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月刊少女ξ ^ω^)ξちょwwwのようです
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(-_-)「…なんで泣くの」
(#。;;- )「…ありがとう」
ぽたり。
(-_-)「…何言ってるの」
(#。;;- )「ありがとう…」
ぽたり。
(#。;;- )「私も貴方の形が大好きです」
(-_-)
涙を流した君以上に僕が泣きたかった事、気付かないままでいい。
頭を撫でたらくすぐったいと子供みたいに笑うから、つられて笑ってやった。
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願いは届かず葉は紅く染まり、木々の渇きは潤される事なく落ちて行く。
秋なんて大嫌いだ。
蝶は行くべき場所を知ってるらしい、そう作られた。
何も知らずはしゃぐ君を連れて行く。
蝶の森へ。
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そこは極彩色の楽園だった。
そこは平穏と笑顔で溢れていた。
君によく似た色をした、数え切れない程の蝶達がひらひらと空を舞う。
僕等が足を踏み入れた途端、しんと静まり返る蝶の森。
みんながこっちを見てる。
コソコソ、コソコソ、蝶達の囁く声がする。
川 ゚ -゚)「ご覧よ、あの異様に長い手足を。あちこち尖った体を。まがまがしい柄を」
ノパ⊿゚)「なんておぞましい姿だ!あれは蜘蛛じゃないか!!」
(*‘ω‘*)「盲目の蝶が楽園に蜘蛛を連れて来たよ」
lw´- _-ノv「食らった蝶の羽を背に縫い付けているよ、きっと我々の事も食らいに来たんだ」
みんながみんな、滑稽なこの姿を見ては逃げて行く。
木の陰から広場に立ち尽くす異端の二人を見下ろしてる。
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(# ;;- )「蜘蛛?」
後ろでぽつりと君が呟いた。
何かを探す様に空中を泳ぐ手が、こちらへ伸びて来る。
真実に触れる為に伸びて来る。
(# ;;- )「何をおかしな事を」
(-_-)(やめろ)
(# ;;- )「そんなはずないじゃないですか」
(-_-)(やめてくれ)
君の手が伸びて来る。
伸びて来る。
伸びて来る。
伸びて、来た。
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(# ;;- )「彼には確かに羽が」
指先が触れる。
腐り、乾き、脆くなっていた借り物の羽が、触れられた箇所から砂の様に崩れた。
驚きのあまり見開いた君の瞳、初めて見た。
(#゚;;-゚)
本来あるべき黒目はなく、全体が白く濁り、下手くそな御世辞すら飲み込ませた。
(-_-)(醜い、なぁ)
(-_-)(誰にも見られなくなかっただろうなぁ)
(# ;;- )
(-_-)「そんな顔しないでよ」
(# ;;- )
(-_-)「ごめんね」
(-_-)「やっぱり僕、蝶にはなれなかった…」
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生まれた時から空を見上げてはあの美しい羽に焦がれていた。
蝶が好きだったのか、蝶になりたかったのか、それは分からない。
でもただ一つ確かな事、僕は蜘蛛だ。
('A`)『ほうら、あれが糸を張らない風変わりな蜘蛛さ』
(´・ω・`)『この間花の蜜を吸って吐いてる姿を見たよ』
(`・ω・´)『馬鹿らしい。自分が蝶だとでも思っているのか』
(-_-)
始まりは春の終わりだった。
これは君と出会うほんの少し前の話。
主が不在の巣に一匹の蝶が捕らわれているのを見つけた。
絡まる糸に弱々しくもがく姿さえ、儚くも美しいと思った。
迷わず助けに向かった僕に蝶は最期の力を振り絞り、「来ないで」と、「助けて」と、「死にたくない」と、叫んだんだ。
しばらくもしない内に、蝶は死んだよ。
やがて降り出した雨に濡れた巣は、皮肉にもキラキラと光り輝いていた。
どうしてだろう。目の当たりにした死を悲しむより、憧れを捨てられない。
夢の為ならいくらでも残酷になれた。
この羽が欲しい。
欲しい。
欲しい。
気が付いたら、自分の背中に羽を縫い付けていた。
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(# ;;- )『貴方はとても美しく、優しい蝶なのでしょう』
悪意のない君の言葉が胸に突き刺さる。
様々な形の感情が産声をあげて、芽となり心に根を張り巡らす。
君の声で夢を見た。
そして、君の手で目が覚めた。
君といる間だけ、僕は蝶でした。
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冷たい風が命の枯れる季節を運んで来た。
秋に想いを寄せた桜の恋は破れ、散り散りになって飛んで行く。
誇らしく咲いていたあの頃の見る影もなく、花々が朽ち果てていく。
結局花の甘い香りは吐き気を誘うばかりで、飢えを満たしてはくれなかったな。
もう二度とあの味を口にせずに済むのかと思うと、安心感すら覚えた。
(-_-)(やっぱり僕は蜘蛛さ)
体のどこにあるかも分からない心にはどす黒いものだけが積み重なっていく。
悲しい、苦しい、切ない、寂しい、死にたい、消えたい、会いたい…いつもこの辺で分からなくなって考えるのをやめるんだ。
空腹のせいだ。
目の前が霞んで来た。もうしばらく何も食べていない。
あの色とあの羽を失ったあの瞬間から、二度と狩りをしないと心に誓ったんだ。
ふと光る粉を振り撒く蝶を下から眺めては無意識にこう思う、なんと美味しそうな御馳走だと。
窶(やつ)れた細く長い自分の手足は、より一層蜘蛛らしかった。
(-_-)(やっぱり僕は蜘蛛さ)
(-_-)(蜘蛛なのさ)
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体が動かない。瞼が重い。
このまま眠ってしまおうか。
それがいい。
「こんにちは」
(-_-)「……えっ」
(# ;;- )
瞳を開く。
ぼやけた視界の中心で、君だけが鮮明に映し出される。
(# ;;- )「良かった。あれからずっと貴方を探してたんですよ」
(# ;;- )「やっぱりこの桜の木にいたんですね」
(-_-)「どうして…」
(# ;;- )「だって貴方はここが好きでしたから」
(# ;;- )「春も、夏も、秋も。私達はいつもここにいましたね」
いつしか君は冬が好きだと言っていた。
見た事がないから憧れるのだと、知らないからこそ愛する事が出来るのだと。
もうすぐ君の愛した冬が来る。
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(# ;;- )「どうしても会いたかったんです」
(# ;;- )「冬が来る前に」
何を言えば良いのか、夢幻ではないのか。
考えがまとまる前に君の唇から漏れた言葉が耳を通り抜ける。
優しい母の様な微笑みが一変、責める様な口調に。
(# ;;- )「どうして嘘ついたんですか」
(# ;;- )「本当の事を言えば離れていくとでも?」
(# ;;- )「貴方は私を信じてないんですね」
(# ;;- )「私だけには、本当の事を話して欲しかったのに」
その手が。
僕の指に触れる。
腕に触れる。
背に触れる。
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(# ;;- )「…そんな事言えませんよね」
頬に触れて、
(;_;)
涙に触れた。
(# ;;- )「ごめんなさい。ごめんなさい」
(# ;;- )「私が悩んだ以上に、貴方はどれだけ悩んだことでしょう」
(# ;;- )「貴方の事何も知ろうとしなかった」
(# ;;- )「貴方に嘘を吐かせていたのは、私」
(# ;;- )「苦しかったでしょう、悲しかったでしょう、辛い思いをさせて本当にごめんなさい」
(-_-)「!!」
ゆらりと揺れる違和感に気付いてしまった。
真偽を確かめる為に細い腕を引き寄せる。
片羽が、ない。
(;-_-)「なんだよこれ!蝶達にやられたのか!?」
いいえと彼女は首を横に振り、凛と言ってみせた。
これは、これこそが、自分が望んだ結果だと。
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『やっぱり僕、蝶にはなれなかった…』
(# ;;- )『待って下さい』
(# ;;- )『待って』
貴方の背中を追いかける足はあった。
引き止める手もあった。
あとは貴方を見失わない目さえあれば。
(# ;;- )『置いて行かないで下さい…』
貴方が去ったすぐ後、近くに足音を感じた。
蝶のみんなが木の上から降りて来たのだ。
『やれやれ、まさか醜い蝶が狡賢い蜘蛛に唆(そそのか)されて蝶の森へ連れて来るとは』
『美しく舞う事も子を残す事も出来ない上に、みんなを危険に晒したのか』
『蜘蛛が誰も殺さずいなくなって良かったぜ。あんな生き物早く死んじまえば良いのに』
みんな、笑ってた。
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私はそっと懐の中から、布で巻かれた物を取り出す。
もしもの時の為にと、今は亡き母に渡された物だ。
手の感覚で布を解いていく。風に吹かれて布が飛んでいく。
今このナイフは、太陽の光に反射して光っているのでしょうか。
それは綺麗なのでしょうか。
刃を背にあてがう。
誰にも邪魔されないよう、事は瞬く間に済ませた。
ざわめきがどよめきと悲鳴に変わる頃には、私の片羽は土の上。
地を紅く染め上げる。
(# ;;- )『貴方がたには見えなくても、私には見えます』
(# ;;- )『彼は誇り高き蝶です』
(# ;;- )『蝶の羽を持たぬ者を蝶ではないと言うなら、私は蝶をやめます!』
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この雰囲気好きだなあ
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(# ;;- )「本当は両羽を切り落とそうとしたんです」
(# ;;- )「でも」
思い出してしまったんです、そう彼女は続けた。
片方だけになってしまった傷だらけの羽を、大切そうにそっと撫でる。
星の色した粉がキラキラと宙を舞った。
(# ;;- )「生まれた時から盲目の私には、自分の羽の模様が分かりません」
(# ;;- )「けど、みんなが口を揃えて言いました」
(# ;;- )「醜い、と」
(# ;;- )「だからきっと、そうなのでしょう」
蝶はなおも話を続ける。
(# ;;- )「みんなと同じになりたいと、いつも願ってました」
(# ;;- )「人と違うこの羽が大嫌いでした」
(# ;;- )「醜いだけの羽なら、いっその事…」
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(# ;;- )「でも、貴方は言ってくれました」
(# ;;- )「醜いこの羽を、好きだと、言ってくれました」
(# ;;- )「私にはそれがとても嬉しかったんです」
(-_-)「…君は、馬鹿だね」
(# ;;- )「はい。馬鹿です」
ああこれは、救い様のない馬鹿なんだ。
永久に続くであろう平穏を脅かしてまで守りたいものだったのか。
群れからはぐれてどうなる、普通から離れてどうする。
なのに僕は今、嬉しくてたまらない。
(-_-)「いいの?あんなに蝶の森へ行きたがってたのに」
(-_-)「楽園なんでしょ?」
(# ;;- )「いいんです。あそこはあそこを楽園と呼んだ“誰か”にとっての楽園」
(# ;;- )「私はもう、私の楽園を見つけましたから」
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(-_-)「この裸になった桜の木の事?」
飾るもの全てを捨てた枯れ木は楽園と呼ぶには寂し過ぎるだろう。
君は口の端を上げて首を横に振る。
そして僕の左胸の鼓動にそっと触れて、言った。
(# ;;- )「私の楽園は、ここ」
めでたしめでたし、だろう。
御伽噺ならこれでお終いだろう。
安心した途端、糸の切れた人形の様に体の力が抜けて、倒れ込んだ。
思い出したかの様に襲いかかる空腹。
やせ衰えた足では、もう君と肩を並べる事すら叶なかった。
視覚のない分優れた彼女の触覚は、骨ばった体に触れてすぐに状況を理解したようだ。
(# ;;- )「こんなに痩せて…早く何か食べないとっ」
(-_-)「いいんだよ。もういいんだ…」
(# ;;- )「よくない!このままでは死んでしまう!」
目の前の存在が真実であると実感する度、不謹慎な歓喜に包まれた。
君は笑ってなんかいないのにね。
きっと、ただ側にいるだけで良かったんだ。
君がいて、僕がいる、それで良かったんだ。
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鳥肌が立ってきた
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(-_-)(蝶と蜘蛛はいつまでも幸せに暮らしましたとさ)
(-_-)(めでたし、めでたし)
頭に酸素が回らなくて、悲しげな顔をした君の懐から出された銀を、ほんやりと眺めてた。
刃には羽を切り落とした時に拭いきれなかった血がまだ痛々しく付着してる。
何が起こったのか、よく分からなかった。
突き立てられた鋭利なナイフの先端が、彼女の胸に静かに埋まっていく。
両手を胸の前に重ねた姿はまるで祈ってるみたいだった。
何が起きてるのか、よく分からなかった。
嘘みたいな赤い色が、嘘みたいに溢れ出した。
下手くそな平然を装った君は、痛みに眉をひそめて笑う。
(# ;;- )「私を食べて下さい」
“死ね”よりも、“嫌い”よりも。
どんな心ない言葉の暴力よりも、何よりも。
出来れば永遠に、聞きたくなんかなかった。
(-_-)「何…を、してるんだ…」
誇らしげに突き刺さったままのナイフを引き抜きたいのに、ナイフを包み込む小さな二つの手がそうさせてくれない。
君は言った、「これで良いんです」。
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(# ;;- )「いずれにせよ、この体は冬を越す事が出来ません」
(# ;;- )「本来私の一族は春に生まれ、夏に終わるのです」
(# ;;- )「皮肉な事に、私は普通を失い異常を患う事で、短い命を長らえる事が許されたのです」
少しずつ、少しずつ。
赤い滴が流れては土に滲んでいく。
(# ;;- )「命は何の為に生まれると思いますか?」
(-_-)「何…?」
(# ;;- )「初めて会った時、貴方は私に、私は貴方に言いました」
(# ;;- )「『死にたいのか』と」
(# ;;- )「『死にたくないから助けを呼ばなかった』と」
(# ;;- )「私にとっての“死”とは、生まれた意味がないまま終わってしまう事」
(# ;;- )「命の生まれる意味が子孫を残す事だと言うなら、それが出来ない私には、自らの命に意味が見いだせません」
(# ;;- )「そんなの悲しいから、生まれて来ておめでとうって言われたいから」
(# ;;- )「捕食者に食われ、血となり肉となり、それを私の生まれて来た意味にしたかったんです」
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(# ;;- )「…ただのワガママなんです」
(# ;;- )「私が誰かの命になるなんて、素敵な事じゃないですか」
(# ;;ー )「神様みたい」
そう言って、笑った。
何かに導かれる様にナイフに添えられた手に手を重ね、血に汚れる事すら厭わずか細い体を強く抱き締めた。
ああ、頭の中で音もなく蜘蛛の本能が理性を蝕んで行くのを感じる。
( _ )(なんて)
悲しくて、悔しくて。
( _ )(なんて美味しそうな)
こんなのは嫌なのに。
( _ )(御馳走なんだろう)
涙が溢れて、零れて落ちた。
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(-_-)「ずっと一緒にいよう」
(# ;;- )「はい」
(-_-)「二人で生きるんだ」
(# ;;- )「はい」
今、君の願いを叶えよう。
楽園へ連れて行く。今度こそ。
(-_-)「“ここ”へおいで」
白い首に針を突き刺した。
泣かないでと、どうか泣かないでと、頬を伝う涙が赤い手に拭われ、色を持つ。
最期の最後まで、どうして君はそんなにも綺麗に笑うの。
(#゚;;ー゚)「私、幸せですよ」
開かれ閉じた瞳にほんの一瞬、僕の姿が映った。
…そんな気がした。
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手を、口を、紅に染めた僕の姿を見つけ、知らない誰かが恐怖に震える。
空に沈んだ白い月だけが歯を見せて笑っていた。
手にした歪な模様の蝶の羽が視界に入る度、君との再会の瞬間が脳裏を駆け巡る。
(# ;;- )『こんにちは』
なんとなく、分かってたさ。
色褪せて破れた羽の、その理由。認めたくなくて見ないふりした。
本当はきっと全部分かってたんだ。
命にはいつか終わりが来るなんて分かり切った事。
今日すれ違った全てがいずれかは消える命。
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世界に君の愛した冬が来た。
降り出した雪が桜の木を励ます様に飾り付ける。
まるで地獄みたいな季節だ。
僕は息を濁して凍えながら、小さな穴の中に逃げ込んだ。
そこは暗闇と静寂が支配する空間。
今僕に語りかけてくれるのは、自分の呼吸と鼓動だけだった。
トクトク、トクトク。
左胸の鼓動に呼びかける。
(-_-)「聞こえるかい」
トクトク、トクトク。
君が笑った気がした。
(-_-)「君が冬を見れなくて良かった」
(-_-)「冬は寒いよ」
(-_-)「草花は枯れてるしね、この世の終わりみたいだ」
(-_-)「きっと君でも愛せないよ」
かじかむ手と手を握り合わせ、温もりを思い浮かべる。
二つが一つになるなんて、これほど虚しいものはない。
もう話す事も出来ない。触れる事も、記憶と妄想の中でしか。
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( _。)「君が僕の命の理由だったのに…」
やっと見つけたのに、どうして君はいないんだ。
たった一つの命を失っただけなのに、どうしてこんなに苦しいんだろう。
いくつもの無関心な命を見送って、死には慣れたつもりでいたのに。
自分が何の為に生まれて来たかって?
馬鹿だな。
君は、本当に、馬鹿だな。
生まれて来た意味なんて誰も持ってないんだから、そんなもの自分で決めれば良い。
必要なのは、生きて行く理由。
さぁ、僕は何の為に生きよう?
地獄の季節に耐えてまで、何を望む?
今生きてる、息をしてる。
きっとあるはずなんだ。
白い糸を体に巻き付けて、少しだけ眠ろうか。
瞼の裏に焼き付いた君の夢を見ながら。
次に目を覚ました時には世界が優しくなってる事を、願う。
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顔を照らし出す一筋の光に急かされ、瞳を開く。
随分と長い間眠っていたみたいだ。
もうじき果てるであろう衰えた四肢を引きずり、外の世界へと踏み出す。
大地を覆っていた雪はいつの間にか跡形もなく消えていた。
枯れた花の蒔いた種は新たな芽を育み、一度は命を亡くした桜も花を取り戻す。
ひらひら降り注ぐ鮮やかな彩りの波の中、僕はついに力尽きて倒れた。
(-_-)「……あ」
見上げた空には一面蝶の群れが飛んでいた。
とても懐かしいようで、知らない色。
虚ろな瞳に失いかけた光が返って来る。
(-_-)(そうか)
(-_-)(あったんだ)
(-_-)(地獄の季節を生き抜いた、理由)
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弱々しく伸ばした指と指のフレームに蝶の姿を捉える。
花びらと踊るその羽の、なんと美しい事だろう。
胸に熱いものが込み上げ、自然と表情が綻んだ。
なんてクソッタレで素晴らしい世界なんだろう。
(-_-)「ねぇ、幸せだったよ、でぃ」
(-_-)「僕は、満足だ……」
ぱたり、と。
何ものにも届く事なく落ちたちっぽけな掌。
一匹の蜘蛛を蝶達は指さしながら見下ろしていた。
「死んだ死んだ」と笑って。
満足だよ。また会えたんだ。
君とよく似た、あの色に―――
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(-_-)素晴らしい世界のようです 終
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終わりです。
次の乙女に届け!俺の下心がこもったバトン!!
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乙です 余韻が素晴らしい
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悲恋過ぎて生きるのが辛い……でも乙!!
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このダークライトな感じたまらんな
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うわあああああああ
乙!
これは悲しい
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おっと 次俺か
え どうしようwwwwギャップがwwww
では次からいきます
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( ・∀・)恋実れ!のようです
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( ・∀・)「初めまして!レディース&ジェントルマン
僕の名前はモララー
しがない魔法使いです」
( ‐∀・)「って言っても、魔法らしい魔法は使いませんけど」
( ・∀・)「迷える皆様の恋を、僕が全力でサポートします!!」
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Case 1:高岡ハイン
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三月
さよならの季節
三年生が居なくなって あの人が居なくなって
あたしは意気消沈
先輩の妹はいつも活発で、
先輩が楽しそうにしていたバスケを
先輩と同じ癖で 先輩と同じように楽しんでいる
あの子の先輩である私としては、そろそろ練習に参加しなければならないのだが、
どうもそういう気にはなれなかった
从 ゚∀从「……はぁ…」
从’―’从「ふえぇ〜?ハインちゃん、どうしたの?」
同級生の渡辺
同じ二年生で、幼馴染
もうすぐ三年になる
-
从 ゚∀从「渡辺?……なんでもねーよ」
从’―’从「長岡先輩のこと〜?」
从 ゚∀从「……ッ」
从’―’从「ハインちゃんはわかりやすいね〜。ずぅーっとツーちゃんみてたよぉ?」
从 ゚∀从「……っせーよ」
从’―’从「だーから卒業式の時に告白しちゃえば?って言ったのに」
从 ゚∀从「出来るわけ、ねーだろ」
从’―’从「シャイなんだからぁ」
从 ゚∀从「あーうっせぇうっせぇうっせぇうっせぇ!!ほら、練習戻るぞ」
从’―’从「は〜い」
-
長岡先輩
長岡ジョルジュ
男バスの部長だった先輩
部活の後輩 ツーの兄で、二人は仲良しだ
( ゚∀゚)「つーぅー!そっち終わったかぁ?」
(*゚∀゚)「見りゃわかんだろクソ兄貴!むしろ手伝えよ」
( ゚∀゚)「しゃーねーなぁ ハイン、何かやることある?」
从;゚∀从「えっ……あ、いや、大丈夫ですよ?すぐに終わりますから」
( ゚∀゚)「俺もう超腹減ってるから早く帰りてーんだ」
从;゚∀从「はぁ……」
( ゚∀゚)「だからな、仕事っ☆」
-
気さくで、男バスでも親しまれている先輩
バスケ部は男女で分かれてはいるが、活動場所は同じ体育館
元々、よく見かけるし よくこっちのことも気にかけてくれていたせいか、接する機会は多かった
ツーが入部してからは、顔を出す機会が増えた
引退してからも毎日のように部活に来ていたし、女バスvs長岡先輩 なんて、無茶な相手もしてくれた
あたしが気持ちに気付いたのは先輩が引退してからで、
しかも、渡辺に気付かされた
从’―’从「ハインちゃん 好きなのはわかるけど、試合中に長岡先輩ばっかりを凝視するのは感心しないなぁ〜」
反射で殴りつけて、ボール攻めにあった
自覚していなかっただけに、動揺の気持ちが多かった
***
从 ゚∀从(先輩が卒業した今、もう悩むことなんか何もないんだ)
从#゚∀从「オラオラチンタラしてっとボール取れねぇぞぉぉっ!!」
从 ゚∀从(今は部活に打ち込む それでいいんだ)
从’―’从「…………」
-
从 ゚∀从「気を付けー 礼!」
『ありがとうございましたー』
部活を終え、着替えに行く
後ろから渡辺がついてきた
从’―’从「ハインちゃーん」
从 ゚∀从「ん?」
部室に入り、ドリンクを持って、部屋の隅にあるベンチに腰掛けた
渡辺もロッカーから制汗剤とペットボトルを出してから隣に腰掛けた
从 ゚∀从「……なんだよ」
从’―’从「……明日ね、来るみたいだよ?長岡先輩」
………ドリンクを噴出さなかったことを褒めてほしい
-
从;゚∀从「げふげふげふげふ……は?なんで来るんだよ てかなんでそれをあたしに言うんだよ」
从’―’从「ん?知りたいかなーと思って」
从;゚∀从「別にどーでもいいし てか来んなし」
从’―’从「素直じゃないなぁ」
从;゚∀从「いや、マジで」
从’―’从「ツーちゃんから聞いたんだけどね、長岡先輩、遠くの大学行くんだって」
从 ゚∀从「だからどうしたよ」
从’―’从「だからね、明日を逃すと、次会うのは四年後になっちゃうの」
从 ゚∀从「だからなんだよ」
从’―’从「ほっといたら、彼女出来ちゃうよ?ていうか大学なんて言ったら…」
从;゚∀从「みなまで言うな 聞きたくない」
从’―’从「じゃぁ」
从;゚∀从「ッ………」
-
そこまで純情な乙女じゃない
一人身の先輩が大学へ行ったら、どんな恋愛生活をするのか わからないわけがない
だがそれを考えるのは不快だった
知っている この感情が嫉妬であることくらい
見たこともない まだ何も起きていない しかし、いずれ先輩の隣を歩く 誰か が、妬ましくてならない
今目の前がどす黒い何かで染まるくらい 憎くてたまらない
知っている 甘酸っぱいとか言われる恋愛感情の裏側
所有欲と独占欲 嫉妬と羨望 情欲と下心
恋愛感情を構築するそれらの成分そのものが、それぞれの恋の形であることを
そして今自分が先輩に抱いている恋心も 例に洩れずそれらどす黒いものであることを
知っている
自分で不快感を感じる時すらある
気持ち悪いと思う
そんな気持ちを、先輩にぶつけたくない
でも、でも でも、でも ……
从 -∀从
-
从 ゚∀从「……でも、無理」
从’―’从「いいの?」
从 ゚∀从「仕方ない」
从’―’从「試してもいないのに?」
从 ゚∀从「いいの」
从’―’从「ふられるのが恐いの?」
从 ゚∀从「うっせ」
从’―’从「……そう」
目を見ないままの会話は終わる
立ちあがり、ドアを開ける渡辺 入ってくる部員
……部員にまで迷惑をかけていたみたいだ
-
( ・∀・)「おやおやおやおやこれはこれは……」
( ・∀・)「おっとお久しぶりです皆様。覚えてますか?魔法使いモララーです」
( ・∀・)「人の恋路を覗くとか変態? ……はは、ワロス」
( ・∀・)「これが今の僕の役割ですからね。ちゃんと仕事しないと
さて、動くとしますか」
( ・∀・)「……ところで、皆様は『恋愛』について、どうお考えですか?
ハインさんのように考えたことがありますか?
それとも、あまぁい砂糖菓子と瑞々しい果物のようなものだとお考えですか?」
( ・∀・)「……思想は人それぞれですがね」
( ・∀・)「では、行ってきます」
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此処は何処だろう
真っ暗な空間
でも生温かく、落ち着く空間
从 ゚∀从「……?」
なにもない
あたしと
あたしが身を投げているソファと 闇
……違う 闇の向こうに、何かが居る
闇にまぎれた 何かが居る
( ・∀・)「やあ、初めまして」
从 ゚∀从「!!」
違う 目と鼻の先に、漆黒のタキシードを着た男が居た
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从;゚∀从「なっ」
( ・∀・)「おっと、これは失礼。 高岡ハインさん」
从;゚∀从「!?なんだてめぇ」
( ・∀・)「僕の名前はモララー しがない魔法使いです」
从;゚∀从「めっちゃ怪しい!!」
( ・∀・)「怪しくなんかありません。恋のお手伝いをするキューピッ魔法使いです」
从 ゚∀从「疑うなって方が無理あるよな」
( ・∀・)「そんなことはありません。僕はあなたの味方です」
从 ゚∀从「……」
信用しろという方が無理のある男が、目の前にいる
味方というのも意味が解らない
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( ・∀・)「ところで」
ひょい と身を引いた男は、道化じみた仕草で姿勢を正し、にっこりと微笑んだ
( ・∀・)「貴方の認識で、『恋愛』とはなんですか?」
从 ゚∀从「……はぁ?」
( ・∀・)「いいから」
何を求めているのかはわからないが、理解してもらう気も更々ない
極端な持論をぶつけて話を終わりにしてしまおうと思った
从 ゚∀从「……所有欲と独占欲と嫉妬と羨望と情欲と下心」
( ・∀・)「それが恋する乙女の回答ですか」
从 ゚∀从「うっせーよ」
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( ・∀・)「では、貴方の意見を肯定するところから始めましょう」
从;゚∀从「肯定すんのか」
いよいよ意味が解らない
なんなんだこいつ
何しに来たんだこいつ
( ・∀・)「では、『恋』と『愛』 の違いは、なんですか?」
从 ゚∀从「恋は片道で、愛は両側通行だろ」
( ・∀・)「ふぅむ……ではまず、『愛』を説いてみるとしましょうか」
男はにたり と笑って、大げさに上半身ごと傾げて見せた
-
( ・∀・)「愛にも種類があります。気になる異性に向けるものだけではありません。
キリストの概念で簡単に例えてみましょう。
『アガペー』 これはキリスト教での一般的な愛で『見返りを求めない、愛』です。
『ストルゲー』 『従う愛・尊敬を含む愛』 親子や師弟関係の間などにある愛のことです。
『フィーリア』 友愛のことです。
そして『エロス』 肉体的な、あるいは自分本位の愛。そして『見返りを求める愛』もこれにあたります。」
从;゚∀从「……」
( ・∀・)「さて、恋愛の『愛』とは何か…… 『エロス』にあたります。異性間の『愛』であり、貴方の概念で言う 情欲と下心。
では、恋とは?これは僕の持論ですが、恋とは、貴方で言う『所有欲と独占欲と羨望』
相手に対する尊敬・羨望(憧れ)、それを手に入れたいと思う『物欲』 これが恋だと思っています」
宗教観念の話か、哲学なのか 正直ちんぷんかんぷんだが、とりあえず丸呑みにしておく
後でググってみよう
……しかし
从;゚∀从「極論だなぁ」
( ・∀・)「貴方が捻くれた持論を提示してきたからですよ」
-
( ・∀・)「さて、散々脱線してきたわけですが」
男は顔の横で、また道化じみた仕草で 人差し指でくるくるっと円を描く
从 ゚∀从「?」
その指をピンと立て、一度小さく振った
漫画なんかで出て来る、女の子が何かをキメ顔で言う時のような仕草だ
正直 目障り
( ・∀・)「あなたが長岡先輩に抱いている気持ちは、何ですか?」
( ・∀・)「アガペー? ストルゲー? それとも、エロス?」
そして意味の解らないことを言い出す
さっきの簡易説明でそれらを把握しろというのは無理のある話で、あたし自身 こいつの話を解釈しきれていなかった
-
从;゚∀从「しっ、知るかよ!!」
故に、まともな反論が咄嗟には思いつかない
( ・∀-)「一般的な色恋沙汰は、『エロス』に分類されますけどね」
从#゚∀从「あたしの先輩に対する気持ちは『尊敬』だ!肉体的なものは求めてない!!」
( ・∀・)「ほぉ……
さて、PN.MAD-Hちゃんよりお便りです」
男は右手をひらりと翻し、一枚のはがきを取り出した
待て、何処から出した
( ´・∀-)「あたしはそこまで純情な乙女じゃない
一人身の先輩が大学へ行ったら、どんな恋愛生活をするのか わからないわけがない
だがそれを考えるのは不快だった
知っている この感情が嫉妬であることくらい
見たこともない まだ何も起きていない しかし、いずれ先輩の隣を歩く 誰か が、妬ましくてならない
今目の前がどす黒い何かで染まるくらい 憎くてたまらな……」
从;゚∀从「待っ!待!!なんなんだお前!意味わかんねぇ!!」
顔芸を交えつつ読み上げられるそれは、あたしの 口にしたことのない葛藤の一部だった
-
勢いでソファから立ち上がったあたしを、ニコ面の男が宥める
( ・∀・)「まぁま、落ち着きなさい。ココアに魔法でもかけてあげましょうか?」
从 ゚∀从「黙れ お前なんか嫌いだ」
( ・∀・)「結構です。貴方の好意は先輩にだけ向かえばいい」
从 ゚∀从「そういう好き嫌いじゃねぇ」
( ・∀・)「はいはい」
この男、嫌いだ
徹底的に嫌いな部類だ
もう帰ろう 早く帰ろう
…………どうやって帰るんだ?
-
从 ゚∀从「帰る」
( ・∀・)「困ります。貴方の恋を成就させるのが、僕の仕事ですから」
从 ゚∀从「お前の事情なんか知るか 帰せ」
( ・∀・)「ううん……怒らせてしまいましたね
でも駄目です。僕にもやらなきゃいけないことがある」
从#゚∀从「だから知るかってー ―――」
( ・∀・)「仕方ない。貴方には特別に、これを差し上げましょう」
男がまた何処からともなく取り出したのは、装飾を施された小さな砂時計
もう何処から出したかなんて気にしない
気にするべきは砂時計
砂は 下から上に上がっていった
男はあたしの手を取り、ちょんと砂時計を乗せた
( ・∀・)「ちゃらーん モララーの砂時計―♪」
-
なんの捻りもない名前の砂時計を見つめる
砂は重力を無視し、さらさらと上に上がっていく
从 ゚∀从「……これ、は?」
( ・∀・)「僕の自信作です。さかさま砂時計
砂が戻っているでしょう?これ今、時間を戻しているのです」
从 ゚∀从「時間を、戻す……?」
( ・∀・)「はい。この砂が戻りきれば、時間は卒業式の日まで戻ります。
僕はその時間に貴方を落として、仕事は終わり。あとは貴方次第です」
从;゚∀从「いきなり意味わかんねーよ。なんであたしが卒業式の日まで……」
( ^∀^)「なんだかんだ屁理屈並べてきましたけど、この方が手っ取り早いなと思ったので」
男の顔が変化する
本当に気持ち悪いくらいも笑みで、あたしに砂時計を押し付けた
-
( ・∀・)「砂も戻りきったようですし、いきましょうか」
男があたしの襟首を掴みあげる
え いきなり何この扱い
( ・∀・)「卒業式 これを逃したら次はないですからね。頑張ってくださいよ?」
从;゚∀从「意味わかんねーよ!!離せ!!」
( ・∀・)「良い情報をあげます。忘れないでください?
貴方は一人じゃない。一人にはならない。何故なら……―――」
囁かれた言葉を最後に、あたしは暗い何処かへ放り投げられた
-
***
三月某日 ― 卒業式 ―
从’―’从「ハインちゃんおはよぉ〜」
从 -∀从「んあ?渡辺か おはよう」
从’―’从「あれれ〜?ハインちゃん元気ないよぉ〜?」
从 ゚∀从「なーんか長い夢見てたみたいでさ、頭が重いんだよ」
从’―’从「どんな夢だったのぉ?」
从 ゚∀从「あんま覚えてねーんだよなぁ……
ニヤけ面の自称魔法使い(笑)がなんか哲学垂れ流してた」
从’―’从「なにそれこわいwwww」
-
卒業式のイベントは、式典ではない
放課後、各部の部員は卒業生を連れて部室や活動場所へ集まる
そこで先輩達の進路や意気込みを聞き、みんなで応援する
全員からのメッセージを色紙に書き集めて、先輩達に贈る
文化部では、部の特色を活かした作品なんかを送るところもあるらしい
バスケ部が集まったのは、体育館だった
先輩の中には、編み込みや刈り込みなど 卒業式の為にハジケた頭髪をした者もいた
勿論説教は済んでいるらしい
みんなそわそわしている
暗黙の了解で、最後の部会が終わるまではボタンや花などを強請ってはいけないことになっているからだ
そしてあたし自身も、内心では落ち着きを欠いていた
从 ゚∀从(長岡先輩……)
先輩はまだ来ていない
呼びに行ったツーと渡辺も、まだ戻っていない
-
( ゚∀゚)「おまたせー みんな揃ってんなぁww」
(*゚∀゚)「お待たせしましたー!!」
体育館に飛び込んできた長岡兄妹
遅れて渡辺が入ってきた
从’―’从「遅くなりました〜」
从 ゚∀从「おせーぞ渡辺ww」
从’―’从「だって長岡先輩が囲まれてたんだもぉん」
( ゚∀゚)「俺ってモテモテだからよぉwwww」
(,,゚Д゚)「モテる男は辛ぇな」
(*゚∀゚)「そのわりに兄貴彼女いないけどなーwwww」
(;゚∀゚)「ツーてめっ!」
-
囲まれていたことになにやらふつふつと感じたものはあったが、無事到着し、彼女もいないという情報に安堵してしまう
我ながら嫌な性格だ
从 ゚∀从「んじゃ、一同せいれーつ!!」
新しい部長として、場を仕切る
全員がそろうのは、これで最後だ
-
例年 男バスの卒業生には男バスから、女バスの卒業生には女バスから 色紙を渡すのが通例だ
しかし今年は、長岡先輩を始め男バスの多くが、女バスから受け取りたいと駄々をこねた
( ゚∀゚)「ほぼ一緒に活動してきたんだ ヤローから受け取るより可愛い女バスの後輩から頬赤らめて渡してほしいだろ!!」
(;,,゚Д゚)「いや、おい……」
_
( ゚∀゚)「いーよなぁギコは!彼女はマネージャーなんだからよっ!!」
(;;,,゚Д゚)「てめっ!」
(*゚―゚)「あはははは」
( ゚∀゚)「そーゆーわけで、ほらっ!交代交代!!」
(´・ω・`)「先輩に色紙渡すとき、さりげなくお手て握ってあげる予定だったのに」
(;゚∀゚)「お前は冗談にならんからマジやめろ」
-
( ゚∀゚)「はいはいチェーンジ!んでもってちょうだーい!!」
長岡先輩の独断で決まった交換会
男バス新部長のショボンから、色紙を受け取った
そしてその相手は当然…………
从 ゚∀从「はい、先輩」
(;゚∀゚)「……え?」
そんな意表を突かれた顔すんなよ
-
从 ゚∀从「失礼な先輩ですね
忘れましたか?部長には、新しい部長からって決まってたんですよ?」
(;゚∀゚)「……まじか…ああぁぁぁ…………」
从 ゚∀从「どんだけ落ち込むんですか」
(;゚∀゚)「いやそういうわけじゃ…いやもうそういう意味でいいや ほらよ」
投げやりに先輩が寄越してきたのは、卒業生が胸に飾る真っ赤なカーネーション
从 ゚∀从「は?」
( ゚∀゚)「だから、やるっつってんだよ。いいから受け取れ」
从 ゚∀从「あ……はい…ありがとう、ございます」
何故か照れくさそうな先輩
乙女フィルターを外せば、きっとうざったそうに見えるのだろう
-
解散後、その場に残る者と、そうでない者が居て、あたしは後者の予定だった
渡辺に、体育館裏へ連れて行かれるまでは
从;゚∀从「なっ、なんだ?早速部長いびりか?」
从’―’从「ハインちゃん……」
从^―^从「頑張ってね☆」
建物の角から、遠心力をつけて放り投げられた
从;゚∀从そ 「はぁ!?」
建物の角に消えていく渡辺 その隣に並ぶツーと
タキシードを着たニヤけ面
-
あれは誰だ
私は知っている
あいつはなんだ
夢に出てきた魔法使い
なんで此処にいる
从 ゚∀从
( ^∀^)『なんだかんだ屁理屈並べてきましたけど、この方が手っ取り早いなと思ったので』
あんにゃろおぉぉぉぉ!!!!
ふざけんな ふざけんな マジ後でブッコロ…………
「うおぁっ!!」
-
从;゚∀从「おあぁっ」
しまった
気が動転していて、すっかり忘れるところだった
渡辺 ツー 男
これだけの条件がそろえば、自ずとここに連れてこられた意味が解る
( ゚∀゚)「いーっつぇー……びっくりしたじゃねーか高岡!」
長岡先輩
長岡先輩の顔が近い
何故近い
何故先輩が転んでいる…?
あたしが、倒れ掛かっているから
-
从 ゚∀从「…………」
从;゚∀从「うわあああああああっ!!」
跳び起きて距離を取る
避けているわけではないが、反射ってやつだ
(;゚∀゚)「そんなにヒくなよ 傷つくじゃねぇか……」
先輩も立ち上がり、尻や背中の土を払う
从;゚∀从「あ、あ、ご、あ……」
( ゚∀゚)「なんだよ高岡らしくねぇな どうしたんだよ、こんなとこに呼び出して」
从;゚∀从「え?」
(;゚∀゚)「は?お前が呼んだんじゃねぇの?ツーにはそう言われたんだが」
-
なるほどなるほど
そういうことか
渡辺とツーはグルか
二人に手を組まれて、男に背中を押されている
恋愛なんて物欲の延長で、その効力は麻薬並
从 -∀从
从’―’从『長岡先輩、遠くの大学行くんだって』
先輩に好意を抱いている 切ないほどに、自覚している 言わばもう、毒は喰らった
ならばもう、毒を食わば皿までだ
从 ゚∀从
( ・∀・)『貴方は一人じゃない。一人にはならない。何故なら……―――』
男に、背中を押される
-
从 ゚∀从「……先輩、狼体育大学に行くんですよね」
( ゚∀゚)「んあ?そうだけど」
从 ゚∀从「近くに、シベリア文科大学がありますよね」
( ゚∀゚)「あぁ」
从 ゚∀从「あたし、来年からそこ狙います」
( ゚∀゚)「はぁ!?お前理系だろ!新速行けよ」
从 ゚∀从「いいんです 気合でどうにかします」
( ゚∀゚)「つか、なんでいきなり……」
从 ゚∀从「長岡先輩の、傍に居たいからです」
( ゚∀゚)
-
从 >-从
( ゚∀゚)
::从//_从::
( ゚∀゚)「……それ、マジで言ってる?」
::从//_从::「……マジ、です」
( ゚∀゚)「冗談じゃなくてか?」
从 _从
::从# _从:: ぷっちん
アタシ ドクザラ マルカジリ
-
从#゚∀从「マジだって言ってんだろーがこの野郎何回も言わせんな!!
これで最後だからな!耳かっぽじってよぉ〜く聞け!!」
(;゚∀゚)
从#゚∀从9m 「あたしは、長岡先輩が好きなんだ!!」
覚悟は決めた
火蓋も切った
あとは胸の内を、晒すだけ
从#゚∀从「冗談とかいうな!!あたしだって今必死に考えてこの結論出したんだ!!
あたしは先輩が好きだ!麻薬的とか関係あるか!」
从#゚∀从「あたしは先輩の傍に居たい!傍に居たい!!
狼になんか入れないのはわかってる!だからせめて、だからせめて
一番近い大学 シベリア文科大学に…………」
( ゚∀゚)「ハイン、落ち着け てか麻薬的とかなんだ」
从#;∀从「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・」
-
( ゚∀゚)
( -∀-)「……モテる男は辛いねぇ」
( ゚∀゚)「高岡 お前、狼に来い。」
从 ;∀从「はぁ? やだ、行きたくない!……先輩が女の子追っかけ回してる姿なんて……」
(;゚∀゚)「お前の脳内の俺はどんな奴だよ あと……さっき、花やったろ」
从 ;∀从「あ…あ゛い……」
( ゚∀゚)「赤いカーネーションの花言葉、知ってるかぁ?」
从 ;∀从「しらねぇよ……」
( ゚∀゚)「…………『きよらかな慕情 純粋な愛 』」
-
从 ゚∀从「は?」
_
( ゚∀゚)「言わせんな恥ずかしい!! 慕情!恋い慕う気持ち!!」
_
( ∀)「何言ってんだ俺!何言わせてんだてめぇ!!恥ずかしいじゃねぇか!!」
从 ゚∀从「……長岡先輩、あt…」
( ゚∀゚)「待て!ここは男として俺から言わせろ!!」
( ゚∀゚)「俺は、ずっとお前が好きだったんだ!!」
从 ゚∀从「えぇっ!?」
( ゚∀゚)「何時からとかわかんねぇけどよっ!気ぃついたら目で追ってるしよ!
ツー構いに行くふりして女バスに混ざってよ!ついでにお前いじってよ!
それが楽しくて、でも……」
( ゚∀゚)「伝え越しに聞いたんだ お前が、『恋愛』そのものを否定してるって
……俺、こう見えてチキンだからよ。その……恐くて……」
-
先輩も胸の内を晒すように、息継ぎもそこそこに捲し立てる
後半は項垂れ、声も絞り出すように苦しそうなものへとなっていった
从 ゚∀从「……先輩……」
( ゚∀゚)「俺、自分で言っちゃなんだけど、結構モテるんだぜ…!
だから、大学行ったら荒れると思ってんだ」
_,
从 ゚∀从「…………」
( ゚∀゚)「だからよ、言い方悪いんだが……俺を繋いどいてくんねぇかな?」
从 ゚∀从「……つ?」
( ゚∀゚)「お前が狼に来てくれるなら、俺、一年くらいちゃんと待つからよ」
从 ゚∀从「……それ、って…………?」
( ゚∀゚)「あぁ……」
-
( ゚∀゚)「こんな奴でよけりゃあ、お前の隣を歩かしてくれ」
( ・∀・)『何故なら、貴方と共に歩みたいと思っている人がいるから』
-
***
三月某日 ―部活にて―
从’―’从「ハインちゃーん!長岡先輩来たよぉ〜!」
从;゚∀从「えっ!?」
(*゚∀゚)「隙ありぃっ!!」
从;゚∀从「あっツーてめっ!!渡辺も試合中に話しかけんなばかぁああ!!」
( ゚∀゚)「ちゃんと見てるからなー!ミスすんなよーwwww」
从;゚∀从「それなんてプレッシャー!?」
-
これぞ少女小説
-
長岡先輩は大学近くのアパートに引っ越した
引っ越しを手伝ったら、ご褒美だって言って合鍵をもらえた
少しして落ち着いて、今日、やっと部活に顔を出せた
で、今 こうして羞恥プレイ真っ最中である
でも心の広いあたしは 拳をしまって許してやろうと思う
数少ない 先輩に会える機会だから
先輩があたしをみている
恥ずかしいけど、幸せなんだ
所有欲 独占欲
今のあたしは、満足している
だって、あたしは今幸せで あたしが先輩を見ると、先輩が幸せになってくれるから
( ・∀・)恋実れ!のようです Case 1:高岡ハイン 了
-
以上です!!
長ぇぇぇぇぇぇ
アンカーお願いします!
-
乙です 少女漫画の王道って感じですね
-
まさに清清しいほどの少女漫画っぷりでした! 乙!
-
乙です!にやにやしてしまったぜwww
-
乙です。みんなうめえなチクショウ
-
乙でした
次から行きまあくぁw背drftgy富士子lp;@:
-
春風薫る卯月。
自然界では恋の季節というらしい。
ならば此処、美府市に恋を運ぶはヒバリかウグイスか。
彼らは市の中心にあるヒバリ山に居を構えているという。
桜の名所でもあるここヒバリ山は、毎年四月になると市民が賑わう宴会場へと様変わりする。
山の頂上へと続く桜のトンネル坂を抜けると宴の場となる市立公園が現れ、それを越えれば美府高校が現れる。
o川*゚ O゚)o 「うわぁ……」
包み込まれるような桜吹雪に、思わず感嘆の声が漏れた。
突き貫けるような晴天と新緑に包まれたヒバリ山。それらの手前には校舎の白壁がある。
青、緑、白が成す自然のトリコロールを背景にして、ピンク色の欠片達が楽しげに宙に遊んでいた。
今日から3年間。私こと、素直キュートはこの美府高校に通うのだ。
-
『感嘆』などと小難しいを単語を使ったのは受験勉強の名残であり、
私がそれなりに努力して入った学校だというのがうかがい知れるだろう。
美府高校は今年で創立30年を迎える市内有数の進学校だ。
この高校に入れたことは、私にとって幾重もの偶然が重なった奇跡の賜物と言ってもいい。
鉛筆を転がした回数を鑑みれば、その奇跡の確率は(1/6)の30乗を上回るだろう。
お姉ちゃんが試験当日の朝に持たせてくれた合格鉛筆様々である。
o川*゚ー゚)o (私やったよお姉ちゃん……!)
見上げる校舎は、幾重もの改修を経て創立時と変わらぬ輝きを放ち続けている。
未だ熟さぬ私には、まばゆいほどに白く、荘厳な校舎。
私は、その校門の前で歩みを止めた。
体が震えているのは、まだ肌寒い気候のせいだけではないだろう。
かといって、気合を入れた膝上15センチのミニスカのせいでもない。
-
私がこれから踏み出す一歩――――。
これは、人類にとっては小さな一歩だが、私にとって偉大な飛躍となるのだ。
o川*- o-)o (落ち着け……私…………)
手がむき出しの腿に触れる。
不意の冷たさに、コブシを握っていることに気が付いた。
イカンイカン!深呼吸だ!深呼吸……、深呼吸……。
今日は姉さんに貰った桜色の髪留めをしている。お気に入りのやつである。
今日の私はかわいいのだ!
o川*゚ー゚)o 「よし……!」
顔を。
目を。
ほころんだ手を。
自分自身を前に向けて、私は小さな一歩を踏み出す。
私はそうして、高校生への境界を踏み越えたのだ。
-
――――そのとき。
これからの私を後押しする、再びの桜吹雪の中で。
....o川*゚ー゚)o
ピンクの欠片を従えて、隣を通り過ぎる――――眩しい、影。
( :::∀:::)
それは余りにも、颯爽としていて。
余りにも、まぶしくて。
o川*゚ o゚)o
余りにも――言葉にできなくて――――。
-
私は、なびく髪の向こう側から彼の影を覗くことしかできなかった。
そして昂ぶる――私の中の、まだ幼い何か。
o川*゚ O゚)o
それに従い、体は反応する。
鼓動が高まり、酸素を求めて深く息を吸い込もうとする――――
o川*゚ ・・゚)=3
::o川*~ ・・~)o::
――――と、なびく髪が……、髪が、ははなは鼻にににに……!
o川*>д<)o;゚+.:. 「ぶぇっくしょーいっ!!」
-
涙が!!
唾が!!
鼻水が!!!!
朝日を煌めかせながら飛散して、私の醜態を輝かしいものとする。
ざわ…… (-_-;)
(゚、゚;トソン
ざわざわっ……
ミセ;*゚ー゚)リ
(;´ー`)
思わぬミラーボール効果で衆人注目を一身に浴びてしまった……。
これはもはや、可愛い新入生を演じたい入学初日としては大失敗――台無しの部類に入るだろう。
o川*うー;)o「ゔ〜。クシャミしたら花粉症が――」
カッコつけてマスクして来なかったのが仇になった。薬なんか効かないじゃんおねえちゃんの嘘つき!
人体的に顔から出せる汁全てを垂れ流しているのがわかる。うぅ、カッコ悪いよぉ……。
-
「大丈夫ですか?」
――男子の声!
声変わりが終わったばかりのハスキーな声――でもよくある雑な感じじゃない。落ち着いた声。
o川*;д;)o「ら、らいじょうふれす……!」
どんな顔をしているのか興味があったけど、下を向いている私には影しか見えない。
でも……、その影が近寄って来る!!
やだ!見ないで!
キューちゃん鼻水なんてホントは出ないの!
ホントに汁的なものなんか一切出ない綺麗なカラダなんだようっ!!
-
アイドルはウンコなんてしない
-
o川*;д;)o(ええと、ハンカチは……)
現実的にはダダ漏れの汁。
それを拭うべくポケットを漁るも――ポケットには何もない。
o川*;д;)oそ (しまった!!)
髪留めを借りるのに気を取られて、ハンカチもティッシュも忘れてきたようだ。
鞄をひっくり返していたら、クスクスという声が聞こえてきた。
頭が真っ白になる私……。
o川*;、 ;)o
私の目から新たな涙がにじみ出る。
これは、この涙は……、きっと花粉症のせいではない。
その証拠に鼻の頭がツンとした。
それでも惰性で鞄を探る作業を続ける私。
何やってんだ、私……。
-
「使ってください」
――今度差し出されたのはハンカチ。
先ほどの男子の声だ。
華奢な彼の手の上に桜色のマーブル模様のサテンチーフが乗っていた。
手に取ると、すぐに高価な物だとわかる手触りがした。
ふと、私の頭にベタな人物が浮かぶ。
それは、子供の頃に少女マンガで憧れた白馬に乗った王子様。
チーフタイが似合うような、紳士的な王子様。
この紳士的な彼も、きっとそんな人なんだろうな。
白馬には乗っていないのだろうけど。
-
乙女の危機の如き醜態を晒した私は、少女マンガの夢を見た。
現実に戻るため、マーブル模様のハンカチで顔を拭う。
彼の方に顔を向けると、私が気にしているのを察して顔を逸らしていてくれた。
o川*∩ー゚)o「ありがとう……」
彼の横顔を覗くが、その顔は涙でぼやけて見えた。
(:::::::::::::)
すっきりとした印象と、清潔感ある頭に、柔和な物腰。
私が今まであったどんな人よりも、その男子は紳士的だった。
-
「じゃあ僕、行きますから。それ、そのまま使ってくれていいので」
o川*;゚ー゚)o「あ、待って――」
私にだって常識くらいはある。せめてお礼くらいしたい。
顔と名前、そしてあわよくば……。
いやいや、待て待て。それだけで十分だ。十分のはずだ。
-
徐々にクリアになる私の視界。
(::::::::::::・)
o川*゚ o゚)o
瞳に写ったその人は、想像通りの――――
(:::::::`)∀・)
_,
o川*゚д゚)o
-
wwww
-
――期待通…りの王子……様……?
....( 'A`)・)
o川#*゚皿゚)o 「って不細工ジャマだぁーっ!」
て
(;'A`)そ 「ご、ごめんさな……、ってひどっ!?」
私の王子様とのファーストコンタクトは、これまで見たどんな不細工よりも不細工な男子に阻まれた。
( ・∀・) 「?」
木|
木|::::::)ξフフフ……
木⊂ノ
木|
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