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負ケ戌共 −マケイヌドモ−

14ムツ:2013/01/02(水) 18:22:01 HOST:softbank220024115211.bbtec.net

 負ケ戌共 −マケイヌドモ− 【十三】


 目を開けて周りを見ると、そこは黒一色の地味な世界だった。
 一体此処はどこなのか。何度もそう考えていたが、頭がクラクラして思考が回らない。
 少年は、どうしてこうなったのか必死に思い出そうとした。
 確か、鋼獅郎らの宿から抜け出して、外で月を眺めていたら、誰かに首を叩かれて―――…そこまでしか思い出せない。
 そして、何より。今の状況は何だ?
 両手両足を丈夫な枷で拘束され、周りには人っ子一人いない。ガチャガチャと枷を鳴らして必死に外そうとするが、全然外れる気がしない。何より頭が変なふうにクラクラして、上手く力が入らない。
 (ここは一体……。…僕はどうしたんだ………?)
 少年がそんなことを考えていると、その部屋の麩が開き一人の小太り男が入ってきた。この村の村長だ。
 「やっと、お目覚めですか?‘負け戌’殿よぉ〜…」
 村長は後ろに数人の男を連れて部屋の中に入ってきた。不気味な笑で嫌味の様な事を抜かす村長を少年は必死に睨んだ。
 「誰だお前……!」少年がクラクラする頭を上げて問うと、村長の後ろにいた男たちが腰の刀を持って少年の周りに固まった。
 「……!!!?」
 「悪いねェ…。…‘負け戌’殿……。君には、次期村長候補の殺害犯を被ってもらわなくては……」
 村長のその言い分に、少年は理解した。こいつが、その次期村長候補を殺したんだと。
 「……ッフ…………」
 ―― 殺れ……。
 村長がそう言った瞬間、少年の周りに集まった男たちが全員、刀を少年向かって振り落とした。


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