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ガンバレ!OB 2

3負けじ魂★:2019/10/05(土) 16:17:19
続き

このフェニックスリーグで小谷野さんは目覚ましい活躍を見せ、翌年の契約を勝ちとる。「吐きながらでも野球ができる」という新境地に達していた。
「吐こうが今日も野球ができるなら、『勝った』と思っていました。いつ不安に襲われるかわからないですけど、『これは不安でドキドキしてるんじゃなくて、ワクワクしているんだ』とか、前向きな言葉に置き換えるようにしました」
試合中にダッグアウト裏のトイレで吐く小谷野さんの姿が、チーム内では日常的な光景になっていった。吐くことがわかっているから試合前に食事をとることはなく、口から出るのは胃液ばかり。時にはのどが切れて血が出ることもあった。だが、小谷野さんにとっては「吐くことがルーティン」と、特別なことではなくなった。

「僕はもともと弱い部分を人に見せたくない、完璧でいたいという人間でした。でも、この病気になって自分の恥ずかしい部分、弱い部分を見せられる人間のほうが魅力的だと感じるようになったんです」
2010年には全144試合に出場し、打点王に輝く。その後、2018年まで現役生活を続けた。現役時代の通算成績は打率2割6分4厘、打点566、本塁打71。寮の部屋に引きこもっていた時代を思えば、望外の成功である。
「僕は克服したと思われがちですけど、今も闘っているので。でも、うまく付き合っていければ逆に個性だと思えるようになると伝えたいんです」

『アスリート特有の難しさがある』

スポーツ神経精神医学を研究する精神科医の内田直さん(早稲田大名誉教授/すなおクリニック院長)は、パニック障害が起きる原因について「はっきりとした原因はわかっていない」と語る。
「背景に極度の不安があることは確かですが、スポーツ選手のように慢性的に勝利へのストレスを抱えているから発症するというわけでもありません。なんらかの生物学的体質という素因に極度の不安が加わったとき、精神疾患に罹患する可能性があります」
内田さんによると、アスリートのパニック障害の治療には特有の難しさがあるという。
「アスリートは肉体的にも精神的にも強くあらねばならないという気持ちが強いために、通院や治療をしないことが多いんです。多くのアスリートは病院に行かず我慢して、放置してしまう。小谷野さんは周囲の理解もあって、選手として活躍できたのは素晴らしいことです。でも、パニック障害に罹患しながら通院しない多くのアスリートは、回復できていないのが現実です」

パニック障害の治療には、抗不安薬などの投薬や認知行動療法が有効とされる。認知行動療法とは、パニック発作を起こしうる場面に少しずつ慣れていき改善していく療法などのこと。小谷野さんで言えば、フェニックス・リーグで試合に出場したことが結果的に認知行動療法になったのかもしれない。
アスリートの中にはドーピング検査に引っかかることを恐れて、薬を服用しない人もいる。実は小谷野さんもそうだった。内田さんが説明する。
「パニック障害の薬が『ドーピングに引っかかる』というのは大きな誤解です。毎年WADA(世界アンチ・ドーピング機構)が禁止薬物のリストを公表していますが、精神疾患の薬のほとんどはそのリストに入っていません。治療すれば競技復帰できる可能性があるアスリートはたくさんいるはずで、もったいない」
2002年には日本スポーツ精神医学会が発足。同学会は所属医師のリストをホームページで公開している。


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