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はげ丸のオナ禁日記

280はげ丸【無射精5日目】:2019/07/23(火) 09:30:46
ミニコラム「エセ村上春樹と村上春樹から学べる人間のちがいはなにか?」

はげ丸からの問題です。以下の文章を読み、もっとも重要な箇所と思われる箇所に線をひけ。



冷蔵庫にまだ何か残っているの、と僕は尋ねる。
スパゲッティとトマト缶とにんにくとオリーブオイルと卵。お米が少し、ワインが半分、ツナの缶詰。そんなところよ。
となると昼御飯はひとかけらの疑いもなくスパゲティーのツナトマトソースということになってしまう。結局のところ撤退戦とはそういうものなのだ。まあいいさ、昼食が終われば、我々はここを出ていくのだ。昼食に何を食べるかなんてそれほどたいした問題ではない。ローラ・ニーロの古いカセットテープを聴きながら、パンケーキを食べ終え、それから荷造りをする。そして荷物をまとめながらふと思う。この一ヶ月半という歳月は俺にとっていったい何だったんだろう、と。この季節はずれのエーゲ海の島で、俺はいったい何をやっていたんだろう。しばらくの間、それについて何も思い出せない。本当に思い出せないのだ。僕の頭にはつぶつぶのような空白が生じている。
やれやれ何をやっていたんだっけな。
ある意味で、僕は失われてしまっている。果てしないロシアの雪原をとぼとぼと歩きつづける疲弊した兵士のように。

村上春樹



さて、どうだろうか。

村上春樹といえば「比喩」の作家であり、「文体をもつ」小説家である。だから村上春樹のエセ読者の多くは「やれやれ何をやっていたんだっけな。ある意味で、僕は失われてしまっている。果てしないロシアの雪原をとぼとぼと歩きつづける疲弊した兵士のように」の一文を自分自身に取り入れがちである。エセ村上春樹文章には「やれやれ」や「雪原を歩き続けるロシアの兵士みたいに」といった文章がとても多い。

しかしはげ丸の見解はちがう。

私が線をひくならば「ローラ・ニーロの古いカセットテープ」である。パンケーキを食べるときに聴くのがローラ・ニーロなのかっ! ドンピシャだっ! ここでローラ・ニーロを持ち出すためには膨大な「ムダな」音楽体験が必要で、そのムダがセンスを生みだす。だからいくらエセ村上春樹が真似をしても追いつけない。なぜならローラ・ニーロを含めた膨大なムダな体験がないから。だから初心者が学ぶならば、謙虚にローラ・ニーロを聴いてみよう…というところから長い道のりを歩むことになる。


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