コピペ用すれ2 - 1527464055 - したらば掲示板

995：17/n：2024/02/25(日) 06:47:31 ID:yHItlfKM0: 　このことから中心領域と辺境の近辺で生き残った惑星の全てが穀倉地帯だと思うかもしれないが、実状は全く異なる。多数の世界で、
経済のかなりの部分が原始的でエネルギー効率の悪い浄水濾過器と、環境に見合わないが必要に迫られて行わざるをえない労働集約的
な農業手法に注ぎ込まれているのである。いくつかの世界が水を厳格に統制する独裁政権によって支配されている一方で、食料生産を
助けるべく全ての健常な国民に家庭菜園の維持を要請する世界もある。3030～3040年代に起きた大規模な好景気のいくつかは、新たな
コンピューターチップや復活したジャンプシップ設計が理由ではなく、一見無害な化学と農学が復興した結果だった（かろうじて生き
延びるための[農業生産]作業から惑星全体の労働力が解放され、より有益な学校建設や工場の人員拡充が行われた）。

　工業生産高と同じように、惑星の農業依存度レベルは人口と連動している。人口1億人で農業依存度Aの惑星が生産する食物は、人口
50億人で農業依存度Cの惑星の生産量よりもはるかに少ない。

　【田園世界】：[人類が]入植してきた最も快適な惑星（農業依存度AとB）では、地球で数千年にわたって行われてきたのと同様の形
で水の供給と食物の栽培が行われており、多種多様なそれらはほとんど労力を必要としない。

　人口のどの程度の割合が農業に携わっているのかは現地の技術[レベル]による。退行してしまったアナポリスでは、人口の大部分が
蒸気機関誕生前の後期段階にあたるテクノロジーを使っており、農場に労働力の半分以上が投入された上で、人力もしくは動物を駆使
して働いている。まったく対照的に、超先進的な地球とニューアヴァロンでは高度に自動化された農場や食肉培養槽、水耕栽培施設や
その他の食料生産業務に従事している労働力は[人口の]0.1%未満に過ぎない。

　旅行パンフレットには逆のことが書いてあるが、70億人が住むニューアヴァロンのように大規模な人口を持ち、大量の食料品輸出で
有名な（ニューアヴァロンは隣接する五つの星系で数百万人に食料を供給している）惑星であっても、その地表が実際に農地で覆われ
ているわけではない。このような田園世界を訪れた旅行者はそういった光景の代わりに延々と連なる郊外の景観や、そびえ立つ都市の
中心部と公園を見ることになる。一般的に、ある世界の総地表面積において常に農地として使われているのはほんの一部に過ぎないが、
その農地は耕作可能な[良条件の]土地の大半を占めているかもしれない。例として、間違いなく田園世界といえる地球では、耕作可能
な土地は陸地面積の1/6未満であり、たった数パーセントがそれ以外の全てを養っている。

　また田園世界は浄化された水を豊富に使えることでも有名だ。典型的な住民は公共の噴水などには目もくれず[ありふれているので]、
定期的に公共または個人用のプールに通うのを楽しみ、住居には水洗トイレがあり、毎日風呂に浸かるのである。

　【標準（平均的）世界】：中心領域の標準世界と氏族本拠地で最も快適な世界（農業依存度CとD）は、田園世界よりもはるかに一般
的である。この分類の惑星は食料生産に関して、汚染された水や[人類には]快適でない極端な気温、赤色矮星との公転同期、現地土中
の生化学物質やその他の環境問題などが問題となり、ただ種を撒けば作物が生長してくれるわけではないのが特徴になっている。

　これらの世界では、（同じレベルの技術洗練度の田園世界と比べて）農業に投入する経済や労働力の割合が大きいことが多い。この
主な理由は全ての食物を汚染された土壌や水から隔離した温室で栽培しなければならないことや、極端な気候のため農業が惑星のごく
狭い地域でしか行えないためである。[そのような土地では]『高層型農業ビル』などのような、露地農業よりも高価な代替手段を使わ
ざるをえず、それらは建築や維持に費用がかかる上に、光源や環境制御に多くのエネルギーを要求する。これらの世界では効率性の観
点から最も容易に栽培できる少数の食料品を重視する傾向があり、これは一般市民の手に入る食料の品揃えがそれほど多くないことを
意味する。農業レベルの低下と連動して食事に含まれる肉も減っていく。最初に放牧される動物が消滅し、それから『工場生産の鶏』
や養殖の魚、（先進的な世界の場合は）培養肉などが消えていく。一般人が肉を食べる機会は週に一度か祝日の食事ぐらいに限られる。