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( ^ω^)ブーンはモンスターハンターのようです
1
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 18:20:31 ID:vpe/sankO
立てていいのかな…
ええい、立ててしまえ!
2
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 18:21:42 ID:8sF2p/920
はじめに。
この作品はタイトルの通り、モンスターハンターシリーズの
『モンスターハンターP2G』
を元ネタにしています。
が、後から色々と目茶苦茶になっていく予定です。
お暇がありましたらお付き合い下さい。
そして、作者は携帯厨ですので、どこかしら見にくい点はあると思いますが、ご了承下さい…
では、いきます!
3
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 18:23:41 ID:vpe/sankO
〜プロローグ〜
―――――とある雪山の、山頂付近の道。
激しく雪が吹き付ける中、一つの人影が歩いてゆく。
防寒具を身に着けているようで、寒さに凍えている様子はない。
その人影が、背から何かを構える。
・・・どうやら、武器のようだった。
片手で振るえる、小型の剣と、盾だ。
そして、その近辺に生息していた、大型の草食動物に切りかかる。
一振り、二振り、三振り。
無心で剣を振るう人影。
やがて草食動物は息絶える。
小型のナイフを取り出し、解体作業を始めようとしたところ、ぞくりとした感覚が背中に伝わる。
4
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 18:24:35 ID:vpe/sankO
死の感覚が近付いてきた時に第六感が感じとる、不気味な感覚。
人影が辺りを見回すが、何もいない。
ふと、頭上を見上げたところ―――――
―――――“それ”は、いた。
凶悪な姿をした“それ”は、すでに人影を視線に捉えている。
そして、人影の前に降り立った。
大気が裂けんばかりに轟く咆哮をあげ、人影にその爪を振りおろす。
人影は咄嗟に盾で受けるものの、勢いは押さえ切れずに背後の崖へと落ちてゆく。
残った“それ”は、人影が消えた崖を見下ろし、再び咆哮をあげるのだった―――――
( ^ω^)ブーンはモンスターハンターのようです
5
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 18:25:51 ID:ceqGQkfk0
第一話はまた後ほど投下します。
6
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2010/07/29(木) 18:42:36 ID:ZZ5TbrTs0
機体
図書館で宣伝ができるよう
7
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 22:21:18 ID:vpe/sankO
私は帰ってきた!
って事で、第一話をひっそりこっそり投下します
>>6
そんな、宣伝なんて…///
8
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 22:22:18 ID:vpe/sankO
第一話「新米ハンター」
〜〜〜ポッケ村〜〜〜
雪山に囲まれた高地に存在する、ポッケ村。
辺境ともいえる地ではあるが、人々は活力に満ちていた。
そんな村には派遣のハンターズギルドも設立されていて、これからも発展していく事が見込める村だった。
そんな村の一軒の家から、呻き声が聞こえてくる。
( ω )「う、うぅ…」
( ゚ω゚)「うわぁぁぁぁ!…お?」
うなされ、飛び起きた少年の目に映ったものは、見慣れた天井だった。
周りを見回せば、今、自室にいるのだと確認出来た。
9
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 22:23:08 ID:vpe/sankO
( ^ω^)「おー…?」
確か、自分は雪山にいたはずだ。
その後、大きなモンスターに襲われ、崖から落ちて…
そこからは思い出せなかった。
『ようやく目が覚めましたか、ブーン君。』
自室の外から、別の人物の声が聞こえてくる。
ブーンにとっては、幼い頃から聞いていた声だったので、警戒はしない。
( ^ω^)「お?フォックスさんかお?」
フォックスと呼ばれた男が、部屋に入ってくる。
爪'ー`)「ええ。身体の調子はどうですか?丸一日、眠っていたんですよ?」
(;^ω^)「お?丸一日も…
身体はまだあちこちが痛いけど、全然大丈夫ですお」
爪;'ー`)「たいしたものですね。あんな崖から落ちて、ほとんど怪我が無いなんて…」
( ^ω^)「きっと、雪がクッションになってくれたんですお」
10
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 22:24:29 ID:vpe/sankO
( ^ω^)「そういえば…僕の装備はどこにいっちゃったんですかお?」
自分はあの時、防寒具―――【マフモフ】シリーズと、片手剣【ハンターカリンガ】を装備していた筈だ。
しかし、今身に着けているのは普段着で、あの時の装備は、自室には見当たらない。
爪'ー`)「ああ、それでしたら、鍛冶工房に修復の依頼に出してしまいました。
盾なんか、変形してしまっていてとても使い物にならなくなってしまってましたので…」
恐らく、あのモンスターの爪による一撃を受けた事でそうなってしまったのだろう。
また、もし盾が無かったら、と考えるとぞっとした。
(;^ω^)「わざわざ、ありがとうございますお」
爪'ー`)「いえいえ、お気になさらず。
ベーンさんから受けた恩は、この程度の事とは比べ物にならないくらいのものです。
むしろ、もっと頼って欲しいくらいですよ」
11
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 22:25:38 ID:vpe/sankO
フォックスの話に出てきた人物、ベーンとはブーンの父親であり、ポッケ村が誇る最高のハンターだった。
剣を振るえば古龍を倒し。
槍で突けば牙獣を貫く。
槌で叩けば甲殻を穿ち。
矢を放てば飛竜を墜とす。
その名声はポッケ村だけにとどまらず、ミナガルデやドンドルマといった大都市にまで知れ渡った存在だった。
フォックスは、そんな父・ベーンの親友とも呼べる者であり、何度も助けてもらっていたのだとか。
( ^ω^)「…父さんは父さん、僕は僕だお。
父さんに受けた恩を、僕に返すというのはちょっと違う気がしますお」
爪 − )「……確かに、そのとおりではあります。ですが、その恩を返すべき相手がもういないのですよ…。
それに、ベーンさんはこう言うでしょう。『恩を返したいなら、ブーンの事を頼む』と…」
12
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 22:26:36 ID:vpe/sankO
そう。かの英雄はもうこの世にはいないのだ。
( ω )「…父さん………」
実は、ベーンの死の直前まで、ブーンも側にいた。
覚えているのは、突如現われた“白く巨大なモンスター”からブーンをかばい、命を落としたという事だけ。
いつの日か仇を討とうと、ブーンもモンスターハンターを目指し、二日前にようやくハンターとなった。
( ^ω^)「…僕は、父さんの仇を討ちたいお。
だから…もっと強くならないといけないんですお…!」
爪'ー`)「…そんなに焦る必要はありませんよ。せっかくモンスターハンターになったのです。楽しみながら自分を鍛えてはどうでしょうか?」
( ω )「………ハンターなんて……」
ハンター稼業に、楽しさなんて微塵も感じられない。
原因は、偉大過ぎる父親のせいだった。
13
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 22:28:08 ID:vpe/sankO
村人は皆、自分を“英雄の息子”としてしか見てくれず、英雄の再来を期待する。
自分に向けられた視線は“ブーン”としてではなく、“ベーンの子”としてなのだ。
そんな環境で楽しむ事が出来るほど、ブーンの精神は強くは無かった。
爪'ー`)「いくら親子とはいえ、他人です。ブーン君は、ブーン君の思うようにしてください。
君が自分の意志で選んだ道なら、私は全力で応援させていただきますよ」
( ^ω^)「…ありがとう、ございますお」
フォックスは、自分を見てくれる数少ない人物の一人なのだ。
( ^ω^)「ちょっと、鍛冶工房に装備を引き取りに行ってきますお」
爪'ー`)「そうですか。でしたら、私も今日はお暇させていただきます。
ではブーン君。何かありましたら、いつでも来て下さいね」
14
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 22:28:59 ID:vpe/sankO
そうそう、と玄関の扉を開けつつ、フォックスは言葉を続ける。
爪 'ー)「ベーンさんは、ハンターとしての生活を誰よりも楽しんでいました。
少なからず、この気持ちが実力に反映されてはいたのは確かだと思います。
ブーン君はブーン君なりに、のんびりやってみるといいでしょう」
それでは、とフォックスの言葉の後にパタンと扉が閉まる。
( ^ω^)「……楽しむ、かお………」
今、すぐに楽しむ事は出来ない。
なら、笑っていよう。
笑えば、楽しい気分になれるかも知れないから。
とりあえず、鍛冶工房に装備を引き取りに向かう事にした。
15
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 22:30:24 ID:vpe/sankO
―――ポッケ村・鍛冶工房―――
( ^ω^)「こんにちはですお、シャキンさん」
(`・ω・´)「ん?ブーンか!身体の調子はどうなんだ?」
( ^ω^)「ぼちぼち、ですお。
ところで、修復に出した装備は…」
(`・ω・´)「あぁ、もう完璧に直ったぞ。新品同然さ!」
そう言って、鍛冶工房の主人―――シャキンは、カウンターの奥へと姿を消し、荷物を抱えて戻ってくる。
(`・ω・´)「それにしても、何をしたら盾がへこむんだ?」
( ^ω^)「雪山に出た、黄色っぽい大きなモンスターに攻撃されたんですお」
(;`・ω・´)「そいつは恐らく“ティガレックス”だな。よく生きて帰ってこれたな…!」
自分を襲ったモンスターは、ティガレックスというらしい。
16
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 22:31:23 ID:vpe/sankO
そういえば、父さんから話を聞いた事があったような気がする。
―――飛竜なのに、四本足で活動するんだ!面白いヤツだよな、ブーン!―――
………ちょっと意味が分からない内容だったけれど。
( ^ω^)「でも、やっぱり楽しそうに話してたおね」
(`・ω・´)「ん?どうした?」
(;^ω^)「いや、なんでもないですお」
シャキンから新品同然にまで修復された装備を引き取り、一度自宅へと戻る。
早速、これらを身に着けるためだ。
( ^ω^)「よーし、ぴったりだお!」
帰宅してすぐに、防寒具としての意味合いが大きい防具【マフモフ】シリーズを身に纏い、練度の低い金属で作られた片手剣【ハンターカリンガ】を腰にかけた。
( ^ω^)「それじゃ、行くかお!」
17
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 22:32:54 ID:vpe/sankO
向かった先は、ポッケ村の中心部。
青く輝く、巨大な〈マカライト鉱石〉が置かれていて、その側にたたずむ龍人族の老婆に話しかける。
( ^ω^)「村長さん、こんにちはですお」
(#゚;;-゚)「おや、ブーン殿かい?怪我の方は…」
彼女がこのポッケ村を興した人物である、でぃという者だ。
( ^ω^)「随分とよくなりましたお」
(#゚;;ー゚)「そうかい、それはよかった。でも、次からは十分に気を付けておくれよ」
( ^ω^)「はいですお!」
その後は、でぃの元に寄せられた依頼を教えてもらう。
18
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 22:33:55 ID:vpe/sankO
村人が自力では済ます事の出来ない事を依頼という形で村長に伝え、村長が難易度を見極める。
そして、依頼を請けにきたハンターの実力に見合った難易度の依頼を紹介する。
ハンターが依頼をこなしてきたのなら、依頼人から預かった報酬を渡す、といった流れでハンター稼業は成り立っている。
依頼の内容は、小型モンスターの討掃、特定の品物の収集、そしてハンターの花形である大型モンスターの狩猟などがあげられる。
モンスターハンターとはいっても、実力のない者は何でも屋として働く事も多いのだ。
( ^ω^)「……やっぱり、物品収集の依頼ですかお?」
(#゚;;-゚)「だね。まだブーン殿にはしっかりと下積みをしてもらいたいからねぇ。」
( ^ω^)「…わかりましたお」
19
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 22:35:09 ID:vpe/sankO
今回、ブーンが請けた依頼は〈雪山草〉の採集だ。
物品収集の依頼は基本的に難易度は低く見られている。
さらに、今回の依頼は集める量も少ないために、最低LVの依頼である事は明らかだった。
( ^ω^)。o(まぁ、仕方ないおね。のんびりやっていくお)
( ^ω^)「じゃあ、行ってきますお」
(#゚;;-゚)「くれぐれも気を付けておくれ」
そのまま、依頼の品である〈雪山草〉が手に入る、雪山へ向かうために足を進めた。
その途中に、幼い頃からの友人の顔を見つける。
金色の髪を巻き髪にした、ブーンと同じ年頃の女の子だ。
ξ゚⊿゚)ξ「あら、ブーンじゃない。…大丈夫なの?」
( ^ω^)「おっおっお。もう大丈夫だお。ツン、ありがとうだお」
20
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 22:37:03 ID:vpe/sankO
自分の事を心配してくれたのだと思い、感謝の気持ちを伝えたのだが。
ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?なんで礼を言われなきゃいけないのよ…
私が言いたかったのは、ハンターとしてやっていけるの?って事よ」
(;^ω^)「お!?」
返ってきた言葉は、辛辣なものだった。
……でも、本当は知っている。
風当たりはきついけれど、それは自分を“ブーン”として接してくれていて。
なおかつ、本心は心配してくれている、と。
要するに、照れ隠しなのだ。
( ^ω^)「…でも、目標はあるんだお。だから、今はだめだめでも、腕を磨いていくお!」
ξ-⊿-)ξ「はぁ、お熱いですこと。…死なない程度に頑張って来なさい」
( ^ω^)「お!ありがとうだお!」
21
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 22:38:05 ID:vpe/sankO
ツンと別れ、村の端まで歩いて来ると、そこにもまたブーンの親友の姿があった。
( ^ω^)「ドクオ?何してんだお?」
('A`)「ん?ブーンか。
アルバイトさ。この村も人が増えてきたから、どんどん拡張していかなきゃいけない。
だからこうして、村を囲う柵を打ち直してるの、さ!」
さ、の発音と同時に、大きな木槌が降り下ろされ、杭を地面に打ち込む。
( ^ω^)「よくそんなでかいハンマーを使えるおね…」
(*'A`)「へへっ、ちょっとしたコツさえ掴めば、使えないものじゃないぜ」
ドクオは、体格に恵まれている訳では無い。
だが、自分では扱えそうにない槌を振るうドクオが、大きく見えた。
22
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 22:39:20 ID:vpe/sankO
('A`)「お前は…これからクエストに行くのか」
( ^ω^)「そうだお。簡単な依頼だけどね」
('A`)「そうか。頑張ってこいよ」
(^ω^ )「ありがとうだおー」
親友に見送られ、雪山へと向かうブーン。
今、狩人となった少年の物語が、始まった―――
第一話 end
23
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/07/29(木) 22:41:18 ID:vpe/sankO
と、いう事で今回の投下は終わりです。
もし何か分かりにくい所があったら、気付いた時にできる範囲で答えます!
24
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2010/07/29(木) 22:42:46 ID:ZZ5TbrTs0
元ネタしらんけど読みやすくて良い文章だ
頑張ってくれ!
25
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/01(日) 21:11:16 ID:N7XQ0j6cO
これから第二話を投下しますが、注意事項ががががが
このお話では括弧を多用していますが、種類によって分類分けをしているためです。
【 】…武器名や防具名
“ ”…モンスター名
〈 〉…アイテム名
もちろん例外はありますけれども…。
では、投下します。
26
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/01(日) 21:12:22 ID:N7XQ0j6cO
第二話「ハンターのキホン」
―――雪山・ベースキャンプ―――
ブーンは今、一つの依頼をこなすために、雪山へとやって来ていた。
その依頼とは、〈雪山草〉という薬草の一種を集めてきて欲しい、というもの。
〈雪山草〉は麓よりも、山の上の方に生えている事が多い。
極寒の雪山の頂上付近は、常に吹雪にみまわれているような環境だ。
そのうえ、小型の肉食鳥竜や牙獣まで生息している。
一般の人では、まず立ち入る事は出来ないだろう。
そこで、ハンターの出番という訳なのだ。
( ^ω^)「まずは支給品を持っていくおー」
27
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/01(日) 21:13:05 ID:N7XQ0j6cO
簡単な造りのテントの側には、二つの箱が配置されている。
一つは赤い箱。
フィールドには、狩猟の役には立たないが、生活する上で役に立つ物、一般には〈精算アイテム〉と呼ばれる品を納品する箱だ。
依頼された品物も、この箱に納品することで完了、という流れになる。
もう一つは、青い箱。
こちらには、依頼――クエスト――をこなす時に役に立つ道具を、ハンターズギルドが幾らか支給品として用意しておいてくれるのだ。
一部のアイテムは、余った時に持ち帰れる物もあるので、利用しない手はない。
( ^ω^)「〈応急薬〉と、〈携帯砥石〉と、〈携帯食料〉と…」
自分が使うアイテムをポーチにしまう。
( ^ω^)「よーし、いくおー!」
掛け声をあげるとともに、ベースキャンプから駆け出した。
28
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/01(日) 21:14:52 ID:N7XQ0j6cO
―――雪山・エリア1―――
ベースキャンプを出ると、大きな湖に接した場所にくる。
ちなみに、ハンターズギルドが定めた狩猟区域は、大まかに区切られ、番号がわり振られている。
湖に接したこの場所は、エリア1の番号が振られていた。
湖の岸辺にそって進めばエリア2へ。
岸辺から反対の方向に進み、段差を昇った先には洞窟の入口が見える。
そこへ向かえば、エリア4へと進んでいける。
今回は雪山の頂上へと向かっていく必要があるため、エリア4へと向かう。
( ^ω^)「よいしょ…おっお!」
ブーンは段差を乗り越え、洞窟に進入していく。
29
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/01(日) 21:15:49 ID:N7XQ0j6cO
―――雪山・エリア4―――
洞窟の中は常に冷たい風が通っていて、出入り口が幾つもある事が想像できる。
一面が氷に覆われて薄水色に輝く洞窟は、どこか神秘的だった。
( ^ω^)「やっぱり、この場所は好きだおー…」
走るのではなく、歩いて先に進んでいくブーン。
ゆっくりとこの光景を眺めていたかったのだ。
(;^ω^)「っと、依頼、依頼…」
本来の目的が軽く、頭から抜け落ちていたブーン。
気を取り直し、洞窟の上方へと昇っていく。
このエリアは、昇っていくとエリア5へと抜ける事が出来る道があり、ブーンもその道を歩いてゆく。
30
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/01(日) 21:17:01 ID:N7XQ0j6cO
―――雪山・エリア5―――
このエリアの中央には深く、底の見えない崖が走っている。
もう山の中腹辺りまで昇ってきていて、さらに昇っていくと、洞窟の外に抜けられる出口が見えた。
だが。入口の前には、小型の肉食鳥竜が数匹、うろついているのが見えた。
“ギアノス”という肉食竜だ。
( ^ω^)「…戦闘、開始といくかお!」
駆け寄っていくと、ギアノス達もこちらに気付いたようで、一斉に威嚇の鳴き声を発する。
( ^ω^)「まずは、端にいるあいつ!」
一番端にいるギアノスに狙いをつける。
加速の勢いでジャンプし、腰から【ハンターカリンガ】を抜き放ち、加速と落下の力を利用した一撃を加える。
ガァァ、と鳴き声をあげながらのけぞるギアノス。
( ^ω^)「一気に畳み掛けて倒すお!」
31
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/01(日) 21:17:58 ID:N7XQ0j6cO
そのまま片手剣を振るい、怯んだギアノスに連撃を加えていくが、ギアノス達もやられっぱなしという事は、あるはずがない。
標的以外のギアノスが高く跳躍し、その足の爪をブーンに突き立てる。
横からの強襲だったために反応が遅れ、直撃を受ける。
(メ; ω )「いつ…っ!このぉ!」
大きく横なぎに剣を振るい、標的のギアノスを仕留める。
(メ ^ω^)「あと、二匹!」
前を見ると、再びギアノスが跳躍を繰り出してきている。
(メ;゚ω゚)「ちぃぃっ!」
すぐに盾を構え、ギアノスの爪をいなす。
そのまま切りかかろうとするが、ギアノスはまだもう一匹いる。
そのギアノスが液体を吐きだし、それがブーンの腕に付着する。
32
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/01(日) 21:19:23 ID:N7XQ0j6cO
(メ;^ω^)「うわっ!?腕が…!」
見ると、液体が一瞬にして凍り付き腕の部分が固まってしまっている。
ギアノスの吐きだした液体は過冷却状態となっていて、軽く衝撃を加えると一気に凍結してしまうのだ。
(メ;^ω^)「これじゃ、上手く剣が振れないお…」
動かせない事はないのだが、違和感が残る。
意識を前に向けると、再びギアノスが凍結液を吐き出す体制に入っていた。
(メ;^ω^)「危ねぇお!」
盾で凍結液を受け止める。
盾の表面に氷が張り付いたが、問題はない。
盾を構えたままギアノスに体当たりし、相手が怯んだところに斬撃を加えた。
(メ `ω´)「はぁっ!おっ!」
掛け声とともに剣を振るう。
ギアノスが、長く鋭いくちばしでブーンに噛み付こうとするも、ブーンは盾で打ち払い、続け様にギアノスの頭に剣を突き立て撃破する。
(メ ^ω^)「ラストだお!」
一対一に持ち込んでしまえば恐れるに足りず。
最後のギアノスは難なく倒す事ができた。
33
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/01(日) 21:20:27 ID:N7XQ0j6cO
(メ;^ω^)「ふぃー、終わったお」
【ハンターカリンガ】を腰にかけ、それとは別の小型のナイフを取り出す。
(メ ^ω^)「んじゃ、剥ぎ取りさせてもらうお」
ハンターの武器や防具は、モンスターの身体の一部を使う事が多い。
鱗や皮、また鱗が幾重にも折り重なってできる甲殻は主に防具に。
牙や爪、角などは主に武器になる。
それらは、倒したモンスターから素材アイテムという形で剥ぎ取って得る。
それが、ハンターの基本なのだ。
(メ ^ω^)「こいつの皮は傷が少ないから使えるおね。
こっちは……鱗しか使えそうにないお」
素材として使えそうな部位を剥ぎ取り終えると、ナイフをしまう。
(メ ^ω^)「さぁ、早く依頼をこなしちゃうかお!」
今回の目的は、あくまで〈雪山草〉の採集だ。
ブーンは洞窟をさらに昇っていき、洞窟の出口から雪山の外に抜けていった。
34
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/01(日) 21:22:05 ID:N7XQ0j6cO
―――雪山・エリア6―――
この辺りは雪山の八合目くらいに位置していて、常に雪が舞っている。
寒さも相当なものになるのだが、今のブーンは防寒具【マフモフ】シリーズを見に着けているため、寒さを心配する必要はなかった。
(メ ^ω^)「ここら辺なら見つかるはずだお」
とはいっても、やはり一面が雪に覆われていて、〈雪山草〉も雪の下に埋まってしまっている。
探し出す事もまた、結構な労働になるのだ。
―――真面目に探した時の話ではあるが。
(メ ^ω^)「“ガウシカ”は……、いたお」
頭に大きな角をもつ小型の草食動物、“ガウシカ”。
彼らは、何故このような厳しい環境の地に生息しているのか?
答えは、彼らの主食が〈雪山草〉だからだ。
つまり、“ガウシカ”が頭を下げ、何かを食べている場所には〈雪山草〉が生えている可能性が高いのだ。
35
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/01(日) 21:23:02 ID:N7XQ0j6cO
(メ ^ω^)「〈雪山草〉はあるかおー…。
お、あったお」
“ガウシカ”達の食事を邪魔しないように、周辺の雪をかき分けると、目的の〈雪山草〉を見つける事ができた。
(メ ^ω^)「よし、採集採集!」
持てるだけの〈雪山草〉を採集する。
〈雪山草〉は、先に述べた『精算アイテム』と呼ばれるもので、それらの品は、ハンターズギルドが積極的に買い取ってくれる。
今回、納品する数さえ残しておけば後は自由にしてかまわないのだ。
(メ ^ω^)「よし、じゃあそろそろ戻るとするかお!」
(メ ^ω^)「あ、その前に…」
(メ ^ω^)つ�訢 、ʔ勹骶淕堯�
+( ^ω^)'*
( ^ω^)「よし、傷も治ったお」
36
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/01(日) 21:24:45 ID:N7XQ0j6cO
支給された〈応急薬〉で傷を治す。
支給品の中には持ち帰れる物もあるとはいえ、ほとんどの物はクエスト終了の手続きの時に回収されてしまう。
ならば回収される前に使ってしまえ、という吝嗇な思いからの行動だった。
( ^ω^)「別に、使い方を間違えてる訳でもないからおね」
一人、そう納得してベースキャンプへと戻るブーンであった。
―――雪山・ベースキャンプ―――
( ^ω^)「赤いボックスは納品ボックス〜っと!
依頼、完了だお!」
無事に依頼を終えたブーンは、村へと戻ることにした。
37
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/01(日) 21:25:36 ID:N7XQ0j6cO
―――ポッケ村―――
出発する時、ドクオが立て直していた柵は整然と並んでいた。
ブーンはすぐに村長の元へ向かい、報告をする。
( ^ω^)「村長!依頼をばっちりこなして来ましたお!」
(#゚;;ー゚)「ええ、依頼人からも一応報告はもらっていたよ。
はい、これが報酬さ」
( ^ω^)「ありがとうございますお」
ブーンは手渡しで報酬金を受け取り、軽く礼をして家へと帰る事にした。
―――ブーン宅―――
( ^ω^)「ふぅ、今日は疲れたおー」
腰にかけていた【ハンターカリンガ】を外し、【マフモフ】シリーズを脱ぐ。
普段着に着替え、【ハンターカリンガ】の手入れを始める。
( ^ω^)「……反省点は、いっぱいあったお」
手入れをしつつ、今回のクエストの内容を振り返る。
38
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/01(日) 21:26:51 ID:N7XQ0j6cO
( ^ω^)「確かに、依頼は達成出来たお。
でも、問題はそこじゃなかったお…」
問題があった点はただ一つ。
“ギアノス”達との戦闘だ。
( ^ω^)「ギアノスなんて、所詮は雑魚と言ってもいいようなモンスターだお。
そんなギアノスを倒すのに、あんなに苦労しているようじゃあ…」
だめだめだおね、と続ける。
( ^ω^)「でも、まぁ…」
―――ほんのちょっとだけ、楽しめたかな。
と、思うブーン。
39
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/01(日) 21:27:33 ID:N7XQ0j6cO
フォックスの助言の通り、自分のペースでやっていけば、いつかは父さんの仇と遭遇できる。
また、そのモンスターを倒す事ができると信じて。
( -ω-)zZZ
眠りにつくブーンであった。
第二話 end
40
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/01(日) 21:30:03 ID:N7XQ0j6cO
という事で第二話の投下は終わりです。
戦闘描写、難しいです(^q^)
何か質問がある方はどうぞ!
41
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2010/08/04(水) 17:50:10 ID:P1CYHUG60
次回の話はいつですかね?
42
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 18:35:14 ID:OaIkQpb.O
おお、読者様が…!
>>41
えーとですね…
実は今日、この後投下しようと考えておりました。
まとまった時間がとれた時に投下しますね!
43
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2010/08/04(水) 20:38:26 ID:P1CYHUG60
期待してまってますねー!
44
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:09:57 ID:OaIkQpb.O
今回は図書館で宣伝してみようと思ったらこれだよ…
第三話、投下します!
45
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:11:35 ID:OaIkQpb.O
第三話「忍び寄る気配」
―――ポッケ村―――
( ^ω^)「村長さん、こんにちはですおー」
(#゚;;-゚)「こんにちは、ブーン殿。
依頼を請けにきたのかい?」
( ^ω^)「はいですお!」
武器や防具はすでに身に着けており、出発する準備は万全、抜かりはない。
(#゚;;-゚)「そうだねぇ…
じゃあ、この依頼をやってもらおうかね」
そう言ってでぃに紹介された依頼は、〈ポポノタン〉を集めてきて欲しいというもの。
もちろん、難易度は最も簡単なものとしての依頼だ。
( ^ω^)「わかりましたお!」
すぐさま雪山へと向かおうとするブーンに一つだけ、と話しかける。
46
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:13:10 ID:OaIkQpb.O
(#゚;;-゚)「この依頼なんだけど……なんだか、妙な感じがするんだよ。
〈ポポノタン〉を集めてくるだけだから簡単だと思うんだけど、十分に注意しておくれ…!」
(;^ω^)「? わかりましたお」
村長さんが心配してくれるのはいつもの事なのだが、このように注意を促す様な事は初めての事だ。
いつも以上に警戒する必要があるのだろう。
( ^ω^)「それじゃ、行ってきますお」
(#゚;;-゚)「気を付けるんだよ…!」
(^ω^ )「はいですおー!」
そして、ブーンは雪山に向かう為に、村の外側へと歩いていった。
47
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:13:57 ID:OaIkQpb.O
村の端に来ると、何件か、新しい家を建築している人たちがいた。
ほとんどの村は、中心部に村のシンボルがあり、その近辺から家などが建たてられていく。
つまり、村の中心部に近い家ほど昔からある家で、端にいくほど新しいものとなるのだ。
ちなみにブーンの家は中間辺りにあり、どちらとも言えない位置である。
( ^ω^)「おっおっお。村が大きくなっていくのは良い事だお」
その時、家を建築する人々の中に見知った顔を見つける。
( 'A`)
( ^ω^)「あれは、ドクオかお?なんでまた」
以前と同じように大きな槌を担ぎ、家の基礎などを造っているようだ。
( ^ω^)「おーい!
ドクオ、今日は家作りのバイトかお?」
('A`)「ん?ようブーン。
まあ、見てわかるだろ。」
48
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:15:45 ID:OaIkQpb.O
( ^ω^)「ドクオは働き者だおね」
('A`)「いや、実はやりたい事が見つかってな。
今もその為のお金を集めてるところなんだ。」
( ^ω^)「おっ!ドクオなら絶対できるおね」
(*'A`)「そう言ってくれると嬉しいぜ」
ドクオに頑張って、と伝え雪山に向かうと後方から待ってろよ、と声が聞こえてきた。
―――雪山・ベースキャンプ―――
( ^ω^)「支給品ももらったし、行くかお!」
青い箱に入っていた〈応急薬〉、〈携帯砥石〉、〈携帯食料〉、〈ペイントボール〉をポーチにしまい、ベースキャンプを後にする。
49
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:16:27 ID:OaIkQpb.O
―――雪山・エリア1―――
〈ポポノタン〉は“ポポ”という大型の草食動物から手に入れられる。
なんでも、健康に良いという事が分かったらしく、村での人気は鰻上りだった。
今回の依頼もまた、人気にあやかったものなのだろう。
その“ポポ”は、普段ならこのエリア1でも見掛ける事ができるのだが、今日は何故かただの一頭も見られない。
( ^ω^)「お…?このエリアがこんなに静かだなんて…」
やはり、異様だ。
何かがあると感じ取る。
とりあえずは、また雪山の上―――エリア6辺りを探索するのが良さそうだと考えたブーンは、前回のようにエリア4、エリア5を経由してエリア6へ向かった。
50
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:17:57 ID:OaIkQpb.O
―――雪山・エリア6―――
エリア6へやってくると、ターゲットである“ポポ”の群れを見つける事ができた。
早速倒し、〈ポポノタン〉を剥ぎ取るべく【ハンターカリンガ】の柄に手を掛けたその時、あの感覚が襲ってくる。
(ii^ω^)「ーーーっ!!」
そう。死が迫ってきた時の感覚。
言い様もない恐怖がブーンの心を支配する。
そして、“それ”は突然現われる。
空から降ってくる様にして飛んできたモンスター…
轟竜、“ティガレックス”。
(;゚ω゚)。o(やばいおやばいお絶対やばいお早く逃げるお次は死ぬお…)
だが、この時のブーンは運が悪かった。
ブーンのすぐそばの壁のような岩から、雪が落ちてきた。
ドサリ、と音を立ててブーンの真横に落ちる雪。
振り向く、轟竜“ティガレックス”。
見つかって、しまった。
51
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:18:59 ID:OaIkQpb.O
轟竜と呼ばれる所以か。
ブーンの姿を捉えた“ティガレックス”は、恐ろしいほどの咆哮をあげる。
ビリビリと、音がブーンを襲う。
そして。
“ティガレックス”はブーンに向けて突進を始めた。
(;゚ω゚)「おおぉぉぉぉ!!」
これは、盾を使っても意味を持たないだろう。
ブーンは身を投げ出す様にダイブし、間一髪で突進を回避する。
すぐに起き上がり、走る。
(;゚ω゚)「ハァ、ハァ…!ま、間に合えぇ…ッ!」
走る先には道があり、先が細くなっている。
これなら“ティガレックス”は通る事が出来ない。
後ろを見れば、“ティガレックス”は再び突っ込んできている。
逃げ切るのが先か、それとも――――
( ゚ω゚)「おおおおぉぉぉぉ!!!」
52
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:20:25 ID:OaIkQpb.O
その細道に飛び込んだ。
直後、質量感のある物同士がぶつかりあう音が響く。
後ろを見れば、“ティガレックス”の頭が見える。
ガチガチと歯を鳴らし、必死にブーンを噛み千切ろうとするも、届く事はなかった。
ようやく諦めたのか、頭を引き抜き何処かへと去っていく“ティガレックス”。
それを見届け、ようやく胸をなで下ろす事ができた。
(;´ω`)「ふぅ、助かったお…
村長さんが言ってたのって、あいつの事だったのかお…」
と、ここでブーンは一つ失敗を犯していた事に気付く。
(;^ω^)「やべ、あんなやつがいるんなら〈ペイントボール〉をぶつけとけば良かったお…」
〈ペイントボール〉とは、モンスターにぶつけると強烈な匂いを放つアイテムだ。嫌な匂いではないため、狩猟に支障はない。
その匂いを辿れば、ぶつけたモンスターがどこにいるかがわかるのだ。
今、この状況で“ティガレックス”の居場所が分からないのは大きな不安要素となってしまった。
53
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:21:27 ID:OaIkQpb.O
(;^ω^)「どうするかおー…」
悩んでいても仕方がない。
この細道を進めばエリア7へ行けるので、そのまま向かう事にする。
―――雪山・エリア7―――
ここは、雪山の九合目にあたる地点にあるエリアだ。
岩影にはテントの跡地がある。
かつて、ここにベースキャンプの設置を試みたのだろうか。
辺りを見回すと、ここにも“ポポ”がうろついていた。
( ^ω^)「こんな山中まで、ご苦労なこったお」
だが、こちらも依頼をこなさなければならない。
【ハンターカリンガ】を構え、“ポポ”に切りかかった。
何度も切り付けていくと、やがて“ポポ”は息絶えた。
( ^ω^)「ちゃっちゃと剥ぎ取りしないと、また奴がくる―――」
54
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:22:51 ID:OaIkQpb.O
お、と発音したその瞬間。
ズン、と重量感のある音が後方から聞こえてくる。
冷汗が溢れ出す。
外れて欲しい予感を確かめるべく、振り向くと。
咆哮が響き渡る。
再び、“ティガレックス”が現われた。
(ii゚ω゚)「冗談きついお…」
“ティガレックス”が、その腕の力を利用し雪の塊を押し飛ばしてくる。
咄嗟に盾を構えて防ぐものの、勢いは押さえ切れなかった。
後ろへのけぞるブーンを今度こそ仕留めんと、突進をはじめる“ティガレックス”。
ブーンはダイブする様に飛び退き、突進を回避するものの、依然として状況は悪かった。
前方に、山頂への道が見えた。
例によって道が狭くなっていて、逃げ切れれば“ティガレックス”は追ってこれないだろう。
しかし、そこまで駆ける間、身を隠せる岩などは、ない。
55
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:24:05 ID:OaIkQpb.O
(#゚ω゚)「でも、行くしかないお!」
駆け出すブーン。
ブーンは、ここで一つ賭けに出た。
先ほどの様に、突進してきたのならば盾で防いでも“ティガレックス”自身の体重等の点を考えると、まず助からないだろう。
だが、たった今ブーンは一筋の光明を見出し、そこに賭けた。
全ては“ティガレックス”の、次の行動にかかっている。
そして、“ティガレックス”が繰り出した攻撃は―――
――――雪の塊を押し飛ばす事だった。
( ^ω^)「いよっしゃあ!!!」
心の底から喜びの気持ちが湧いてくる。
先ほどに、この攻撃なら盾で防ぐ事が出来た為である。
さらに、攻撃を防いだ時、さっきは勢いを押さえ切れずに後ろにのけぞってしまったが、今は、勢いを殺す必要は無い。
56
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:25:28 ID:OaIkQpb.O
ばこん、と盾に雪塊がぶつかる。
その瞬間、ブーンは後ろに向かってジャンプした。
ジャンプの勢いに、雪塊を防いだ勢いが加わり、かなり後方に飛ばされてしまうのだが。
山頂への道へ、一気に近付くことに成功する。
( ^ω^)「計画通り!さっさと逃げるお!」
山頂への道に駆け込むブーン。
今度は突っ込んでくる事なく“ティガレックス”は去っていった。
―――雪山・エリア8―――
雪山の山頂にあたる地点。
標高が高かろうと“ポポ”にとっては問題ないようで、のんびりと草を食べている。
57
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:26:18 ID:OaIkQpb.O
( ^ω^)「近くに“ティガレックス”がいるかもしれないのに…」
呑気なやつらだ、と心の中で呟きつつ【ハンターカリンガ】を抜く。
〈ポポノタン〉が、先ほど手に入れたものだけでは、依頼された量には足りなかったのだ。
一頭の“ポポ”に切りかかり、仕留める。
小型のナイフを取り出し、解体をはじめる。
(;^ω^)「はぁ、やっと依頼された量が集まったお…!」
後はこれを納品するだけだ。
ベースキャンプへと戻る足並みは、自然と駆け足になった。
エリア7に戻ると、“ティガレックス”が戻ってきた様子もなく、しぃんと静まり返っている。
( ^ω^)「早く戻るおー」
いつまた“ティガレックス”が現われるかは分からない。
のんびりしている時間はないのだ。
そのまままっすぐ走り抜け、エリア2へと向かう。
58
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:27:07 ID:OaIkQpb.O
―――雪山・エリア2―――
高く、切り立った崖があるエリア。
崖には昇降できそうな足場がところどころにあり、少し危険ではあるがうまく進めば一番下まで降りる事ができそうだ。
( ^ω^)「おっ、おっ、おっ!」
ブーンは、高さに臆する事なくひょいひょいと飛び渡る。
その甲斐あってか、あまり時間をかけずに下山出来た。
( ^ω^)「よし、もうちょっとで帰れるお!」
ブーンは両腕を横に広げ、颯爽と駆けていった。
( ^ω^)「やっとエリア1まで帰ってこれたお…」
何時間も雪山を彷徨い歩いた感覚がブーンに訪れる。
実際には、ほんの15分程度でしかないのだが。
気が緩みきっていたその時。
―――遥か上空から、凶気が舞い降りた。
59
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:28:42 ID:OaIkQpb.O
( ゚ω゚)「……お?」
あまりに予想外の展開に、状況を把握しきれない。
混乱するブーンの前に立ちはだかる“ティガレックス”。
ブーンがようやく状況を掴めたのは、轟く咆哮をまともに受け、反射的にうずくまってしまった時だった。
(∩゚ω゚)「耳が痛いお!」
耳鳴りが引き、ようやく顔をあげると。
“ティガレックス”はすでに突進してきているではないか。
(ii゚ω゚)「おおぉぉぉぉ!?」
ギリギリのタイミングで真横に飛び、難を逃れたブーン。
“ティガレックス”の体制が整わぬ内に、ベースキャンプへと駆け出すブーンだが、その上を影が追い越し、再びブーンの前に立ち塞がる。
(;^ω^)「どうあっても逃がさないつもりかお…」
ブーンの呟きに答えるかのように、歯をガチ、ガチと鳴らす“ティガレックス”。
60
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:29:43 ID:OaIkQpb.O
何か手立てはないのか、と考えるブーン。
周囲を見渡すと、一つの方法を閃いた。
( ^ω^)「…やってみるかお!!」
腹を括り、駆け出すブーン。
“ティガレックス”も突進を始めた。
ブーンが向かった先は、エリア4へと向かう道の前にある、高台だ。
ジャンプし、足場の端に手をかける。
“ティガレックス”が突っ込んでくる。
腕を引き、片足をかける。
距離が縮まる。
高台に上りきったその瞬間、“ティガレックス”は高台の壁に衝突する。
(( ゚ω゚))「おおぉ…」
軽く地響きがする。
すかさず駆け出すブーン。
壁に衝突し、怯んだ“ティガレックス”の背の上を一気に駆け抜ける。
(# ゚ω゚)「いっけぇぇぇぇ!!!」
“ティガレックス”は、背の上のブーンに対して何もする事が出来ないようだった。
飛び降り、ベースキャンプへの道へ飛び込む。
61
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:31:05 ID:OaIkQpb.O
ベースキャンプへなんとか生還したブーンは赤い箱に〈ポポノタン〉を納品し、さっさと雪山を後にする。
( ´ω`)「えらい目にあったお…」
村へと戻る足取りは重かったが、それが自分の生還を実感させてくれた。
―――ポッケ村―――
(#゚;;-゚)「そんなことがあったのかい…
なんにせよ、ブーン殿が無事で良かったよ…!」
( ´ω`)「お……ありがとうございますお…」
疲れきっているブーンは、でぃに依頼完了の報告を済ませると真直ぐ家に帰宅した。
【マフモフ】を脱ぎ、普段着に着替える。
【ハンターカリンガ】の手入れもなおざりに、深い眠りについた。
つなぎ止めた生を噛み締める様に――――
第三話 end
62
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:33:35 ID:OaIkQpb.O
これで、今回の投下は終わりです。
次のお話も一週間以内に投下したいですねー…
毎度のごとく、何か質問があればどうぞ。
63
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2010/08/04(水) 21:39:51 ID:LASXl4JEO
よし、最初から読み終えた
見た感じ、モンハンのストーリーに沿っていってるみたいだけど、これからもその調子で続けんの?
それともオリジナルストーリーに移行?
ネタバレになりそうなら答えなくてもかまわないよ
あと、なんか他に書いたことある?
64
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2010/08/04(水) 21:50:38 ID:P1CYHUG60
でぃか…
65
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 21:53:42 ID:OaIkQpb.O
>>63
基本は『モンスターハンターP2G』のシナリオに沿った話を展開させていきますが、途中からオリジナル要素を展開させていこうと思ってます。
また、自分が書く長編はこれが初めてです。
まずは長編を完結させて、それが次に繋がっていければ…なんて考えてます。
66
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2010/08/04(水) 22:02:26 ID:LASXl4JEO
>>65
ってことはウk…白くてデカイ奴て戦うまでひたすらクエを書き続けるってわけじゃないのな
安心した
頑張ってくれ
67
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/04(水) 22:09:59 ID:OaIkQpb.O
>>66
一つ一つのクエストを書いていたら面白くも何ともありませんからね!
次回からもよろしくお願いします。
68
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/07(土) 20:03:20 ID:u8TNRoxIO
短いですが、これから第四話を投下します。
総レス数10って・・・
69
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/07(土) 20:04:07 ID:u8TNRoxIO
第四話「肉食竜のリーダー」
( ^ω^)「おっお。村長さん、この依頼もこなしてきたお!」
(#゚;;-゚)「ええ、分かったよ。
最近、ブーン殿もハンターとして板に付いてきたかもしれんのぅ。」
(* ^ω^)「そうですかお〜?」
今、ブーンがこなしてきた依頼は増えた“ギアノス”を倒してきてほしいというもの。
倒す数は少ないので難易度は最低に位置付けられているが、それでも狩りには変わりはない。
最近のブーンは、モンスターと対峙し、剣を振るって打ち倒す事が面白く思えて仕方がなかった。
(* ^ω^)「おっおっお。次、何か狩りの依頼はありますかお?」
(#゚;;-゚)「う〜ん、今ブーン殿に紹介できる依頼は…」
無い、と言おうとしたその時、一人の少年がでぃの名を叫びつつ駆け寄ってくる。
70
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/07(土) 20:04:49 ID:u8TNRoxIO
(;'A`)「で、でぃ村長!大変です…!」
(;^ω^)「ドクオ!?」
(#゚;;-゚)「おや、ドクオ殿…そんなに慌ててどうしたんだい?」
全力で駆けてきたドクオは息を整えつつ、要件をでぃに伝える。
(;'A`)「はぁ、はぁ…っ、この村のすぐそばに、“肉食竜のリーダー”が出たんです!
しかも、近くにいた子供たちに襲いかかってきて…!
自分たちだけじゃ、追い払う事が精一杯でした。だから、村長に狩猟依頼として頼んでこい、と言われまして…」
(;^ω^)「“肉食竜のリーダー”かお…」
この近辺の肉食竜と言えば、つい先ほど話題にあがった“ギアノス”の事である。
(#゚;;-゚)「ほぅ、そうかい…
………うん、ちょうどいいかも知れないね。ブーン殿。この依頼を引き受けてみないかい?」
(;^ω^)「………お?」
急に話を振られて、少し戸惑うブーン。
71
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/07(土) 20:06:08 ID:u8TNRoxIO
(#゚;;-゚)「ブーン殿には、そろそろ中型よりも大きいモンスターの狩猟も任せられると思うんだけど…どうだい?」
(* ^ω^)「やります、やれます、やってみせますお!」
(;'A`)「気を付けろよブーン。奴の爪はとても鋭かったからな…」
(* ^ω^)「ギアノスのリーダーくらい、一捻りにしてやるお!」
そう言って、準備のために自宅に戻るブーンをよそに。
('A`)「……あいつ、大丈夫なのか…?」
(#゚;;-゚)「さぁ…。予想はついてるんだけどね、何があるかは…」
('A`)「神のみぞ知る、って事ですか…」
二人の会話には、不穏な空気が漂っていた。
('A`)「ところで、なぜ結果が想像できるのに、ブーンを行かせたんですか?」
(#゚;;-゚)「……あの子は、何だかんだ言いながらもベーンの息子って言って、少し過剰な自信を持っているんだよ。
これで、過度の自信をうまく削って、緊張感を持ってくれればいいんだけどねぇ…」
72
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/07(土) 20:07:01 ID:u8TNRoxIO
('A`)「そうですか…」
( A )。o(自信を打ち砕かれる事で、ハンターとして戦えなくなったらどうするんだ…)
(#゚;;-゚)「いや、その心配は無いよ。そんな気がするだけなんだけどねぇ。」
(;'A`)「…!?
そ、そうですか…」
心を読まれ(?)、ぎくりとするドクオだったが、でぃは数百年生きてきた人物らしいので、そう言った事は出来て当たり前なのかも知れない。
(#゚;;-゚)「ところで、ドクオ殿はこの後やる事は無いのかい?」
('A`)「この後は…。用事がありますね」
(#゚;;-゚)「そう…、頑張っておくれよ」
('A`)「……用事が済んだら、またよろしくお願いします」
そう言い残し、立ち去って行くドクオ。
その姿を見届けるでぃは誰に宛てるでもなく、楽しみだねぇ、と呟いた。
73
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/07(土) 20:08:14 ID:u8TNRoxIO
―――雪山・ベースキャンプ―――
( ^ω^)「よし…、やってみせるお!」
準備を終えたブーンは、すでに雪山へ到着していたようだ。
( ^ω^)「支っ給っ品〜
…って、なんだおこれ…」
ピンの付いた瓶のようなアイテムや、円盤状のアイテムなど見たこともない品がたくさん入っていた。
(;^ω^)「いいや、置いていくお…」
用途の分からない品には手を付けず、いつもどおり〈応急薬〉、〈携帯食料〉、〈携帯砥石〉を取り出しポーチにしまう。
( ^ω^)「おっおっお、まぁギアノスだし、なんとかなるお!」
ギアノスなら、依頼をこなす際に何度も倒してきた。
今度も問題はないだろう。
74
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2010/08/07(土) 20:08:16 ID:T2KGbnRU0
投下中?
75
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/07(土) 20:09:06 ID:u8TNRoxIO
( ^ω^)「とりあえず上のエリアに行くお」
雪山での依頼の目的は、だいたいが上の方のエリア―――
エリア6、7、8辺りで見つかるものばかりだったため、今回も半ば習慣のように雪山の上を目指していく。
―――雪山・エリア6―――
エリア6へ抜けると、“ギアノス”が3体うろついていた。
( ^ω^)「よし、肩慣らしに倒しちゃうお」
【ハンターカリンガ】を構え、駆け寄っていく。
こちらに気付いた“ギアノス”達は一斉に威嚇を始める。
だが、ブーンはそれを気にする事なく切りかかる。
のけぞる“ギアノス”に手早く追撃を加えていき、残りの2体が集まってくる前に仕留める事に成功する。
76
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/07(土) 20:10:14 ID:u8TNRoxIO
( ^ω^)「よし、順調!」
だが、一息ついたところへ1体のギアノスが飛び掛かってくる。
( ^ω^)「おっ、ちょろいお―――!?」
交わしたと思った直後に、突然爪の一撃を食らう。
飛び掛かってきた“ギアノス”の背後から、もう1体の“ギアノス”が飛び出してきたのだ。
(メ ^ω^)「うッ、ここは一度体制を…」
少し距離を置いて仕切り直そうとしたその時、遠くから一際大きな威嚇の遠吠えが聞こえてくる。
(メ;^ω^)「今、来るのかお!?」
現われたのは、今回の狩猟の対象である肉食竜のリーダー、“ドスギアノス”その体長は軽くブーンの二倍はあるだろう。
77
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/07(土) 20:10:56 ID:u8TNRoxIO
(メ ゚ω゚)「………おぉ!?」
想像と全く違うモンスターが、そこにいた。
普通の“ギアノス”とは違う、立派なトサカが見て取れる。
(メ ゚ω゚)「ッ!!」
いきなり、“ギアノス”2体の動きも変わった。
ブーンの動ける範囲を奪い取るかのように。
(メ;^ω^)「くそッ、邪魔するなお!」
2体の“ギアノス”に誘導されるかのように動いてしまったブーン。
次の瞬間に、自分の視界が回っている。
正しくは、自分が転がっているのだが。
(メメ ω )「う、ぐ…」
まんまと“ギアノス”達の連携にはまったブーンは、飛び掛かってきた“ドスギアノス”の鋭い爪で切り付けられたのだ。
攻撃されたと思われるところを見ると、【マフモフ】の防具が裂けていた。
78
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2010/08/07(土) 20:11:03 ID:T2KGbnRU0
そうか投下中か
応援してる
モンハン好きだぜ
79
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/07(土) 20:12:14 ID:u8TNRoxIO
(メメ#`ω´)「やられっ放しでいられるかおッ!!」
剣を構え、ジャンプ斬りを放つ。
勢いと重力を利用したこの一撃はかなりの威力を誇る。
――――だが。
“ドスギアノス”の鱗を貫く事は無かった。
(メメ;^ω^)「!? こいつ、堅いお…!」
思わず身体が硬直してしまう。
その一瞬で、“ギアノス”2体と“ドスギアノス”が一斉に飛び掛かる。
(メメメ ω )「うわぁぁッ!!」
集中攻撃を受け、かなりの傷を負ってしまった。
〈応急薬〉を使おうと、ポーチに手を伸ばすが。
(メメメ゚ω゚)「…!
ポーチが!」
先に“ギアノス”が吐き出した凍結液が命中し、ポーチが開けられなくなってしまった。
ブーンが戸惑い、動きが止まったのを見るいなや、“ドスギアノス”も凍結液を吐き出す。
80
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/07(土) 20:14:10 ID:u8TNRoxIO
やはり“ドスギアノス”の攻撃は凍結液も規格外なものだった。
それをまともに受けてしまったブーン。
もう、動く事はかなわない。
(メメメ;゚ω゚)「う、動けな…!」
どれだけ力を入れようとも身に纏わりつく氷を砕く事が出来ない。
今のブーンは、ただの的にしかならなかった。
“ギアノス”たちがブーンを取り囲む。
(メメメメω )。o(もう、終わりかお…)
薄れゆく意識の中、何かが聴こえた気がした――――
第四話 end・・・?
81
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/07(土) 20:14:51 ID:u8TNRoxIO
―*―*―*―*―*―*―*―
( Д )「…ん?なんだ…?」
( Д )「ありゃあ…“ドスギアノス”とその取り巻きどもか。
……って、誰かいる?」
( Д )「チッ、面倒だがほっとく訳にゃ…いかねえよなッ!!」
(# Д )「ゴルァァァ!!!」
―*―*―*―*―*―*―*―
82
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/07(土) 20:16:59 ID:u8TNRoxIO
ということで今回の投下は終わりです。
短かった…ですが、次回から長くなるかもです
質問があれば、いつものようにどうぞ!
83
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2010/08/07(土) 20:32:05 ID:T2KGbnRU0
乙
ギアノスの群れでこの強さかよ…
世界観がパネェな
84
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2010/08/07(土) 21:00:01 ID:AV2orR8E0
乙乙、次回もwktkして待ってる
85
:
以下、名無しにかわりましてブーンがお送りします
:2010/08/09(月) 02:03:41 ID:ULagy41E0
これは面白い。期待してるよ!
86
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/09(月) 19:18:10 ID:ODaUXujoO
やっとキャラが増えるよ!
それでは第五話、投下します!
87
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/09(月) 19:18:55 ID:ODaUXujoO
第五話「師匠と弟子?」
( ω )「う、うぅ…」
( ゚ω゚)「うわぁぁぁぁ!…お?」
うなされ、飛び起きたブーンの目には見慣れない天井が映った。
( ^ω^)。o(あれ、デジャヴを感じるお)
なんて、とりとめのない事を考えていると、部屋の扉の外から声が聞こえてきた。
『あ、起きたのかな。
ギコくーん!あの子、眼が覚めたみたいだよー!』
かわいらしい、女性の声だった。
続けて聞こえてきたのは、たくましいような印象を受ける男の声だ。
『そうか、分かった。
ちょっと行ってみるぞ』
どうやら、この部屋にくるらしい。
慌ててしまい、寝ているふりでもしようかと考えたその時、扉が開き、二人の男女がやってくる。
88
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/09(月) 19:19:45 ID:ODaUXujoO
(,,゚Д゚)「…よう。身体の調子はどうだ?」
(;^ω^)「お、えっと、その…。
特に支障はありませんですお」
(*゚ー゚)「キミ、氷漬けになってたんだよ?
どこか、感覚がない!なんて事、ない?」
(,,゚Д゚)「本人が大丈夫って言ってるんだ。なら、大丈夫なんだろうよ。」
何がなんだか分からないことばかりだが、ここは一つずつ解決していこう。
そこまで考えたブーンが最初にした質問は。
(;^ω^)「ええっと、お二人様はどちらさまですお…?」
(,,゚Д゚)「ん?ああ、名乗って無かったな。
俺はギコってんだ。」
(*゚ー゚)「私は、しぃって言うの。
よろしくね、ブーン君!」
89
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/09(月) 19:21:06 ID:ODaUXujoO
(;^ω^)「!?初対面…ですおね……?」
(*゚ー゚)「初めましてだね〜」
( ^ω^)「なんで、僕の事を知ってるんですかお?」
自分が名乗った覚えは無いのに、何故?
その答えは、聞いてみれば簡単なものだった。
(,,゚Д゚)「村長に『“ドスギアノス”にやられた奴を連れてきた』って言ったらお前の名前を教えてくれたんだよ。」
(,,-Д-)「しっかし、あのベーンの息子であるお前さんが、“ドスギアノス”ごときにやられるなんてなぁ…」
( ω )「………ッ」
今、一番聞きたくない名が出てくる。
自然と怒りが込み上げてきてしまうのは仕方の無いことか。
(# ω )「……だからなんだお…?
悪かったおね、『ベーンの息子』が“ドスギアノス”ごときにも勝てない奴でッ!!」
90
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/09(月) 19:21:49 ID:ODaUXujoO
(;*゚ー゚)「ちょっと、ブーン君!?」
(,,゚Д゚)「ああ、お前は弱いな。
………だが――――」
―――――身内に天才がいる気持ちは良く、分かるぜ。
ブーンに聞こえるか、聞こえないかの大きさで呟く。
だが、ブーンは一瞬ギコの顔に陰りが差したのを見逃さない。
何かを感じ取ったブーンは、再び落ち着きを取り戻した。
( ^ω^)「……いきなり声を荒げて申し訳ないですお」
(,,゚Д゚)「ん…?急にしおらしくなったな。
で、お前さんはこの後はどうするんだ?」
( ^ω^)「それなら…もういちd(,,゚Д゚)「もう一度挑もうってのは止めた方がいいと思うけどな」
91
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/09(月) 19:23:01 ID:ODaUXujoO
(;^ω^)「!?どうしてですかお!?」
(,,゚Д゚)「お前、“ドスギアノス”に手も足も出なかったみたいじゃねえかよ。」
(;^ω^)そ「うっ…」
確かに、自分の腕では傷一つつけられなかった。
( ω )「なら、どうすれば…」
沈黙が訪れる。
だが、二人を見ると何やら話し合っているようだった。
(*゚ー゚)「ねぇギコ君、ブーン君の事、どうするの?」
(,,゚Д゚)「どうするったってなぁ…。
なんか放っておけないよな…」
(*゚ー゚)「……自分を重ねて見てる?」
(;,,-Д-)「だろうな。
我ながらおかしな話なんだがな」
92
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/09(月) 19:23:51 ID:ODaUXujoO
(*゚ー゚)「…なら、こう言うのはどうかな?」
(,,゚Д゚)「???」
―――――――――――
( ^ω^)「おっ?」
どうやら、二人の会議が終わったようだ。
二人とも僕の方へ向き直す。
(*゚ー゚)「ねぇ、ブーン君。キミは、強くなりたい?」
(;^ω^)「お?もちろんですお」
いきなりの質問は、回答が決まっているようなものだった。
(*゚ー゚)「じゃあさ。よかったら、私たち二人でアドバイスしてあげよっか?」
(,,゚Д゚)「他人に聞くってのは屈辱かも知れないが、確実に実力はつくと思うぜ?」
(;^ω^)「おぉ?でも、お二人の都合は…?」
(*゚ー゚)「別に一緒に狩りに行く訳でもないからね、大丈夫だよ!」
(,,゚Д゚)「そう言う事だ。
……で、どうする?」
93
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/09(月) 19:24:58 ID:ODaUXujoO
さっき、ギコさんは他人に聞くのが屈辱…だとか言ってたけれど、自分としては“ドスギアノス”にやられっ放しという事の方がよっぽど悔しい。
答えは、一つだった。
( ^ω^)「…ぜひ、よろしくお願いしますお」
(*^ー^)「決まりだねっ!よろしく、ブーン君!」
(,,゚Д゚)「厳しくいくからな」
この瞬間、奇妙な師弟関係が成立した。
( ^ω^)。o(それにしてもこの二人、案外ノリノリだお…)
(,,゚Д゚)「よし…まずは、武器と防具を作り替えろよ。」
( ^ω^)「作り……替える…………?」
武器と防具を替える、なんて考えもしていなかった。
(;゚ー゚)
(;,,゚Д゚)
あれ。なんかおかしい事を言ったかな?
二人の視線が突き刺さる。
94
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/09(月) 19:25:47 ID:ODaUXujoO
(;,,゚Д゚)「お前、まさかとは思うが…
鍛冶工房を利用してないのか……?」
( ^ω^)「お?以前、ひしゃげた盾を直してもらいましたお」
(;゚ー゚)「えーっと、そうじゃなくて…
装備を鍛えてもらったりはしてないの…?」
装備を、鍛える?
しぃの言っている事が分からなかったので、素直に質問をしてみる。
(;^ω^)「あの、装備を鍛えるって…?」
その言葉を聞いた二人は。
(;,,-Д-)
(;-ー-)
あきれた表情を浮かべていた。
95
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/09(月) 19:26:39 ID:ODaUXujoO
ギコが前触れもなく話し始める。
(,,-Д-)「…お前の言うように、鍛冶工房は武器の修繕もやってくれるが…
本来は武器や防具を作ったり、鍛えて強化したりする所なんだよ」
(*゚ー゚)「その為には、必要な素材を自分で持って行かなきゃいけないんだけどね。
だから、倒したモンスターから剥ぎ取って素材を集めたりするでしょ?」
( ^ω^)「お、わかりましたお」
ただ、擦り込みされたように素材を剥ぎ取ってはいたけれど、どうすればいいかは詳しくはしらなかった。
早速、知識が増えた。
(,,゚Д゚)「この様子だと、あの片手剣は【ハンターカリンガ】のままだな。
しぃ、こいつに素材集めについて行ってやってくれないか?」
(*゚ー゚)「うん、分かった!」
96
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/09(月) 19:27:49 ID:ODaUXujoO
( ^ω^)「ギコさんはどうするんですかお?」
(,,゚Д゚)「俺はクエストをこなしてくるさ。
強化した武器を試してみたいしな」
そう言って手に取った剣は、ギコと同じくらいの大きさをもつ、魚のヒレのような大剣だった。
( ^ω^)「おぉ…すごいお…」
(,,゚Д゚)「そうか?ありがとよ。
んじゃあ、しぃ、よろしく頼む」
(*^ー^)「うん、任せて!
じゃあブーン君、先にギルドの前で待っててよ。準備してくるからさ!」
( ^ω^)「わ、分かりましたお」
半ば流される様に、素材集めへと向かう事に。
ブーンはギコ達に預かってもらっていた装備を受け取り、すぐに装備をしてハンターズギルドへと向かった。
97
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/09(月) 19:28:37 ID:ODaUXujoO
―――ポッケ村・ハンターズギルド前―――
( ^ω^)「よし、ついたお……
って、あれは…」
そこに通り掛かった人物は、ブーンはよく知る人だった。
( ^ω^)「ツン!」
ξ゚⊿゚)ξ「っ!ブーン!?」
何か驚いた様子だった。
( ^ω^)「おっお、こんにちはだお――――」
ξ#゚⊿゚)ξ「この馬鹿ーー!!!」
(#)゚ω゚)・:`. ブフッ
痛い。なんで殴られたんだろう。
ちょっと腑に落ちない。
(#);^ω^)「ど、どうしたんだお、ツン!?」
ξ#゚⊿゚)ξ「ドクオから聞いたわ。あんたがモンスターのことを舐めてかかって行った、って。
それで案の定勝てなくて、おまけに怪我したって聞いて……」
98
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/09(月) 19:30:03 ID:ODaUXujoO
最後の方は、少し涙声だった気がした。
うつむいて静かになってしまったツンに、なんて声をかければいいのか迷っていると。
『ブーン君、お待たせー!』
しぃさんの声が聞こえてきた。
しぃさんの姿を確認すると。
( ゚ω゚)
………露出度が高かった。
あれで防具って言えるのか?
(*゚ー゚)「さ、ブーン君!ぐずぐずしてる暇は無いよ!
早く行こう!」
そう言って、僕の手を引いてくる。
(;^ω^)「え、ちょ、しぃさん!?待っ――――」
この時、ツンに視線を向けると。
ξ# ⊿ )ξ
あ、あれは間違いなく怒ってる。
戻ってきたら土下座して謝ろう…。
99
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/09(月) 19:30:48 ID:ODaUXujoO
( ^ω^)「そういえばしぃさん、一ついいですかお?」
(*゚ー゚)「なぁに?」
( ^ω^)「雪山とかの特定狩猟地区には、依頼を受注した時じゃないと入れないんじゃ……?」
主に、モンスターが多く生息する地区がこれにあたる。
勝手に侵入し、そこでモンスターにやられ、身元の確認が出来ないという事を防ぐためである。
(*゚ー゚)「ふふん、それはね〜」
そこまで言って、ギルドの受付嬢に何かを話す。
(*゚ー゚)「雪山・素材ツアーを二人で受注します」
(゚、゚トソン「はい、かしこまりました。
お気を付けて下さいね」
(*゚ー゚)「…と、いうこと!」
100
:
◆bUYB7.cOOs
:2010/08/09(月) 19:32:13 ID:ODaUXujoO
_, ,_
(;^ω^) 「!?」
何の説明もされていないので、分かる訳が無い。
( ^ω^)「つまり……?」
(*゚ー゚)「素材集めをするためだけに請けられる依頼があるってことだよ」
なるほど、ようやく分かった。
早速、雪山へと向かう事にする。
―――雪山・ベースキャンプ―――
( ^ω^)「まずは支給品…ってなんだおこれ」
(*゚ー゚)「それは〈ネコタクチケット〉だね。
それを納品するとクエスト終了の報せになるんだよ!」
ならば、これが無いと帰れないのか、と思ったので、聞いてみることにする。
聞ける時に聞いておこう。
( ^ω^)「納品出来なかったら、失敗扱いなんですかお?」
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