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1以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2011/08/05(金) 20:22:45 ID:R4QiEhY.O


2以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2013/08/07(水) 09:16:00 ID:dfIzZ0lQ0
占領した。構わんね?

3以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2013/08/19(月) 00:21:20 ID:gXDB7J2I0
開けた
楽しみにしてるよ

4以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2013/08/21(水) 14:04:19 ID:0QmVWcBM0
ジョルジュやハインの過去が気になるぜ!

5以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2013/08/21(水) 21:27:37 ID:J10H2vS60
次はいつくらいになるかなー
待ちきれない

6以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2013/08/23(金) 17:05:16 ID:HSPSAPDE0
誘導補助でageます

今月中くらいに来るつもりですが、ちょっと回線が心配なので、遅ければ9/1辺りでお願いします

7以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2013/08/24(土) 00:14:02 ID:1f2iO3L60
やったー!全裸で待ってる

81/78:2013/08/28(水) 06:43:11 ID:D15qh95o0
,(−)(−),「んっ、んっ、あー……久しぶりの外気ナリ」
/└―(;;;┓;;=;/;;.,)"
lw´‐ _‐ノv「……」


顔にへばり付いた男の抜けがらを、シャーミンはべりべりと引き剥がした。
首、腕、胸、千切れた皮の隙間からはじくじくと血が流れ出す。

シューはただ、彼の不格好な脱皮を見送った。
猟師の着ていた黄土色のシャツは主から染み出る血に塗れ、今やどす黒い赤に染まっている。


lw´‐ _‐ノv「……形は人間なのか」

,(・)(・),「あぁ。結局、生前の姿が一番便利が良いだすからね」


一通りの皮を剥いだ姿は、筋肉質だった猟師よりも一回り小さい。
最後に哀れな犠牲者の被っていた帽子を頭に乗せ、彼はようやくシューを振り向いた。

91/78:2013/08/28(水) 06:44:06 ID:D15qh95o0
,(・)(・),「……コレでよし、お待たせしただすね」


“魔導師”、シャーミン松中。
ラウンジ先王バジリオの元で数千の民を生贄に捧げた、異端の精霊術師。

探し求めた仇敵の姿に、シューは静かに目を細める。


lw´‐ _‐ノv「不潔だね。"それ"、いつから着てたって?」

,(・)(・),「あー、三日前? 最近はお客様がおおくてねぇ」


おかげで剥ぎ取る皮に困らなくて、最高ナリ。
シャーミンの返答に、シューは無言で返した。

数歩の距離を、互いの殺気が埋める。

101/78:2013/08/28(水) 06:44:24 ID:D15qh95o0
,(・)(・),「さて、ブチ殺す前に聞いときたいんだすが、お嬢さんは何故おいどんを恨んでるナリか?」

lw´‐ _‐ノv「……『カロン』。八年前にこの森を訪れた、伊藤オサムのギルドは?」

,(,, ゚) ゚),「んっんー、何だったかな? 悪いけど、おいどんは野郎の事はすぐ忘れちゃうナリ」

lw´‐ _‐ノv「……別に構わないけどね。もうお喋りは終わりだ」


シューは何も気にしていないかように、顔色を変えずに言った。
代わりに、ローブの懐から細やかな装飾の施された短剣を引き抜く。

――儀式刀。独特の飾り彫りを見とめ、シャーミンは目を細めた。

シューの胸元のオニキスに、"黒"の輝きが揺れる。
淀んだ呪いの森は彼女の求めに応じ、精霊を差し出した。

11以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします:2013/08/28(水) 06:46:30 ID:D15qh95o0
a,
wasureteta

konosureddoha,
miseri
jukaiwo
yu
ku
monono
youdesu
ga
nottorimasita

121/78:2013/08/28(水) 06:47:31 ID:D15qh95o0
(・(・),「ま、おいどんも気にしないだすナリ。そんなことより……」
∀'「そのチンケなダガー一本で、どうやって俺を楽しませてくれるんだ、クソアマ」

lw´‐ _‐ノv「……」


シューは答えず、“自ら”の左の掌に短剣を当てた。

白く柔らかい彼女の肌に、赤く禍々しい直線が走る。
滴が落ち、地面を濡らす。否、地面に波紋を起こす。

シャーミンは驚きに小さく声を上げた。
彼女を中心に、放射状に"黒"の波紋が広がってゆく。


lw´‐ _‐ノv「『我が名において命ずる。金色に輝く豊穣、此の地に息吹を満たせ』」
,(・)(・),「……!」

131/78:2013/08/28(水) 06:53:42 ID:D15qh95o0
wvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvwvw
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V /V /V /V /V / V /V /V /V /V / V /V /V /V /V / V /V /V /V /V / V /V /V /V /V / V /V /V /V /V / V /V /V /V /V / V /V /V
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黄金の稲穂が実る、光の大海原。
呪いに満ちた樹海の地が、その表情が、シューの言葉で色付きを変える。

――"黒"の親和。
彼女がその得意とするのは、心に触れる禁忌の術。
対峙する二人を取り巻く黄金の波が、彼女の奥義。
立ち昇る幾千万の光の中に、呪式士は静かに佇む。

眼窩を飛び出した双眸を、シャーミンは眩しそうに細める。

141/78:2013/08/28(水) 06:57:34 ID:D15qh95o0
,(・)(・),「これは……稲穂……?」
lw´‐ _‐ノv「ご名答。美しいだろう?」


シャーミンは輝く稲穂の一つに手を伸ばした。
触れた感覚は無く、ただ微かに温かく感じる。
灯火に手を翳したように、立ち昇る光は遮られて止まる。

心の中の世界を現実とリンクさせたのか。
足元すら見えない光の海を、シャーミンはそう結論付ける。


,(・)(・),「呪式士お得意の幻覚じゃあないみたいだすね。精霊が現実に干渉してるなりだす」
 ∀'「流石に驚いたな。お前の親和が作り出したのか?」

lw´‐ _‐ノv「あぁ、これが私の切り札だよ」


稲穂の海を、シューは悠然と進んだ。
立ち昇る光に遮られ、互いの姿は半ばまでしか見えない。

158/78:2013/08/28(水) 07:00:10 ID:D15qh95o0
,(・)(・),「大した手品だが……それだけだすか?」


シャーミンは腰元のトラッカー・ナイフを引き抜く。
元々は皮と服と同じく、殺した猟師の持ち物だった。

短っぽい挑発の文句に、シューは冷笑を浮かべた。


lw´‐ _‐ノv「あぁ、これだけだよ、魔導師。お前は手品一つで不様に消滅するのさ」

,(・)(・),「へぇ……そりゃ楽しみ、ナリだす、ね!」


黄金の海を蹴って、シャーミンが飛びかかった。
――簡単には殺さない。魔人は考える。
この生意気で愚かな女を、どうやって苦しめてやろうか、と。

そうして踊りかかったシャーミンは――


lw´‐∀‐ノv


――残忍に笑む獲物の……狩人の目の前で不様に崩れ落ちた。

168/78:2013/08/28(水) 07:02:12 ID:D15qh95o0
,(゚,,(゚,, );,「え、な……?」

lw´‐∀‐ノv「どうした魔導師、元気が無いじゃないか」


倒れたシャーミンの頭を、まるで虫けらにする様に踏みつけながら、シューは言う。
哀れにその身体を地面にへばり付かせた魔術師の身体から、どす黒い血が滲み出る。

シャーミンは驚きに目を見開いた。


,(゚,,(゚,, );,「な、なんで……」

lw´‐ _‐ノv「何を驚いているんだ、これは私の切り札だと言ったろ?
       ――この領域の"黒"の精霊は今、すべて私の支配下だ。意味わかってる?」

,(゚,,(゚,, );,「……!」

lw´‐ _‐ノv「ほら、不様に命乞いして見せろ!」

,( ,,( ,, );,「ブビャっ!」


生命が身体と魂を結びつけるのであれば、その役割を別のものに代用させれば良い。

"黒"の精霊を命の代用として蘇った魔人にとって、シューの宣告は生者が心臓を握られているに等しい。
顔面を分厚いブーツの底で蹴り飛ばされ、身を捩って逃れようとする彼を、呪式士は冷酷に見下ろした。

178/78:2013/08/28(水) 07:03:20 ID:D15qh95o0
lw´‐ _‐ノv「おいおい、何処に行くんだよ――『命ず。悠久に座す静寂、永劫の時を此処に開け』」

,(゚,,(゚,, );,「ヒッ……!?」


二つ目の呪言。
シューの宣告を受け、シャーミンの身体が強張った。
うつ伏せに転がった姿勢のまま、振り返る力ことすらままならず、彼はシューの足音を聞く。

ごりっ。左肘の裏に、硬く冷たい感触。


lw´‐ _‐ノv「そうやって這ってろ。それがお似合いだ、よ!」
,( ,,)( ,,),「――、――ッ!」


悲鳴すら上げられずに、シャーミンは目だけを動かし、激痛が走った己の左腕を見た。
シューの濃茶色のブーツと光にぼやけた地面との間に、自身のねじ曲がった腕が覗く。


lw´‐ _‐ノv「……やっぱり私には理解できないね。どう楽しめばいいのさ、こういう拷問って」
,( ,,)( ,,),「ひ……やめ……」

188/78:2013/08/28(水) 07:04:53 ID:D15qh95o0
シューは答えず、シャーミンの強張った身体を蹴って転がした。
仰向けになった魔導師を、呪式士の瞳の冷たい"黒"の輝きが射抜く。


lw´‐ _‐ノv


――美しい。
痛みに喘ぎながらも、シャーミンは自らを見下ろす彼女の姿に目を奪われた。

だから、思い出した。
『カロン』、かつて屠った彼ら、その一人。


,( ,,)( ,,),「ひ……は……素直、キュート……!」
lw´ _ ノv「……ッ!」


呟いた彼の顔を、シューは容赦なく蹴り飛ばす。
首の骨が嫌な音を立てて折れ曲がり、捻じれた口からは血の塊が飛び出し。
それでもシューは構わず、虫けらのように蹲る魔人に足を踏み下ろし続けた。

198/78:2013/08/28(水) 07:07:33 ID:D15qh95o0
lw#´‐ _‐ノv「調子に乗るなよ、このクソ虫が! 貴様が、キュー姉の名前を、口に出すな!」
,冫,,) (゚;;);.,,"「ビョッ――ブゲッ」


生命を持たない死者は、その精霊の供給先――核を破壊しなければ、いくら屍肉を痛めつけても死なない。
激高したシューが折れた首を踏みにじり、肋骨を割って肺腑を裂き心臓を潰しても、魔導師は生きている。

……生きている、それだけだ。
力を生み出す筋肉を根こそぎ踏み壊され、わずかな自由すら呪言に奪われた、ただ生きているだけの死者。

グチャグチャの肉塊を、シューは荒い息で見下ろした。
痙攣を繰り返す身体に、精霊が集中する一点が見える。

核。
この魔導師をこの世につなぎとめる、特異点。

ちょうど腎の辺りにある"それ"に、シューは手を伸ばした。


冫,,) ( ;;);.,,「ッ、お、あ……」
lw#´‐ _‐ノv「苦しいか? 今、楽にしてやるよ……ッ!?」

 ∀"「いや、その必要は無い」


はっきりと届いた重い声に、シューの背筋が凍る。
離れる時間は、無い。
完全に死んだはずの腕が動き、驚く呪式士の細い手首を掴んだ。

208/78:2013/08/28(水) 07:08:35 ID:D15qh95o0
……

ミセ*゚ー゚)リ樹海を征く者のようです

最終話 亡霊王の事情 前


……

218/78:2013/08/28(水) 07:15:06 ID:D15qh95o0
ミセリが引き受けたキュートの依頼は、二つ。

一つは、『カロン』を葬る事。報酬は、200枚の金貨。
ミセリ達三人は、屍術師オサムの繰る数十もの屍を激闘の末に打ち破り、彼に引導を渡した。

ミセリ達に仇敵シャーミンの居場所を示し、彼は祝福された永い眠りにつく。
彼の棺桶に収められていた"遺書"には、金銀の貨幣と種々の増幅器を、これを読む者にすべて譲る旨。
彼が調べ上げ、図らずもその身で体感した宿敵シャーミンの用いる"魔導"とその弱点が記されていた。


そして、もう一つの依頼は。
無謀にも己が命を顧みず、単騎シャーミンに挑む彼女の妹・素直シュールの復讐を止める事。

「シューは既にこの森の深部に到達した」
『根の国』に帰る前に、キュートはミセリに伝えた。

彼女の身を案じたミセリ達三人は、呪いに満ちた湿林を急ぐ。

黄昏の刻は、逢魔が辻。
……そして、先頭を走るミセリは一つの人影の前に足を止めた。


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