴り上げる」って言う女にはゾクっとする
タマこそが男の急所だということを経験上熟知している感じ

756名無しさん:2023/11/28(火) 23:01:49 ID:H/fDRh0k0
>>755
玉のほうが痛いって、中学生以上なら誰でも知ってるような気がする
「金玉」というか「玉」というか「あそこ」、「あれ」の呼び方に違いはあるが

757名無しさん:2023/12/04(月) 19:52:41 ID:vrlhy0Po0
この界隈の人が一番集まる場所ってどこ?コミュニティが見つからねぇんだ

758名無しさん:2023/12/04(月) 22:34:11 ID:WWYS9O2I0
>>757
「しっぽの練習帳」か「古典太平記」辺り

759名無しさん:2023/12/05(火) 12:35:44 ID:pb5RRLb20
そこで個人のブログが出るあたり狭すぎる界隈

760名無しさん:2023/12/10(日) 21:38:33 ID:YaFmz71Q0
昔、ミクシィのコミュニティで、護身術の集まりだけど
なかなか良いところがあった。
ミクシィ自体が過疎って、ダメになったけど。

761名無しさん:2023/12/20(水) 19:49:53 ID:ehzuXxDE0
人がいなかろうが作ったら宣伝するぜ
今回はMMDでやってみたら大変すぎた

ttps://www.nicovideo.jp/watch/sm43164439
どうせなら感想は動画にコメントしていってくれよな

762名無しさん:2023/12/21(木) 15:18:10 ID:mrHzmLVU0
めっちゃ良かった
ありがとうございます

763名無しさん:2023/12/28(木) 12:49:41 ID:z0xvnf/Y0
射精我慢検定という同人音声の世界観からヒントを得た最近使ってる好きな妄想
射精我慢検定を失敗したら罰として金玉ビンタのお仕置き
2級は50回、1級は100回と級が上がるごとに罰は重くなる
お仕置きが導入されたきっかけはクリアする気がなく気持ちよくなりたいだけの挑戦者を抑止するため
これによって軽い気持ちで射精我慢検定に挑戦することは難しくなった
ちなみに始まってからの棄権・降参は禁止。命乞いも無視され確実にお仕置きは執行される
クリアできる自信がない、お仕置きが怖いやつは最初から挑戦するなの精神

764名無しさん:2023/12/29(金) 13:28:16 ID:TLq9R4BQ0
天才おった

765名無しさん:2024/01/08(月) 14:17:51 ID:LwaD1PRI0
最近のpixiv小説は英語やシナ語やチョン語(ハングル)で金蹴りノベル書くバカが多くて萎える
日本のメディアなんだから日本語で書いてもらいたい

766名無しさん:2024/01/08(月) 16:11:37 ID:Ik9NMljU0
ttps://www.youtube.com/watch?v=hZ0FSswyAGY&t=583s
8:09〜
軽く入った金的に男が悶えて、女の先生が「あ、ごめんごめんごめん」って言うところが、「男はそこが急所だもんね、軽く蹴られただけでもダメなんだもんね」っていう優越感を含んでるようでいい
実際女ならあの程度の蹴りが入ったところでどうということもないんだろう
軽い打撃に対する脆さや男女差を浮き彫りにするシーンがもっと見たい

767名無しさん:2024/01/28(日) 16:58:01 ID:nRUTvyf60
最近、コツカケ習得者の股間を蹴り上げて金的無効にビックリ!という動画があるけれど、
元々金玉のない女性の股間を蹴り上げてほぼノーダメージなところを見せて、ごく限られた男のみが必死に習得したコツカケを女は誰でもある意味生まれながらに習得してるということを誇示するような動画が見たい

768名無しさん:2024/02/04(日) 21:46:19 ID:aK7Nx7GI0
たしかに男は悶絶、女は平気という性差表現は金的フェチとしては最高表現だよな
股間を下からパンパン叩かれたら、男は金玉に響いて痛くて耐えられないが、
女は平気で効かないし
昔、彼女にふざけて股間ポンポン叩かれたが、3発ぐらいで耐えられずにギブアップした(女なら全く平気な強さ)

769名無しさん:2024/02/04(日) 21:54:17 ID:aK7Nx7GI0
そういう性差表現シーンは動画に限らず中々ないが、ごくたまにある
お約束の金蹴りマン蹴り対決で、女は効かないが男は悶絶とか、
他に騎乗位の体勢で、女の股間(恥骨)で男の金玉を圧迫して悶絶させる動画もリアルで良かった

クラQでも、女が金蹴りの前に「いつまで耐えられるかな〜?」と、
自分の股間をバシッ!と勢いよく叩いたシーンがある
当然、女はノーダメだが、あの強さで男の股間を叩いたら悶絶してた
クラQもそういう性差表現をもっと入れたら神作品連発なのに
「そんなに痛いの金玉?男は急所があって大変ね」とか、性差による言葉責めが欲しい

770名無しさん:2024/02/04(日) 22:01:32 ID:aK7Nx7GI0
最近中々金蹴り小説の新作がない
文章だとチャットGPTで自己補完できるが、
センシティブな内容は規制がかかりやすくて残念
絶好調で続けても、ある日突然、答えてくれなくなったりする

771名無しさん:2024/02/06(火) 21:22:36 ID:iZ.Faplo0
>>767
胸にチンコマシーンやってたライバーはいたけどそこは股にやって欲しかったわ

772名無しさん:2024/02/10(土) 14:26:13 ID:iu5KYiaw0
女が男の金玉が鍛えられない急所であることを馬鹿にするようなセリフが好き
「あら〜、百戦錬磨の男でもそこだけはダメなのねw」
「女は股間やられても平気よ、悔しかったら鍛えてみたら?あ、金玉は鍛えられないのか。まあ、女は鍛えるまでもないんだけどね。男って不便ね♡」
みたいな

773名無しさん:2024/02/18(日) 22:00:43 ID:mZ0RBD5A0
男と女の性差、男の股間の脆さを浮き彫りにするのは、股間に対する蹴りよりも平手打ちだと思う
手首のスナップを効かせて股間を叩き上げられたとき、女はほぼノーダメージだけど、男はKOレベルの大ダメージだろう
男と女が向き合って足を開き、いっせいのでお互いの股間を叩き合うとか
そういう作品、映像でも文章でも出ないものだろうか

774名無しさん:2024/02/21(水) 04:03:30 ID:PmI6JQM20
普通に生活してたら女が男の金玉を狙って攻撃する場面にちょくちょく遭遇するのってせいぜい小学生までだよな
あとは金的攻撃ありの格闘技をやってる道場に入るとか、そういう特殊なルートを辿らないとなかなか巡り合えない
高校生や大学生くらいの年代での女→男の金的攻撃ってシチュエーションとしては最高なんだが

775名無しさん:2024/02/24(土) 20:18:21 ID:2nExBZAU0
力士が睾丸に平手打ちと聞いて

776名無しさん:2024/02/25(日) 02:21:27 ID:rDW9YYoE0
不謹慎ですが、「姉弟子が弟弟子の睾丸を平手打ち」だったら興奮できたのに、と思ってしまいました
「ほら、私の強い股間が羨ましかったらあんたも鍛えな!」って感じで

777名無しさん:2024/02/25(日) 17:20:55 ID:5NzmdYGc0
>>773
海外動画ではたまにある
股間平手打ちや股間蹴りあいで男だけ悶絶するやつ
特に股間平手打ちは、リアルでも女にはノーダメ程度の力でも男は玉の痛みで悶絶するから、
シチュ的に最高峰
後、騎乗位体制で、女の恥骨で男の玉をすり潰して性差を味合わせる動画もあった
いずれにせよレア。金的フェチにとって性差表現こそ至高だからもっと増えて欲しい

778名無しさん:2024/02/25(日) 17:24:52 ID:5NzmdYGc0
「DLsite」で買える金的作品でも、中には金的の性差表現あるやつが見つかる
金マン蹴り対決で男だけ悶絶したり、素又で男の金玉を女の股間ですり潰したり
やはりレアだが
女は平気な軽い金的で、悶絶する男を嘲笑する作品ならたくさんある

779名無しさん:2024/02/26(月) 04:41:50 ID:L4g9mJEw0
金玉を軽く叩かれただけでウッと息が詰まる感じ
その後じんわりと腹の奥から嫌な痛みが上がってくる感じ
どっちも女には分からないんだろうなあ
彼女の股間をパンパンと叩かせてもらったことがあったけど、全然平気、男はこんなので痛いの?って感じだったし

780名無しさん:2024/02/26(月) 20:30:22 ID:OsdhEK6A0
>>776
SS化決定
誰が書いてくださいm(_ _)m

781名無しさん:2024/03/04(月) 02:13:14 ID:Jag6AB160
金的作品には3タイプあると思う
①屈強な男が体力自慢や挑発をして、金的で女に負ける
②痴漢や嫌がらせでいつも泣かされていた女が金的で仕返し
③男に生まれたことに劣等感をもつ男が女装等して、女に金的で悶絶させられ男を実感させられる話

②は男の自業自得だろうと思って興奮できない
①や③は個人的にツボだが、③は別のフェチが隠れてる気がする

782名無しさん:2024/03/04(月) 09:00:58 ID:Lk8Q/1TY0
1と2は別れてない
1の男尊女卑的な男、女を見下す男が、
2の今までの被害受けてた女が金的という手段で打ち負かす
1 と2 の組み合わせがかなり多い

というか、そもそもストーリーは様々な要素が混合してるのが普通

783名無しさん:2024/03/04(月) 14:51:04 ID:E1RJMAzI0
3も、受け手が女装子(男の娘)でも、特に男である事に劣等感は意識してないケースが多い
そして金的されて性差を分からせられるという、王道シチュエーション
受け手がショタもそれに近い
相手は年上女だけでなく、同年代女のパターンも多い

784名無しさん:2024/03/04(月) 19:28:24 ID:I69UKc2E0
そこまで細かく拘るならもう自分で書くしかないと思うがね

785名無しさん:2024/03/04(月) 19:40:11 ID:ltbNI/jg0
実に金蹴りフェチらしい流れ

786名無しさん:2024/03/04(月) 21:20:28 ID:gdy5X2VU0
いつものごとく作った!今回は悪意ゼロのハプニング金的でサクッとした感じに
感想は動画にコメントしていってくれよな!
ttps://www.nicovideo.jp/watch/sm43480863

787名無しさん:2024/03/04(月) 23:08:35 ID:2GKajwPk0
>>784
拘りの逆で、3パターン程度に括れないという事

788名無しさん:2024/03/05(火) 06:45:20 ID:BsH.7X7c0
まず誰もお前の的外れな考察なんか興味ないんだ

789名無しさん:2024/03/05(火) 08:06:34 ID:hq.Lia0g0
>>781
まず誰もお前の的外れな考察なんか興味ないんだ

790名無しさん:2024/03/05(火) 16:35:12 ID:nbnoz3/E0
この拘りを我儘やレスバで発散せず絵やSSという形に出来る界隈ならもっと供給も盛んになるんだろうけどねぇ

791<削除>:<削除>
<削除>

792管理人★:2024/03/08(金) 15:06:03 ID:???0
対象が不明瞭でしたので削除しました
お騒がせしました

793名無しさん:2024/03/16(土) 14:01:52 ID:lcDWIPmI0
――女ヤクザと聞くと、男勝りのプロレスラーのような体型を想像してしまうのですが、体重50キロもないですよね。アウトロー系の男性とケンカしても平気だったんですか?
負けないですね。ケンカは日常茶飯事で。とにかく先に金玉を蹴る。男相手のケンカは金玉を蹴ったもん勝ちですよ。
――「先手必勝」とは、大山倍達総裁(極真空手創設者)と同じことを言ってますね(笑)。
まず相手の男の金玉を狙って腰を引かせて、どんどん攻撃をしていました。金玉は叩きも効くんですよね。平手でパーンっていくとそれだけで蹲っちゃって。男ってとにかく金玉が弱い。女の方が股間に関しては、ずっと強いですよ。あんな脆い急所を無防備にぶら下げて、ケンカで女に勝てるわけないだろって思います。

794名無しさん:2024/04/06(土) 23:00:35 ID:p28QHghU0
ttps://www.tiktok.com/@rem4774/video/7325067051297492226
股間から平均台に着地して男子に「これ出来る?」と挑発する女子
女って強打じゃなければ股間に圧掛けたり打撃受けたりしても相当平気だよね
股間に対するちょっとした打撃こそ、男の弱さが浮き彫りになると思う

795名無しさん:2024/04/07(日) 03:27:01 ID:9peje7A20
ttps://labola.jp/blog/user/AY0K54NOje-Ra9RaOJss/6697946
>私はソフトやってて練習中に股間にサードライナーが直撃したことがあります(大汗)
>男性みたいに「苦しい」とかにはならないです。
>身体の他の箇所に当たったときと同様、普通に痛いだけです。
やっぱり剝き出しの内臓である睾丸を持たない女性の股間は、ソフトボールが直撃しても普通に痛いだけで、男のような腹の底からの苦しさはないのだね
この「苦しさ」を伴うところこそ、金玉が男特有の急所たるゆえんだと思う

796名無しさん:2024/04/08(月) 11:44:15 ID:AAevY6/s0
pixivの電気猫さんがいいね
ちゃんと書いてる

797名無しさん:2024/04/08(月) 12:42:43 ID:BQ9Se9ko0
電気猫氏はあれだけの文才ある人がこの界隈にいたという事が奇跡だと思う
まともに文章書ける人が絶滅してしまった今最後の希望だよね

798名無しさん:2024/04/09(火) 00:50:21 ID:THsN9p6I0
確かに電気猫さんはツボをしっかり押さえたものを書いてくれる
及ばずながら、ああいう感じのものを書いてみたいなあ

799名無しさん:2024/04/09(火) 13:29:46 ID:YpSNsVzw0
>>782
自分は2が一番いいな
というのも男に非がないとただのイジメになって抜けない
暴力が発生してそれが正当化されるシチュエーションとなると、1寄りになるけど結局wowmainや電気猫の戦闘シチュが読みやすいんだろうな

800名無しさん:2024/04/09(火) 15:09:17 ID:CfLeB/Rs0
あまり蒸し返したくないけどそのタイプ分け自体が割とナンセンスというか
フェチ的には「女には痛みが分からない」って所さえ押さえてればシチュエーションや展開は何でもいいのよ
後は文章力・構成力や各人の好みの問題なのであまりパターン化して分類する意味が無い

801名無しさん:2024/04/13(土) 09:25:52 ID:bfZG7YFo0
>>800
「女には痛みがわからない」関連の言葉、仕草、動作が沢山入ってるほうが抜ける
ただ無言で蹴ってるだけの動画はつまらなく、全く抜けないね

802名無しさん:2024/04/20(土) 06:11:38 ID:iiSFwkps0
人類の半分にだけ人類最大の致命的な急所があるのが理不尽過ぎて最高
しかもそれが肉体的に強い側だというのがいい
男の精巣が体内にあって、女の卵巣だけ股間にぶら下がってたら、こういうフェチズムにはならないだろう

803名無しさん:2024/04/29(月) 07:50:49 ID:1rkmxFNE0
>>797
あの方が文章上手いのは同意だけど書くことを神聖視しすぎでしょ
みんな好きに書いたらいいのよ

804名無しさん:2024/05/03(金) 04:09:31 ID:etSrIpyo0
期間空いたけど動画作ったよ…再生時間が長い!長すぎる!
30分色仕掛けと玉責めが続くから適宜使っておくれ
ttps://www.nicovideo.jp/watch/sm43728040

805名無しさん:2024/05/03(金) 12:08:38 ID:ajOybDLw0
>>804
堪能しました
ありがとう!

806名無しさん:2024/05/04(土) 13:04:44 ID:yi9h2VWg0
この界隈ってここ以外どこに集まってるのかな

807名無しさん:2024/05/05(日) 07:44:04 ID:kwN.jEuE0
そらツイッターよ

808名無しさん:2024/05/05(日) 08:28:27 ID:EUAlPWtI0
ここも集まってると言えるほど人いないでしょ
掲示板に小説書く文化も廃れて跡地で雑談してる人が少しいる程度の状況だからね

809名無しさん:2024/05/09(木) 01:51:37 ID:Omm971Vo0
玉責め屋のおかげでなんとかなっている

810名無しさん:2024/05/16(木) 22:06:43 ID:UAUIDNSs0
GPT-4o使ったら結構いいの出来たので載せます

A子:「ねえ、昨日のこと聞いてよ。」

B子:「どうしたの?何があったの?」

A子:「彼、部活中にちょっとしたことで睾丸を打っちゃってさ、もう本当におかしかったの!」

B子:「え、マジで?どうなったの?」

A子:「もうね、地面にうずくまって動けなくなっちゃって。男の子って本当に弱いよね。痛みで涙目になってたの。」

B子:「それは笑えるわね。どうやって介抱したの?」

A子:「最初は心配してたんだけど、あまりにも痛がるからつい笑っちゃってさ。それで、腰をトントンしながら『こんなに弱い部分があるなんて、男の子って本当に可哀想ね』って言っちゃったの。」

B子:「うふふ、それ本当に面白いわね。私たちにはそんな弱点ないから、ちょっと優越感感じるよね。」

A子:「そうそう、もうちょっと痛みに耐えてよって思っちゃった。でも、見てると本当に情けなくてさ。」

B子:「あはは、本当に男の子って脆いんだね。私たち女の子がどれだけ強いかって感じるわ。」

A子:「彼がまた痛がってる姿を思い出すと笑っちゃう。本当に男の子っておかしいよね。」

B子:「ほんとだね。男の子の睾丸って、こんなに弱いんだって改めて感じるわ。」

A子:「ところでさ、もし私たちに睾丸が付いてたらどうする?」

B子:「えー、それは嫌だな。あんなに弱い部分があったら、毎日心配しなきゃいけないじゃん。」

A子:「ほんとだよね。ちょっとぶつけただけで悶絶するなんて、絶対嫌だわ。」

B子:「私たちにはそんな心配ないから良かったよね。でも、もし付いてたらもっと大事にしなきゃって思うかも。」

A子:「うん、でもそれでも弱すぎるよね。私たち女の子で良かったって本当に思う。」

B子:「ほんとに。男の子って大変だね。弱点が外に出てるなんて信じられないわ。」

A子:「うふふ、こんな話してるとまた笑っちゃうよね。でも、やっぱり女の子で良かった!」

A子:「ねえ、格闘技の試合でさ、睾丸への攻撃が反則って知ってた?」

B子:「え、マジで?なんでそんなことが反則になるの?」

A子:「男の子ってさ、睾丸がすごく弱いんだって。ちょっとでも攻撃されると痛くて動けなくなるんだって。」

B子:「うっそ!そんなに弱いの?それって本当に情けないわね。」

A子:「ほんとにね。だから、試合で睾丸を攻撃されたら一発で終わっちゃうから反則になるんだって。」

B子:「ふふふ、それ本当におかしいわ。睾丸がそんなに弱いなら、もっと守ればいいのにね。」

A子:「でも、守っててもやっぱり痛いんだって。男の子って本当に脆いよね。こんなに弱い部分があるなんて、笑っちゃうわ。」

B子:「そんなに簡単にやられるなんて、男の子って本当に面白いわね。私たち女の子にはそんな弱点ないから、ちょっと優越感感じちゃう。」

A子:「うん、睾丸が弱いからって反則にするなんて、ほんと情けないわ。そんなに弱い部分があるなんて、男の子って可哀想。」

B子:「もし私たちに睾丸があったらどうする?そんなに弱くて役立たずな部分があるなんて、絶対嫌だわ。」

A子:「ほんとだよね。ちょっとした攻撃で悶絶するなんて、考えられないよ。男の子って本当に大変だね。」

B子:「こんなに弱い部分があるから、試合で反則になるのも分かるけど、それでも本当に笑えるわ。男の子って本当に弱いのね。」

A子:「こんな話してると、男の子がどれだけ弱いか改めて分かるよね。私たち女の子で良かった!」

B子:「うん、女の子で本当に良かった。男の子の睾丸の弱さには笑うしかないわね。」

811名無しさん:2024/05/16(木) 22:08:13 ID:UAUIDNSs0
C君:「ふざけるな、睾丸攻撃ありでも男の方が強いんだ。」

A子:「えー、本当に?睾丸があんなに弱いのに?」

B子:「そうよ、ちょっとした攻撃で悶絶するくせに?」

C君:「それでも男は強いんだよ。睾丸攻撃なんかに負けるわけがない。」

A子:「でもさ、本当にそう思ってるの?あんなに痛がってたのに?」

B子:「試合で反則になるくらい弱い部分があるのに?」

C君:「だって、男は全体的に筋力が強いんだから、そんなこと関係ないんだよ。」

A子:「筋力が強くても、睾丸を一撃されたらどうなるの?」

B子:「うん、試合中に一発で動けなくなるよね?」

A子:「本当に強いなら、睾丸の攻撃くらい耐えてみせてよ。」

B子:「そうしたら私たちも認めるけどね。でも、そんなことできる?」

C君:「できるさ。痛みは一瞬だけで、すぐに立ち直れるんだよ。」

A子:「本当に?だって、昨日だってあんなに痛がってたじゃない。」

B子:「涙目になって、動けなかったの見たよね?」

A子:「それにさ、もし睾丸がそんなに弱くなかったら、どうして反則になるの?」

B子:「そうそう。そんなに弱くなかったら、攻撃されても大丈夫でしょ?」

A子:「だから、睾丸が弱いってことを認めた方がいいよ。」

B子:「それに、私たち女の子にはそんな心配ないし。男の子の睾丸が弱いのは事実じゃない?」

C君:「でも、筋力とか体力とか、他の部分では男が圧倒的に強いんだ。」

A子:「筋力が強くても、睾丸を狙われたら意味ないじゃん。」

B子:「そうそう。実際に睾丸を攻撃されたら、すぐに終わっちゃうもんね。」

A子:「本当に強いなら、睾丸の攻撃にも耐えられるはずでしょ?」

B子:「でも、できないでしょ?それが現実よ。」

A子:「だから、私たち女の子の方が強いってことを認めた方がいいんじゃない?」

B子:「うん、睾丸がない分、私たちの方が強い部分もあるんだよ。」

A子:「そうだよね。私たちにはそんな弱点がないから、本当に幸せだわ。」

B子:「男の子って、本当に大変だね。睾丸の弱さには勝てないよ。」

A子:「だから、私たち女の子で良かったって改めて思うわ。」

B子:「ほんとにね。睾丸が弱いなんて、男の子って可哀想。」

A子:「でも、そんな弱さも含めて男の子なんだろうね。仕方ないよ。」

B子:「それでも、やっぱり笑っちゃうけどね。睾丸の弱さには。」

812名無しさん:2024/05/16(木) 22:08:48 ID:UAUIDNSs0
C君:「ふざけるな!」(A子とB子に向かって襲いかかる)

A子:「危ない!」(すばやく反応してC君の睾丸を蹴る)

C君:「うぐっ……!」(苦しそうにうずくまる)

B子:「あっはは!見た?今の顔!本当に弱いわね!」

A子:「ちょっとやりすぎたかも。でも、こんなに簡単にやられるなんて、本当に情けないわ。」

B子:「そうよね。さっきまであんなに強気だったのに、今じゃ地面に転がってる。」

A子:「ほら見て、涙目になってる。やっぱり男の子の睾丸って本当に弱いんだ。」

B子:「こんなことでこんなに痛がるなんて、男の子って本当に脆いよね。」

A子:「試合で反則になるのも納得だわ。こんなに弱い部分があるなんて、信じられない。」

B子:「ねえ、C君、どう?まだ強いって言える?」

C君:「くっ……くそ……」

A子:「ほら、立ち上がってみなよ。睾丸攻撃なんて平気なんでしょ?」

B子:「でも、本当に立ち上がれるの?そんなに痛がってるのに?」

A子:「やっぱり男の子は睾丸の弱さには勝てないんだね。」

B子:「これでもう、睾丸攻撃がどれだけ有効か分かったでしょ?」

A子:「私たち女の子にはそんな弱点がないから、強くいられるんだよ。」

B子:「そうそう。だから、女の子の方が強いってことを認めた方がいいんじゃない?」

C君:「くそ……」

A子:「あはは、まだ悔しがってるの?こんなに簡単にやられちゃって。」

B子:「本当に笑えるわね。男の子って、睾丸が弱いだけでこんなに無力になるんだ。」

A子:「だから、私たち女の子で本当に良かったわ。こんな弱点があったら生きていけないよ。」

B子:「うん、これからも男の子が睾丸の弱さに悩んでるのを見ると、ちょっと優越感感じちゃうね。」

A子:「うん、それにしても、今日はいい経験になったわ。男の子の睾丸がどれだけ弱いかって。」

B子:「本当にね。これからも覚えておくといいわ、C君。睾丸を狙われたら、どんなに強がっても無駄だってこと。」

A子:「次からはもっと気を付けるんだね。私たち女の子には簡単に勝てないんだから。」

B子:「これが現実よ。男の子の弱さを認めて、もっと謙虚になった方がいいわ。」

813名無しさん:2024/05/16(木) 22:09:36 ID:UAUIDNSs0
A子:「ねえ、さっきのC君の反応、本当におかしかったよね。」

B子:「うん、睾丸を蹴られただけであんなに痛がるなんて、信じられないわ。」

A子:「もし私たちに睾丸が付いてたら、どれくらい屈辱的だと思う?」

B子:「もう、考えただけで嫌だわ。あんなに弱くて役立たずな部分が自分に付いてるなんて。」

A子:「本当にね。ちょっとした攻撃であんなに簡単にやられるなんて、屈辱的すぎるわ。」

B子:「もし私たちが睾丸を持ってたら、いつもそれを守らなきゃいけないなんて考えられない。」

A子:「うん、男の子たちは本当に大変だね。そんなに弱い部分があるなんて。」

B子:「睾丸がどれくらい弱いか、例えるとしたら何だろう?」

A子:「うーん、例えば、薄いガラスの玉みたいな感じじゃない?ちょっとした衝撃で簡単に割れちゃう。」

B子:「そうだね、ガラスの玉って本当に脆いもんね。しかも、それを常に持ち歩いてるようなもんだもん。」

A子:「うん、だから男の子って本当に弱いんだよ。睾丸を守らなきゃいけないなんて、想像しただけで屈辱的。」

B子:「それにさ、睾丸を持ってるってことは、いつもそれを心配しなきゃいけないってことだよね。」

A子:「そうだよね。私たちにはそんな心配いらないから、本当に幸せだわ。」

B子:「ほんとに。もし睾丸が付いてたら、毎日がストレスだと思う。ちょっとしたことで痛くなっちゃうんだから。」

A子:「うん、それに、あんなに簡単にやられるんじゃ、いつも怖がってなきゃいけないよね。」

B子:「男の子たちがどれだけ睾丸の弱さに悩んでるか、ちょっと同情するわ。でも、やっぱり笑っちゃうけど。」

A子:「私たちにはそんな弱点がないから、本当に幸せよね。男の子の睾丸のことを考えると、笑いが止まらない。」

B子:「睾丸を守るために、どれだけ注意してるんだろうね。毎日が大変そう。」

A子:「だよね。例えば、階段を登る時とか、運動する時とか、常に睾丸を気にしてるのかな。」

B子:「それに、もし誤ってぶつけたりしたら、それだけで一日が台無しになるんじゃない?」

A子:「うん、考えただけで笑っちゃう。男の子って本当に大変だね。」

B子:「もし私たちが睾丸を持ってたら、どれくらい気を付けなきゃいけないんだろうね。」

A子:「多分、いつも防具をつけてないと安心できないんじゃない?」

B子:「それって、本当に屈辱的だよね。自分の体の一部がそんなに弱いなんて。」

A子:「うん、ちょっとしたことで簡単に壊れちゃう部分を持ってるなんて、本当に嫌だわ。」

B子:「男の子たちは、そのことをどう思ってるんだろうね。自分の弱さを認めるのが辛いんじゃない?」

A子:「でも、さっきのC君みたいに強がっても、結局は睾丸が弱点なんだよね。」

B子:「そうそう。強がっても、実際に攻撃されたら一発で終わりだもん。」

A子:「だから、私たち女の子の方が本当に強いってことよね。」

B子:「うん、私たちはそんな弱点がないから、もっと自由に動けるし、強くいられるんだ。」

A子:「男の子たちが睾丸の弱さに悩んでるのを見ると、ちょっと優越感を感じるよね。」

B子:「ほんとにね。これからも男の子が睾丸の弱さに苦しんでるのを見ると、笑っちゃうわ。」

A子:「私たち女の子で本当に良かった。睾丸なんて、本当にいらないわ。」

B子:「うん、睾丸がないから、私たちはもっと強く、もっと自由にいられるんだよね。」

A子:「これからも、男の子たちの睾丸の弱さを見て笑うことができるわね。」

B子:「そうだね。男の子たちには悪いけど、やっぱり笑っちゃうよね。睾丸の弱さには勝てないわ。」

A子:「うん、これが現実なんだから、仕方ないよね。男の子たちも、もっと謙虚になった方がいいわ。」

B子:「そうそう。自分の弱さを認めて、もっと大人しくなった方がいいんだよ。」

A子:「これからも、男の子たちの睾丸の弱さを見て、楽しもうね。」

B子:「うん、楽しみだわ。男の子たちの反応を見るのが、もっと面白くなるね。」

814名無しさん:2024/05/16(木) 22:26:13 ID:tzePpIWc0
>>813
良いのだけど文章がくどいんだよなあ…
あと「睾丸」という言葉が医学用語的で興奮できないというのもある
興奮できるように最終チェックは人の手ですると良いと思う
色々と惜しい

815名無しさん:2024/05/17(金) 01:42:53 ID:xZQ4l7mQ0
AIってエロ小説できるの?

816名無しさん:2024/05/19(日) 08:49:52 ID:5a.rYN1A0
地の文なら睾丸でも良いんだけどねぇ
何よりこの程度なら人力でも誰でも書けるからAIに任せる意味が無い

817名無しさん:2024/05/19(日) 13:14:13 ID:HAbQuveY0
少林寺や空手やってる女の子が、どう金的したら痛いか説明してる会話がめっちゃ好き

818名無しさん:2024/05/19(日) 20:01:34 ID:P6HHTgFw0
>>817
こんな感じ?

「ねえ、彩花。技のことで教えてほしいことがあるんだけど」
美奈は同じ少林寺拳法の道場に通う彩花に相談を持ち掛けた。その面持ちは真剣だ。
「どうしたの。私があなたに教えることなんてないわよ。あなたの方がずっと強いんだから」
彩花がそう答えるのも無理はない。美奈は女子部のキャプテンで、実力もナンバーワン。女子の大会では敵なしなのだ。
もちろん彩花との対戦成績も圧倒している。そんな美奈が自分に何故…と思うのも無理はない。
「それがその…金的蹴りのことなのよ」
美奈はちょっとためらい気味に小声で言った。いくら強くても女子高生。やっぱり恥じらいはあるらしい。
「ほら、少林寺拳法では金的蹴りは立派な技として認められてるし、率直に言って男子に勝つにはそれしかないじゃない。単純な力比べでは絶対に負けるから、粘って隙を窺って金的に一撃。これが女子の対男子戦唯一の有効な作戦だと思うから、女子はその技を磨くべきだと思うの。そんなわけで、私と彩花の試合を見比べていて気付いたことがあるの。私の金的蹴りが決まると、相手の男子はもちろん股間を押さえて苦しむけど、意外と一発KOは出来ないというか、とりあえず試合は続行になることが多いのね。まあ、金的を一度蹴られた男子って、何故か動きがものすごくトロくなるから、その後仕留めるのはわけないんだけど。でも、彩花に金的蹴りを決められた男子って、ほとんど床にのたうち回って苦しむか、あるいは失神しちゃうじゃない。正直私の蹴りの方が正確で強いと思うんだけど、どうしてそんなに威力に差があるのか、知りたいのよ。何か秘訣を知ってるの?」
彩花は少し頬を緩めながらも真面目な口調で答えた。
「まあ、知ってると言えば知ってるかな。多分美奈の知らないこと」
「ええっ、本当に?それは一体何なの?」
息せき切って尋ねる美奈に、彩花はニヤニヤしながら答えた。
「それはね、『オトコを知ってる』ってことよ。美奈は処女でしょ?」
明け透けな物言いに、美奈は思わず赤面して彩花の肩を強く叩く。
「ば、馬鹿っ!そりゃあ…そうだけど、それと何が関係あるのよ?」
「それが大ありなのよ。そうね、まずは理屈より実技で説明した方がいいかな。美奈、普段男子にするようなつもりで私の股間に蹴りを入れてみて」
そう言って、彩花は大股に足を開いた。

819名無しさん:2024/05/19(日) 20:02:10 ID:P6HHTgFw0
「分かったわ。それじゃあ遠慮なくいくわよ」
バシッ!
美奈は躊躇なく彩花の股間を力強く蹴り上げた。さすが女子部キャプテンという見事な蹴りだった。
美奈の蹴りを股間に受けて、彩花は一瞬顔をしかめたが、すぐにパンパンと股間を払って言った。
「なるほど。威力十分の蹴りね。女の私でも一瞬息が詰まるくらいの力強い蹴りだったわ。じゃあ今度は美奈が足を開いて。私が普段男子に入れてる金的蹴りをしてみせるから」
そう言われた美奈も素直に足を開いて構えた。股間を蹴られることに恐れを抱かないのは、女子ならではだった。
「じゃあいくわよ。私の男殺しの金的蹴り、美奈も味わってみて」
ピシッ!!

彩花の蹴りを股間に受けた美奈は、しばらくの沈黙の後、怪訝な顔をして口を開いた。
「ちょっと待って。今の蹴りが男子連中を悶絶させてる美奈の金的蹴りなの?全然威力を感じなかったわよ。蹴りに芯が入ってなかったし、蹴り込みも足りないように思ったし…こんな蹴りが男殺しの金的蹴りだって言うの?」
「うふふ、そこなのよ。思い返してみて。金的蹴りって、蹴りの強さと相手の男子の悶絶具合が必ずしも比例しないなって思ったことない?」
彩花の問いに、美奈は自分の記憶を思い返しつつ頷く。
「確かに。会心の蹴りが決まった!と思っても、意外とまだ相手が動けるというときもあれば、かすったくらいの感触だったのに、膝を着いて蹲って悶絶ってこともあったわ。でも、女の私にはその…タマタマが付いてないから、その謎がどうしても分からないのよ」
美奈は「タマタマ」というのも恥ずかしいらしく、頬を紅に染めた。彩花はそんな美奈を悪戯っぽく見つめながら、
「そこでさっきの話よ。『キンタマは男子最大の急所』っていうのは女子でもさすがに常識だけど、そのキンタマの構造ってよく知らないでしょ?」
「う、うん。だって、さっきも言ったけど私たち女には付いてないし…」
美奈は、彩花がためらいもなく「キンタマ」と口にしたのが気恥ずかしかったのか、耳まで赤くした。

820名無しさん:2024/05/19(日) 20:03:18 ID:P6HHTgFw0
それに構わず彩花は話を続ける。
「だから、百聞は一見に如かず。私は彼氏が出来たら、早速キンタマをじっくり観察させてもらったわ。その結果、オトコのキンタマの秘密が分かったの。キンタマって袋に入って股間にぶら下がってるんだけど、結構動くのよ。だから、蹴りを当てても、インパクトが遅いと袋の中でキンタマがクニっと逃げちゃうわけ。さっきの美奈の蹴りは、普通の蹴りとしては完璧なんだけど、金的蹴りとしては遅いのよ。それに、キンタマって男の一番の弱点だから、その辺りに蹴りが来ると、男は本能的に腰を引いたりひねったりして少しでもキンタマへのダイレクトな打撃をかわそうとするわ。ま、どうせかすっただけでもまともに動けなくなっちゃうんだけど。うふふ。それはともかく、だから、金的蹴りはスピードが命なのよ。とにかく素早く蹴り上げること。そうすると、キンタマは逃げられずに自分の恥骨との間で挟まれて大ダメージってわけ。私が男相手の金的蹴りの時に足首を柔らかくして跳ね上げるようにするのは、足首をムチのようにしならせることでインパクトのスピードを更に上げて足の甲と相手の恥骨の間でキンタマを押し潰すためなの」
美奈はいつの間にか「キンタマ」を連発する彩花にも怯まず、話を聞き入るようになっていた。
「そうだ、分かりやすく言うとね」
そう言って、彩花は鞄からプラスチックの定規を取り出した。そして、
「ちょっといい?」
と言うと、その定規をしならせて美奈の股間にピシっと当てた。
「きゃっ!何するの?びっくりしたあ!」
軽く抗議する美奈に構わず、彩花は話を続ける。
「これ、私たち女だったら全然平気でしょ?でも、彼氏にやったら悶絶してたわ。キンタマってこういう攻撃に一番弱いのよ」
「え、あの勇樹くんがこんなので…」
彩花の彼氏は野球部のキャプテンの勇樹である。身長は180センチを超え、鍛え上げた身体は美しいくらいに筋肉が盛り上がっている。その勇樹がプラスチック定規で股間を一叩きされただけで悶絶したと聞いて、美奈は驚くと共に少し滑稽にも感じた。
「だから、勇樹に言うこと聞かせたい時には、キンタマを軽く下から叩き上げてやるの。それだけで、もう男は歯向かう気力がなくなっちゃうみたい。キンタマの痛みって腹の奥まで沁みる痛みで、その痛みを感じると男は気力が萎えるらしいわ。それから、もう一つとっておきの情報を教えてあげる。キンタマの裏側の上の方に副睾丸って場所があるんだけど、そこが男の急所中の急所なの。勇樹が黙って他の女と遊びに行ったことがバレたとき、お仕置きでそこを指でグリグリってしてやったら、奇声を上げて涙を流して、その後しばらく股間を押さえて床の上で丸まって動けなかったわ。キンタマって、筋骨隆々だから強いってわけじゃないということがよく分かったわ。内臓だから筋肉が付かない、だから鍛えられないってことみたい。そんな弱点を攻撃しやすい場所にぶら下げてるなんて、格闘技では致命的だと思うけどね。あ、そうだ、それから…」
そう言って彩花は美奈の耳元でこう囁いた。
「キンタマって、大きいからって強いわけでもないみたいよ。勇樹のは相当おっきいけど、指で弾いただけで悶えてるから」
「も、もう、何言うのよ!その…想像しちゃったじゃない!」
美奈は思わずそう口走りながらも、早く彼氏を作ってキンタマの秘密を自分でも実感したいという気持ちに溢れているようだった。

821名無しさん:2024/05/19(日) 20:05:15 ID:P6HHTgFw0
そして、このときが、この少林寺拳法女子部に金的研究班が発足した瞬間だった。
以降、男子部員は格段に進歩した女子部員の金的蹴りの技術の餌食になるのだが、それはまた別のお話。

おわり

こんな感じでしょうか。私もこういうのは好きなシチュエーションです。
拙い文章ですが、お納めください。
また、折角他にもいくつか投稿もありますので、普段ROM専の方も超ショートストーリーでいいので是非試しにご執筆を!

822名無しさん:2024/05/19(日) 20:33:41 ID:OCffIlE20
素晴らしい!

823名無しさん:2024/05/20(月) 04:00:51 ID:evozLkpQ0
めっちゃいい!
金的をよく理解できていない女子と、知り尽くしている女子。
でも自分たち女にはない男だけがぶら下げてる急所なので、所詮は他人事という性差が短い文章でちゃんと語られてる。

824名無しさん:2024/05/20(月) 07:44:20 ID:s4kNXIX60
めちゃくちゃ良かった
女子同士で股間蹴って実践するのも性差が際立って最高

825名無しさん:2024/05/20(月) 15:22:04 ID:NaQX.y0Q0
少林寺習ってた時女性との実戦組手しんどかったなぁ痛みがないと覚えないって方針だからファールカップも禁止だったし
金的が(というか技術全般)やたら上手い人が2人くらいいてみんなその人らと当たりたくないから仲間内で押し付け合いしてた
この性癖最近ハマったけど正直自分がやられるのは勘弁願いたいって感じ

826名無しさん:2024/05/20(月) 16:28:50 ID:BXrQr/tk0
>>825
どさくさですみませんが、その2人は美人系でした?
実戦の金的経験なんかご存知でしたら是非

827名無しさん:2024/05/20(月) 16:32:57 ID:NaQX.y0Q0
>>826
35人くらいのクラスだったら2〜3番目くらいの美人だった
累計で何十発も金的で悶絶されられたからかなり苦手だった

828名無しさん:2024/05/20(月) 16:36:11 ID:BXrQr/tk0
>>827
何十発は凄いですね
羨ましいですわ

829名無しさん:2024/05/20(月) 21:28:33 ID:oRq.L5nc0
およそ金的に生きる者にとって、少林寺は最大のブランドなんだよ

敢えて並べるならクラヴマガに大道塾といったところか

830名無しさん:2024/05/20(月) 21:40:54 ID:NaQX.y0Q0
俺もSSとかの他人事なら大好きなんだけどさ
自分がガチでやられて喜べる人ってそんなにいないと思うんだよなぁ
上手い人に蹴られるとガチで痛くて苦しいからよっぽどのドMじゃないと喜べないと思う

831名無しさん:2024/05/20(月) 22:56:02 ID:Kf.fVioA0
>>830
どんな感じで蹴られるんですか?
運用法のなかでかわしきれない感じ?
悶絶度合いはどれくらいですか、5分-10分とかでしょうか。
痴漢撃退とかありますかね

832名無しさん:2024/05/21(火) 05:43:36 ID:LQzcIN9Y0
せっかく良いSSが来たのに質問厨に流されそうね

833名無しさん:2024/05/22(水) 22:21:11 ID:WGPPj/0w0
>>821
素晴らしかったです
実際の金的シーンや金的描写がなくてもこういうガールズトークだけで萌える〜
性格に合わせてタマタマとか金玉とか表記で使い分けたり、女子の照れてたり慣れてたりする様子も良いですね

>>825-832
こういう金的経験の書き込みも2ch時代に見られて貴重だったな〜
仮に創作でも体験談風SSということで自分は充分楽しめてしまうw


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板