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負ケ戌共 −マケイヌドモ−
16
:
ムツ
:2013/01/02(水) 22:12:13 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
負ケ戌共 −マケイヌドモ− 【十五】
月明かりが優しく輝くさなか、村の村長家で鋼と鋼がこすり合う音が高々しく響いた。
荒々しい息遣いと、人を切り裂く無残な音が生々しくその家に立ち込める。
「お兄さんよぉぉぉ!!!!?」
襲いかかってくる男たちを振り払いながら少年は叫んだ。「あぁ゛!?」荒い息のままぶっきらぼうに返す。
「人ってもんは、どうしてこうなのかなぁ!!!?」
左右前後から男が少年向かって襲いかかってくる。それをしゃがんで避ける。同士打ちのように四人がそれぞれの刀に刺され倒れる。その四人をすり抜けて、少年は立ち上がる。
「浴に駆られて、人を殺して、それを他人のせいにして…!!!?……何でそんな…――」
――メンドクサイ生き物なのかな!!?
襲いかかってくる男の刀をよけて、そのまま背を切って鋼獅郎は「知らねぇ!!」と激怒するように言い返した。
「童(わっぱ)ぁぁ!!我々の人生とは大体そんな物だろう?!!」
一人の男の腹に刀を突き刺し、返り血を浴びながら清玄は嘲笑う。
「何が‘負け戌’だドンチキショォォォ!!俺ら人間生きてりゃぁ、‘負け戌’だっつぅの!!そんなの今更恥じたトコロで意味ないじゃん!!!」
男たちの足に切り込みを入れて偉三郎が叫ぶ。そして偉三郎のその言い分に『同感だぁ!!』と三人の声が重なった。
最後に怯えきった村長と鋼獅郎ら、そして少年だけが立つという結果になると、四人は息を上げて一人ただずむ村長を睨んだ。「許してくれぇ!」と許しを請う村長に少年は刀を振り上げた。
『ズザァァァァンッ!!!』
その音が響くと明るくその村を照らしていた月が薄暗い雲に覆われていった。
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