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負ケ戌共 −マケイヌドモ−

8ムツ:2013/01/02(水) 14:02:04 HOST:softbank220024115211.bbtec.net

 負ケ戌共 −マケイヌドモ− 【七】

 
 『ダンッ…―――!!』
 清玄の刀が少年の頭部に直撃する、その寸前。少年は鋼獅郎と偉三郎の刀を這いのけ、そのまま空中に飛んだ。
 少年は空中で体制を整えて、刀を一本鞘にしまう。
 手に持った一本の刀を両手で強く握り締めると、地面に着地しそのまま鋼獅郎に襲いかかった。
 また『ギィィンッ!!』というひどい音が響くが、今度は鋼獅郎と少年の刀ではなく、鋼獅郎を庇ってかざされた清玄の刀と少年の刀。
 「……ッゥ―――…。貴様只者ではないな………ッ!……一体何者だ………!?」
 そう言うと清玄は刀を振るい少年と距離を置く。
 『ザザザァッ!!』
 音を立てて少年が離れると、三人は一箇所に固まる。
 スっと低い腰を起こして、少年は三人を睨む。何か言いたげな顔つきをしているが、その口は開くことさえない。
 (……あの身の乗りこなし…。あの野郎只者じゃねぇ……一体どんな鍛錬をしてんだ……ッ!?)
 額に汗がたれ流れるのを感じる。今まで、五万という悪たれ共を相手にしてきたが、こんな悪たれは見たことがない。
 世界の広さに、鋼獅郎は只々苦笑するしかなかった。
 『…………………………』
 その場に沈黙が走る。風もやみ、静かなその場には何の音も香りもない。
 「…フゥ―――――…」
 来るのか。少年は深く息を吐き捨てる。三人は腰を少しかがめ刀を握り直す。だが、
 『ドンッ!!』
 少年は何をするでもなく、ただ息を荒々しくさせてその場に勢いよく倒れこんだ。


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