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影と幻と不死の鳥
6
:
ピーチ
:2012/11/24(土) 23:41:29 HOST:EM114-51-14-145.pool.e-mobile.ne.jp
不死の鳥と幻の影
「あ……?」
「え……?」
唐突に飛んできた瓦礫を前に、霊と緋織が目を瞠った。
さすがに、この状況では霊も正気に戻っているだろう。
「あー、ちっとやりすぎたかなー」
軽く肩を回しながら歩み寄ってくる、銀色の髪を月光に靡かせた青年―――高校生か、その辺りだろう―――は、にっと笑って緋織の腕を掴んだ。そして、そのまま無造作に引き上げる。
「わっ!?」
突然のことにバランスを崩した緋織だが、何とか体勢を保って立ち上がった。
着物の裾についた土を、軽く掃う。その後で霊に向き直った。
「……アンタさァ、いきなり何? その女の知り合いなワケ?」
年上相手でも態度を変えない霊に、青年は笑って答える。
「いや、この女の子は知らないけど」
「じゃあ邪魔すンなよ。せっかくいい所まで追い詰めたのにさァ…」
その霊の言葉に、青年が笑みを引っ込めた。
「追い詰めた?」
緋織を見て、その後に霊を見た青年の表情がどこか厳しくなっていて、霊がちっと舌打ちをする。
「………まァ、今回はこれくらいで見逃してやるよ。ただ、次はねェからな?」
そう言い残し闇に姿を溶かしていった霊を見ながら、緋織が軽く嘆息した。その後で、はっと目の前に居る青年のことを思い出す。
「あ、ありがとうございます。…いきなり、すいません」
恐らく霊のことを言ったのだろう。しかし青年は全く気にした風もなく。
「いや、いーよ別に。そう言えば、君名前は?」
「…神瀬 緋織です」
「そっか、じゃあ緋織ちゃん、あの男の子は危ないんじゃない?」
青年の言葉に、緋織が訝しげに眉を寄せた。助けられたとはいえ、名乗らせておいて自分は名乗らないというのは、正直どうなのだろう。
彼女の顔にそれが出ていたのか、青年が笑いながら言った。
「あ、言い遅れたけど俺は一見一夜。よろしくな」
「…一見さん、は何でこんな夜に…」
「んー…簡単に言えば追われててさー」
青年―――一夜は明るく振舞いながら言う。
「…君さ、もし仮に絶対死なない人間が居たら、どう思う?」
「―――え?」
少女の言葉が、夜闇に木霊した。
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