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負ケ戌共 −マケイヌドモ−

26ムツ:2013/01/03(木) 20:42:36 HOST:softbank220024115211.bbtec.net

 負ケ戌共 −マケイヌドモ− 【二十三】


 「…えぇー……コイツァ…今回の依頼で知りあった…奴だ……。腕は確かだからよ……まァ、人間恐怖症だから、近寄ると俺みたいに吹っ飛ばされるから気を付けろぉ〜……」
 笑いながら言っているが、その目には涙が溜まっている。
 「ゴメンナサイ…ホントウ、ゴメンナサイ………モウ、ホントウ、ゴメンナサイ……ナゲトバシテ、ホントウニ、ゴメンナサイ………」
 その横で、少年は手に顔をうずめて囁いている。白髪の髪が上下に揺れているのが何だか可笑しい。
 「っで。ソイツァ、名前なんて言うですか?」
 突発的にそんな質問が発言された。まぁ、来るだろうと鋼獅郎は考えていた。
 少年が手と手の間から目を覗かせて、戸惑ったような顔をしていると鋼獅郎が笑いながら口を開いた。
 「東(ひがし)と書いて、東(あずま)だ。皆仲良くしてやってくれよ!」
 ……っえ?
 初耳だ。名前なんて一度も呼ばれたことがない少年が驚きのあまり口を少し開けながら隣の若頭を見つめる。
 「………あの一体……」
 「良いんだよ、別に。お前を拾ったのは俺なんだから別にいじゃねぇか、名前つけるくらい!ほら、皆稽古戻れっ!!」
 驚く少年だったが鋼獅郎の気軽さに押されてか、そのまま口ごもってしまった。
 ……‘東’…それが自分に付けられた自分の名前。そう思うと、嬉しくてつい笑みが溢れてしまった。


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