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天界の王子-Heavens of Prince-
17
:
竜野 翔太
◆026KW/ll/c
:2013/01/12(土) 18:03:57 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp
第3話「舞い降りし友人」
同じ家に住んでいるので、魁斗はレナと一緒に登校することとなってしまった。幸い家が近いクラスメートや同じ学校の生徒がいないため、二人が一緒に登校しているという噂が立てられることは無いだろうが、これから先ずっと一緒に登校していたら付き合っている、という噂が立てられそうで、魁斗は少し不安になってくる。
一方で、レナはそんなことを気にしてはおらず、魁斗と一緒にいれる時間を楽しんでいるようだ。
ザンザに襲われた後でも、魁斗はまだ自分の命が狙われているということに自覚を持てない。『死を司る人形(デスパペット)』のメンバーが彼一人とは限らない。そもそも、相手は第八部隊と名乗っていた。彼以外にもメンバーがいるというのは確実だ。そして、彼より強い相手も。
いっそのこと全員で攻めて行ったほうが早く終わるだろうに、と魁斗は思っているがそれはそれで困るのも確かだ。もしそうなったら自分とレナだけで対処するのも難しい。
だったら、二、三人で攻めるのも効果的だと思う。こっちは二人しかいないのだし、せめて三人で攻めたなら、どちらか一方に二人で攻撃できるはずだ。魁斗は相手の考えが分からずに、考え込んでしまっている。
隣で考え事をしているため怖い顔になっている魁斗を見上げながら、レナは首を傾げて、
「……カイト様? どうしたんですか、怖い顔をして」
レナに声を掛けられてはっとする魁斗。
少し心配しているような表情をしているレナに、魁斗はなんでもないと返す。せめて学校に向かっている間くらいは戦いのことを考えたくはないのだ。
二人が教室に着くと、まず最初に声を掛けてきたのは叶絵だ。彼女は相も変わらずにっこりと笑って二人に挨拶をする。
「おはよう、カイトくん。レナさん」
「おう、おはようサワ」
魁斗がいう『サワ』というのは沢野叶絵のあだ名だ。中学の頃によく呼ばれていた名前らしく、魁斗も彼女のことをそう呼ぶことにしているのだ。高校生になってからは『カナちゃん』や『カナっち』といった下の名前を使ったあだ名で呼ばれている。
叶絵は魁斗の顔を覗き込むようにしながら、
「ところでカイトくん。古典の宿題やってきた?」
彼女の質問に魁斗はぎくりとする。
すっかり忘れていた。そんなのあったっけ、と誤魔化す余裕もない。授業中にやった本文の口語訳を書くという宿題だったが、文系が大の苦手な魁斗にはレベルが少し高いようだ。
ノートを広げて唸っている魁斗を見かねたのか、叶絵が溜息をついて彼の前に自分のノートを差し出す。
顔を上げる魁斗に叶絵は困ったように笑いながら、
「はい、見せてあげるから早く写して。古典は一時間目だから」
「ありがとうっ!!」
魁斗は叶絵の両手を握って、涙を流しながら感謝する。
どうやら宿題を忘れた魁斗に叶絵が見せてあげるのはいつものことのようだ。レナと叶絵は顔を見合わせると、二人同時に苦笑した。
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