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朧の光、空の青
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:
よう魔
:2012/11/30(金) 20:55:38 HOST:218.185.141.59.eo.eaccess.ne.jp
第1話
この国に存在する魔術は日本に元々あったものと、西洋からやってきたものが混じったものだと、いつか父は語っていた。
そして我が吉柳家の術は、祓うことに特化した魔術であると。
そう語った父の厳格な表情を思い出しながら――吉柳亘(きりゅうわたる)は目を覚ます。
すぐ目の前には刀があった。自分が幼いころからこの部屋に置かれている、御神刀と呼ばれるものらしいが、亘にもよくわからないし、父も母も屋敷の人間も語ろうとはしなかった。
しかし今の亘にとってこの刀は全く無関係の物ではなかった。
今日、亘はこの家の当主になる。
なんの宣告もなく、昨日の夜急遽決定されたことだ。
当然亘は訳が分からないと怒ったし、一度は父親に掴み掛ったが、周りに取り押さえられ、御神刀と対面させるように布団を敷き、そこに亘を一晩おいていったのだ。
亘は今の今まで魔術の鍛錬なんてしたことはないし、父親の仕事についても全く触れたことはない。ただこの家の生業は、何か特殊なものなのだろう、といううすぼんやりした認識だけ。それを、今更、こんな強引に。
「こんな嫌がらせみたいな場所で寝れるかよ……畜生」
この部屋に放り出された一晩中、亘は一睡もできなかった。その代り、この家を脱出する方法を考えていた。
息子に説明の一つもしないで、こんな部屋に閉じ込めるような父親も周りの人間も異常だ――今まででも薄気味悪いとは思っていたが、こうもアレな連中とは、と亘は思った。
まずはシンプルに正面突破。障子を開けようとしたが、
「……ぐっ……」
ボンドでくっついたように開かなかった。
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