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負ケ戌共 −マケイヌドモ−

2ムツ:2013/01/01(火) 21:09:49 HOST:softbank220024115211.bbtec.net

 負ケ戌共 −マケイヌドモ− 【壱】

 
 とある村に‘負け戌’と蔑まされた化け物少年が存在した。
 名を捨て、瞳から輝きを失い、心を無くしたその少年は村の者から、‘負け戌’と呼ばれていた。
 その名は、全てに負け人生を生きて終えたことを表している。
 「………ふ〜ん…。…っで、そいつがこの村にいんのか?」
 とある晴れた日。時代さえにも名が無かったほど昔。
 ある村に三人の侍が訪れていた。
 その三人は村の一服屋に立ち寄り、団子を頬張りながら店の娘に話を聞いていた。
 「はい……。男が集まっても手が付けられない不良者でして…村人全員困っております……」
 茶色と黒が混じった長い髪を三つ編みにしている男に困った顔つきで娘は告げた。
 「ふぅ〜ん……じゃぁ、俺らが呼ばれたのはそいつのお守りってことなのかな……」
 「…ですが若。行ってみないと分かりませんよ…。一服はしまいにして早く参りましょう…」
 一服屋の外椅子に腰掛けていた三人の内の一人が立ち上がり、三つ編みの男に話しかける。
 「あぁ……。おぉ〜い、偉三郎(いさぶろう)そろそろ行くぞぉ……」
 「らってくらさい。あとすこしれたへおわるんれ…!!!(待って下さい。あと少しで食べ終わるんで…!!」
 「偉三郎ッ…!愚言を放つ時間があるならば、さっさと勘定(かんじょう)だけ置いて行くぞ……!」
 先に立ち上がった、黒い短髪の男はまだ椅子に座って団子を食いほおる男に怒鳴った。
 「……ゴクン!…御馳走様でしたっ!」
 「よし、もう行くぞ…。姉ちゃん。勘定ここに置いてくからなぁ…」
 三つ編み男は立ち上がると、そう言って自分が座っていた所に六枚ほどの環(かん)をおいて前の道に進み始めた。


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