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負ケ戌共 −マケイヌドモ−

13ムツ:2013/01/02(水) 17:27:14 HOST:softbank220024115211.bbtec.net

 負ケ戌共 −マケイヌドモ− 【十二】


 「…ヨシ、決定ッ!もう変えないからなッ!絶対変えないからなッ!これ決定だからなッ!変えようとか思ったら死刑だからなッ!良いよなッ!」
 少年のいない、その部屋に鋼獅郎の子供みたいな言い分が広がる。
 立ち上がった鋼獅郎の足元で、清玄と偉三郎は腕組をしながら「男に二言はないッ!」というような顔で鋼獅郎を見る。鋼獅郎は勝ち誇ったような顔で振り返り誰もいないところに指さす。
 「良いか、少年!テメェは今日から……って、あれ…?」
 ヨクヨク見ると(ヨク見なくても)自分が笑顔で話していた相手は一体どこにいるのか。鋼獅郎の指を指している先にはただ壁があるだけで誰もいない。
 「………………………」
 沈黙だけがその場を包んだ。自分は壁に話して壁に恥さらしたってか…?そう思うと、悲しいんだか虚しいんだかよくわからない感情が心を埋める。
 「……あ…あの………。わ……若…?……あの童(わっぱ)………いません……けど……」
 清玄が戸惑いを隠せない口調で訪ねるが、返答はない。偉三郎も清玄と同じような感情らしく、顔に冷や汗を浮かべて「ど、ど、ど、ど、どこに行ったんすかねェ〜…?!あの牙鬼!」と気を紛らわそうとした。
 「…………………清玄…偉三郎………」
 『ハイッ!?』二人は半分泣きかけだった。ヤバイ。何がヤバイかと言うと…。鋼獅郎は、人が頑張ってるところでその苦労も知らずどこぞに行く奴が許せないのだ。
 「…………あの、‘負け戌’って…―――……何回ブン殴ったら血反吐履くかなぁ〜……?」
 鋼獅郎は顔だけを二人に向け、不気味の三言がピッタリの笑みを浮かべるのだった。


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