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*ヴァンパイアモノ小説*

15春巻きp ◆HbpyZQvaMk:2014/02/19(水) 08:50:15 HOST:softbank126005114002.bbtec.net
【交わる輪廻の物語(eriro-gu)】ー2ー月華と零連のリンネ

「お父‥‥‥様‥‥‥」

そう、彼が見る先には零連の父ーヴァンパイアの王・美鈴月華がいたのだ。彼は「おぉ」と声を上げると山積みになった人の亡骸から飛び降りて、零連を抱きしめる。だが、零連はその山積みになっ『人』の中に仲間達がいるのを見て絶句した。

「お前が家を出て100年近くたったよの、もうすぐお前は俺の後をつぐんだ。こんなお遊びなどやめて、父とあちらの世界へ戻ろう」

零連は、父の言葉など耳に入っていなかった。むしろ、父に対して憎しみの念が湧いていた。 

「(これは遊びなんかじゃなかった、本気でやっていた事だった。ヴァンパイアの撲滅ーヴァンパイアが居るからこそ人間の立場が危うい、このままではヴァンパイアの方が人間の数よりうわまってしまう。それに何より自分自身の存在が許せなかった、ヴァンパイアと人間とのハーフー中途半端な存在ーヴァンパイアの忌み子全部が嫌で、あの世界から抜け出してきた。そして、宛もなく彷徨っていた俺を心良く受け入れてくれたのはー黒神・大塚・魅織・閻魔だった。それをーそれを‥‥‥)」

拳をぎゅっと力強く握ると同時に莫大なエネルギーが体から放たれる。ヴァンパイアとして君臨する事を選んだのだ、撲滅する為に。

「おぉ、やっと君臨するに決めたか」

「えぇ‥‥ヴァンパイアを撲滅する為の王に君臨しました!」

零連は勢いよく父を押し倒すと、心臓を抉りだそうと手の内に巨大な大鎌を作り振り上げる。が、それも虚しく父の加速(ヘイスト)により呆気なく立場を逆転されていた。

「お前をこんなにもしてしまったのはやはり『あいつら』の存在のせいなのか?あぁ、やはり抹消しておくべきだったな」

月華は低くそう呟くと背中から二つの巨大な黒い翼を生やし、黒神・大塚・魅織・閻魔の体を貫いて粉々にしてしまった。死んでしまった死体からは声も発される事はなく、ただただ粉々になっていくだけだった。

「うっ‥‥あ‥‥うああぁぁぁぁぁぁぁああああぁあぁぁあーーーー!!!!!!」

零連は『仲間』を殺された憎しみに我を忘れ、父の背に向かって大鎌を振り上げた。だが、振り下ろす前に体が硬直してしまう。足元を見ると、父の『影』が自分の足を捉えていた。

「可哀想にな、零連。涙もかれおって‥‥さ、帰ろう。こんな所に長居は無用だー愛しい我が息子、そして‥‥姫君」

涙がー出ていない?零連はそっと自分の頬をさわる、確かに涙は出ていなかった。そのかわりにただ恍惚とした笑が浮かんでいた仲間が死んだのに、自分は涙を流さずただ恍惚とした笑を浮かべていたのだ。もうーこうなったらどうでもよかった、仲間を殺されあまつさえ仲間を殺されたと言うのに涙は流れず恍惚とした笑を浮かべているだけーこうなれば確実に自分は闇の世界へと行くしかなかった。零連は父に手をとられ、闇へと消えて行くーその時に男も辛い記憶を閉ざすために女へと変わっていたー。

ーーーーーーーー悠姫&成瀬ーーーーーーーーー

《ヴァンパイア狩人が全滅》

「なっ、どういう事だ!?」

《原因は零連・その父ー月華にあり》

「月華って‥‥‥この世界の王じゃないですか!」

「ーー!?って事は零連は月華の‥‥息子?」

《零連は息子でも娘でもないー生まれ持って男性の体と心・女性の体と心を持つ二重人格両性体》

「「ーーー!」」

二人の間のばらばらだったピースが今ーカチリと音を立てて繋がった。


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