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スタッカート!

364名無しのAA書きさん:2018/06/21(木) 09:44:29
ヨコハマ買い出し紀行

◇時

この時代設定は、ロボットがいる近未来。
の筈が、何処か昭和の雰囲気がする。

これがマイナスじゃなくて、一つの世界になっているんです。
デジカメとか今からすると古いところもあれば、地球を周回する翼機と言った近未来のところもあって。
この古くて新しい感じが描くところは、夜と言う終わりの時代がひたひたと迫りつつ、だけどまどろむように続く黄昏の時。


お祭りのようだった 世の中が
ゆっくりとおちついてきた あのころのこと
のちに夕凪の時代と呼ばれるてろてろの時間
つかの間のひととき

ご案内しましょう 夜が来る前に
まだあったかいコンクリートにすわって


◇再読性

最初の方の物語は、まったりと明るいテイストなんです。
子供のタカヒロとマッキがお姉さんのアルファと遊んでいて、それをお爺さんが見守るという。
長閑な田舎テイストも手伝って。

その話が動くのが、台風の晩。

そこから空間的に動いていって、ふと気づくと、子供の二人は青年に、大人になっていって。お爺さんは老いていって。その時は戻らないで進んでいく。
寂しくなって、切なくなっていく。
巻数が進み、終わりが近づいてくると、妙に胸がこう、しんしんとしたものに浸されていく。

よちよちと道を辿っていた子供二人が、成長していって、育っていって、それぞれの生き方を決めていく。
それは喜ばしいことで、成長物語となっているのだけど。
心地よい場所を巣立っていくのを見送る、二人にとってその思い出になっていく場所にずっと居続ける主人公の視点が、なんとも沁みる。

物語として救いになっているのが、第132話「見て、歩き、喜ぶ者」のワンエピソード。
これがあるかどうかで、随分と全体の後味が変わったかなと思う。なにも、大きなイベントは起きないのだけど。

これは、一読目は、のほほんと読んで、何も考えないで空気のように通り過ぎていく感じで読み進めれるし、それがうん、なんというか心地いい読み方な気がする。
でも一読して、終わりにするのは勿体ない。
ふと思い出したときにもう一度ひっぱりだして、ぱらぱらぱらーっとめくってみると、また何とも違った味わいが出てくる。




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