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負ケ戌共 −マケイヌドモ−

7ムツ:2013/01/02(水) 13:17:35 HOST:softbank220024115211.bbtec.net

 負ケ戌共 −マケイヌドモ− 【六】


 木と木を通り過ぎる風の音だけがその場に立ち込める。
 カチャンッ…。少年がゆっくり一本の刀の柄に手を添え、スゥ――と鞘から引き出す。
 三人はそれぞれに自分の刀の柄を力強く握り、構え直す。
 少年の髪が風に流され、両目が見えたかと思うと――
 『…!!?』
 ――少年は、一秒と数える間も無くその場から消えた。
 鋼獅郎が気付くと、少年はいつの間にか自分の後ろに身をかがめて刀を構えていた。鋼獅郎の後ろにいる、清玄、偉三郎の二名も少年には気付いていなかった様子で、一瞬で自分たちの足元にいる少年に刀を振り下ろすこともできなかった。
 少年は素早く刀の柄尻に手を添えそのまま、上に引き上げた――…
 『――……ギィィンッ!!』
 鋼獅郎は即座に刀を背に向け、少年の一撃を防ぐ。「……テメッ――」ハッと我に帰った偉三郎は刀を少年の頭に向かって振り下ろす。手加減として刃を逆にして振り下ろしている。死なせないつもりなのだ。っが――
 『ガギィィンッ!!』
 素早く、もう一本の刀を引き抜き頭の上にかざしてその攻撃さえもあっさり防ぐ少年。今でも二対一だというのに、全く遅れをとっていない。だが、鋼獅郎たちは二人ではなく‘三人’。
 「油断をするなっ…――!!」
 清玄はそう言って刀の刃を逆にし、もう一度少年の頭めがけて振り落とした――。


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