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あ
434
:
◆LpPqFskzB6
:2015/07/27(月) 04:46:18 ID:Ln1aNnPE0
――"アリアドネ"は、専門とする遺跡調査の中で、モカー独自に編み出した親和能力だという。
(*‘ω‘ *)「ふぅん、これはなかなか便利だな。方向音痴のビロにも持たせてやりたいっぽ」
(;TДT)「あはは……ありがとうございます」
伸びることについては、精霊が続く限り無制限。
彼自身の意図によらず、また、力学的な抵抗も持たず、引っ張れば引っ張った分だけ勝手に伸びる。
縮むことについても、千切れていない限り無制限。
どれだけ長く伸びていようと、固定されてさえいなければ、彼の手元に巻き戻してくる事ができる。
"物"で切れることはない。
壁や瓦礫で擦り切れることはない。伸びるだけだ。
ナイフを使おうと、大斧で一撃入れようと、あるいは達人の一刀だろうと、切ることはできない。伸びるだけだ。
ただ、この薄光する不迷の糸は、無敵とは程遠い。
(;TДT)「気をつけて下さいね。この"アリアドネ"は、"触れるだけで"簡単に切れてしまいますから」
精霊を縒り合わせたその糸は、"青"以外の精霊が触れただけで効力を失い、四散してしまう。
樹海の生物が体躯に纏う微量の精霊ですら、糸にとっての例外ではない。
言ってみると、樹海に生きる生き物全てが"アリアドネ"を引き裂く刃となる。
要は、戦闘にはほとんど全く役に立たない、とのことだ。
長さの固定もできないため、二人は実物の鉤付ロープを用いて慎重に降下している。
"アリアドネ"は、言ってみれば、緊急脱出特化だ。
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