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おもらし千夜一夜4

609事例15「黒蜜 真弓」とコーヒー班。1:2018/09/29(土) 23:24:50
「うちのクラスはメイドアンド男装執事喫茶かー」

まゆが腕を伸ばし背伸びをしながら言葉を漏らす。
酷い喫茶店……一年からするレベルのものじゃないと思う。

此処の文化祭は一年だけがある程度出し物を制限される仕組みになっていて
教室系の出し物、舞台出し物、出店系ではない教室で行う飲食系の3種類から選ばなければならない。
当然、出し物には人気不人気があるので平和的解決の為に優先的に選べる権利というものがあって
クラス代表、つまりクラス委員長がその権利を掛けてじゃんけんをすることになっている。
正直に言えば舞台とかは勘弁願いたかったので、勝ちたいという気持ちでじゃんけんに挑んだ結果、意図せず『聞こえた』わけで。

――……『聞こえた』んだから、まぁそりゃ勝ちに行くけど。……だけど――

「……ただの喫茶店のはずが…主にまゆと檜山さんのせいでメイド喫茶に……」

ちなみに男装執事を付け加えたのは文城先生で、一部の声の大きい数名がそれに賛同して決定してしまった。

「やっぱ、あやりんはメイド? あーでも、銀髪長髪の執事も似合いそうな気がするねぇ」

「両方着ましょう! 両方見たいです!」

正直どっちも嫌だ。そういう趣味はない。
出来れば裏でコーヒーとか軽食用意とかしていたい。
……でもそれじゃ良い『声』で入店してくる人が無理してコーヒー飲んで友達と会話……みたいな尊い姿は拝めないないわけだけど。

「まぁ、とりあえず始めない? 飲み比べてって言われただけあって、結構種類あるみたいだし、ゆっくりしてたら終わんないよ」

そう口にしたのは調理室の椅子に真っ先に座った瑞希。
まゆはその言葉に「そだねー」と同調した様子で椅子に座り、弥生ちゃんも続くように座る。


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