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天界の王子-Heavens of Prince-
10
:
竜野 翔太
◆026KW/ll/c
:2012/12/30(日) 20:25:53 HOST:p8152-ipbfp4204osakakita.osaka.ocn.ne.jp
第2話「転校生レナ」
「痛いっ!!」
一時間目の休み時間、魁斗はレナを体育館裏に呼び出していた。彼女の突飛な行動を叱るためである。魁斗はレナの頭にチョップを振り下ろすと、レナは涙目になりながらこちらを見つめてくる。
何するんですか、とでも言いたげな表情である。
魁斗は溜息をつきながら、涙目で見つめてくるレナに対し、
「お前なにしてんだ。何で学校に来てんだよ! 天界に帰ったんじゃないのか!?」
魁斗の言葉に対し、レナは頬を膨らませながら返答する。
「帰ってません。戻っただけです」
何をしに? と魁斗が問いかける。
問いかけられたレナは、ブレザーのポケットから銀色の指輪を取り出した。何の石も埋め込まれていない、ただ模様が刻まれているだけの銀色の指輪。
これは一体なんだろう、と首を傾げる魁斗。レナは彼の心を見透かしたように、
「一つは傷の治療。向こうの薬の方が効くんです。二つ目はこれを取りに帰ってたんです。これは、『剣(つるぎ)』ですよ」
そこで、魁斗はレナから『剣(つるぎ)』のことを聞いた。
気付いたら二本の刀がブレスレットに戻っていたのはそれか、と魁斗が納得する。レナは右手の中指に銀色の指輪を嵌め込む。
彼女の視線は、魁斗の右手首に向けられる。
自分があげた『剣(つるぎ)』がないことに、気付いたレナは魁斗の肩を掴み、彼をがくんがくんと揺らしながら問い詰める。
「ど、どどどど、どういうことですか、カイト様! な、何で私があげた『剣(つるぎ)』を身に付けてないんですか!?」
魁斗は揺られながらレナに、ちゃんと持ってきている、と伝える。
本来は身に付けねば意味が無いのだが、魁斗はそういうところは気にしないらしい。今襲われても文句を言えない。
魁斗は今度からちゃんと身に付けようと心に決める。
すると、魁斗は思い出したようにレナに話題を振った。
「そういえば、お前こっちで泊まるアテとかあんのか?」
「あら、カイト様が泊めてくださるのですか?」
そういうわけじゃないけど、と魁斗は否定しておく。
まだ親にも確認を取っていないのに、いきなり姉でも妹でもない女子を住まわせるなど、とても勇気が無いと出来ない。恋人だと話は別だろうが、レナは魁斗の恋人などでもない。
レナはふふ、と上品に笑って見せて、
「大丈夫ですよ。ちゃーんと住むところは決めています」
「本当か?」
どこかレナの言葉を信用しきれていない魁斗。
信じてもらえてないレナは、本当ですよ、と魁斗に反論する。彼女は長い銀髪を自慢げに靡かせてから、
「ではご案内いたします。放課後、私が住むところに」
そこまでムキにならなくてもいいと思うのだが、と感じてしまう魁斗だが、彼女の勢いに押され断りきれなかった。
何だかレナはなんでも強引に決めてしまおうとする癖があるようだ。
魁斗は疲れたような溜息をつく。
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