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スタッカート!

805名無しのAA書きさん:2019/08/28(水) 11:39:16
他にJOJO四部の数字を使ったエピソードに41巻「ぼくは宇宙人」というのがあります。

このお話はジョウノスケ(乃介!)が何でも変身できる宇宙人を使って、イカサマをして、3万円を岸部露伴からせしめようとする。
せこい始まり方をします。

そのイカサマギャンブル自体、3つのサイコロを合わせた数字によるチンチロリンですし、
宇宙人を使ったわりにはその出目(数字)をごまかすという賭博場では常識的に行われている(と信じられている)ふつーのイカサマです。

漫画家岸部露伴だったら、宇宙人へのインタビューだけでそれくらい貰えそうなものですけれど、そうするところが実にジョウノスケ様らしいです。

そこからイカサマ疑惑が始まって、露伴がイカサマを見破れるかというこの物語の真のギャンブルに話は移り、掛け金も200万円と何十倍にも飛躍します。

ここでラッキーとか稼げたと思ってしまったらジョウノスケ殿は主人公失格になるし、そこで罪の意識にさいなまれたら詰まらない人になってしまいますが、
びびりつつも潜り抜けようとする心理を実に丹念に描写することで、物語に動を与えます。

正にちょろっと放火しようとして、街が全焼するかもしれない的な、そこらへんのスリルと人間らしい葛藤。

そんでオチは正に露伴家が燃えてしまい、露伴は大金を損をして、でも本人は
「たかが家を焼けてるぐらいどうでもいい! それよりも仗助(ジョーの介)のイカサマを見抜くことが大切だッ!」と、
ここら辺のセリフ回しやキャラの在り方の面白さ。
仗助さんも多分、一円も儲けないで終わってます。


岸部露伴の家―半焼700万円の損害
仗助―別に損はしていないが露伴からの恨みをますます根深いものにした


岸辺露伴は登場シーン(34巻)でこう言います。
「ぼくは人間関係が嫌でマンガ家という仕事を選んだんだ……アシスタントを雇うという気苦労の方がつらいよ」
「この岸辺露伴が金やちやほやされる為にマンガを描いていると思っていたのかァーッ!!」
35巻「仗助と億安には今のところ興味はない……」

600万円を犠牲にして仗助への恨みを手に入れた露伴は幸せだったのかもしれない。
取材や好奇心旺盛な彼にとって、人への情というのは手に入らなかったもので、
そこははじめは体験をスタンド能力で搾取していた幸一と親友らしい関係を手に入れることで、満たされていくが。

仗助の場合も、ちょっと屈折しながらも、その過程が描かれる。

その恨みという情がその深さのまま別の何かに変わるのが、次回のエピソード「ハイウェイスター」(時限70キロ)



そのお金への執着を持ちながら、むしろそれを通して情や交友を深めていく、ジョウノスケのパーソナルはすごく面白いし、
それはエンディングでも象徴的に使われる。

仗助に見た「黄金の精神」を語るジョナサン。
次の瞬間、仗助がジョナサンから財布をかっぱらう様に盗んじゃう。
丈太郎「黄金の精神を持ってるってセリフ……撤回するかい? じじい」
ジョウノスケ「元気でなぁ〜〜ッ!」

何も言わず、だけど穏やかな眼でジョウノスケを見つめる二人。
ここで語られなくてもわかるのは、それまでの宝くじ、サイコロをはじめとしたそれまでのエピソードの積み重ねで、
こういうやつなんだって読者は分かっているから。またそれを丈太郎が知っているのが、微笑ましくて、理解者がいることが嬉しいから。

凄惨な凄惨な事件の後に、ここまで温かく優しく終わらせれるのが、ジョウノスケというキャラの魅力だと思う。
(思ってんなら名前間違えるな!)




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