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スタッカート!

504名無しのAA書きさん:2019/01/06(日) 18:51:01

◇まだ味わいきれない。

これは自分が初読みしたのは二十代で、その時の印象は余り良いものではなかった。
エピソードが散乱していて、語り手の視点も多すぎて、印象が散漫になっている。
物語終盤に肉薄した叫びがある筈なのに、それが肉々しく語られていない。
と。

きっと「月の砂漠をさばさばと」からの落差もあったのだろう。

ただ、十年くらいたった今だと、なんか浸みるように入って来るその余韻や、何気なく通り過ぎて行ってたエピソードの楽しさとかが分かった気がする。
視点が、多くの人物から語られるのも、今では、広い川を描いて、その岸辺の様々なところに人を置いて、そのかすかな確かな結びつきや川に流れる舟を描いているんだなって。

別離を題材にした作品で、男と女にだけ視点を絞った作品ってあって、そこには凄い情の轟きやウネリがあるのだけど、
最近はそういう作品の自己陶酔感やドラマにも近い嘘っぽさ、狭さ、とか否定的な面が何か自分の感性にくすぶるようになり、だから純粋に感動できなくなってきたような。
(ぶっちゃけます。「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」には感動できない。もうこんなん受け付けない感性になってしまったんだ)
ただ、反面、それはこういう「ひとがた流し」のような作品が好きになっていくような、共鳴していくような。
それが嬉しい。

結局は好みが変わったってことで、そこには感性が鈍るというマイナス側面もあるのだけど、作中の主人公の年齢に近づくにつれ、この作品をもっと味わえる人になりたいと思う。




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