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負ケ戌共 −マケイヌドモ−

18ムツ:2013/01/03(木) 14:36:22 HOST:softbank220024115211.bbtec.net

 負ケ戌共 −マケイヌドモ− 【十七】


 偉三郎が吹き飛ばされて壊れてしまった宿の麩は後にして…
 鋼獅郎は自分の後ろに清玄と偉三郎を座らせ、目の前に頑張って自分で自分の体に包帯を巻く少年を座らせた。この座り方の方が何かと便利なのだ。
 「…………ぁ〜……っで、何か用でもあるんですか、お兄さん?」
 もう体に包帯を巻くのがめんどくさくなったので、途中でやめると少年は鋼獅郎と向き合った。
 「……テメェに二つ聞きたいことがある。まず一つ。テメェは、これからも意味無くその人斬り包丁を持ってるつもりか…?」
 胡座をかいて頬杖をした状態で座りながら聞くと、少年は自分の横に置いてある刀に目を落とした。
 「………………これは僕が物心着いた時から身に付けてる必需品だ…。捨てられないよ……」
 少年の真面目な物言いに鋼獅郎は微笑みながら「そうか…」と呟いた。
 「…んじゃ、二つ目……」
 鋼獅郎の顔が楽しそうな笑顔になる。
 「俺たちと一緒に、俺たちを待ってる亰(みやこ)に行かねぇか?」
 鋼獅郎の嘲笑うような顔つきに、少年の目が見開かれる。「何で…――」
 「今回の一件で、テメェの才能にゃぁ感服した。そして何より、テメェは村長を殺さなかった。………俺はそんなテメェと一緒に歩んでみたい。どうだ?乗る気はねぇか?」
 少年は考えた。
 そして、その間。少年の頭には昨日の光景が浮かんでいた。


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