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coin―裏と表の世界―

9辰魅:2012/12/25(火) 15:48:31 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
〝coin―裏と表の世界― 第一話 七〟


 渋谷は黒い短髪を日光に反射させながら、野次馬の来ているビルに脚を運んだ。
 そこは今回の事件「男性絞殺事件」の現場となったビルだ。
 
 朝。ビルの前をランニングしていた女性が、その駐車場で倒れている男を発見。声をかけても返事をしないことから警察と救急車に連絡。しかしその時はもう息をしていなかったらしい――

 「――…チワァ〜」
 渋谷は駐車場の柱に掛けられた黄色のテープをくぐり抜けて中に入る。
 「お疲れ様です…」
 「ドツカれさん。…害者は?」
 「ハイ。…害者は北見 幸樹(キタミ コウキ)24歳。朝、ここをランニングしていた女性に倒れているところを――」
 「あぁぁぁあ〜…。そう言うのイイから、そう言うの……。凶器は?」
 渋谷は整った顔立ちを一切変えず、征服を着た警察に淡々と話しかける。そうこう喋っている間に、被害者、北見 幸樹が倒れていたと思われる場所に到着した。足元には白いテープで形取られた人の形がある。
 「…あの、凶器は縄のような紐じょうの物と推定されています…」
 「推定ってことは見つかってない訳ね…。っで、害者誰?」
 「………イヤ、あのですから。北見…」
 「そうじゃなくて、そうじゃなくて…。何やってる人ってこと……。解かる?つか解かってるの?」
 制服を着た警察は少し恐縮しながら頭を下げる。
 「……えぇ〜。確か…」
 「北見 幸樹24歳。コンビニ店でバイト中。高卒後すぐに製品工場に就職したが、問題を起こして解雇……」
 何処からともなく低い男の声が聞こえてきて、渋谷は「フゥ〜ン…」と顎に手を当てた。そして、地面に向けられていた顔を正面に向け「今の誰?」と言った。


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