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異世界BAR MEETのようです

1以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:01:39
秋のブン芸祭参加作品

2以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:02:18
異世界!!!!!!!!!!!!!!!


昨今の異世界は!!!!!!!!!!童貞クソオタク野郎にとって都合のいい創作の舞台でしかない!!!!!!!!


ニートが!!!!!!引きこもりが!!!!!!!!ゲーマーが!!!!!!!!!


ある日突然何の前振りも無く異世界に飛ばされ!!!!!!!!!!


なんかチート能力とか手にして!!!!!!!!!!!!!


可愛い女の子とイチャコラしつつ!!!!!!!!!!!!!!!!!


悪い奴らをやっつける!!!!!!!!!!!!!!!!なんか貴族とか!!!!!!!!!悪いのは大体貴族だ!!!!!!!!


中学生の黒歴史ノートのトロトロ妄想シチューみたいな世界!!!!!!!!!!!!




d('A`)b「ウンコ」



このいかにもお前らのみたいなクソ不細工なツラをしたドクオという貧弱童貞クソ野郎も!!!!!!!!そんな異世界に飛ばされた一人だ!!!!!!!!!!


だが現実は!!!!!!!!!!!異世界であろうと現実は!!!!!!!!!!!


そう甘くはなかった!!!!!!!!!!!!!!!!!!

3以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:03:36
彼の災難は!!!!!そう!!!!!!出だしからだった!!!!!!


ζ(゚Д゚;ζ「ぎゃあああああああああああああああああ!!!!!ゴブリンのゾンビーーーーーーーーーーーー!!!!!!」


幼馴染候補と思われるヒロインの第一声により!!!!!!!!!目覚めた場所を追われ!!!!!!!!


(゚、゚#トソン「この魔物が!!我らエルフの聖域に立ち入るなど!!」


好感度を上げたらあっさり股を開きそうな高貴エルフに矢を放たれ!!!!!!!


从'ー'从「ふええ〜〜〜〜」


頭ゆるそうな妹系合法ロリに金玉を砕かれかける始末!!!!!!!



('A`)「酷ない……?」



クソ不細工というだけで世界はかくも厳しい!!!!!!!!!


イチャコラハーレムはイケメンにのみ許される特権!!!!!!!!!!


性格がクズでも!!!!!!!!軟弱でも!!!!!!!!ドスケベでも!!!!!!!!


顔が良ければ女は樹液に集まる昆虫のように寄ってたかるのだった!!!!!!!!


異世界でも不細工は不細工らしく日陰で生きるしかないのだった!!!!!!!!!!!

4以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:05:13
('∀`)「へへ……やっとこんなクソみてえな世界と人生からおさらばだ……」


追われ追われて森の中!!!!!!飢えでのたれ死ぬ寸前だった彼を!!!!!!!!


「……」


どこかの誰かが救った!!!!!!!!!!!!!


「顔が悪いな。ボウズ」


ハスキーボイス!!!!!!!!アンニュイフェイス!!!!!!!!!!!!


「おうおう、そう不細工な顔で睨めつけんなって。腹は減ってんだろ?良かったらウチに来いよ」


浅黒い肌!!!!!!!!!!光る白い歯!!!!!!!!!!!


弾ける……筋肉!!!!!!!!!!!!!!!!ダイナマイト……ボディ!!!!!!!!!!


(´・ω・`)「歓迎するぜボウズ。俺の城へ」


彼の名はショボン!!!!!!!!!!!!!!


又の名を『万屋の蝙蝠』!!!!!!!!!!!!!!!!!


異世界に存在する人と魔族!!!!!!!!相対する二つの勢力のどちらにも属しない便利屋!!!!!!!!!!!!


('A`)「……」


己の正義ただ一つを貫き通す漢達の住処で!!!!!!!!!!


クソ不細工貧弱童貞クソ野郎のドクオの異世界生活が!!!!!!!!!!!!


始まるのであった!!!!!!!!!!!!!


ゼロから始まるのであった!!!!!!!ゼロから始める異世界生k(ry

5以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:06:34






異世界BAR MEETのようです








6以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:07:33
『地球平面説』
一つの盆の上で滾々と海が湧き、その上に大陸が浮かんでいると考えられていた、古代の宇宙論
現代、『宇宙』から世界を見下ろすまで発展した今となっては、そのような説など鼻で笑われる程度のものだ

しかし、その『世界』は違った。まさしく、平面上で成り立っている世界であった

海で囲まれ、巨大な森が東西を分け隔てている大陸『ノリス』
西側が、我々と同じ人種であり、人口の大半を占める『ヒューマン』。それに加え、『エルフ』や『ドワーフ』など
人類と友好的な関係を持つ亜人が支配する『スタローン』であり

東側が、竜族や人魔族など、多種多様な『魔族』が支配する『セガール』であった

両陣営の仲は非常に険悪であり、ノリスの支配、所謂『土地の所有権』を巡る争いは五百年にも及んだ


長い戦い。互いに決着を望んでいたが、どちらの戦力も拮抗していた
そこで両陣営は、図らずも同じ手段を編み出し、出し抜こうとした


それが、『異世界召喚術』である


ノリスとはまた別の場所、別の次元から、一騎当千たる有能な人材を取り寄せ、戦わせようというもの
それは一重に『腕力』だけでは無く、底なしの魔力を有する者や、戦略に長けた頭脳の持ち主
国を豊かにする政治力、兵の士気を高める魅力など、様々な分野の人材を求めた

その資格たる者に、スタローンなら『勇者』の名を。セガールなら『魔王』の名を授け、手厚い待遇を授けた

しかしその裏で、眼鏡にかなわなかった者たちの処遇も酷いものであった
ノリスでの新生活への援助はごく僅か。右も左もわからない異世界人を王都の外へと投げ出し、固く門を閉ざす
『魔力の無駄』という理由で元の世界にも帰れず、途方に暮れる間にのたれ死ぬケースが後を絶たなかった
彷徨った先の村や町で文化に適応し、暮らしていける運の良い者もいたが、それも一握りに満たない

二つの国は、他所の人間を食いつぶしながら

長い長い、いたちごっこを続けていた

7以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:09:01
もう一つ、西にも東の陣営にも組しない、森に住まう生物たち『ニュートラル』が存在する
勢力争いに興味がなく、家族や仲間と共に慎ましく生きていくのが望みの彼らにとって、その長い戦争は嫌悪の対象であった
大陸の中央を縦断している森は、戦場になることも少なくはない
時には戦火によって命を落とし、時には敗残兵に食料を奪われ、時には女子供を連れ去られていく

『ニュートラル』達は群れというコミュニティを形成するが、それは『国』と比べとても小さなものだ
反撃に出るための戦力が圧倒的に少ない上に、指揮能力や軍略、武具など、戦争に必要な『絶対条件』が揃っていなかった
静寂と平穏を望む、森に棲む者達は、ただ神に祈るしかなかった。『西の奴ら』にも、『東の奴ら』にも、出会わずに日々を過ごせるように


だが、信仰は必ずしも全ての者を救う訳ではない
神は時に悲劇を嗜む。それも、演者は弱く儚げなものを好まれる


そして今日もまた、神は筆を転がすかのように気まぐれに
哀れな演者を、選ぶのであった――――――

8以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:10:16
―――――
―――




♪Juice Newton - Angel Of The Morning
https://www.youtube.com/watch?v=upNUYtbPkAY



炎が巻き上がる。風にたなびく旗のように
矢が降り注ぐ。曇天がもたらす雨のように
土塊が落ちる。振り落とされる槌のように


ξ;⊿;)ξ「嗚呼、嘘!!嘘!!」

(;゚∋゚)「行くな、ツン!!」


たった『四人』の襲撃によって、ハーピィの巣は地獄と化した
竜の力を持つ『勇者』は、剣に炎を纏わせ、抵抗する仲間を両断し
聖なる加護を受けた『エルフ』は、万雷にも匹敵する矢で空を制圧し
希代の天才と呼ばれた『ウィッチ』は、巨大な土の傀儡で巣を荒らした


ξ;⊿;)ξ「放して!!仲間が!!子供が!!」

(;゚∋゚)「ダメだ!!お前は生きろ!!無駄に命を捨てる気か!!」


幸か不幸か、彼女とその夫は狩りで住処を離れていた
『四人』の襲撃に遭わなかったのが、ささやかな幸とするならば
仲間の死と、もうすぐ孵る筈だった『卵』から、ほんの数時でも目を離してしまったのが、多大な不幸だった


(;゚∋゚)「聞け、ツン……ツン!!」


取り乱す妻に、夫は必死で語りかけた
それは、最愛の彼女を死なせないためでもあったし
『僅かな可能性』を、彼女に託すためでもあった


(;゚∋゚)「奴らの目的は恐らく『卵』だ!!俺たちの子供が殺されることはない!!」

ξ;⊿;)ξ「でも!!」

(;゚∋゚)「聞け!!ここで出て行っても、奴らに容易く殺されるだけだ!!」

9以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:11:54
(;゚∋゚)「いいか、お前も聞いたことがあるだろう。『万屋の蝙蝠』の話を」


『万屋の蝙蝠』。筋が通った依頼であれば、種族を問わず引き受ける森の便利屋
どんなに困難な仕事であろうと、凶悪な敵が立ちふさがろうとも、必ず遂行する強者であった
『スタローン』も『セガール』も自らの陣営へと引き込もうとしたが、彼はそれを真っ向から突っぱねた
故に、両陣営から最も危険視される中立の存在は、『蝙蝠』と呼ばれ恐れられていた


(;゚∋゚)「彼に依頼をするんだ、『子供を取り返してほしい』と。それ以上は望むな」

ξ;⊿;)ξ「何故!?どうして!?仲間の仇は!?」

(;゚∋゚)「……今の出来事を、忘れるなんて出来ないだろう。許せるなんて、出来るはずもない」

(;゚∋゚)「だが俺は、お前に……お前と子供に、復讐の業を背負って欲しくない……身勝手な願いだ。許せ」


『種としての怨みも、仲間の無念も、自らの怒りも、全て放棄しろ』
それは、酷などという言葉では言い表せないほどの願いだった
しかし彼は、それをわかっていながら念を押した。『彼女と子供の未来』の為に


(;゚∋゚)「さぁ、行け!!見つかる前に!!」

ξ;⊿;)ξ「ッ!!貴方は!?」

(;-∋-)「……時を、稼ぐ。ここで別れだ」


余りにも残酷な別れに、彼女はさらに取り乱した


ξ;⊿;)ξ「嫌、嫌ァ!!貴方が死んでいくのに、私にはただ逃げろと言うの!?」

(;゚∋゚)「そうだ。俺の為に、そして子供の為に、お前はただ逃げろ!!」


身を焦がす炎が、それを纏う勇者が、徐々に此方へと近づいてくる
悪魔は彼女を説得する暇すら与えてくれない。彼は、妻を乱暴に突き飛ばした

10以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:12:42
ξ;⊿;)ξ「待っ……!!」


伸ばした手は、呆気なく空を切った


(;-∋-)(……今際の際くらい、抱きしめてやりたかった)


彼の人生、最大の後悔が胸に募るが、叶わぬことは承知だった
きっと、死に逝くのが恐ろしくなってしまうからだ。最愛の妻との生を、望んでしまうからだ


(;-∋-)(どうか、どうか我らの分まで、妻と子に安らぎと平穏を……!!)


彼の理性が、最後に祈りを捧げた
そして、瞼を開けた次の瞬間にはもう


(#゚∋゚)「クルォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」


その理性も、恐れも、悲しみも
理不尽な炎に、矢に、土塊に対して向けられる怒りで塗りつぶされた


ξ;⊿;)ξ「ッ……」


対して彼女は、理性をフルに働かせた
感情に飲み込まれてしまったら、彼の献身を無駄にしてしまうとわかっていたから

嗚咽を噛み殺し、その場から静かに飛び去る
羽ばたく音は、夫の断末魔がかき消した

こうして、ただ一人。住処と、仲間と、夫を犠牲にし
神に選ばれた『演者』は、託された場所へと旅立って行った―――――

11以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:14:16





























12以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:15:30
―――――
―――




森!!!!!!!!!デカい木!!!!!!!!!!その前には一人の男!!!!!!!!!
物凄い筋肉!!!!!!!!!!!!!!!そして笑顔!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


(´^ω^`)「まーーーーーーーーーーーーーーーーきーーーーーーーーーーーわーーーーーーーーーーーりーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」


(´^ω^`)「ラリアットーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」


樹齢数百年はいってそうな!!!!デカい木が!!!!!!ラリアットによって倒れる!!!!!すごい!!!!!!
鳥はチュンチュン鳴きながら飛びさり!!!!!!!!!!なんか獣とかが走って逃げた!!!!!!!!!


(´^ω^`)「んんんんーーーーーーーーー!!!!!資源大切ーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」


過度な森林伐採は世界の環境によろしくないと知っているこの男!!!!!名を『ショボン』といった!!!!!!
種族はヒューマン!!!!!!!本来はスタローンで住まう彼らが!!!!!!森に居を構えるのは極々稀だ!!!!!!
ぶっちゃけ普通の人間が森で生活とかしてたら!!!!!!悪いニュートラルに襲われてすぐ死ぬからだ!!!!!!

じゃあなんでこの男は生きているのか!!!!!!!!!話は単純!!!!!!


       /フフ         ム`ヽ
      / ノ)   ∧∧     ) ヽ
     ゙/ |  (´^ω^`)ノ⌒(ゝ._,ノ 筋肉が喜びに満ち溢れている!!!!!!!
     / ノ⌒7⌒ヽーく  \ /
     丶_ ノ 。   ノ、  。|/ ←ワキ(剃毛済み)
        `ヽ `ー-'_人`ーノ
         丶  ̄ _人'彡ノ
         ノ  r'十ヽ/
       /`ヽ _/ 十∨


マッチョだからだ!!!!!!!!!!!!!

13以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:16:22
(´^ω^`)「割れろーーーーーーーーーーー!!!!!」


倒れた大木を!!!!!!手刀で縦に切り裂き!!!!!木材にする!!!!!!
斧や鋸は一切使わない!!!!!!!!肉体による加工!!!!!!!
人類の限界を超えた彼だからこそできる芸当!!!!!!!!!!マッチョってすごい!!!!!!!!


(;´^ω^`)「ふぅーーーーーーーーーーーーーー!!!!!いい汗かいたぜーーーーーーーーー!!!!!!」


あっという間に木材の山を作り上げたショボン!!!!!!革袋から水を飲む!!!!!!おいしい!!!!!
職業は木こりなのか!!!!!!???????いや、違う!!!!!!!!!見ろ!!!!!!!!!


( ∵)「おー、やっぱ早いなぁショボンさんは」


森に住まうニュートラルの一種族である『ゴブリン』のエントリーだ!!!!!!!ワッショイ!!!!!!!


(´・ω・`)「ちょうど今終わったところでね」

( ∵)「ありがてえ。オークのとこの集落の復旧を急がねえといけねえからな」

(´・ω・`)「全く、東西の連中には困ったものだよね。今度シバき回しとくよ」

( ∵)「こないだは北のハーピィんとこが襲われたらしいぜ。でぇじな産卵期だってのに、奴らは配慮ってもんを知らねえ」

(´・ω・`)「……」


ショボン!!!!!!!憂いを帯びた瞳!!!!!!!!!!
何を考えているのか!!!!!!!!!!!今日のご飯とかかな!!!!!!!!???????

14以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:17:52
( ∵)「おっといけねえ、仲間を呼んで木材を運び出さねえとな。ほれ、支払い」


腰にある巾着を投げ渡す!!!!!!!!!!!!!下ネタとかじゃないよ!!!!!!!!!!
じゃらりと音を立てるその中身は!!!!!!!!!!なんか汚い銅貨が入ってた!!!!!!!!


(´・ω・`)「毎度。またのご利用を心からお待ちしております」

( ∵)「おう。ご苦労さん」


そう!!!!!!!!ショボンはニュートラル達の便利屋として!!!!!!!!!生計を立てていた!!!!!!!!
筋さえ通りゃ金次第でなんでもやってのける命知らず!!!!!!!!!不可能を可能にし、巨大な悪を粉砕する俺たち特攻野郎Aチーム的な!!!!!!!
まぁ大体!!!!!!!!!!こんな感じの雑用とかだった!!!!!!!!!!マッチョは仕事を選ばない!!!!!!!!!!!えらい!!!!!!!!!!!!

15以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:18:40
『MEET』は!!!!!!!!!森の奥深くにある!!!!!!!!!!
中に空洞がある巨木を利用した!!!!!!!!!すっごいお洒落なお店!!!!!!!!!
普段は酒場としてニュートラルに親しまれているぞ!!!!!!!!!!!でも売り上げはさっぱりだぞ!!!!!!!!


(´・ω・`)「ただいマッスル」


ただいまとマッスルを掛け合わせた帰宅の挨拶!!!!!!!!!!!!駄洒落だ!!!!!!!!!!
そういえば言い忘れてたけど!!!!!!!!!ショボンはいつもパンツ一丁だ!!!!!!!森でその格好は致命的じゃないか!!!!!??????
虫に刺されそうじゃないか!!!!!!!!!?????????虫よけが必要なんじゃないか!!!!!!??????

  _
( ゚∀゚)「よう、おかえり」


出迎えは!!!!!!!MEET従業員の『ジョルジュ』!!!!!!!!マッチョだ!!!!!!!
そしてもう一人!!!!!!!ウジ虫みたいな存在感を醸し出す男がいる!!!!!!!!


('A`)「めっちゃウンコ出たわ」ガチャッ


序盤に出てきた、異世界からの来訪者ドクオ!!!!!!!!今日も顔が気持ち悪いぞ!!!!!!!
マッチョ二人に対し、こいつはガッリガリのクソ貧弱童貞野郎だ!!!!!!!!これからの成長に期待!!!!!!!!


(´・ω・`)「今日の稼ぎだ」ジャラッ
  _
( ゚∀゚)「おいおいマスター、アンタの仕事にケチつける気はねえがちょいと少な過ぎねえか?」

(´・ω・`)「トレーニングのついでに駄賃貰ったと思えば儲けものだろ」

('A`)「毎日美味しい物食べて金銀財宝に囲まれて暮らす俺の夢には程遠いんだけど」

(´・ω・`)「見習いの癖に野望に溢れたでっけえ夢抱いてんな」
  _
( ゚∀゚)「俺は壁一面のおっぱいに囲まれて過ごしたい」

('A`)「こえーよ」

16以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:19:51
('A`)「いやでも真剣な話、今月の稼ぎじゃ生活費厳しいぜ?」


ドクオはそろばんを叩きながら家計簿を捲る!!!!!!力仕事が出来ない代わりに、頭を使う仕事をしてる!!!!!
どんなクソ野郎にも取柄はある!!!!!!!!!長い目で付き合ってみるものだ!!!!!!!!!!

  _
( ゚∀゚)「道楽でやってるこの酒場さえ潰せばなんとかなるけどな」

(´・ω・`)「ウッソだろお前……」
  _
( ゚∀゚)「だってこんな辺鄙な場所に酒飲みに来る奴なんてほとんどいねえじゃん……」

('A`)「場所と酒の質の割に値段も高いしな」

(´うω;`)「そこまで言う事ないじゃん……」


泣き始めるマッチョ!!!!!!体は鋼でも心は硝子!!!!!!!!!!!
男だって人間なんだ!!!!!!!!!!!!!泣きたい夜もあるさ!!!!!!!!!

  _
( ゚∀゚)「せめて便利屋の仕事が増えりゃあなぁ……それも、雑用なんかじゃねえ俺好みの荒事がよぉ」

('A`)「宇宙大魔王お仕置きん時みたいなのはもう勘弁願いたいけどな。つーかなんでアレ俺連れていかれたんだよ」

(´・ω・`)「ほら……なんか……覚醒しそうだったし……」

('A`)「人はそんな簡単に都合の良い能力に目覚めない」


('A`)


('A`)「目覚めない」(力説)
  _
( ゚∀゚)「異世界に来て苦労してる奴の言う事は説得力あるな」

(´・ω・`)「その内目覚めるよ。この世界結構『超能力は適当でデタラメ。望み、確信すれば運命は応える』的なところあるし」

('A`)「惑星のさみだれかな?」

17以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:21:26
(´・ω・`)「と言うか、能力云々より筋肉を鍛えるべきだ!!!!!下手なスキルより屈強な筋肉!!!!筋肉こそ最強!!!!」

(´^ω^`)「さぁ、今日も筋トレで気持ちよく汗を流すぞ!!!!外に出ろ!!!!!」

(;'A`)「ええ〜〜〜?今日はやだよ〜〜〜〜〜〜なんか人差し指の第二関節が痛いし〜〜〜〜〜」
  _
( ゚∀゚)「休む理由にしては随分ちっせえな。もっとダイナミックな言い訳考えろよ」

(#´^ω^`)「つべこべ言うなぁ!!!!!バター塗りたくったオークを詰め込んだ密室に三時間閉じ込めんぞ!!!!!」

(;'A`)「キツすぎんだろいっそ殺せよ!!!!わかったよやるよ!!!!!」


ツンデレのドクオとマッチョのショボンはいつものトレーニングを始めるために扉へと向かう!!!!!
ジョルジュは自主練する漢だったので、気が向いたときに筋トレするぞ!!!!!!!!!
ショボンが扉に手を掛けた!!!!!!!!その時!!!!!!!!!!!


扉<ガチャ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


来訪者の手によって、先に扉を開けられた!!!!!!!!!!!アンブッシュ!!!!!!!!!!
入店してきたのは!!!!!!!!フードを目深に被った小柄な人物!!!!!!!


ξ ⊿ )ξ


パツキン縦ロールがはみ出してるぞ!!!!!!!!!!!ハミキンだ!!!!!!!!!!
ハミキンっていうと別のモノがはみ出してるように聞こえるな!!!!!!!!何がとは言わないが!!!!!!!金玉とか言わないが!!!!!!!!!!


ξ; ⊿ )ξそ ビクッ!!


ハミキンは、扉を開けてすぐエンカウントしたマッチョとド不細工に驚いた!!!!わかる!!!!!!俺もビビる!!!!!
しかし、すぐに持ち直して挨拶をする!!!!!!!!!大事だ!!!!!!!!古事記にもそう書いてある!!!!!!!!

18以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:22:49
ξ ⊿ )ξ「『MEET』はこちらで、間違いないでしょうか……?」

(´・ω・`)「ええ、間違いないですよ奥さん」

('A`)(うわっ、女だ……近寄らんとこ)


クソビッチに酷い目に遭わされているドクオは軽く女性不信だった!!!!!!舌打ちを我慢したのはえらいぞ!!!!!!
ショボンはカウンターへ入り、気取った態度でこう言った!!!!!!!!


(´・ω・`)「やぁ、いらっしゃい。ようこそ、異世界BAR MEETへ」
  _
( ゚∀゚)+「お席へどうぞ、マダム」


ジョルジュは左腕の筋肉を見せつけてかっこつけたぞ!!!!!!!!!キモい!!!!!!


('A`)「……」


ドクオは無言で隅っこへ移った!!!!!!!愛想無いな!!!!!!!!客商売向いてないわ!!!!!!!


ξ; ⊿ )ξ「……」


ハミキンは入り口から奥へと歩を進めない!!!!!!当然だ!!!!!
何故なら、パン一のマッチョ二人と、パン一のゴブリンゾンビフェイスが一人いる空間が気持ち悪いからだ!!!!!
しかし、意を決したのか!!!!!!!ハミキンはカウンターの一席に腰を下ろした!!!!!

19以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:24:02
(´・ω・`)「遠路はるばる、お疲れでしょう。このエールはサービスです。喉を潤してください」


マッスル気遣い!!!!!木のジョッキに並々と注がれた小麦のジュース!!!!!!!
泡!!!!!!!のどごし生!!!!!!!!!!


ξ ⊿ )ξ「ありがとうございます……」


小さな声で礼を言うハミキン!!!!!!!元気を出せ!!!!!!!
フードの袖で隠れた手をジョッキへと伸ばす!!!!!!その瞬間!!!!!!!ショボンは見逃さない!!!!!!!!


(´・ω・`)「『ハーピィ』ですか」

ξ; ⊿ )ξそ ビクッ!!


袖からチラリと見えた鈎爪!!!!!羽毛!!!!!!!ニュートラルに住まう一種族『ハーピィ』のモノだ!!!!!
見抜かれたハミキンは肩を竦ませる!!!!!!!怯えてるぞ!!!!!!!!!


(´・ω・`)「ああ、失礼致しました。他種族との関わりを極端に嫌う種族と耳にしていたものですから」

ξ; ⊿ )ξ「……」


ハーピィは過去、乱獲に遭いその数を極端に減らしている!!!!!!!!!爪から羽毛、果てはいやらしいことに至るまで、高値で取引されるからだ!!!!!酷い話だ!!!!!股座がいきり勃つな!!!!!!!
そんな事もあり、現在ハーピィは人目に着かない場所で仲間たちとヒッソリと住まうようになった!!!!!!こうしてヒューマンの前に現れるなど、言語道断だ!!!!!!

20以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:24:58
(´-ω・`)「何か、並々ならぬ災難に苛まれているご様子。お話、聞きますよ」


ショボンのセールストーク!!!!!便利屋の仕事の臭いがプンプンするぜ!!!!!!!


ξ; ⊿ )ξ「あ、あの、ここは、お金さえ払えば、何でもしてくれるって……」

(´・ω・`)「ええ、筋さえ通れば何でもこなす便利屋も兼業しております」

ξ; ⊿ )ξ「……」


ハミキン、ゴクリと溜飲!!!!!その後、フードを取る!!!!!!


ξ;゚⊿゚)ξ「……」
  _
( ゚∀゚)「ヒュー♪」


現れたるは緑眼の麗しき令嬢!!!!!!ジョルジュは口笛を吹く!!!!!!


(#´゚ω・`) ギンッ!!!!!


ハミキンに気づかれないように、一瞬だけメンチを切って窘めるショボン!!!!!
ジョルジュはペロリと舌を出した!!!!!!!!!一挙手一投足がキモい!!!!!!!


ξ;゚⊿゚)ξ「子供を……私の子を……」

ξ;⊿;)ξ「取り戻してください……!!!!」

21以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:26:22
―――――
―――



(´・ω・`)「なるほど、事情はわかりました」


ゴブリンの棟梁が言っていたハーピィ集落の襲撃事件!!!!その混乱に乗じ、依頼主である『ツン』の卵が盗まれてしまった!!!!!
今回の依頼は、その卵を無事に取り返すこと!!!!!!!!!!久々に大口の依頼だ!!!!!!!!
しかし、厄介な事件には厄介な刺客がいるものだ!!!!!!!!!

  _
( ゚∀゚)「『勇者』一行の仕業ってのは、確かなのか?」

ξ゚⊿゚)ξ「はい、間違いありません」

('A`)「……」


『勇者』!!!!!!!!異世界からの来訪者で、その才能を『スタローン』に認められた者!!!!!!
奴らは『クエスト』を受け、ニュートラルやセガールの土地を荒らし、戦利品を持ち帰る!!!!!!人の心がねえのか奴らは!!!!
それもその筈!!!!!!!!スタローンに住まう生物以外は、敵対生物だと徹底して教え込まれるからだ!!!!!!!!!ちょっとは自分の頭で考えろゴミが!!!!!!!!


ξ ⊿ )ξ「奴らに住処を荒らされ、殺され……残ったのは私だけです……」

ξ ⊿ )ξ「燃えていく仲間が、毎晩夢に出てきます。剣の切断面から体が焼け溶ける臭いまで、鮮明に」

ξ ⊿ )ξ「雨が恐ろしくなりました。逃げようとした仲間が、空から降り注ぐ幾千もの矢を受ける様を連想させられるから」

ξ ⊿ )ξ「地を見るだけで、土塊の巨人を思い出します。傷つき、飛ぶことすら出来なくなった仲間を虫のように踏みつぶした……!!」


ξ;⊿゚)ξ「それでも、これから産まれてくる筈の息子が居れば耐えられた、どんな責め苦にも、困難にも……!!」


エールに落ちる水滴!!!!!!!!!若き母の涙!!!!!!!!!!


ξ;⊿;)ξ「それをも奪われてしまっては……もう、生きる意味も無い……私の、全てなんです……!!!!」


('A`)「……」


おっと!!!!????これはギャグ作品じゃなかったのか!!!!!??????すごいヘビーな話にちょっと引くドクオ!!!!
しかし同時に!!!!!!!!!彼女たちを襲った暴虐への怒りも湧き出てる!!!!!!いいぞ!!!!!主人公っぽいぞ!!!!!!
ただし不細工だ!!!!!!!!!!!!!主人公でも不細工は不細工だ!!!!!!!!!可哀想に!!!!!!!!!!!!

22以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:27:49
(´・ω・`)「わかりました。それでは、報酬の件なのですが」


対しショボンは淡々と商売を続ける!!!!!!!!!!情に流されないのが商人だ!!!!!!狼と香辛料にそう書いてある!!!!!!
書いてなかったかも知れないけど似たようなことは書いてある!!!!!!!!!!!多分!!!!!!!!!!!


ξう⊿;)ξ「……私には、財産と呼べるものは何もありません」
  _
( ゚∀゚)「そいつぁ困るなぁ。俺達ぁ慈善団体じゃあねえんだぜ?」

('A`)「うわ、リアルでそのセリフ言う人初めて見た」


高利貸のセリフである!!!!!!!!!!!チンピラ感丸出しで恥ずかしい!!!!!!!!!


ξ゚⊿゚)ξ「はい、ですが……幸いにも、私はハーピィです。この爪も、羽も、高値で取引される代物と聞きます」

(´・ω・`)「……では、何を差し出して貰えるのでしょうか?」


ショボンの冷たい声!!!!!!!コワイ!!!!!!!!!


ξ゚⊿゚)ξ「『片目』を」


(;'A`)そ ガタッ!!


結構グロい話になってドクオはビビる!!!!!!!!!報酬が眼球ってなんだよ!!!!!!!!コワイ!!!!!!!!


(;'A`)「お、おいおいアンタ。いくら何でもそりゃあ……」

(´・ω・`)「黙ってろドクオ」


口を挟もうとしたドクオをショボンが制する!!!!!ギャグ作品にあるまじき緊張感だ!!!!!!!!!

23以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:28:50
ξ゚⊿゚)ξ「私の眼は、収集家の間で特に高値で買い取られる代物だそうです。国が国なら、一生は遊べる金額が手に入る筈」

(´・ω・`)「……確かに、緑眼のハーピィは希少種ですからね。しかし、何故その決断を?」


涙で濡れる瞳を覗きながら問いかける!!!!!!!!!そりゃそうだ!!!!!!!!羽でも爪でも良い筈だからだ!!!!!
料金を聞く前に金を払う客がいるか!!!!!!!!!!???????いないだろう!!!!!!!!???????


ξ゚⊿゚)ξ「……我が子を、取り戻してもらえるなら」

ξ゚⊿゚)ξ「命以外、何もかも差し出してもいい。足りないと仰るのならば、もう片方の目も差し上げます」
  _
( ゚∀゚)「太っ腹だねぇ。だが、命は惜しいのか?」

ξ゚⊿゚)ξ「当然です。私は、あの子を育てる義務があるのだから」
  _
( ゚∀゚)「……ま、当然だな。愚問だった」


母は強し!!!!!!!!!!ショボンは満足そうに頷いた!!!!!!!!!


(´・ω・`)「十分過ぎる報酬です。引き受けましょう、ツンさん」


MEET始動!!!!!!!!!今回の仕事は、スタローン某所から、ハーピィの卵を奪い返す!!!!!!!!
敵は勇者!!!!!!!!その他多数!!!!!!!!!!!!!対しこちらの戦力!!!!!!!!!!!


(´・ω・`) マッチョ!!!!!!!!!!!
  _
( ゚∀゚) マッチョ!!!!!!!!!!!!

('A`) クソ貧弱童貞野郎!!!!!!!!!!


以上!!!!!!!!!!!!!!!!!なんて安心感のあるパーティなんだ!!!!!!!!!!!負ける気がしない!!!!!!!!

24以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:29:49
ξ;⊿;)ξ「ああ、ありがとうございます……ありがとう……!!」


二つ返事で引き受けた男たちに、彼女は再び涙を流す!!!!!!!!
そっとハンカチを差し出すショボン!!!!!!!!本物の紳士はハンカチを持ち歩く!!!!!!


(´・ω・`)「涙はお子さんに会うまで取っておくべきですよ」

ξ;⊿;)ξ「はい……はい!!」


え!!!!?????パンツ一丁なのにどこに隠してたんだって!!!!!!!!!??????
お前は本当に野暮な奴だな!!!!!!そんなんだから彼女も出来ないんだよ!!!!!!!!!

  _
( ゚∀゚)「そんじゃあ、先ずは子供の安否を確かめるか」

ξう⊿;)ξ「ええ、すぐにでも……ですが、どうやって……?」
  _
( ゚∀゚)「見てなって、そんじゃあ行くぜ……!!」


ジョルジュは、サイヤ人が気を高める時のように『はぁああああああああああ!!!!』って始める!!!!
一体何が始まると言うのか!!!!!!!!!!!その答えは直ぐにわかる!!!!!!見ろ!!!!!

  _
(#゚∀゚)「マッスル〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……」
  _
(#゚∀゚)「『教えてお星さま』!!!!!!!!!」ゴワッバァアアアアアドッガアアアアアギャアアアアアンギャアンギャン!!!!!!!!!ッポォイポイ


で、出たーーーーーーーーーーーーー!!!!!!ジョルジュの十八番、『マッスル教えてお星さま』!!!!!!!!
筋肉の力を極限まで高めることで、星々におわす神々が色んなことを教えてくれるのだ!!!!!!!
何を言ってるのかわからないと思うが俺も何言ってるのかわからん!!!!!!!!!!そういうお話だから仕方がない!!!!!!仕方がないんだ!!!!!!!!

25以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:30:12
  +     ゚  . +            . . .゚ .゚。゚ 。 ,゚.。゚. ゚.。 .。
   . .   ゚  . o    ゚  。  .  , . .o 。 * .゚ + 。☆ ゚。。.  .
               。       。  *。, + 。. o ゚, 。*, o 。.
  ゚  o   .  。   .  .   ,  . , o 。゚. ,゚ 。 + 。 。,゚.。
 ゚ ,   , 。 .   +  ゚   。  。゚ . ゚。, ☆ * 。゚. o.゚  。 . 。   「ええ星やな……」
。 .  .。    o   .. 。 ゚  ゚ , 。. o 。* 。 . o. 。 . .
        。   .   。  . .゚o 。 *. 。 .. ☆ . +. .  .          「せやな……」
 。 .  . .   .   .  。 ゚。, ☆ ゚. + 。 ゚ ,。 . 。  , .。
    ゚  。   ゚  .  +。 ゚ * 。. , 。゚ +. 。*。 ゚.   . . .  .
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゚` .゚ .゚. ゚. . ゚  .  ゚  .   ,  .     .  .   。      ゚ .
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26以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:30:44
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。 .  .。    o   .. 。 ゚  ゚ , 。. o ( ^ω^)<ママーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!    
        。   .   。  . .゚o 。 *. 。 .. ☆ . +. .  .            「わっからへん……」
 。 .  . .   .   .  。 ゚。, ☆ ゚. + 。 ゚ ,。 . 。  , .。
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27以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:31:50
http://boonenjoy.web.fc2.com/illust/29.jpg



(;'A`)「相変わらず滅茶苦茶だな……」


窓ガラスから夜空をみて気持ち悪い顔で呆れるドクオ!!!!!!!!顔が気持ち悪い!!!!!!

  _
( ゚∀゚)「ん、南西の方角……早馬で二日の距離ってところだな」

(´・ω・`)「お前ツンさんのご子息の顔、夜空にフライング映写してるじゃねーか」

ξ;゚⊿゚)ξ「えっ、ウソ!?まだ卵ですよ!?」


うっかりクソ眉毛だった!!!!!!!!

  _
( ゚∀゚)「気にすんな。お子さんはクソ元気だからよ」

ξ゚⊿゚)ξ「そう、ですか……無事なら良いのです。無事なら……」


なんか腑に落ちなそうだぞ!!!!!!謝れクソ眉毛!!!!!!!!


(´・ω・`)「ここから南西に二日……『ココロガピョンピョンスルン城』か?」
  _
( ゚∀゚)「だろうな。あそこの城主は魔物と亜人のコレクターだっつー噂だ」

('A`)「城の名前よ」
  _
( ゚∀゚)「森からそう遠くねえ城だ。堅ぇぜここは」


ココロガピョンピョンスルン城は、森から近いこともあり!!!!!!!!度々魔族から攻め込まれていた!!!!!
故に!!!!!!!!守りは堅く!!!!!!!!!!!保有兵力も多数!!!!!!!!
その気になれば!!!!!!!!いつでも戦争を起こせるのだ!!!!!!!!!!

そして城の名前は気にするな!!!!!!!!!!!!!!かの名作アルファベットだってアニメから取ってただろ!!!!!!!なっ!!!!!!!!???????

28以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:32:27
('A`)「まぁ聞いても無駄だと思うけど、今回は隠密行動だよな?」

(´・ω・`)「……?」
  _
( ゚∀゚)「……?」


キョトンとするマッチョ!!!!!!!溜息を吐く不細工!!!!!!!!!!!


(´・ω・`)「隠密って何……?」
  _
( ゚∀゚)「正面突破以外の選択肢ってあるの……?」


マッチョ小細工を好まず!!!!!!!真っすぐいってぶっ飛ばす!!!!!!!!右ストレートでぶっ飛ばす!!!!!


('A`)←そしてこいつは不細工だ!!!!!!!!!!!!!!!一字違うだけで意味合いが全く別の物になるな!!!!!日本語、難しい!!!!!!!!!!!


(;'A`)「これだから脳筋は……卵を人質に取られたらどうすんだよ」

ξ;゚⊿゚)ξ「ッ、それは困ります!!」

(´・ω・`)「大丈夫だって。こっちの目的をバラさなきゃいいんだし」
  _
( ゚∀゚)「それに、あそこの城主は強欲なコレクターで有名だ。最後の最後まで手に入れたコレクションを潰そうなんて発想にはならないだろうさ」


希望的推測!!!!!!!!!!本当に大丈夫か!!!!!!???????


(;'A`)「オーケイ。なら、あくまで押し入り強盗として突っ込むぞ。卵のついでに金品もいくらか掻っ攫おうぜ」

(´・ω・`)「それは……泥棒じゃん?」
  _
( ゚∀゚)「いくら金がねえからって犯罪はダメだろ……」

('A`)「アンタらがもっと柔軟に仕事をしてくれりゃあ俺だってこんなクソみてえな提案しないでいいんだけどなぁ」


泥棒!!!!!ダメ!!!!!絶対!!!!!!!
マッチョは自分の体で稼いだお金でしか美味しいご飯を食べられないのだ!!!!!!!!!!

29以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:33:23
(´・ω・`)「そんじゃあ、作戦をまとめるぞ」


・ココロガピョンピョンスルン城に真正面から衝突
・並みいる兵士と勇者を真正面から撃破
・城主から卵を真正面から奪還。その後キツいお仕置き
・殺さない(出来るだけ)、盗まない、犯さない。徹底しよう、ヨシ!!


('A`)「作……戦……?」
  _
( ゚∀゚)「最後なんか工場の安全スローガンみてーになってんぞ」


作戦とは名ばかりのごり押し!!!!!!!マッチョは強行突破が大好きだ!!!!!!!!


ξ;゚⊿゚)ξ「……」


頼む場所を間違えたかと不安に思うツン!!!!!!!!しかし!!!!!!マッチョ達は自信と筋肉に満ち溢れている!!!!!!


(´・ω・`)「ご安心ください。必ず息子さんは取り返します」
  _
( ゚∀゚)「大船に乗ったつもりでいろって」


ここぞとばかりに筋肉をアピール!!!!!!!!物理的説得力!!!!!!!
こいつらならきっと何とかする!!!!!!捻じ込むような安心感!!!!!!!!!!!!!!


ξ;-⊿-)ξ「よろしく……よろしくお願いします……!!」


悲痛な懇願!!!!!!!男達の決意はさらに固まる!!!!!!!!!
敵が例え神であろうと勇者であろうと!!!!!!!!母と息子を引き裂く外道には容赦しねえ!!!!!!!!


(´・ω・`)「往くぞ」


カウンターを拳でカツンと叩き!!!!!!男達はすぐさま戦いへと赴く!!!!!!
即日実行!!!!!!!アマゾンもビックリの仕事対応!!!!!!!!!!!

こうして、パンツ一丁の男三人は!!!!!!!!ココロガピョンピョンスルン城へと!!!!!!!!
出撃したのであった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


('A`)「いやパンツだけは寒いわ」


ドクオだけは黒いローブを羽織ったぞ!!!!!!!!!!!人に見せられない恥ずかしい体だからだ!!!!!!!
でも下はパンツ一枚だ!!!!!!変態だ!!!!!!!衛兵さん!!!!!!!!!男の人呼んで!!!!!!!!!

30以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:39:38
―――――
―――



『ノリス』に呼び寄せられた者は、例外なく一つ『スキル』を付与される
それは、日常生活でよく使用されるポピュラーな物から、パワーバランスを根本から覆さねかねない物まで様々だ
スキルレベルに合わせ、E〜SSのレアリティが決められる。当然ながら、レアリティが高いほど召喚率も少ない
それに加え、召喚術を行う者が望むスキルを必ずしも引き当てられるわけではない。有能な人材を揃えるためには、回数をこなす必要があった

『勇者』もしくは『魔王』に選定されるために必要なレアリティは、最低でもC
Cとは、普遍的なスキルの持ち主だが、威力の桁が違っていたり、巧妙な使い方をする人材を指す
それ以下のDは、威力も使い方も並みの普遍的スキル。わざわざ異世界人を使わなくとも、徴収兵で十二分に間に合うような人材だ

Eはに関しては、二通りのパターンがある
一つは、普遍的スキルが『並み以下』だった場合。所謂、落ちこぼれとして扱われるパターン
訓練を繰り返せば、『並み』になれる可能性はあるが、時間とコストを掛けてまで彼らの面倒を見る必要はないという

もう一つは、滅多にない特殊なパターン。『ジャンクスキル』
スキルを付与されたものの、使い物にならなかったり、使い勝手が極端に悪いタイプなどが対象となる
また、発動条件が不明瞭なものも挙げられる。要するに、使い物にならない『ゴミ』として扱われるスキルだ

31以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:40:24
では、高レベルスキル保持者については
現在『ココロガピョンピョンスルン城』城下町に存在する勇者たちを例に挙げて説明をする


( ^ν^) ニュッ・セイキョウ 保有スキル『ランカイ』 スキルレベルS

風を司る巨大な神獣『ストームビースト』を使役するスキルの使い手
攻城兵器を超す身の丈を持ちながら、獅子そのものの身のこなしを見せ、一度咆哮を上げれば竜巻が巻き起こる
さながら、天災である『嵐』。それを意のままに操ることから、『嵐飼い(ランカイ)』と名付けられた

彼は城主の食客として城の警護を任されている


(,,゚Д゚) ギコ・オーキ 保有スキル『M・T・S』 スキルレベルB

詳細は謎だが、肉体強化系のスキルという事だけは周知されている
レベルこそBと見劣りするが、名前を聞けば『セガール』の魔王も震え上がるという実力者
単身で五千の軍勢を相手取り勝利したことから、『一騎当軍』の名を持つ
スキル名のイニシャルにどんな意味が込められているのかは、本人が知るのみである

スタローン国王に正式に認められた、異世界人で唯一の将校であり、階級は将軍。通称『ジェネラル・ギコ』


( ・∀・) モララー・ランドウ 保有スキル『+α』 スキルレベルSS

戦闘を行った相手の『スキル』『長所』『技術』を一つ自身に上乗せするスキル
例えば、ドラゴンから翼を。火の精霊から炎の生成を。剣士から腕前を
上乗せできる長所に限界はなく、例えば、複数のドラゴンから一つずつ長所を奪っていけば、ドラゴンという『生物としての』ほぼ全ての能力を扱えることができる
現段階で陸・海・空すべてのシチュエーションで敵を圧倒できる長所数を誇り、スタローン最強の一角を成す勇者

フリーの冒険家として、そして真の勇者として、仲間と共にノリスの統一を目指して旅をしている

32以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:42:12
そんな、スタローンでも指折りの実力を持つ彼らが


( ^ν^)「……」


(,,゚Д゚)「……」


( ・∀・)「えーと……」


一つの場所に集まっているのは、とても珍しいことであった



(;・∀・)「お、お久しぶり、です……」


ココロガピョンピョンスルン城は、決して小さな城ではない
『森』という国境からほど近いこの城は、敵である『セガール』から攻め込まれることが多々ある
それ故、城の守りは強固であり、兵士や住人の数も多い。森から得られる資源やアイテムの加工、流通も行っているため、交易都市としての面もある
市場は武具や装飾品を作る職人や、それを売りさばく商人、依頼を受けて原材料を獲りに行くハンターなどで賑わっている


そんな賑わいの中、冒険者に向けた討伐クエストなどの仲介斡旋を行う酒場では


( ^ν^)「……」


不機嫌そうな顔で真昼間からエールを傾けるニュッと


(,,゚Д゚)「ああ、暫くだな」


それを戒めていたギコと


(;・∀・)「お元気そうで……」


クエストの報告に来たモララーが、一堂に介していた

33以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:43:00
从'ー'从「ああ〜、いけないんだぁ〜!!お酒は夜になってからなんだよぉ〜?」


モララーの背後からひょっこり顔を出した少女の顔を見て、ニュッはあからさまに舌打ちをした


( ^ν^)「失せろガキ。消し飛ばすぞ」

从'ー'从「はわわ〜、かわいいニャンニャンがいないとなーにも出来ない人の脅しは怖いです〜」

( ^ν^)「……」


ジョッキに残ったエールを一気に呷ったニュッは、それを乱暴にテーブルに叩きつけ
傍らに立てかけていた杖を手に取り、立ち上がった


( ^ν^)「表出ろよ、乳臭いお嬢ちゃん。『お人形遊び』に付き合ってやる」

从'ー'从「あれれ〜?どうして女子供相手じゃないと喧嘩も売れない男の人に付き合わないといけないの〜?」

(;・∀・)「やめなさいナベちゃん!!すみませんニュッさん!!」


一発触発の二人の間に、モララーが割って入り深々と頭を下げる
必死の謝罪を受けたニュッは、空のジョッキを一瞥し、再び舌打ちをつき席に着いた


( ^ν^)「残しときゃあ良かったぜ。なぁギコ、せっかく愉快なものが見れるチャンスだったってのに」

(,,゚Д゚)「馬鹿が、それこそ取り返しがつかなくなるぞ。それより、さっきの話だが」

( ^ν^)「断ると前から言ってるだろ死ね」

(,,゚Д゚)「何故だ?自堕落に生活するより、将として人々の役に立つ方がよっぽど……」

( ^ν^)「テメーの価値観なんざ知るか。それに、俺よかそっちのメスに囲まれてフラフラしてるボケを誘え」

(,,゚Д゚)「彼は我々とはまた別のアプローチでノリス統一の為に尽力してくれている。スキルを腐らせているお前と違ってな」

34以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:44:17
( ^ν^)「ハッ、俺から言わせて貰えば、こんな世界に呼び寄せた身勝手な連中に尽くす方がどうかしてる」


『真っ平だ』と言わんばかりに頭を振り、立ち上がって出口へと向かった


(,,゚Д゚)「待て、話は終わってないぞ!!」

( ^ν^)「あーそうかい、そんじゃあ一人で好きなだけ喋ってろ。俺は帰ってクソして寝る」


スイングドアを押しのけ、ニュッは雑踏の中へと消えた
ギコはそれを追わず溜息を吐き、さっきまでニュッが腰かけていた椅子に座った


(,,-Д-)「ハァ……」

( ・∀・)「お疲れのようですね……」

(,,゚Д゚)「見ての通り、な」

从'ー'从「チンチンも勃たなさそ〜」

(;・∀・)「ナベちゃんごめん先に宿に戻っといて」

从'ー'从「ええ〜?お菓子買ってくれるって言ったのに〜?」

(;・∀・)「買って帰るから」

从'ー'从「ふた……三つ?」

(;・∀・)「足下見たね今。わかったよ、買って帰るから」

从*^ー^从「えへへ〜。じゃあ、後でね〜」


軽い足取りで酒場を後にしたナベを見届けたモララーは、対面の席に着き店員を呼ぶ

35以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:45:09
( ・∀・)「リンゴジュース二つ。あと適当なおつまみを」

Ω「あいよー」

(,,゚Д゚)「待て、俺は長居しないぞ」

( ・∀・)「まぁまぁ、ここは僕が持ちますから」


朗らかにそう言われたギコは、他に断る理由も思いつかず言葉に甘えることにした
程なくして、注文の品がテーブルに届く。二人は木製のコップを手に取ると、軽くたたき合わせた


( ・∀・)「この世界に来てよかったと思える所の一つは」


リンゴジュースを飲み、満足そうに息を吐く


( ・∀・)「ご飯がビックリするほど美味しい事ですね」

(,,゚Д゚)「確かにな。だが、俺はたまに添加物まみれのインスタント食品が恋しくなる」

( ・∀・)「……まだ、元の世界に未練が?」

(,,゚Д゚)「当然だ」


即答。モララーの形の良い眉が僅かに歪む


( ・∀・)「……発言には気を付けた方が良いかと、『将軍』」

(,,゚Д゚)「持ち上げられるためにその地位に就いたわけではない。この国の上に立てば、元の世界へ帰れる手段が見つかるかと思ったからだ」

(,,゚Д゚)「……結局、成果は無いが」

36以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:46:12
( ・∀・)「勿体無いと、思わないのですか?」

(,,゚Д゚)「……どうかな」


ギコは、おつまみとして運ばれてきた豆菓子を頬張り、ジュースで流し込んだ


(,,゚Д゚)「確かに、ここに来て得られたものも多い。仲間や、地位や、元の世界じゃ絶対に見られない風景」

(,,゚Д゚)「だが、ここじゃ得られないものだって沢山ある。両親や兄弟、昔の俺を知る古い友人」

(,,゚Д゚)「見もしないのに流すテレビのBGM、大して面白くもないスマホゲーム、毎朝うんざりさせられる通勤ラッシュ……」

(,,゚Д゚)「何でもないことが、今となってはとても懐かしい。郷愁と、言うのだろうな……」


( -∀-)「……考えは、変わらないようですね」


少し寂しい表情を見せるギコの顔に、モララーは目を細めた


(,,゚Д゚)「お前こそどうなんだ?帰りたいと思わないのか?」

( ・∀・)「まさか」


豆菓子を一つ手に取ると、親指で真上に飛ばし口でキャッチした


( ・∀・)「ごく普通の高校生だった僕が、ここじゃ英雄です。あんな退屈な世界に未練はありません」

(,,-Д-)「……ご両親も、心配されていると思うが?」

( ・∀・)「どうだか。元々、兄ばかり気に掛けて僕には興味が無かったようですからね」

37以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:46:57
ギコはそれ以上、何も言わずジュースを飲み干し立ち上がった
『若いな』。そう思ったが、口には出さなかった。彼の自尊心を無意味に傷つける必要はないと考えたからだ


(,,゚Д゚)「ごちそうさん。暫くこの街に滞在するなら、声をかけてくれ。今度、飯でも食おう」

( ・∀・)「ええ、是非」


席を丁寧に整え、ギコは通りへ出る


(,,゚Д゚)「……」

(,,-Д-)=3「ふぅー……」


疲れていた。この世界にも、将軍という立場にも、元の世界に変える手段の模索にも
いっそ、全てを受け入れて生きようかとも考えたこともあったが、故郷への想いはそう簡単に手放せるものではない


(,,゚Д゚)(お前らが羨ましいよ)


割り切り、適応した二人に、時折イラつきと羨望を覚える
それでも、自分は変わることが無いのだろうとも感じていた。前にも後ろにも進めず、その場で足踏みをしているだけ
その瞬間にも、時と言う真綿は首を絞めていく。『諦め』という境地にたどり着くまで


(,,゚Д゚)「……」


彼は欲した。変化を、元の世界に戻りたいという同志を
それを知ってか知らずか。その『両方』が、すぐ間近まで迫っていた―――

38以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:48:14
―――――
―――



( ・∀・)「ただいまーっと」


宿屋の四人部屋の扉を開けると、真っ先に彼の胸に小さな女の子が飛び込んだ


从*^ー^从「えへへ〜。お帰り〜♪」


先刻までニュッを挑発していた『ウィッチ』のナベが、胸元から彼の顔を見上げる
もうこの時点で執筆してる私のSAN値はガリガリ減っているのだが、話の展開上やめるわけにはいかないのであった


( ・∀・)「はいはい、いい子に……」


視線を部屋の中へと向けた彼の目に、まず最初に飛び込んで来たのは


(゚、゚トソン「……」

ζ(゚ー゚*ζ「……」


下着姿の二人の美女であった。ああもう嫌だ。なんでこんなクソみたいなシーンを書かないといけないのだろうか


( ・∀・)「」


一瞬、時が止まり
二人の顔が羞恥と怒りで真っ赤に染まっていき



「「きゃああああああああああああああああ!!!!!!」」


耳を劈く悲鳴が、宿屋中に響いたのであった

39以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:49:10
(゚、-#トソン「何時になったらノックを覚えるんですか貴方は!!」

(メ)∀・)「はい……反省してます……」


強烈なビンタを喰らったモララーは、床に正座をし説教を受けていた
何度も注意されたものだが、『何故か一向に』学習する気配がない


(゚、-#トソン「全く……見たいなら素直にお願いすれば私だって……」

(メ)∀・)「ん?何か言った?」

(゚、゚#トソン「なんでもありません!!」


素直になれないツンデレエルフ『トソン』の呟きは、ビンタの衝撃による長い耳鳴りによってモララーに届かなかった
この『難聴』も、何故か似たようなシチュエーションで度々起こるものだった。早く死ねばいいと思った


ζ(゚ー゚;ζ「ほ、ほら、もうその辺にしよ?ね?」

(゚、゚#トソン「……わかりました。デレに免じてここまでにしておきます」

(メ)∀・)「寛大な処置に感謝いたします」


デレと呼ばれた少女は、しゃがみ込んでモララーの赤い頬に手を添える


(*メ)∀・)「だっ、大丈夫だよこれくらい」

ζ(゚ー゚*ζ「いいから」


柔らかな緑の光が、腫れた頬を包み込む


ζ(^ー^*ζ「ん、よし」

(* ・∀・)「……」


すっかり元通りに治った頬を、モララーは照れくさそうに人差し指で掻く
デレは戦闘能力こそ無いものの、随一のヒーラーであった。その能力と同じく、性格も穏やかで優しみのある幼馴染のような存在である

40以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:50:22
从'ー'从「で〜、お金はいくらもらってきたの〜?」


モララーの手荷物から勝手にお菓子を引き出し頬張っているのは、元魔族の『ワタナベ』だ
『ジャム・メイカー』の異名を持つ彼女は、かつて残虐の限りを尽くしたウィッチであったが
モララーとの戦闘に敗れ、それ以降『スタローン側の戦力』として行動を一緒にするようになった


( ・∀・)「この通り」


ベルトに結び付けていた小袋の中身をテーブルへと開け出す
軽い音を立て転がり出たのは、色とりどりの宝石だった


(゚、゚トソン「害鳥駆除の報酬としては破格ですね」


トソンはその中の一つを手に取り、明かりに透かす
紅の宝石の内部で、いくつもの花火が打ち上げられている
『ファイアフラワー・ルビー』と呼ばれる、セガール東部で掘削される貴重な宝石である


( ・∀・)「ありがたいよ。これで軍資金がグンと増えた」

(゚、゚トソン「セガール攻略の日はそう遠くないでしょうね」


モララーの一行はこうして各地でクエストをこなし、セガール侵攻の足掛かりとしての資金を集めていた
装備、軍勢、兵站等、戦争には金が掛かる。高ランクスキル保持者だとしても、一人で平和を掴めるほどこの世界は甘くないのだ


( ・∀・)「それに、城主とのコネクションを築けたのも大きい。前線に近いこの城の兵力と防御力は是非とも必要だからね」

从'ー'从「ハゲだけどね〜」

(;・∀・)「その言葉一つで関係が瓦解するから、絶対に言わないでね?」

41以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:51:30
ζ(゚ー゚;ζ「……」

(゚、゚トソン「デレ、どうしました?」


一人浮かない顔をしているデレに、トソンが声を掛ける


Σζ(゚Д゚;ζ「ふえっ?」

(゚、゚トソン「顔色が優れないようですが……?」

ζ(゚ー゚;ζ「あっ……その……ちょっと、思い出しちゃって」


先日のクエスト『ハーピィ殲滅戦』の事であった
集落のボスらしきオスのハーピィが、炎に焼かれ、矢に穿かれ、ゴーレムに下半身を潰されて尚
一矢報おうとデレの目前にまで迫ったのだ。その鬼気迫る様は、トドメを刺したモララーですら戦慄を覚えるほどだった


( ・∀・)「大丈夫だよ。一羽残らず倒したから、報復になんて来やしない」

从'ー'从「狩猟鳥獣の分際でしぶとかったよね〜」

ζ(゚ー゚;ζ「うん、でも……」


ζ(゚ー゚;ζ「私達は、ハーピィをあれだけ猛らせるほどの事をしたんだって思うと……」


室内がひやりと冷たく、静かになる感覚が、デレには広がった
しかし、その他のメンバーは違った。何食わぬ顔で菓子を頬張り続けるワタナベに


(゚、゚トソン「狩りにはあのような場面は付き物です。慣れますよ、デレ」


それが『当たり前』だと言わんばかりのトソン

42以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:52:45
( ・∀・)「デレ、気持ちはわかるよ」


モララーはデレの手を、自らの両手で優しく包み込んだ
柔らかな掌の感触と暖かみに、彼女は自分の顔に血が上っていくのを感じる


( ・∀・)「僕たちはハーピィにとって非道を行った。でも、これは平和の為に必要な行いだったんだ」

( ・∀・)「『大いなる力には、大いなる責任が伴う』……これは、僕一人の罪で、責任だ。罰はいずれ下る」

ζ(゚ー゚;ζ「そんなっ……」

( ・∀・)「それでも僕は、スタローンの為に……君たちの為に、この手を汚したい。礎となりたい」

( ・∀・)「平和になった後の世で、もし許されるのならば……また君たちと」


真に迫るモララーの言葉は、乱暴なノックの音で中断された


「モララー・ランドウ殿!!居られますか!!」


(゚、゚トソン「ッ」

( ・∀・)「待って、僕が出る」


咄嗟に弓と矢を構えたトソンを制し、モララーは短刀を握った右手を背中で隠しドアノブに手を伸ばす
ゆっくりと扉を開くと、見知った兜と甲冑が目に飛び込んだ。ココロガピョンピョンスルン城の近衛兵である


(;T)「お休み中、申し訳ございません!!城主から火急の応援要請です!!」

( ・∀・)「一体何が……?」

43以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:53:10






(;T)「『蝙蝠』が現れました!!」







44以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:54:01
―――――
―――



時は数刻前に遡る


( ^ν^)(最悪だ……)


自宅に帰り、惰眠を貪ろうとした矢先


(´^_ゝ^`)「いやぁ〜、惚れ惚れするよねぇこの模様。どう思う?」

( ^ν^)「そっすね」


ココロガピョンピョンスルン城主、デミタスに呼び止められた
亜人や魔獣マニアである彼は、事あるごとにクエストを発注し、『コレクション』を集めている
新しく手に入れたそれを、どうしても誰かに見せびらかしたいのだろう。彼の食客であるニュッは、その相手をさせられることが多かった


(´^_ゝ^`)「はぁ〜〜〜〜、いつもながらモララーくんはいい仕事をしてくれるよぉ〜〜〜〜。孵化寸前の、しかも緑眼のレア種のハーピィの卵ときた!!」


卵を撫でながら頬ずりする様に、ニュッは唾棄しそうになったが
雇って貰っている立場、我慢せざるを得なかった


(´^_ゝ^`)「知ってるかい?ハーピィも他の鳥類と同じく、孵化してから最初に見た顔を親だと認識するんだ」

( ^ν^)「へーそうなんすかー」


適当に返事する。耳にタコが出来るほど聞かされた話だ
端から見れば失礼極まりない態度だったが、デミタスは気にも留めず話を続ける


(*´^_ゝ^`)「コレクター仲間に自慢できるよ〜〜〜〜。何てったって!!レア種の!!ハーピィを!!ペットにするんだから!!」

( ^ν^)「……」

45以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:55:31
( ^ν^)(『ペット』、ねぇ)


ソファーの背もたれに頭を乗せ、チラリと視線を横に向ける
ちょっとした大会議室ほどの広さの部屋には、獣の剥製が所狭しと並んでいるいた
獣だけならまだマシな部類だろう。中には、ケンタロウスや人魚といった亜人も含まれている

『ニュートラル』の卵、幼体の亜人を攫っては育て、飽きたら殺して剥製として飾る
デミタスの悪癖を知る者は少ない。コレクター仲間か、部下の一握りか、ニュッのように個人的契約で結ばれている『勇者』か
恐らくは、彼のクエストを受注したモララーも。スタローンの将軍であるギコですら、この部屋の存在を知らないのであろう


( ^ν^)「……」


ニュッは所謂『用心棒』として雇われているが、仕事内容にしては法外の賃金と待遇を受けている
雇われてから半年近く経つが、『ランカイ』を扱ったのは二度ほど。どちらも、セガールとの小競り合いを終わらせた程度の簡単な仕事だ


(´^_ゝ^`)「いや〜、楽しみだ……」


デミタスの本当の狙いは、ニュッの戦闘力ではなく、彼が使役する『ストームビースト』
金の力で自らの手短に置いておき、機会を伺い奪い取る気でいるのだろう


( ^ν^)(面倒くせえ)


当然、おいそれと手渡す気は毛頭ないニュッは、絞れるだけ絞ってから逃げ出そうと考えていた
交易都市を纏める一城主だ。無駄遣い出来るほど金は有り余っている
自分を超えるスキル所持者を雇うくらい、訳ない筈だ。例えば、『モララー』


( ^ν^)(ま、それはねえと思うけどな)


いけ好かない青年ではあるが、仕事の分別は身についている
『勇者』としての信用、矜持に背くような真似はしないだろうと踏んでいた

46以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:56:36
しかしながら、人としての『モララー』に対して、ニュッは半ば不信感を抱いていた
異世界に来て『人が変わる』ことはよく聞く話だ。例えば、元世界では日陰者として生きていた者が
『スキル』という力を手にして、横暴にも等しい活躍を見せ脚光を浴びる人気者になるなど

特に高レベルスキル保持者には、異世界人も強気に出ることが出来ない。彼らの機嫌を損ねれば、『刃の切っ先』を向けられかねないからだ
特に、先ほど例として挙げた元日陰者などはプライドの塊のようなものだ。気に食わなければスキルを行使し、自らの尊厳と地位を周りに知らしめる
カースト上位に立つことで得られる、所謂一種の『支配欲』に囚われ、それに準じて行動をする
だから、自分より上の立場にいる人間に噛みつき、あわよくば蹴落とそうと作為する

本人にその自覚があるのかは定かでは無いが、少なくともニュッには、モララーがその手の人間に見えた
『心の贅肉』とでも言うのだろうか。モララーがスキルで強くなればなるほど、無自覚の自尊心が積み重なっていく
名声を浴び、富を得て、美女に囲まれた人間が、『まとも』なままで居られるワケがない。それが、元々は『どこにでもいる普通の人間』なら尚のこと
今まで手に出来なかったものを、もっと求める。際限なく求める

この世界にある何もかもを手にするまで、『飢え』が満たされることはない


( ^ν^)「……」


( ^ν^)(気分が悪ぃ……)


悪酔いに、悪い機嫌。更には不気味な部屋とペラペラとどうでも良いことを垂れ流し続ける雇い主
適当な言い訳をして、サッサと家に帰ろうと腰を上げた瞬間。扉が乱暴に開け放たれた


(;T)「失礼します!!」


飛び込んできたのは、甲冑と兜を着けた衛兵の一人であった

47以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:57:52
(;´^_ゝ^`)そ「な、何事〜〜〜〜〜?」


驚いてはいるが、卵を大事そうに手放さないあたり良い根性をしている


(;T)「ああ、セイキョウ様もご一緒でしたか!!」

( ^ν^)「あ?俺が出張るほどの用か?」

(;T)「警戒レベル『狂』です」

( ^ν^)「はっ?」


『勇者』は、マヌケな声を上げただけだが


(´ ゚_ゝ゚ `)「」


『城主』は、それすら出来なかった


警戒レベル『狂』とは、『セガール軍数万の襲撃』もしくは『ランクS以上のスキル保持者複数人の襲撃』
言うまでもなく大事だ。それほどの戦力が動く場合、当然『諜報』からの前情報が入って然るべきである
『勇者』『魔王』どちらにも、隠密や情報収集に長けたスキル保持者は存在する。その上で、高度な情報戦が繰り広げられているのだ


(;´ ゚_ゝ゚ `)「なっ、えっ!?軍!?魔王!?」


( ^ν^)(違う)


備えが無ければ、城一つなど簡単に吹き飛ぶレベルの危険度。諜報部隊が見逃すはずがない
では、『セガールからの襲撃ではない』とするならば。残すところは一つしかない
そしてその『一つ』から、『狂』レベルまで警戒されている人物と言えば、それも一人しか居なかった


(;T)「蝙蝠……」






(;T)「『万屋の蝙蝠』、他二名が此方へと近づいています!!!!!」






48以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:58:45
(´ ゚_ゝ゚ `)「」


城主は白目を剥き、持っていた卵をそっと、そぉっとクッションを敷いた強化ガラス箱の中に入れ、鍵を閉めた


(´ ゚_ゝ゚ `)「軍を出せ……」

(;T)「如何ほどですか!?」

(#´ ゚_ゝ゚ `)「動かせるだけ動かせぇぇぇーーーーー!!!ギコ将軍にも連絡しろ!!行け!!」

(;T)「ハッ!!」


衛兵はすぐさま部屋の外に飛び出していった
デミタスは気が気ではないようで、親指の爪を噛み始める


(;´ ゚_ゝ゚ `)「何故この城に……?クソ……向こう側の連中だけ相手してくれればいいものの……何だ……要求は……?」

( ^ν^)「さっきまで頭の代わりに抱えてたモンでしょうよ」

(´^_ゝ^`)「あら洒落が効いてるね☆」

(#´ ゚_ゝ゚ `)∴「ってアホかぁ!!洒落効かしとる場合かァ!!さっさとおめーも向かえ穀潰しがぁ!!」

( ^ν^)「へいへい……」


杖を手に取り、衛兵に続いて部屋を出る
不思議と、酔いと気分は晴れていた。今し方口走った自分の洒落にクスリと笑ってしまうほどに―――――

49以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 00:59:28






♪DMX - X Gon' Give It To Ya
https://www.youtube.com/watch?v=fGx6K90TmCI








50以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:00:22
城外からちょっと離れた所を!!!!!!!!!!三人の男たちが!!!!!!!!!悠然と歩く!!!!!!!!!!!


(´・ω・`) ショボン!!!!!!!!!!

  _
( ゚∀゚) ジョルジュ!!!!!!!!!


('A`) クソ貧弱童貞野郎!!!!!!!!!!!しかも不細工!!!!!!!!!!


仕事の依頼を受けたのが半日前!!!!!!!そしてココロガピョンピョンスルン城はMEETから早馬で二日の距離!!!!!!!!!
つまりマッチョの脚なら半日あれば余裕で到着する!!!!!!!!!!マッチョってすごい!!!!!!!!!


(´・ω・`)「なんかがやがやしてない?」
  _
( ゚∀゚)「アレじゃね?ラブライブのファイナルライブとかやってたんじゃね?」

('A`)「マジかよもう帰りたいんだけど」


城内ですぐに出動できた兵士が慌ただしく隊列を組んでるけど!!!!!!なんでそんなんしてるのか意味わからへん三人は!!!!!!
呑気!!!!!!!!!!!!!非常に呑気!!!!!!!!!!!マッチョは心もマッチョなので慌てたりしない!!!!!!!!


( T)「構えぇぇぇーーーーーーーーーー!!!!!!」


(´・ω・`)「えっ?なんか前列、弓構えてない?」
  _
( ゚∀゚)「最近のオタ芸は凝ってんな」

('A`)「アイドルアニオタネタいつまで引っ張るの?これいつになったらシリアスパートに入るの?」

51以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:01:24
( T)「ってええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!」


号令と共に!!!!!!!!!!警告なしに大量の矢が放たれる!!!!!!!!
どれくらい大量かって言うと!!!!!!!!!映画『300』で序盤にペルシア兵が放った量くらいだ!!!!!!!盾があれば安心レベル!!!!!!どってことない!!!!!!

しかしこの三人!!!!!!!!!!盾どころか服すらまともに着てない!!!!!!!!!!ピンチだ!!!!!!!!!

  _
(;゚∀゚)「おいおい物騒だな〜。ちゃんと人がいないか確認しとけよスタッフ〜」

('A`)「つーか矢を放つオタ芸ってなんだよ。戦国時代でもそんなことしねーよ」

(´・ω・`)「ジョルジュ、『アイサツ』してやれ」
  _
( ゚∀゚)「アイカツ?」

('A`)「挨拶」
  _
( ゚∀゚)「アッハイ」ググッ……


ジョルジュ!!!!!!!!右腕を高く掲げて力む!!!!!!!!!!力が入ってる!!!!!!!!!
迫る矢!!!!!!!!!!刺さったら痛い!!!!!!!!!!マッチョでもちょっと泣く!!!!!!!!

  _
(#゚∀゚)「うおおおおおおおお!!!!!これが俺の……!!!!!」


高く振り上げた腕を!!!!!!!!!!降ろす!!!!!!!!!!

  _
(#゚∀゚)「『おっぱいタイフーン』だ!!!!!!!!!」グオオオオオオオッバアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!


巻き起こるは!!!!!!!!!巨大な竜巻!!!!!!!!!技名がダサい!!!!!!!!
ズッコケ三人組の頭上スレスレまで落ちてきた大量の矢は!!!!!!!四方八方に巻き飛んだ!!!!!!!!!

52以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:02:15
この竜巻は彼の筋肉だけによる所業なのか!!!!!!!!!!??????


否!!!!!!!!!!!


これは彼の持つスキル『空力使い』も絡んでいる!!!!!!!!!!ぶっちゃけると超電磁砲の佐天さんの能力だ!!!!!!!!
なんか風とか起こせる!!!!!!!!!!すごい!!!!!!!!!!


召喚時の彼のスキルレベルは『E』!!!!!!!!!!つまり葉っぱ舞い上がらせる程度の威力しか持たなかった!!!!!!!
しかしそれは!!!!!!!!!!『スキル』のみを行使した場合に限る!!!!!!!!!!

そこに!!!!!!!!!!!!『筋力』を!!!!!!!!!!!!!!森で鍛え上げた筋力を上乗せすれば!!!!!!!!!!!

  _
(;゚∀゚)「あっやべえ加減ミスった。ラブライバーの人たちもちょっと吹き飛ばしちゃった」


『S』と対等に並ぶ威力の暴風を巻き起こせるのだ!!!!!!!!!!つまりほぼ筋肉による力だ!!!!!!!!!
は!!!!!!!!??????何!!!!!!!!!????暴論だって!!!!!!!!!??????
お前それゆでたまご大先生の前でも同じこと言えんの!!!!!!!!!!!!?????????????


(´・ω・`)「お前アレ城壁にペシーンって埋め込まれてんじゃねえか。これがギャグじゃなかったらグチャグチャだぞ」
  _
(;゚∀゚)「ひゃー、ギャグで良かったぁ〜ふぅ〜」

('A`)「良くねーよもう完全に戦争始まるやつじゃねーか」
  _
(;゚∀゚)「えっ?俺らアイマス派代表なの?」

('A`)「そろそろアイドルアニメから離れないかなぁ」

(´・ω・`)「俺アイマス全然詳しくないけど卯月ちゃんめっちゃ可愛いと思う」

('A`)「うん、そろそろ真面目にやろう?な?」

53以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:03:03
<やべえよやべえよ……あんなの俺らがどうにかできるアレじゃねえよ……

<マジやべえよ……給料に見合わねえよ……

<やべえ一体感を感じる……今までにない何かヤバい一体感を……


集まった兵士も!!!!!!!!!竜巻一発でこの体たらく!!!!!!!!!
広がるマジやべえの輪!!!!!!!!!!!!!伝達速度もやべえ!!!!!!!!!!

戦に置いて動揺は好機!!!!!!!!!!!この男がそれを見逃すはずがない!!!!!!!!!!


(´・ω・`)「スゥーーーーーーーー……」


(#´゚ω゚`)「オルrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrラァ!!!!!!!ココロガピョンピョンスルン城主、デミタスボケオラァ!!!!!!!!!!!!!!」


空気震わせる怒号!!!!!!!!!金玉が縮み上がる兵士たち!!!!!!!!!


(#´゚ω゚`)「テメーーーーーーーーーーーーが持ってるハーピィの卵、今すぐ耳そろえて返せやボケオラカスゥ!!!!!!!」


('A`)「だから何で言っちゃうかなぁ目的をさぁ」


マッチョは考えない!!!!!!!!!!もし目の前になんか変な奴が居たら殴る!!!!!!!関節も曲げる!!!!!!!


(;T)「ひええええええええええ!!!!」


兵士は腰を抜かす!!!!!!!!!!!戦場で血みどろになりながら魔族をぶち殺す強者もビビる!!!!!!!

54以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:03:33
(;´ ゚_ゝ゚ `)そ「ひえええええええ!!!!????なんでえええええええええ!!!!????」


デミタスはおしっこ漏らす寸前だ!!!!!!!!インガオホーである!!!!!!!


(,;゚Д゚)「兵は引き上げるべきですね。意味を為さない」

(;´ ゚_ゝ゚ `)「カカシどもが〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」


高見台からも分かる!!!!!!!!兵士たちの狼狽が!!!!!!!!!
動ける人間集めて三千!!!!!!!!!その全てがひええってなってる!!!!!!!!!!


(,,゚Д゚)「城外にいる全ての兵を引き上げさせましょう。交渉に持ち込みます」

(#´ ゚_ゝ゚ `)「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!????問答無用でぶち殺せよ〜〜〜〜〜!!!!!!!俺ァ絶対ハーピィの卵を返さねえからなぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!!????」

(,,゚Д゚)「『蝙蝠』が何者かよくお分かりになってないようすね」

(#´ ゚_ゝ゚ `)「わかっ!!!!!!!!!!てるよ!!!!!!!!!!ランクSSの『宇宙大魔王』とセガール軍三万を一人でボッコボコにして土下座させて森の植林活動手伝わせたっつー逸話を持つ変態野郎だろ!!!!!」

(,,゚Д゚)「おや失礼、よくご存じで」

(#´ ゚_ゝ゚ `)「でーーーーーーーーーーもそれは!!!!!!!セガールの兵士と魔王がクソ雑魚だっただけの話だ!!!!!こっちには高ランク勇者が三人も!!!!!!!しかも一人はスタローン最強のSSランクだぞ!!!!!!」

(,,゚Д゚)「ええ。でしたら、どうするべきかお判りでしょう」

(#´ ゚_ゝ゚ `)「ッ……おい!!」


伝令兵に乱暴に命令を下す城主を置き!!!!!!!ギコは高見台をゆっくりと降りる!!!!!!!!!!


(,,゚Д゚)「……負け戦か」

(,,゚Д゚)「やはり将校など、ロクなものではないな」

55以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:04:35
('A`)「あ、なんか兵士引いていくな」
  _
(;゚∀゚)「やっべ……竜巻なんか起こしちゃったからライブ中止にしちゃったのかな?」

(´・ω・`)「やだ〜、オタクの人たちって野蛮だからこわ〜い」

('A`)「オタクの人たちだってパンツ一丁のマッチョは怖いよ」


ココロガピョンピョンスルン城の緊張を余所に!!!!!!!ド変態三人組はゆっくり歩く!!!!!!
近づいてくる変態に!!!!!兵士たちは蜘蛛の子散らすように逃げていく!!!!!変態は近づくと恐い!!!!!


('A`)「これもう終わったんじゃね?割とサクッと返してくれるんじゃね?」

(´・ω・`)「いやぁ、そう簡単に済む依頼じゃないから」



(,,゚Д゚)「……」

( ^ν^)「……」



(´・ω・`)「彼女は『目玉』を差し出すんだよなぁ」

('A`)「本当になぁ」
  _
( ゚∀゚)「楽しくなってきやがった」


三千の兵の代わりに現れたのはたった二人!!!!!!!!!
しかし、一人で一騎当千の実力を持つ!!!!!!つまり実質二千の戦力!!!!!!アレ!!!!????減ってない!!!????


(,,゚Д゚)「止まれ!!要求を聞こう!!」


(#´゚ω゚`)「断るーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!死ねーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!ぶっ殺すーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
  _
( ゚∀゚)「ウッソだろマスター」

('A`)「殺さないんじゃねーのかよ」


(,;゚Д゚)「い、一蹴じゃないか……卵がどうのこうの言ってたな?ニュッ、何か知ってるのか?」

( ^ν^)「お前の知らないクソ城主の悪癖と、金に釣られた優等生クソ勇者がやらかしたんだろうよ……」

(,;゚Д゚)「頭が痛むな……」


マッチョはテンションだけで話す!!!!!!!!!!!後叫ぶ!!!!!!!!!!
歩くのは止めない!!!!!!!!近づいて!!!!!!!殴る!!!!!!!!!!!

56以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:05:15
二組の距離は近づいていく!!!!!!戦いの幕開けは近い!!!!!!!!!


(,,゚Д゚)「どうする?このままだと戦闘になるが」

( ^ν^)「倒せると思うか?」

(,,゚Д゚)「無理」

( ^ν^)「じゃあ出来る限り善処するしかねえだろ。言い訳が出来る程度にな」


ギコは甲冑を外した!!!!!!!!!剣も放り投げた!!!!!!!!
ニュッは杖を振り上げた!!!!!!!杖の先端に付いた宝石的な何かが光った!!!!!!

  _
( ゚∀゚)「どっち?」

(´・ω・`)「将軍は俺。神獣使いはお前」

(´・ω・`)「あ、俺が将軍って意味じゃ無くてな?」
  _
( ゚∀゚)「一々説明しなくても分かる。オッケ」

('A`)「俺は?」

(´・ω・`)「卵持って来い」


ええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!???????一番ヤバそうな仕事ををクソ貧弱童貞野郎にさせんの〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!?????


('A`)「余裕過ぎて欠伸とか出るわ」

(´・ω・`)「他に何が出るんだ?」

('A`)「チンコ」


自信満々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!????????ちゃんと仕事できるの〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!?????

57以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:05:47
('A`)「悪ぃな、通るぜ」


構えを取るギコとニュッの間を!!!!!!!!物おじせず通ろうとする不細工!!!!!!!


(,,゚Д゚)「通すと思うか?」

( ^ν^)「死ね」


ギコ!!!!!!!!!!中段から正拳突きのモーション!!!!!!!!!
ニュッ!!!!!!!!!杖の先端から風の刃を生成する!!!!!!!!!


('A`)「お前らの意思は関係ねえ」


ドクオ!!!!!!!!!!!避けもしない!!!!!!!!必要が無いからだ!!!!!!!!!!


(#´゚ω゚`)「おおおおおおおおおおおおっしゃあああああああああああ!!!!!!!」


ショボンの……拳!!!!!!!!!!!

  _
(#゚∀゚)「うらああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」


ジョルジュの……風!!!!!!!!!!


(,,゚Д゚)「ッ!!」

( ^ν^)「チッ!!」


お互いの攻撃が……相殺され!!!!!!


('A`)「俺が通るっつったら、『通る』んだよ」


ドクオ!!!!!!押し通る!!!!!!ココロガピョンピョンスルン城へ侵入!!!!!!!!!

58以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:06:47
(,;゚Д゚)「重い拳だな……!!蝙蝠!!」

(´・ω・`)「マッチョは体が資本」


『一騎当軍』VS『万屋の蝙蝠』!!!!!!!!!


( ^ν^)「『暴風右腕』、ジョルジュか。風使いとして光栄の相手だな」
  _
( ゚∀゚)「『ランカイ』、ニュッとお見受けした。楽しもうぜ、なぁ!!」


『ランカイ』VS『暴風右腕』!!!!!!!!!!!


お待ちかねの超絶バトルの開始だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


(,,゚Д゚)(だが……)


開始の前に!!!!!!!!胸中に不安!!!!!!!!!!


( ^ν^)(誰だあいつは……)


なんかかっこいい異名を持ってる二人!!!!!!!!!頑張って考えた!!!!!!!!!!
しかし!!!!!!!!不細工で貧弱で過剰な自信しか持ってなさそうなドクオに!!!!!!そんなもんあると思う!!!????

それでも!!!!!!!ショボン、ジョルジュという変態が連れてきた変態!!!!!!!!
ただの変態の訳が無い!!!!!!!!!変態という枠組みだけで『ただ』の人間じゃないと思うが!!!!!!!!!


('A`)「大丈夫かなぁ」


(,,゚Д゚)(しかし、城内にはあいつが居る……)

( ^ν^)(負けるたぁ考えにくいな……)


ココロガピョンピョンスルン城に残っている勇者は一人!!!!!!!!!しかも女連れだ!!!!!!!

59以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:07:43
―――――
―――



( ・∀・)「近隣住人の避難は?」

ζ(゚ー゚*ζ「今し方終わったよ」

( ・∀・)「よし、備えあればってね」


デミタスの屋敷前!!!!!!!!城主直々の命令で警護を固める四人!!!!!!!!!!


(゚、゚トソン「結界内に一人侵入しました。迎撃しますか?」

( ・∀・)「ダメ。まずは話し合いからだよ」

从'ー'从「めんどくさ〜。金玉潰してジャムにすればいいのに〜」

(;・∀・)そ「グロイよ!!ダメだって『ヒューマン』が相手なんだから、紳士的に解決しないと」

从'ー'从「ふぅ〜ん……」

(゚、゚トソン「来ました」


('A`)「……」


人気のない屋敷前に!!!!!!!!パンツの上からローブを着た貧弱変態不細工野郎が!!!!!!!


( ・∀・)「そこで止まってください」

('A`)「……」


立ち止まる!!!!!!!!変態らしからぬ素直さ!!!!!!!!皆も見習おうな!!!!!!!!

60以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:09:12
( ・∀・)「此方に敵対の意思はありません。賠償が必要なら城主と交渉の場を設けます」

('A`)「俺の要求は卵だけだ」

( ・∀・)「それに見合う金額をご用意します」

('A`)「卵」

( ・∀・)「……城主n('A`)「何度も言わせるな」


('A`)「卵だ」


有無をも言わせぬ一点張り!!!!!!!!!!!お金で買えない価値がある!!!!!!!!!


( ・∀・)「……ハァー……」

ζ(゚ー゚;ζ「……ねぇ、やっぱり」

(゚、゚トソン「これ以上は時間の無駄ですね」


デレの言葉をエルフが遮る!!!!!!!!!高貴キャラは空気を読まない!!!!!!!!!


(゚、゚トソン「卵は我々が回収し、依頼主に納入した物です。それを我々の手で返すなど、バカな話がありますでしょうか?」

('A`)「……」


ローブの袖の中!!!!!!!!!!!ドクオの拳に力が入る!!!!!!!!!!


(゚、゚トソン「そもそも、あなた方は森の住人でしょう?ハーピィの巣などそこら中に点在している筈です。そこからご自身で調達すれば、我々の前に立つなどという危険を冒さずに済むものを……」

( A )「……」

61以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:09:55
『「奴らに住処を荒らされ、殺され……残ったのは私だけです……」』

『「燃えていく仲間が、毎晩夢に出てきます。剣の切断面から体が焼け溶ける臭いまで、鮮明に」』

『「雨が恐ろしくなりました。逃げようとした仲間が、空から降り注ぐ幾千もの矢を受ける様を連想させられるから」』

『「地を見るだけで、土塊の巨人を思い出します。傷つき、飛ぶことすら出来なくなった仲間を虫のように踏みつぶした……!!」』





依頼主の!!!!!!!!!!!言葉を!!!!!!!!!!!!!!!





『「それをも奪われてしまっては……もう、生きる意味も無い……私の、全てなんです……!!!!」』




依頼主の!!!!!!!!!!!涙を!!!!!!!!!!!!!!!!!




『「『片目』を」』




依頼主の!!!!!!!!!!!!!覚悟を!!!!!!!!!!!!!!!





( A )「……よくも、言えたものだな」




思い返す度に!!!!!!!!!!!!怒りが込み上げる!!!!!!!!!!!!!!

62以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:10:51
(# A )「ろくでもねえ……欲を満たすために……てめえらに殺された奴らの無念を……!!!!!!」



一歩!!!!!!!!!!強く!!!!!!!!!!!踏み出した!!!!!!!!!!!



(# A )「てめえらに刻まれたトラウマに苦しめられる者の気持ちを……!!!!!!!」



交渉など無意味という意思表示!!!!!!!!!!!宣戦布告!!!!!!!!!!!



(# A )「子供を奪われた……母親の涙も知らずに……!!!!!!!!!!」



胸いっぱい!!!!!!!!!!!息を吸い!!!!!!!!!!!!!!






(#'A゚)「よくも言えたものだなァァァーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」





その貧相な体に見合わない!!!!!!!!!!城外にまで響き渡る咆哮を吐き出した!!!!!!!!

63以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:11:33
(゚、゚トソン「ッ!!」


(;・∀・)「トソン、ダメだ!!」


待たず!!!!!!!!!!女はせっかち!!!!!!!!ホモかよ!!!!!!!
矢を一本!!!!!!!!!!!曲射!!!!!!!!!!!


(゚、゚トソン「『増えよ、纏まれ、天聖の矢』」


一本の矢が!!!!!!!!!!!!!二本!!!!!!!!三本と!!!!!!!!!
増える!!!!!!!!!増える!!!!!!!!!!クソ増える!!!!!!!!!


(#'A`)「「そういやてめえら見覚えがあるぞビッチ共ォ……」


矢が!!!!!!!!!!空を!!!!!!!!!!埋めつくす!!!!!!!!!!


(#'A`)「ケツに一本いいのぶち込んでくれたよなァクソエルフ……」


ばらけた矢が集まり!!!!!!!一本の巨大な矢へと変貌を遂げる!!!!!!!!!!!
ドクオの直上に!!!!!!!!!落ちてくる!!!!!!!!!!逃げ場無し!!!!!!!!!
当たったら肉塊必須!!!!!!!!!!貧弱クソ野郎じゃなくても死ぬ!!!!!!!!

必殺の一撃に対する!!!!!!!!!!!ドクオの返答は!!!!!!!!!





(#'A`)「『汗と涙の十二発』」





スキルの、発動!!!!!!!!!!!!!!!

64以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:11:55





♪Maximum Effort
https://www.youtube.com/watch?v=4wD5tamhwXo






65以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:12:25
ローブを脱ぎ捨てる!!!!!!!!!!!!貧弱な体が露わになる!!!!!!!!


(#'A゚)「ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ! ! ! ! !」


いいや!!!!!!!!貧弱な体が!!!!!!!!!!筋肉が!!!!!!!!!!
増大!!!!!!!!!!肥大!!!!!!!膨大!!!!!!!!!!!!!


(#'A゚)「消し飛べェェェェェーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」


返答は!!!!!!!!!!!!!!!突き上げた拳!!!!!!!!!!!!一発!!!!!!!!!!


(゚、゚;トソン「ッ!!??」


巨大矢!!!!!!!!文字通り!!!!!!!!!!消し飛ぶ!!!!!!!!!!!!バラバラ!!!!!!!!!!

66以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:13:11
                        -─-
                   /      \
                       /
                   l           l
                   |   /   \   |
                   |    /\    .|  「おまたせ、じゃあ死ね」
                   |   / ̄ ̄\  .|
                  l     ⌒    |
                -一| \     /. |ー-
              /     |  ` ー一'  ::: |..   \
            -─∠    ...::小 \::::::::::::.::::: 人::..   \
      /           ´ ̄ ー-ミヽ /二ニ=一---< ´ ̄`ヾ¨ ヽ
     /   爪                V´         }       \
            ヽ   ( /     `寸  -‐          }:..    V
    {   弋彡  ≧=く     ー=ミi/     弋 ル    ノ:::    '
     〉  ⌒{  ⌒ヽ  ヽ.       |         >   <:::_  ム |
            ー--ミム      |辷一     /      j  Y  `ヽ
    {  l (          > 、.___ノ二辷_ _ {    イ  ノ::.
    ∨ | リー=辷二 ̄ ̄       _,込  ヽ `><     `ヾ   }
    ∨小ム 〈                    リ  リ/         }   ′
      .∨   Y      ー--==-‐ ´  ム-=ニ            ノ  /
      弋   人            ..:r<                ハ
       `¨¨ヾ ー─      ィ<  |二_    __二     イ   ノ
            T ー─‐<___.{____|     ̄ ̄           フ´
              |       :{   :|: ≧=ー--   __ ニ=‐
               圦        ::ト ー┼一 ┤     ノ
             {ヽミ     :{:  :|:   :}:  彡´ }
             人   ` ̄¨¨¨ ┬─┬  ̄   人
             /    ̄`¨'辷─┴─┴─=ニ二´ ∧



クソ貧弱童貞野郎改め、クソ強靭マッスル童貞野郎!!!!!!無傷!!!!!!!!!!!

67以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:14:51
ドクオの頭上に!!!!!!!電数字で『12』が浮かび上がる!!!!!!!!
そしてすぐさま!!!!!!!!!カウントが一つ減り『11』へと変わった!!!!!!!


从'ー'从「へぇ〜、珍しい。ジャンクスキルをそこまで昇華してるなんてねぇ〜」


ドクオのジャンクスキル!!!!!!!『汗と涙の十二発』!!!!!!!
鍛錬によって『得るはず』だった『筋力』と『体力』を、溜め込み!!!!!!!!
発動時!!!!!!!!『十二発分の攻撃』として放つ!!!!!!!!!

ただし!!!!!!!一度発動すれば溜め込んだ鍛錬はリセット!!!!!!!一からやり直し!!!!!!!!!
しかも!!!!!!!普段の鍛錬によって身に付く『筋肉』はごく僅か!!!!!!!!!だから貧弱!!!!!!!

一見すげー強そうなスキルに見えるが!!!!!!!!!!そんなことない!!!!!!!!!!
普通の一般兵卒が普通の鍛錬を積んだとしても!!!!!!1.1倍の強化しか出来ない!!!!!熊一匹素手で倒せない!!!!不敗の牛山の方が強い!!!!!!

だからジャンクスキル!!!!!!!!!!ぶっちゃけ他スキルの方が強いから!!!!!!!!!
じゃあなんでドクオの一撃は巨大な矢を消し飛ばしたか!!!!!!!!!答えは簡単!!!!!


『それが可能になるまで鍛錬を積んだから』!!!!!!!!!!!


いやうん!!!!!!!もちろん普通にやってたらこんなん無理だよ!!!!!!!!
でもみんな知ってるよね!!!!!!!!ドクオを拾ったド変態を!!!!!!!!!!!!!


(´・ω・`)←すごい!!!!!!!!!


凄いマッチョ!!!!!!!!ショボン!!!!!!!!!!
彼のトレーニングメニューは!!!!!!効率十倍!!!!!代わりに辛さ二十倍!!!!!吐くほどしんどい!!!!!!
それを毎日こなす!!!!!!!!!人差し指の第二関節痛いとか下手な言い訳使うほど嫌だ!!!!!!!

でもやる!!!!!!!やった結果がアレ!!!!!!!!!

68以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします:2016/11/13(日) 01:15:53
('A`)「ジャンク、スキル、だぁ?」


『ジャンクスキル』とは、スタローン及びセガール側の人間が決めた評価!!!!!!!
彼らが求めるのは即戦力!!!!!!!!それ以外は全部ゴミ!!!!!!


('A`)「てめえら……は、違ぇか。奴らの決めた基準で、物事語ってんじゃねえよ……」


だが彼らは肝心なことが見えていない!!!!!!!ショボンはこう言った!!!!!!!


('A`)「『なまくらだって、打てば名刀』だ……」


鍛錬に鍛錬を重ね、その上から鍛錬を重ね重ね重ね重ね!!!!!!!!!!
流した『汗』と!!!!!!!!!『涙』の数だけ無限に強くなる!!!!!!!!!!
努力が前提の男のスキル!!!!!!!!!!


('A`)「俺が、俺の手で、俺の努力で得た『強さ』ってのを……」


指の骨を鳴らす!!!!!!!!威嚇だ!!!!!!!!


('A`)「『強さ』っつー傲慢に溺れたてめーらの身に……」


(#'A゚)「刻み込んで、ぶち殺してやる……」


殺さないんじゃねーーーーーーーーーのーーーーーーーーーーーー!!!!????
しかし今はマッチョ!!!!!!!何もかもが脊髄反射!!!!!!!!口ではなく魂で語る!!!!!!!


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