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天界の王子-Heavens of Prince-
25
:
竜野 翔太
◆026KW/ll/c
:2013/02/02(土) 09:41:06 HOST:p4092-ipbfp3303osakakita.osaka.ocn.ne.jp
デパートの向かいに建っている会社の屋上で、一人の人物がフェンスに身を乗り出すようにもたれていた。
綺麗な顔立ちに、太ももくらいまで伸びた黒髪。優しそうな紫色の瞳を持つ女性だ。
レナの親友、ハクアは大きな欠伸をしながら呟く。
「そういえば、今日レナはカイトくんとデートだっけ? いいねえ若者は」
実際にレナからは『明日カイト様とお出かけするんですー』としか言われてないが、ハクアの中では男女二人のお出かけ=デート、である。
見た目が美人であるハクアは結構異性から好意を寄せられることも多いが、彼女自身恋愛に興味がないため交際も断っている。もっとも断った理由の大半が『相手が好みじゃないから』という理由もあるようだが。
そんな中、ハクアにとって切原魁斗は特別だ。
好きというわけではない。恋愛感情なんて寄せるわけもないし、ましてや相手は年下だ。彼女の好みとしては大人っぽい男性なのだから、まだ年相応の一面がある魁斗は彼女の好みとは全くの正反対だろう。
だが、ハクアは魁斗に対して好意とは別の感情を抱いていた。
好き――というよりも興味。
天子という特別な存在で、体内には『シャイン』という謎の物質を宿し、『死を司る人形(デスパペット)』の刺客を一人退けた――。
ハクアは口元に微かな笑みを浮かべ、
「……本当に、なんなのかしらねあの子は」
言いながら目の前に建つデパートに目を移す。
その中にぼんやりとしか見えないが、見慣れた少年が目に入る。別に視力がいいわけではないから、その少年に似ているというだけかもしれない別人かもしれないのだが、その少年から僅かに魔力を感じる。間違いはなかった。
その少年は、今銀髪の女性と一緒にいるはずだが、どういうわけか彼が一緒にいるのは茶髪にカチューシャをした少女だった。
「ふぅん」
ハクアは面白そうに口の端を吊り上げる。
ただの傍観者であるハクアは、誰にというわけでもなく一人で呟いた。
「――修羅場ってやつ?」
その頃、廃ビルの屋上にて二つの影が動いている。
茶髪の大きな刀を携えた少年と、桃色の髪をポニーテールに結った少女。少女の手には、刀が握られていた。普通の形ではない、峰の中心からもう一つ刃が伸びており、切っ先が二つついている刀である。
少年の方が気だるげに溜息をついた。
「ったく、面倒くせェな」
「ちょっとー、文句言わないでよ。そっちが決めたんだから」
「わーってるよ。だから嫌とは言ってねェだろ」
「さっき嫌みたいなこと言ったじゃん!」
桃色の少女が反論する。
男は違ェよ、と呟いてから、
「面倒くせェから、とっとと済ませるぞっつー意味だ」
「ああ、ナルホド」
二人の刺客が、魁斗とレナに迫っていた。
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