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負ケ戌共 −マケイヌドモ−

5ムツ:2013/01/01(火) 23:25:04 HOST:softbank220024115211.bbtec.net

 負ケ戌共 −マケイヌドモ− 【四】

 
 三人は大半の事情を聴き終えると、すぐに村長の家の近くにある山に脚を運んだ。
 まだ昼。今すぐにでもその少年を見つけて、しっぺ返すつもりなのだ。
 「……しかし…」
 森の中腹ほどにまで来たところで、清玄は口を開いた。「ん?どうした…?」と聞き返す鋼獅郎に、少し恐縮しながらも続ける清玄。
 「…次期村長を殺めた時…。なぜ、今の村長も殺めなかったのかと思いまして……。…若もそこに引っかかりはしませんでしたか?」
 清玄の言うとおり、鋼獅郎もそこには引っかかった。だが、名付けた者に恨みがあるなら今の村長に何の恨みもないだろう。
 「…っま……」
 足元に倒れているコケの生えた巨木をジャンプしながら通り越す鋼獅郎。
 「…詳しいことは、その‘負け戌’本人様に聞けばいいじゃねぇか……。…………丁度…」
 途中まで足を進めたところで、幸獅郎は足を止め、腰に下げられた刀の柄に手を置いた。
 「本人のご登場みたいらしいしな……」
 清玄、偉三郎も鋼獅郎の目線方向を見て刀の柄を握った。
 ボロく今にも崩れそうな神社に背を預けて座っている、四本の刀を肩に立て掛けさせた、白い長髪のまるで死んでいるように光の無くなった瞳。
 誰の物かもわからない血のついた黒い着物。白い肌にたれ流れている紅蓮色の血。
 ――…間違えない……――
 「テメェが……――」
 ――負け戌…っかぁ……


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